あらすじ
マックス・ウェーバーとニクラス・ルーマン――科学技術と資本主義によって規定された産業社会の謎に挑んだふたりの社会学の巨人.難解で知られる彼らが遺した知的遺産を読み解くことで,私たちが生きる「この」「社会」とは何なのかという問いを更新する.社会学の到達点であり,その本質を濃縮した著者渾身の大作.
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Posted by ブクログ
部屋のどこかに岩波文庫の「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」が「永遠の積読」として埋まっています。大塚久雄訳だったと思います。なんか社会学とか社会科学の本を開くようになって、ここは有名な「プロ倫」読んでおかなきゃダメでしょ、と思ったのでしょう、全然読む気になりませんでしたが…まあ、いつ読むかわからないけど、先に本書「社会学の新地平──ウェーバーからルーマンへ」読んでおいて良かったような気がします。ウェーバーとマルクスをくっつけようとして失敗した人として大塚久雄ボコボコだし。そう古典的名著として崇め奉るのではなく現在を読み解くツールとして「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」のテキストだけでなく、この本が書かれた時代の雰囲気とか、極私的なウェーバー一族の商売とか、あるいは学者としての能力とかから資本主義が始まるか始まらないかの時期における意味を読み解くライブな新書でした。まったく知らないルーマンへの接続も面白かったです。全然違うベクトルですが斎藤幸平「人新世の資本論」でマルクスが現在に生き返るみたいな感覚を持ちました。資本主義の限界を人々が語るようになった現在、ウェーバーも掴みきれなかった「資本主義の精神」を探索する旅をもっと理解したいです。とにかく新書ってすごい。結構難しい最新の研究を出来るだけコンパクトにまとめてくれているので多少分からなくても読み切ることが出来るのです。うん?これって、いいこと?
Posted by ブクログ
ウェーバーやルーマンのことは、正直言ってよくわかりませんが、
日本では、大塚久雄という人のウェーバーの解釈が幅を効かせているようだけれども、それは間違いだということはなんとなくわかりました。
Posted by ブクログ
大学時代に何度か授業に潜らせていただいた教授の著書。
この方の社会の描写がすごく好きです笑
普通の社会学の本は、理論化する際に現実を捨象してしまい現実とそぐわなくなるか、事例をしっかり集めてはいるが理論の方が弱くなることが多いと感じますが、この方は理論にこだわりつつできる限り現実と向き合って描写しようとしていると思います。
社会学をちゃんと学んだ身ではないので内容の議論は書けませんが、社会に出て働いている中で会社組織について感じることが言語化されていると思います。