島泰三のレビュー一覧

  • 安田講堂1968-1969

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    東大安田講堂の事件は子供ながらにニュースで見ていてうっすらと知っていたがその後の浅間山荘の事件と一緒になり、何だかヘルメットかぶった暴れん坊の起こした事件かと思っていた。この本は最後まで安田講堂に立て篭もった東大生が書いたルポタージュです。だから知らない事実が満載の驚きの本です。30人の学生たちの疑問を1000人の機動隊導入というカタチで答える国家権力への闘いの記録です。「東大落城」より数倍冷静なでも熱き若者たちの姿が読み取れる貴重な本でした。

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    2024年08月09日
  • 親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る

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    主食が霊長類の手と口の形を決める
    その仮説を、世界の色々な猿で検証していきます
    そうして思い浮かぶ1つの疑問、「じゃあ人類は?」
    著者の結論は衝撃です。そんなものが主食だったとはとても信じられません。
    もしホントなら、世界中で1民族くらいそういう風習が残ってるような気もします。
    それとも、忘れ去りたい、そして忘れ去った黒歴史なのか?

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    2021年12月26日
  • 魚食の人類史 出アフリカから日本列島へ

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    人類のユーラシア大陸への拡散は魚食がもたらした?ヒトの魚食の歴史を探求する知的好奇心をくすぐる1冊。

    ウシ、ブタなどの家畜、コメやムギ、トウモロコシ、タロイモなど主食となる食物については多くの本があるが、本書は魚食がテーマというおそらく珍しい作品。猿類は基本、魚を食べない。ヒトがどの時代から魚を捕まえ食べるようになったのか。そのプロセスを示した作品。

    筆者はもともと漁師の家系のサル学者だという。専門分野と両親や祖先を探る、この二つの奇跡のコラボで生まれた傑作。

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    2020年10月21日
  • 親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る

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    ネタバレ

    口と手の形は、その主食の種類によって決められる。「口と手連合仮説」
    初期人類に当てはめると、その主食は骨、ボーンハンティングに行き着いた。肉食獣が食べ残した骨を主食とした。骨を砕くために石を使った。石を握って振り下ろすためにはしっかりと握れる太い親指が必要。
    手に石を持ち、移動するには立って2足歩行するのが最適。
    骨を噛んですり潰すためにエナメル質の多い歯になった。

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    2017年09月23日
  • 孫の力 誰もしたことのない観察の記録

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    読み始めた途端、あまりに面白くてマズイ!と思った。
    早く先を読みたい。でも読みたくない。だって読んだら読み終わるじゃない。
    この恍惚の時間を手放したくない。だから日に日に読むペースが落ちる始末。結局読み終えるまで3ヶ月を要しました。(馬鹿)

    筆者はニホンザルやアイアイ研究の第一人者です。
    さすが研究者。観察が細かい。よくぞここまで書き留めた。いや書き留め続けた。なんと0歳から6歳までの膨大な記録と、そして考察です。

    「モリスの言うような無条件に『かわいい信号』があって、『幼児はその信号を備えているからかわいいのだ』というような動物行動学はエセである。」
    「イヌは命令―服従型だが、

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    2012年04月30日
  • 孫の力 誰もしたことのない観察の記録

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    猿の研究者である著者による、自らの孫(つまりヒト)が生まれてから小学校に入学するまでの『観察』の記録。

    動物学者だけに猿との比較もするのだけれど、孫の成長の様子がすごく生き生きと描写されていて、読んでいるこちらまで嬉しくなるように感じました。

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    2011年12月06日
  • 孫の力 誰もしたことのない観察の記録

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    ほぼ半分を読んでいる途中です。
    思っていた以上に素晴らしい本だと思いました。

    まぁ・・・独身で子育て経験ゼロのオヤジに云われても説得力ないと思われますが・・・

    ただし、少子・高齢化が進んだ日本において、子育ては両親・祖父母だけでなく、地域を含めたおおらかなものである必要があるのでは?と感じている。

    もちろん、祖父母の代わりとしての、地域のオジサンオバサンの関わりの重要性だ。

    人類にとっての子育てとは、両親と子供だけの閉じた問題ではないということだと。

    本書の残りは大変興味深い!!!

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    2011年10月02日
  • 孫の力 誰もしたことのない観察の記録

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    野生動物の研究者(特にサル)が自分の孫を観察した記録。というと研究者の視点で淡々と科学的に書かれているのかというと、半分は普通の孫大好きなおじいちゃんの観察記録になっているところがまたいい。
    精神的な成長が丁寧に書かれて2歳の娘を持つ自分にとっては共感もし、参考にもなった。
    6歳までの記録なので定期的に読み返したい。

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    2010年05月21日
  • 孫の力 誰もしたことのない観察の記録

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    じいじからの視点で孫を観察しているところがおもしろい!
    霊長類と人間の生育スピードの比較もなるほどとうなずける。
    親はついつい視点が近くなるけれど、一歩下がってこどもを見るということを意識できて、私は良かった。

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    2010年05月04日
  • 安田講堂1968-1969

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    テレビのドキュメンタリーの参考書籍として挙げられていた。
    安田講堂の紛争のみならず、他大学の動向も描かれており、学生運動の導入部としても推薦する。
    安田講堂の紛争の様子は情景が浮かびあがってきて、緊迫した様子が伝わってきた。

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    2010年05月02日
  • 孫の力 誰もしたことのない観察の記録

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    霊長類の研究者が孫の成長観察記録をまとめたもの。
    霊長類学者が書いたとあったので、学術的なヒト科の動物の孫とのかかわり方を書いたものかと思ったら、
    もっと孫への愛にあふれた観察日記だった。

    そしてその観察の内容も、
    肉体的な観察ではなく、「こころ」の成長を観察したもので
    とてもおもしろい。
    うれしい、かなしい、たのしい
    といった単純な感情の表現から、
    頑張りたい、励ましたい、ひみつにしたい
    などの豊かな感情をあらわすようになっていく。

    そういう心の成長を観察するのは、
    なるほど、他人ではなく親でもない祖父という立場はもってこいだ。
    愛情たっぷりの目線で、孫娘のこころがつぼみから花開くまで

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    2010年02月02日
  • 親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る

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    霊長類にとって、親指が太いのはデフォルトではない。ましてや親指が退化してほとんどなくなっている猿さえいる。そのなかで人の親指はなぜ太くなったのだろうか?

    /まるで推理小説のような展開を辿り、謎が解けていく様は圧巻。面白かった。

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    2009年10月04日
  • ヒト―異端のサルの1億年

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    サルとヒトは、何が違うのか。
    いろいろなサルの事例を紹介しながら、ヒトという生き物がなぜ地球に君臨しているのかを教えてくれる。
    サルの生態も知れて面白い。一言でサルって言っても、オランウータンとチンパンジーでは全く違うというのが、この本を読んでより明確になった。

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    2024年08月27日
  • 親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る

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    サルの口と手の形、移動方法はその主食によって決定されるという「口と手連合仮説」をベースに、初期人類の主食を考え、直立二足歩行に至った理由を考える。
    序盤のマダガスカルのサルの話は聞きなれない話で想像しづらく退屈だったけど、中盤以降が面白い。
    自然科学、生物学、人類学の面白さがわかる。

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    2024年01月27日
  • 魚食の人類史 出アフリカから日本列島へ

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    なぜ霊長類の中でもホモ・サピエンスだけが積極的に魚を食べるのか、という帯に惹かれて手にとってみた。
    学者さんの作品らしく最初は読みにくいな、と思ったのだけど…なんというかくどいんだよね。「積極的に」というところがミソで例えば干上がった池で魚を拾って食べる猿は確かにいるのだけど…みたいなのが続くとちょっとめんどくさくなるんだけどそこを抜けるとかなり興味深い言説が現れる。屈強で身体能力も知力も高かったネアンデルタール人と比べて非力なホモ・サピエンスは水際に追いやられやむなく魚を獲って食べ始めたところから発展が始まったのではないか、という話。発掘された人類の歯型から何を食べていたのかを推測したりする

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    2021年11月27日
  • 魚食の人類史 出アフリカから日本列島へ

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    ★★★★☆としましたが、★★★★★と迷いました。
    ★★★★★にしなかったのは、若干、看板に偽りあり、という印象を受けたため。
    とくに前半は、人類史やヒトの進化の話が中心で、魚食はおまけ程度しか出てこなかったので。

    しかしながら、全体を通していえば、人類史やヒトの進化に関する、かなり新しく、それでいて確度の高いと思われる情報がしっかりと盛り込まれていて、興味深く読むことができました。
    ジャレド・ダイヤモンドやユヴァル・ノア・ハラリなどによる、これまで名著と言われていた書籍についても、矛盾点を的確に指摘していて、学問の進歩を感じると同時に、真理の追究に対する著者の真摯な態度を感じました。

    それ

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    2020年11月01日
  • ヒト、犬に会う 言葉と論理の始原へ

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    一部に書き間違いなのか、日本語不明瞭な箇所が若干見受けられるのが残念ではあるが(校正含め)、生物としての根元的な人間と犬との違いを総論的に述べており、たくさんのことが腑に落ちる。
    著者は"超能力"と表現しているが、人間には理解し得ない微細な兆候や変化を見逃さない犬の観察力の高さに改めて舌を巻き、一方で、娯楽のために他種族を短絡的に虐殺し、さらには同種間で大義なく潰し合い殺し合う人間という存在の唾棄すべき愚かさに嘆息する。
    また、著者自身もアイアイを主に研究してきた学者だということだが、霊長類学界のいわゆる主流派には良からぬ思いを抱いているようで、松沢哲郎を一刀両断しているの

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    2020年10月09日
  • ヒト、犬に会う 言葉と論理の始原へ

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    万物は犬によって創られた。アイアイ博士が解き明かす、人間と犬、運命共同体としての関係の特異性と起源。

    なかなか本題がはじまらないもどかしさ、正確を期すあまり読み辛い文、イラチな私はかなりイライラしましたが、内容は刺激的ですばらしい。

    『犬は人間的な心の特性の誕生のすべてに関係している。』
    まえがき
    『ヒトが人となる直前の狩猟採集民、イヌが犬になる前の野生動物、その双方に何が起こったのかを、イヌの側から見る視点が必要となる。』第三章 犬の力

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    2020年05月16日
  • ヒト、犬に会う 言葉と論理の始原へ

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    ネタバレ

    犬と暮らすことでヒトは人となった。
    犬(狼)は集団で猟をし、集団(群れ)で生活します。
    その集団生活の維持にはある種の倫理やルールがあり、犬と生活し猟のパートナーとすることは、人が言語や倫理、知識を得る上で重要な役割をになっていたのではないかという話です。
    「馬、車輪、言語」という本でも学びましたが、確かに人は共生する動物から多くの学んでそして進化してきたというのは頷ける話です。
    著者はアイアイの観察など、自然や動物を見つめてきた人で東大卒業のため参考文献などもしっかりしているのですが
    、文章は読みにくかったです。
    いいたいことはわかりました。

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    2020年03月03日
  • ヒト、犬に会う 言葉と論理の始原へ

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    人間が言語を修得して進化した過程,犬がオオカミから進化した過程には,相互の作用があった,ということを,様々な状況証拠から導く.
    少し「犬好きのひいき目」があるようにも思うが,そうであったとしても,また,ここで導かれた結論が誤っていたとしても,読み物として大変面白かったので良しとしよう.

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    2019年10月23日