佐藤俊樹のレビュー一覧

  • 社会学の新地平 ウェーバーからルーマンへ

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    部屋のどこかに岩波文庫の「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」が「永遠の積読」として埋まっています。大塚久雄訳だったと思います。なんか社会学とか社会科学の本を開くようになって、ここは有名な「プロ倫」読んでおかなきゃダメでしょ、と思ったのでしょう、全然読む気になりませんでしたが…まあ、いつ読むかわからないけど、先に本書「社会学の新地平──ウェーバーからルーマンへ」読んでおいて良かったような気がします。ウェーバーとマルクスをくっつけようとして失敗した人として大塚久雄ボコボコだし。そう古典的名著として崇め奉るのではなく現在を読み解くツールとして「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」のテキストだけでなく、この本が書かれた時代の雰囲気とか、極私的なウェーバー一族の商売とか、あるいは学者としての能力とかから資本主義が始まるか始まらないかの時期における意味を読み解くライブな新書でした。まったく知らないルーマンへの接続も面白かったです。全然違うベクトルですが斎藤幸平「人新世の資本論」でマルクスが現在に生き返るみたいな感覚を持ちました。資本主義の限界を人々が語るようになった現在、ウェーバーも掴みきれなかった「資本主義の精神」を探索する旅をもっと理解したいです。とにかく新書ってすごい。結構難しい最新の研究を出来るだけコンパクトにまとめてくれているので多少分からなくても読み切ることが出来るのです。うん?これって、いいこと?

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    2024年06月25日
  • 社会学の新地平 ウェーバーからルーマンへ

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    ウェーバーやルーマンのことは、正直言ってよくわかりませんが、
    日本では、大塚久雄という人のウェーバーの解釈が幅を効かせているようだけれども、それは間違いだということはなんとなくわかりました。

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    2024年01月29日
  • 社会は情報化の夢を見る

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    残念ながら十分に読みこなせていない。
    しかし、長年この分野に関わりながら、モヤモヤしていたことに解答を与えてくれているということだけはしっかりと感じ取れる。
    個々の答えを導き出すには更に時間が掛かりそうではあるが、時間を掛けて更にじっくりと読んでいきたい。
    いずれにしても、情報社会論、社会情報といった領域に関わるものの中でベストな一つとして挙げられることは間違いない。

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    2019年06月04日
  • 社会は情報化の夢を見る

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    ネタバレ

    これは面白かった。十分「新世紀版」と言えるだけの陳腐化していない内容に改められており、(著者いわく、簡単に改訂できたとのこと。世の中の言論状況が15年前とほとんど変わっていないことの裏返しである)増補もあってお買い得だと思う。
    社会の様々な問題を一挙に解決する、希望を託す対象として「情報技術」の進化が語られ、その裏づけによって社会の進化を語る、これって単なるトートロジーではないのか?というのが本書の着眼点であり、実際には社会のありようが技術の進化を規定しているという関係であることを実証的に語っていく。
    構造的に見極めることのできない「全体」をできる限り反省して選択していくという「苦々しい」作業から逃れるための技術決定論が情報化社会論であるという指摘には、たとえば有事にリーダーの不甲斐なさを揶揄するだけの「民主主義」と、その現実逃避の姿で重なるものがあり、ドキリとさせられる。

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    2014年03月09日
  • 不平等社会日本 さよなら総中流

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    「それが「大正世代」「戦中派」「昭和ヒトケタ」と順調に下がっているのが、最後の「団塊の世代」で七.九と反転上昇しており、「大正世代」とほぼ同じ水準で、いわば戦前に戻っている。「団塊の世代」では、父親がW雇上だった人は、そうでない人とくらべて、本人四十歳職では約八倍、W雇上になりやすい。」(p.59)学園紛争は、社会の開放化を反転させる反革命であった。

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    2013年01月26日
  • 桜が創った「日本」 ソメイヨシノ 起源への旅

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    卒業、入学、就職、そして出会いと別れ、と4月始まりの日本社会の節目を彩ってきた桜。そしてその八割を占めるソメイヨシノ。そのソメイヨシノがオオシマザクラとエドヒガンの交配によって生まれたことは有名ですが、明治初期の誕生してクローンによってしか繁殖しないことは意外と知られていないのではないでしょうか。そのソメイヨシノをめぐる「桜語り」がいかにナショナリズムと結合した幻想を生み、そして戦後復興に大きな役割を果たしてきたかを考察しています。

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    2011年11月14日
  • 不平等社会日本 さよなら総中流

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    子供の学歴と親の収入の相関関係が話題になるのは昨日今日に始まった話ではなく、少なくとも私が高校生の頃からありました。しかし、親の学歴、親の収入、親の職歴、子供の学歴、子供の収入、子供の職歴がどれほど関係するものか、そして団塊の世代からその階層が固定化されたことなどを社会統計から読み取れるとは思いませんでした。著者は新進気鋭の社会学者であり、初めての新書執筆のようで気負いが感じられましたが、研究テーマは非常に興味深いので、2005年のSSM調査の分析も期待しています。

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    2011年11月13日
  • 社会は情報化の夢を見る

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    ネタバレ

    IT革命、情報化社会という言葉に対する痛烈なカウンター。
    産業資本主義の行き詰まりに、次の社会改革として華々しく語られているそれらの言葉。
    しかしながら、その原理はポスト産業資本主義と、ハイパー産業資本主義のごちゃまぜであり、且つそのどちらも産業資本主義的文脈において有効性の無い話。
    それを一蹴しておしまいではなく、その「情報化社会を夢見てしまう後期産業資本主義とはどのような社会なのか」にまで踏み込む。
    外に向かうフロンティアに限界が見えて、内に向かわざるを得ないその精神。
    答えの無い問題に答えを出さなければならない社会の中で、それを確信犯的に背負っていく現代人。

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    2011年09月24日
  • 不平等社会日本 さよなら総中流

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    エリート(という言葉に反発を覚えるかもしれないとは著者自身が言っているが、つまりはホワイトカラー雇用上層)への洞察が鋭いと感じた。
    私たちにとっては苦笑いせざるをえない部分があるのではないか。

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    2009年10月04日
  • 不平等社会日本 さよなら総中流

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    「努力すればナントカなる」社会から「努力してもしかたがない」社会へ、そして「努力をする気になれない」社会へ─―。


    2000年に出た本だけれど、今読んでもおもしろい。というか、最近の日本は「総中流」なんてのは嘘っぱちというのは自明のことなのだろうから当たり前と言えば当たり前なのだが。

    やっぱり、親がどういう職業(階級)にいるかは重要事項でしょう。

    ところで、著者がカリスマ美容師について触れている部分が地が出てる感じでやたらおもしろい。私はこういうことを言う人間が割と好きである。

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    2009年10月04日
  • 不平等社会日本 さよなら総中流

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    ネタバレ

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    ■佐藤俊樹/不平等社会日本/中公新書1537/2000年/660円
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    さよなら総中流。「とんでもない事件や事故がこれから起こりつづけるだろう
    」です。「努力をする気になれない」社会へ、現代の日本は、かなり急激な転
    換を!。第4章「総中流」の落日ー自壊するシステム。キモはここです。

    1.日本社会システム全体への疑問 2.IT革命について考えていきつつ私
    は読書すると申し上げおります。そんな本がコレ。帯には、「崩壊する平等神
    話」!。私は「団塊の世代は葉民になりつつある」論の人間ですが、これを読
    んでまたまた納得。この本のキモのキモは、P128です。

    ■山田法則■本は途中から読め■です。(娯楽本は除く)
    この本のキモ部分にショックを受けて、その前後を読みましょう。本の出だし
    で、つまづかないように。さてP128です。

    ■「「団塊の世代」以降でも、この状態が続く限り「昭和ヒトケタ」が社会を
    担っていた時代では、想像できなかったとんでもない事件や事故がこれから起
    こりつづけるだろう」■

    1995年以降、阪神大震災以降は特にひどいですね。と私は思います。

    (想像できなかったとんでもない事件や事故がおこるのは)
    ■「責任感を持てないエリートと将来に希望を持てない現場の組合せでは、そ
    うならない方がおかしい。会社が面白くないと言って離職する若い世代がふえ
    るのも無理はない。何よりも彼ら彼女ら自身がこの空虚にとりつかれているの
    だから。」■P128

    ■「「努力すればなんとかなる社会」から「努力しても仕方がない」社会へそして
    「努力をする気になれない」社会へ、現代の日本は、そういう転換をそれもかな
    り急激な形で経験しつつある」■P128

    ■「基礎的平等化による開放性に依存した産業社会や選抜システムが、W雇上
    (ホワイトカラー雇用上層の略です)の階級化によって根底から大きく揺さぶら
    れている」■P128

    著者は佐藤俊樹東京大学助教授。専攻は比較社会学、日本社会論。この本は、1
    995年の「社会回想と社会移動全国調査」(略称SSM調査)からの佐藤教授
    の論です。この調査に対する他の方の論文は多くあり、佐藤教授とは結論が異な
    るとのことです。でも私はこの先生の意見に賛成!です。新聞・雑誌の書評でも
    異見ありの書評が多いです。が、サラリーマンの眼から見れば大当たりです。

    この本は、P128のキモを見れば、読みたくなるでしょう。衝撃本です。
    「親世代の豊かさが、教育と資産の2つの回路を通じて本人世代の豊かさに追加
    される」(P75)
    「80年代前半までの戦後の階層社会は、「それなりに努力すればなんとかなる
    」社会になっていった」(P87)ここが2つめのキモ。

    「W雇上(ホワイトカラー雇用上層)の家庭に生れたという既得権に「実績」を
    つみ、そうすることで、その実績自体もまた既得権化してしまうのだ」「戦後の
    日本では選抜競争が平等な競争であると信じられてきた。その中で「団塊の世代
    」のように生まれによる有利不利が発生。しかし、今述べたような、既得権が実
    績」化、「実績」が既得権化するメカニズムが働く」(P109あたり)

    「日本のW雇上2世の中には自らの力に寄らないという事実すら全く気付かない
    人もいる。」「平等社会の神話につながった時すべての人が自分と同じように生
    活していると思いこんでいれば、みんな同じ条件で競争していると考えても不思
    議ではない。けれども、それはW雇上の世界だしか知ろうとしないことであり、
    もっと幼稚な自己中心的態度である」p110手厳しいが、当っているでしょう。

    さらに同じくP120あたり。「1936年〜55年生まれの団塊の世代が、まさに日
    本の選抜システムの転換点になっている。」
    「団塊の世代におきたW雇上の階級化は生れによる格差は縮まらない」考えを持
    てば、社会も企業も腐っていくだけだ、という結論に達する」。だが、事実です。
    本を抱いて自殺しそうになりますね。では、どうすればいいのか。救いはあるのか。

    P140以降の4つの課題点を見て下さい。ヒント。「カリスマ美容師」もその
    一例です。ここでは書きません。本屋にてご覧下さい。

    知識エリート(この本で言えばホワイトカラー雇用上層)の階級化(生れによる
    有利不利)が、団塊の世代の成長とともに進んでおり、1985年前後には、戦前の
    日本より以上に階級社会となった。問題点は、その知識エリートがその認識もな
    く、責任感もない。」

    IT情報リテラシーに関する部分は第5章の2から、P156です。
    「IT論上の情報リテラシーにおいても、知識エリートは既得権を持っている。
    努力すればなんとかなる社会でなくなった日本では、産業の空洞化、無力感
    、閉塞感に被われたれた社会となる」

    IT革命に関する部分は、P159のあたりです。「父主職という目に見えない
    資産の力は、伝統的な学校型の知識だけでなく、情報リテラシーという新しい形
    態の知識にも及んでいる」
    「1995年時点のパソコンワープロは、先進的機器であり、それらの所有が示
    すのは、むしろ高度な知識・能力とされるものへのアクセスの良さである」
    「日本の知識エリートは、西欧語の読み書き能力を核とした「教養」を標識にし
    てきた。(中略)近代日本の「教養」は単なる文化や階層的標識ではなく、実利
    的なものであった。そのメリットが薄らいだ今、情報リテラシーという新たな知
    識形態が浮上しつつある」(P160)

    第4章「総中流」の落日ー自壊するシステム。P106.ここから読み進みまし
    ょう。

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    2018年05月28日
  • 桜が創った「日本」 ソメイヨシノ 起源への旅

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    05−06-11
    びっくりしました。「現在の桜観」と「明治初期以前の桜観」が全く違うなんて。



     ふらりと立ち寄った本屋さんで、季節はずれですが、佐藤俊樹「桜が創った『日本』」という本を買いました。最近、「ドラゴン桜」を読んだせいでしょうか。



     私たちの「現在の桜観」は、ここ5、60年で出来上がった桜観なのです。明治初期以前、というよりも、ソメイヨシノが誕生するまでは、桜の木の植え方は、多品種分散型で、花期が少しずつ異なる桜があちらこちらに植えられていました。ですから、様々な種類の桜の花が咲くのを1か月間にわたって見ることができたらしいのです。



     今、日本の桜の約8割を占めるソメイヨシノは、明治時代初期に東京染井村(今の豊島区駒込)の植木屋が、オオシマザクラとエドヒガンの雑種をつくり、最初は「吉野桜」という名で売り出したものです。交通の発達していない当時、「吉野の桜は、このごとく美なるものか」ということで、ソメイヨシノは関東の地に広がっていきました。

     

     ソメイヨシノの特徴は、葉より先に花が咲き、その花は近隣では同じ時期にいっせいに咲きます。また、花は一重ですがボリュームがあり、遠くから眺めると、一面のべたっとした花色(ピンク色)になります。桜の木の植え方も、以前の多品種分散型から、ソメイヨシノ単品種集中型へとなりました。

     

     そして、単品種集中型のソメイヨシノの咲き方、散り方に桜ナショナリズムが加わっていくのです。



    我が邦の武士はただ桜花の如き気象精神を具有すべきのみならず、またその生命を捨つるに当たりて、桜花の如く潔白ならざるべからざるなり。

    井上哲次郎「桜花」大正2年(国定教科書「高等小学讀本」に掲載)



     このようにして、私たちがもつ「現在の桜観」ができあがりました。結局ソメイヨシノは、全国津々浦々に広がり、開花宣言の基準木になりました。興味深いのは、全国に広がるソメイヨシノは、たった一本の木から接木で増やされていったクローン*1であることです。



    散る桜 残る桜も 散る桜  良寛



     これは良寛さん辞世の句です。以前から気に入っていたのですが、この句の情景も、これまで想像していたものとは違うのではないでしょうか。

     これまでは、同じ種類の木の中で、散り行く桜花とまだ残って咲いている桜花を対比して詠んだものと思っていました。ソメイヨシノ以前ならば、散り行く桜の木と別の種で花期が少しずれて咲き誇っている桜の木を対比して詠んでいるのではないでしょうか。

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    2009年10月04日
  • 社会学の新地平 ウェーバーからルーマンへ

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    ヴェーバー社会学についての理解をアップデートすることをめざすとともに、ヴェーバーの課題がルーマン社会学においてどのように継承されているのかということを考察している本です。

    ヴェーバーの方法論にかんする著者の解釈は、『社会科学と因果分析―ウェーバーの方法論から知の現在へ』(2019年、岩波書店)でくわしく展開されており、彼がクリースの統計学を受容して、実証的な因果的解明をおこなっていたという主張がなされていました。本書はその立場を継承しつつ、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』がなにをめざしていたのか、またその課題をどこまで達成できたのかということを考察しています。プロテスタンティズムのエートスは、それだけでただちに資本主義の成立をみちびく原因と結論づけることはできません。ヴェーバーはクリースの適合的因果性の考えかたにもとづいて、中国の社会との比較をおこなうことで、合理的組織が成立する原因を明らかにしようと試みました。

    しかしヴェーバーは、みずからの職務をみずからで決定するエートスを内面化した個人から成る合理的な社会のありかたについての明晰な理解にはいたっていませんでした。著者は、この欠如を補う発想を、ルーマンの組織にかんする考察のうちに求めます。ルーマンのシステム論は、ポストモダン的な装いをまとっていますが、著者はそうした側面には目を向けず、むしろヴェーバーの実証的な社会科学の問題を解決するための発想だけに着目し、とりわけ合理的な組織についての具体的な描像がルーマンによって示されたことを高く評価しています。

    『社会科学と因果分析』などの著作で論じられた著者のヴェーバー解釈をコンパクトに説きなおしつつ、とくに『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』についてより踏み込んだ解釈を提示しようとする意図はうかがえたのですが、新書のヴォリュームであつかうには、やや荷が重い内容のように感じました。

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    2026年08月03日
  • 桜とは何か 花の文化と「日本」

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    桜を丹念に見つめた上で、それでも残る日本の情緒。
    同じく鑑賞されてきたからこそ、意味づけの違いが際立つ。

    ・中国でも実も花も愛好

    ・サ+クラ説
     稲作伝来(3,000年前)と桜伝来(1万年前)の違い
    ・さくらとまくら説
     咲くもの/(着物を就寝時)巻くもの

    ・農耕社会:花→実→花→実→
    ・遊牧社会:花…花…花…花…
    1年ごと、来年の夏草の出来を知る

    ・遊牧民要素の強い唐代から「花だけ」文化
    ・すでに実も花も愛好する文化に根差した考え
    →庭園での牡丹

    ・元々、日本は桜が繁殖しやすい地形、気候
    寒暖差があり湿潤、崩れやすい地形(定期的に空き地ができる)
    →山々に自生
    →2018年にも那智勝浦(熊野古道)で新種発見

    ・農耕、外から眺める桜、開拓により徐々に身近に

    ・中国からの「花だけ」の文化の流入

    ・春は「死」の季節:飢えと疫病(江戸時代まで2~4月の死亡率が高い)
    ・花鎮めの文化:花が散ると疫病が広がるために必要

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    2026年04月12日
  • 桜が創った「日本」 ソメイヨシノ 起源への旅

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    ソメイヨシノと日本。

    ・「サ」穀物(稲)の精霊、「クラ」神の座す場所

    ◯サクラの自生種:11種
    ヤマザクラ群:ヤマザクラ、オオヤマザクラ、オオシマザクラ、カスミザクラ、クマノザクラ
    エドヒガン群:エドヒガン
    マメザクラ群:マメザクラ、タカネザクラ
    カンヒザクラ群:カンヒザクラ
    チョウジザクラ群:チョウジザクラ
    ミヤマザクラ群:ミヤマザクラ

    里桜:交雑種、園芸品種
    八重桜:主にヤマザクラとオオシマザクラの種間雑種だが、他もあり
    枝垂桜:エドヒガンの変種

    ソメイヨシノ:オオシマザクラとエドヒガン
    全国の7〜8割

    ◯分布
    ヤマザクラは温暖地域。太平洋側と西日本
    オオヤマザクラ、カスミザクラは東北と中部山間

    ・サクラは自家不和合性

    ・ソメイヨシノは接ぎ木によるクローン(栄養繁殖)
    ただし、新古今和歌集の藤原定家(鎌倉時代)からの技術
    開花の同時期性

    ・桜前線1961-(前身1925-)
    開花から満開7日、咲き終わり7日、花のシーズン10日

    ・一本桜から群桜、多品種型から単品種型

    ・吉田兼好の桜観とソメイヨシノの類似

    ・染井村(駒込)

    ・靖国と桜、境内整備、戦争とナショナルアイデンティティ

    ・大正期の桜の国土化

    ・ヤマザクラとソメイヨシノ
    理想の具体化

    ・戦後の拡散:接ぎ木の成功率、成長速度、街路樹

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    2026年04月11日
  • 桜が創った「日本」 ソメイヨシノ 起源への旅

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    桜は日本人にとって特別な意味を持つのではなかろうか。出会いや別れ、期待や不安などなど出来事や感情と結びついている。さらに一人一人の意味づけか違っているのもその特徴だろう。

    本書は桜、特にソメイヨシノの起源を探り、そこから戦前・戦後の日本人の思想の変遷などを論じているようだった。

    当たり前に感動を覚える桜、桜を見なければ春の訪れを感じることができなくなっている。それはなぜなのか。日本のサクラの約8割ほどがソメイヨシノであり、それらは全てクローンである。そこから探れば探るほど興味深いものが見えてくる。

    ソメイヨシノの寿命は五十年から七十年、人間の一生とほぼ同じサイクルをたどる。だからこそ、自分だけの思い、自分だけの出来事の記憶を託すのにちょうどよい花なのだ。162

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    2025年10月24日
  • 社会学の新地平 ウェーバーからルーマンへ

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    大学時代に何度か授業に潜らせていただいた教授の著書。
    この方の社会の描写がすごく好きです笑
    普通の社会学の本は、理論化する際に現実を捨象してしまい現実とそぐわなくなるか、事例をしっかり集めてはいるが理論の方が弱くなることが多いと感じますが、この方は理論にこだわりつつできる限り現実と向き合って描写しようとしていると思います。
    社会学をちゃんと学んだ身ではないので内容の議論は書けませんが、社会に出て働いている中で会社組織について感じることが言語化されていると思います。

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    2025年08月24日
  • 社会学の新地平 ウェーバーからルーマンへ

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    すっかり理解できたとは言えないが、ウェバートルーマンを組織論の視点から捉え直したもの。大塚や安藤など大家にも容赦ない。

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    2025年04月01日
  • 社会学の新地平 ウェーバーからルーマンへ

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    前半のウェーバー論はいろいろ勉強になった。え、そうなの?みたいな感じ。実はみんな読んでないのではないか。(私は読んでない)

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    2024年03月29日
  • 社会学の新地平 ウェーバーからルーマンへ

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    マックス・ウェーバーが描き出した資本主義の精神とは何か、ニクラス・ルーマンの論も入れながらたどった本。
    この二人が偉大なのは、合理的組織が何なのかを、私たちが本当はよく知らないことを知って逃げずに考え続けたところにあるという。
    私たちも、現代社会に真摯に向き合う必要があるのではないか。

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    2024年03月12日