【感想・ネタバレ】難解な本を読む技術のレビュー

あらすじ

フロイト、ラカン、ウィトゲンシュタイン、デリダ、ジジェク……。偉大な哲学者たちの難解な思想を、読書を通していかに自分の中に取り込み血肉化するか、その技術を紹介する。

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難解な本を読む技術
著:高田 明典
光文社新書 406

最も安価で効率的に知識を取得できる道具である「本」
本を読むための読書の技術、読むではなく、わかるためにどうすればいいのかを伝えてくれます
それも、「難解」な本を対象としているのが本書です

けっこう、論理的で、分かりやすいと思います

気になったのは以下です。

■基本的な考え方

読み方①

 同化読み:作者の方針に従って作者の主張を理解しようとする読み方
 批判読み:書いている内容が間違っているかどうかを、疑って読む、問題点を発見するための読み方

翻訳について

 原著の記述に正確であろうとするが故に、分かりにくくなっているケースがある
 自分で原著を翻訳することは、何倍もの努力と時間がかかるので、翻訳を読むことで満足したほうがいい

本の種類①

 開いている本:問いかけ、テーマを発散させる、結論が無い場合が多い
 閉じている本:ロジカル、結論に向けて論を構築している本

外部参照

 その本に説明されている内容では理解できない本、外部からの知識を必要とする本

本の種類②

 登山型:最初から順に読んでかないと、理解できない本、積み上げ型の本
 ハイキング型:ところどころに丘はあるが、概念や論理が並べて書いてある本

読書の4つの段階

 ①予備調査
 ②選書
 ③通読
 ④詳細読み

※ 読書は、速ければよいわけではない、理解することに意味がある

■準備

 ①まず本を選ぶ、人の勧めではなく、自分で本を選ぶこと、自分にとって最も好ましい本を選ぶ
 ②棚見 
   タイトルをまず見る
   気になった本は手にとって目次を見る
   さらに気に入った本は、パラパラとページをめくって、本文を眺めてみる
   いったん、全部のタイトルを見たら、もう一度最初から、タイトルを見直す
 ③棚見を繰り返していると、その分野の全体像が見えてくる
 ④その分野の全体像を、スケッチしてみる、構成図にしてみる
 ⑤興味に従って分野を細分化する
 ⑥ネットで、分野のあたりをつける、書名、人名などを検索してみる
 ⑦購入した本のリストを作る
 ⑧読むべき本を購入する
 
■一度目:通読

 読書とは、何度でも繰り返して読まなければ理解はできない
 本の地図を作る
 読書ノート(A4,80頁程度)を用意する
 読みたいときに、読みたいところを読む

 ①まず目次を見る
 ②次に解説を見る
 ③本篇を読む
  3-1:全体を通読する
  3-2;章ごとに通読、折り返して、同じ章を二度読みする
  3-3:固まりごとに自分の理解の度合いを判定、理解が不十分であれば、最初の部分にもどって再読する
 ④読書ノート:
  アウトラインを作る
  後から書き込めるように、余白を充分に取る
  雑にとる
  感じたことを、何でもメモする
  重要な単語をメモする
  概念、関係を、矢印で、図示しておく
  とりあえず、わからないところは、わからないままにしておく ⇒わからない地図を作る
 ⑤まったく分からないときは
  地図をつくる
  他の参考書、入門書などから知識をもってきて地図をつくる

■二度目:詳細読み

 難解本は、2度よんだくらいでは理解できないと腹をくくる、でも、いつか、絶対に分かる日が来ると思う

 ①読書ノートを隣において読む
 ②わからないところがあったら、立ち止まる、1つ1つを克服しながら進む
 ③問題の内容がわからない

  用語がわからなかったら、用語の説明までもどる、用語を調べる
  文がなにをいっているかわからない場合、論理関係を整理する
提起された問題の理解ができない
  ⇒対概念に着目する
  ⇒外部参照して問題を見つける
  ⇒図を描いてみる⇒作ってみて、ズレがあったら、図を作り直していく

 ④どうしてもわからなければ
  
  いったん諦める、積読、寝かす
  人に聞く、教えるを乞う

■高度な読み方

 複数の本をテーマに関連づけながら読む
 無駄な部分、不要な部分、不急な部分は読まない

 1度読んだら、見た、2度読んだら、読んだ、さらに読んで、理解が進んだら、読み込んだ という

 ①目次を見る
 ②章題、小見出しをよんでいく、重要な項目にハイライトする
 ③重要な部分は、周辺を読み込む
 ④パラパラ読みする
 ⑤テーマに関係ありそうなところを地図にする
  ⇒包括読み:読書ノートは作らず、読み捨てる読み方 ⇒入門書、概説書等が該当
 ⑥文献リストをつくる
 ⑦なぜその本をリストに入れたかをメモに残す
 ⑧系統だてて読む本を選択し、「文献リスト」をつくる
 ⑨関連する部分を読む

 著者の著作全体の地図を作る ⇒ 著者読み

 関連読み:複数の異なる分野に属する知識や思想を関連付けて読む
 並行読み:共通していると思われる概念や問題、手法が載っている本を同時並行して読んでいく

目次
はじめに
第1章 基本的な考え方
第2章 準備
第3章 本読みの方法(1) 一度目:通読
第4章 本読みの方法(2) 二度目:詳細読み
第5章 さらに高度な本読み
付録1 読書ノートの記入例
付録2 代表的難解本ガイド

ISBN:9784334035082
出版社:光文社
判型:新書
ページ数:280ページ
定価:820円(本体)
2009年05月20日第1刷発行

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2024年07月24日

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良書。
本のタイトル通り、難解な本に挑戦したい方や心が折れそうな方におすすめ。そのような本を読むためには読書ノートにメモをしながら時間をかけて読むのが大切である。本を読むだけではなく、読み終わった後に身体に染み付いているのかがいかに大切かが痛感させられた。自分の読書の仕方を再確認したい。また、第5章の「眠っている思想を生きた思想にするのが本読み」という文がかっこよかった。

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2022年05月04日

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本を読んでいるときに感じることがある、「言い回しが難しくてうまく理解ができない」というような状況をなんとかしたくて読んだが、それをパターンごとに分け、それぞれの対処法を示してくれていたので個人的には大当たりだった

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2020年01月07日

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巻末の難読本リストは読んでるだけでも頭が痛くなる...。難しい本を読むには読み手の準備しだいと痛感。読者に考えさせる「開いている本」と、著者の結論がはっきりしている「閉じている本」の区別。1章ごとに論理を積み上げていく「登山型」、単に情景を楽しむ「ハイキング型」の違い。これらを知るのが読む前提。あとは通読→わからない箇所の洗い出しと調査。テーマや問題意識が共通する本を「並行読み」する方法は「本を読む本」のシントピカル読書と似ている。お硬い本を読むのに役立てたいところ。

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2015年02月24日

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読書をするのに技術は必要か?⇒あった方が良い。では、難解本には?⇒必要。
難解といわれる本にも人気があるようで、読み始めて、分からないのでやめてしまう。理解できなかったことが多い。読むための準備をして、スキルを少し身につければ、抵抗なく読み勧めて、理解しやすくなる。
本には「閉じている本」vs「開いている本」、「登山型」vs「ハイキング型」、「外部参照」が必要なホンがあるという。また、読み方にも「同化読み」と「批判読み」があるという。
本を決める。=知りたいことから始めるのが、効率が良い。本読みの方法、一度目:通読、2度目:詳細読み。読書ノートを作り、メモを取りながら通読する。本のタイプを推測する。2度目読みでは、わからなさの理由を考える。対処法が掲げられている。
高度な読み、テーマに関する地図を作る。「包括読み」「縦断読み」「系統読み」「著者読み」、他の関連地図「関連読み」「平行読み」
・思想を「生かす」ということ
・知識の構造の中に位置づける「読まない」読書
付録が、約半分を占める。

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2013年11月23日

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M・J・アドラー『本を読む本』(講談社学術文庫)といっしょに読むのがオススメ。本書は具体的なノートの取り方について。実際の読み方の例も豊富。

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2011年05月31日

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多うくの本を薄く読むのではなく、1つ1つの本をじっくり読む方法が示されている。
難易度「中」の300ページ本を読むのに4(通読)+10(精読)時間かかると著者はしめしている。

p111 通読とは
1.目次を読む
2.その目次で重要なものをざっと読む。
3.さらにそれが重要ならば、その周辺も読む。
4.適当にぱらぱら読み、指の止まった所を読む。

p119・113・115 新刊の9割は署名・著者名がダメで、多くの本を読むため、読まない技術が大切である。

p118入門書に必要な要素
1.参考文献表がある。
2.その表に日本語訳のものがある。
3. 牽引がついいている。
4.300ページ未満。

p22 
「登山型」・・概念を理解しなければ先へは進めない。
「ハイキング型」・・次々に新しい理論が出てくる。内容を理解しなくても先へ進める
p26
「同化読み」・・その本の内容をその著者に合わせて読む。
「批評読み」・・その本の内容を批判的に読む。
p116
「包括読み」・・1つのテーマをいろいろな分野から読む。

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2010年06月16日

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難解な哲学書の読み方について書かれた本ですが、読み進め方や読書ノートの取り方など、様々な分野の学術書を読む上でも非常に役立つ内容だと思います。
「閉じている本」と「開いている本」、「登山型の本」と「ハイキング型の本」といった概念のおかげでより理解しやすくなっています。

個人的には「思想」と「科学」の違いの説明がまさに目から鱗でした。
例えばマルクスの思想を利用するためにはマルクスの思想を学ぶ必要があります。
しかしニュートン力学を利用するのに必ずしもニュートンの思想を学ぶ必要はないのです。
身近な例で言うと、アルバイト先の学習塾の生徒たちは直角三角形の辺の長さを求めるのにピタゴラスの定理を使っていますが、彼らはピタゴラスがいつの時代の人でどんな人生を送ったかということはこれっぽっちも知らないわけです。

具体的な実践方法の説明も兼ねた難解本ガイドも大変興味深かったです。現代思想は訳が分からないなと思いました。

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2010年01月24日

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本が主張しているのは、とにかく古典や良書はじっくりノートを取りながら何度でも読め、ということ。よく判るのだが、哲学のアマチュアには、定年後ででもなければそんな時間の余裕はあるまい。フーコー、ラカン、ヴィトゲンシュタインなど、果たして一生のうちに僕は「わかった」という気分になれるまで読み込むチャンスがあるだろうか。そう考えると、哲学の専門家はそこに哲学があるから勉強する、のような登山マニアみたいなものかもしれない。一生懸命勉強しても、それを他の人にわかりやすく正しく伝えたり、何かに応用することなどできそうにないし。

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2018年10月14日

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難解な本というのは、つまりはノートを取りながら、ゆっくりじっくり読んでいくのが、その本を理解するためのいちばんの近道ということなのである。学問に王道はないのだ。

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2020年09月09日

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名著といわれる本の中で、哲学を扱うものは、どうしても難解になってしまう傾向があるのかと思います。現在の世界では未だ知られていない考え方を、現在の世界の言葉で書かなければならない難解さが、著者と読者の間に壁を作らざるを得ないのかと。本書では、そのような哲学の難解な本をどのように読めば良いのかについて詳細に書かれています。その本がどのように書かれているかをタイプ分けし、そのタイプ別に読み方のポイントを説明されています。どのような準備をしたらよいのか、実読の時には何に注意するのかといった手ほどきを受けるように読むことができます。そのような前半部分を読んだあとは、後半に実際の哲学の名著ごとの読み方が書かれています。これが非常に詳しく分かりやすく、ここだけで一通り哲学の地図を書けてしまうのではという内容でした。古典にあたる勇気を与えてくれる本かと思います。

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2020年06月07日

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名著の読み方指南書。まずはその本がハイキング型であるか登山型であるかといった見極めが重要になる。
そしてまずは通読しわからないところを調べるなどして地図を作ることが大事。その後精読していく。名著を読む上での参考になった。

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2018年12月29日

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タイトルに”難解”って付くから身構えてしまうけど、難解な本を読み解く方法が難解では意味がない訳で、そのあたりは十分に考えられ、本書の内容自体は平易なものでした。そういう意味での納得度は比較的高かったです。取り扱われている作品群は、著者の名前も含めて知っているものも多かったけど、とんでもない難易度が予想されて、今の時点では踏み込む勇気がないです。いつか挑戦する日が来たら、本書を参考に、頑張りたいと思います。

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2017年02月10日

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藁にもすがる思いでこういう本を読んでいる自分がなさけないが、わからないままでいるのも嫌だ

翻訳の思想系の本の読み方
すらすら読めた
「私にとって難しい本は私に必要な本でなく、私にとって必要な本は私にとって必ずやさしい」(加藤周一著『読書術』より)ということか

読書ノートの取り方も参考になったが、読む本を選ぶ大切さについての「ダメな本なら読まないほうがいいというのでは不十分で、ダメな本を読むのは百害あって一利なしだ」という言葉印象に残った
著者がいう通り「時間は有限」なのだから、いたずらに積ん読を増やさず選書に時間をかけるべきだと思った

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2015年03月20日

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哲学書を例に,難解な本をどういう心がけで読めばいいかを系統建てて丁寧に説明してくれる.哲学書以外の本にも応用できそう.「<わかる>とはどういうことかという基準は人の興味や関心よって異なる」,「<わからない>という感覚を見逃さずに,その理由を考える」など,他の読書術の本にはない様々な示唆を与えてくれる.これからは,難しい本に出くわしても,「難しい→つまらない→眠い」で終わらず,難しいなりにも自分の人生に活かそうとする積極的な姿勢で臨めそうだ.

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2014年10月11日

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この本自体はとても分かりやすくかかれている。しかし付録2の代表的難読本ガイドで「マットのつまみ」とか出てくると「そんな本無理して読まなくていいか」とも思ってしまうのは多分私の能力不足なんだろう。

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2012年01月24日

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タイトル通り、難読本、それも主に思想系の本を理解するための技術を述べた本。色々と読書術に関する本も読んできたけれど、「本を読む本」に通じるところがあるのは古今の学術的な本を読みこなすための本格的読書法というのはある程度枠組みが固まっているということだろう。登山型・ハイキング型、閉じている本・開いている本という分類は自分にとって目新しかった。思想系の難読本はほとんど読んだことがないけれど、挑戦してみたくなる。

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2011年12月24日

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これは普通に本を読むのとは違った技術なので
読書好きの人には向きません。
この本では哲学の本に限り紹介していますが
それ以外の専門書でも使えるのではないでしょうか。

つくづく哲学書は難解なものだ、
と言うのがよくわかるのが最後の難解書の紹介部分です。
これのラカンの本は目が飛び出るほど難解です。
どうして哲学の本ってこんなに難しいんでしょうね…

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2011年09月20日

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あまりこういう本を登録する事はないんだけど・・・メモ代わりに。

・本の内容は「開かれた本」(素地を提供して読者の自発的な思考構築を促すもの)、「閉じられた本」(著者が明確な結論を持っており、それを読者に提供するもの)
・本のタイプは「登山型」(始めから理論を一つずつ積み上げていくもの)、「ハイキング型」(周りの景色を楽しみながらその時々の展開に注目するもの)
・読み方は「同化読み」(記述が正しいという前提で著者の意見に賛同しながら読む)、「批判読み」(懐疑的な眼差しでそれぞれの理論を吟味しながら読む)

・・・以上の組み合わせで心構えを変えながら読むが、簡単な登山型もあれば、軍事訓練のようなハイキング型もある。
本のタイプは難易度を示すものではない。

巻末の読書ガイドが役立ちそう。
デリダ、スピノザ、ウィトゲンシュタイン、ソシュール、フロイト、フーコー、ラカン、ドゥルーズ、ナンシー、ジジェク。

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2010年05月22日

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著者の研究分野である哲学を例に本の読み方を説明した本。
自分の興味があるテーマの位置付けの把握方法、あるいは興味対象の絞り込み方など参考になった。

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2025年06月26日

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哲学や思想の分野の難解な本を読んで理解するためのヒントが示されています。

哲学や思想の本には、著者が自分の結論を明確にもっていてそこへ向かって議論が構築されている「閉じている本」と、読者自身がみずからの意見を構築することをうながす「開いている本」があり、それぞれの本の性質におうじた読みかたをする必要があると著者はいいます。さらに、「外部参照」が必要な本とそうでない本、「登山型」の本と「ハイキング型」の本といった分類をおこない、それぞれについてどのようなスタンスで読むべきなのかということを解説しています。

後半には、「代表的難解本ガイド」として、現代思想の分野を中心に二十人の哲学者や思想家たちの本が紹介されています。ただし、それぞれの本の内容について立ち入った説明をおこなうような紙幅はありません。「登山型」や「ハイキング型」といった本の性質と、著者によるごく簡単な「見どころガイド」といった内容にとどまっている印象です。

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2022年10月06日

Posted by ブクログ

難解本を読むための技術が述べられているがこれは普通の読書を行う際にも使えると思った。特に第二章の読書にむけた準備では選書について語られており、他の読書法の本ではあまり語られていない部分だと感じた。

最後の方には難解本の著者の紹介がいくつかされており、簡単な内容の紹介や読む順番などが丁寧に書かれていた。読書のレベルに上げたい人にオススメの一冊だと感じた。

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2021年08月05日

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この歳になって読むような本でもないのだが、実際に難解な本が存在するのだから仕方がない。でもやっぱり若者向け、というか大学生向けだった。しかしながら、知識は積み上げるべきであるという観念に何となく支配されていた自分には、(入門書から始めるのではなく)「『知りたいこと』が書いてある本から読み始めるのが、最も効率的な方法です」という助言は利いた。また、「読書の真骨頂は『読まない』ことにあります。」というのも同感である。無駄な本は読んでも百害あって一利なしなのである。

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2021年08月08日

Posted by ブクログ

タイトル通り、難解な本ということで、古典を読むことを主眼に置いてます。

読書ノートについては大変参考になります。
しかし、具体的に身につけるには、時間がかかりそうな方法ではあります。

個人的には、書物を分類している箇所も参考になりました。
登山型など。

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2017年07月27日

Posted by ブクログ

この手の本は詰まる所、書いてある通りにやってみるかどうかに尽きるが、この本で紹介されているような詳細な読書ノートまで作る根性は正直僕にはない。ただ、著者の言う「読まない」技術は僕にとってまさにアイオープナーであり、かつ今からでも実践可能に思え、ひとつやってみるかという気にさせられた。

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2015年02月10日

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難解な本をある程度しっかり理解するためには、本書で説明されているような行程を踏んで読んだ方が良いのかもしれないが、流石に一冊の本に対して読書ノート一冊を作ろうとは思えないし、そんな時間もないというのが現実。

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2013年05月15日

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ひとえに難解な本を読むといっても、開かれた本と閉じた本、登山型とハイキング型、同化読みと批判読み、といった具合に、2の三乗で8種類のパターンがあるから読む前にどのパターンか調べといた方がいいよ、あ、後、不必要な本を読んでる時間とかもったいないから、そこらへんもちゃんとね、的な読書論はさておきノート術
一般的な読書ノートとのちがいは単純。一般的なノートは気づいたことを次々と時系列で書いていくのに対し、このやり方はあらかじめ本に対応する箇所を決めて何度も読んで感想を書いていく。
第2章に対応するノートの箇所が10ページから14ページだとしたら、2章を読んで疑問に思ったことや、読んでいてわかった論理の道筋などはそこに書く。書くことがなくても、もったいないだなんて思わずに、先へ進む。余白はご褒美。つーか、甘え。埋まるくらいに何度も読んどけ。
あらかじめスペースを確保するって発想はなかったので勉強になった。なるほどなー。

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2011年12月04日

Posted by ブクログ

[ 内容 ]
フロイトの「無意識」、デリダの「脱構築」、ドゥルーズの「襞」、フーコーの「生権力」、ナンシーの「共同‐体」、ジジェクの「否定の否定」…これまでに何度も齧っては躓いていた、錚々たる哲学者たちの思想を理解するには、どうすればいいか。
本書はいわゆる難解な「思想書」を、読んで理解するために必要な技術を紹介。
前半の章では、本のタイプの分類や、選書の仕方などの準備段階から、実際に本を読む方法と、同時に記録する「読書ノート」の取り方といった実践まで、基本的な読書の技術を学びます。
そして、後半の付録には、学生による「読書ノート」記入例と、「代表的難解本ガイド」をつけましたので、読書の技術を具体的に理解できるようになっています。

[ 目次 ]
第1章 基本的な考え方
第2章 準備
第3章 本読みの方法1・一度目:通読
第4章 本読みの方法2・二度目:詳細読み
第5章 さらに高度な本読み
付録1 読書ノートの記入例
付録2 代表的難解本ガイド

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年04月09日

Posted by ブクログ

読み方にも色々ある。
・閉じた本/開いた本
・登山型/ハイキング型

そこまで難解な本を読む予定は今のところないので、流し読み...本1冊読むのに3週間かけたり、読書ノートを1冊辺り1冊作るなんて、とてもできない...

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2010年02月05日

Posted by ブクログ

ここでいう「難解な本」とは哲学書や思想の本のこと。ただ、この本を読めば、そういう本がすぐ読めるようになる、というものでもなさそう。それなりに練習と訓練が必要だ。哲学書や思想の本の「名著」といわれる本は、一回読んでわかると思うなよ、読書ノートを作って、何度もていねいに読み込んでいけ、といわれたら、確かにそうかも。参考になったと思ったのは、読む本の選び方のところ。日々の出版情報に踊らされて、目の前の本に飛びつくだけでは、限られた生涯の時間にどれだけ「良書」とめぐり合えるだろうか?とても納得した。それと「わかる」というのは「わかったことを実際に使えること」だというところ。自己啓発書なんかでも「頭に収める」だけでなく「実行する」のが大切だとよく書いてあるけど、そのとおり。本は読まれて、かつ、その人の人生に貢献して、初めて価値が生まれるものだ。難解な本だけでなく、普通の本もよく読めるようになる、かな?

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2011年09月28日

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