島泰三のレビュー一覧

  • 親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る
    主食が霊長類の手と口の形を決める
    その仮説を、世界の色々な猿で検証していきます
    そうして思い浮かぶ1つの疑問、「じゃあ人類は?」
    著者の結論は衝撃です。そんなものが主食だったとはとても信じられません。
    もしホントなら、世界中で1民族くらいそういう風習が残ってるような気もします。
    それとも、忘れ去りた...続きを読む
  • 魚食の人類史 出アフリカから日本列島へ
    人類のユーラシア大陸への拡散は魚食がもたらした?ヒトの魚食の歴史を探求する知的好奇心をくすぐる1冊。

    ウシ、ブタなどの家畜、コメやムギ、トウモロコシ、タロイモなど主食となる食物については多くの本があるが、本書は魚食がテーマというおそらく珍しい作品。猿類は基本、魚を食べない。ヒトがどの時代から魚を捕...続きを読む
  • 親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る
    口と手の形は、その主食の種類によって決められる。「口と手連合仮説」
    初期人類に当てはめると、その主食は骨、ボーンハンティングに行き着いた。肉食獣が食べ残した骨を主食とした。骨を砕くために石を使った。石を握って振り下ろすためにはしっかりと握れる太い親指が必要。
    手に石を持ち、移動するには立って2足歩行...続きを読む
  • 孫の力 誰もしたことのない観察の記録
    読み始めた途端、あまりに面白くてマズイ!と思った。
    早く先を読みたい。でも読みたくない。だって読んだら読み終わるじゃない。
    この恍惚の時間を手放したくない。だから日に日に読むペースが落ちる始末。結局読み終えるまで3ヶ月を要しました。(馬鹿)

    筆者はニホンザルやアイアイ研究の第一人者です。
    ...続きを読む
  • 孫の力 誰もしたことのない観察の記録
    猿の研究者である著者による、自らの孫(つまりヒト)が生まれてから小学校に入学するまでの『観察』の記録。

    動物学者だけに猿との比較もするのだけれど、孫の成長の様子がすごく生き生きと描写されていて、読んでいるこちらまで嬉しくなるように感じました。
  • 孫の力 誰もしたことのない観察の記録
    ほぼ半分を読んでいる途中です。
    思っていた以上に素晴らしい本だと思いました。

    まぁ・・・独身で子育て経験ゼロのオヤジに云われても説得力ないと思われますが・・・

    ただし、少子・高齢化が進んだ日本において、子育ては両親・祖父母だけでなく、地域を含めたおおらかなものである必要があるのでは?と感じている...続きを読む
  • 孫の力 誰もしたことのない観察の記録
    野生動物の研究者(特にサル)が自分の孫を観察した記録。というと研究者の視点で淡々と科学的に書かれているのかというと、半分は普通の孫大好きなおじいちゃんの観察記録になっているところがまたいい。
    精神的な成長が丁寧に書かれて2歳の娘を持つ自分にとっては共感もし、参考にもなった。
    6歳までの記録なので定期...続きを読む
  • 孫の力 誰もしたことのない観察の記録
    じいじからの視点で孫を観察しているところがおもしろい!
    霊長類と人間の生育スピードの比較もなるほどとうなずける。
    親はついつい視点が近くなるけれど、一歩下がってこどもを見るということを意識できて、私は良かった。
  • 安田講堂1968-1969
    テレビのドキュメンタリーの参考書籍として挙げられていた。
    安田講堂の紛争のみならず、他大学の動向も描かれており、学生運動の導入部としても推薦する。
    安田講堂の紛争の様子は情景が浮かびあがってきて、緊迫した様子が伝わってきた。
  • 孫の力 誰もしたことのない観察の記録
    霊長類の研究者が孫の成長観察記録をまとめたもの。
    霊長類学者が書いたとあったので、学術的なヒト科の動物の孫とのかかわり方を書いたものかと思ったら、
    もっと孫への愛にあふれた観察日記だった。

    そしてその観察の内容も、
    肉体的な観察ではなく、「こころ」の成長を観察したもので
    とてもおもしろい。
    うれし...続きを読む
  • 親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る
    霊長類にとって、親指が太いのはデフォルトではない。ましてや親指が退化してほとんどなくなっている猿さえいる。そのなかで人の親指はなぜ太くなったのだろうか?

    /まるで推理小説のような展開を辿り、謎が解けていく様は圧巻。面白かった。
  • 親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る
    サルの口と手の形、移動方法はその主食によって決定されるという「口と手連合仮説」をベースに、初期人類の主食を考え、直立二足歩行に至った理由を考える。
    序盤のマダガスカルのサルの話は聞きなれない話で想像しづらく退屈だったけど、中盤以降が面白い。
    自然科学、生物学、人類学の面白さがわかる。
  • 魚食の人類史 出アフリカから日本列島へ
    なぜ霊長類の中でもホモ・サピエンスだけが積極的に魚を食べるのか、という帯に惹かれて手にとってみた。
    学者さんの作品らしく最初は読みにくいな、と思ったのだけど…なんというかくどいんだよね。「積極的に」というところがミソで例えば干上がった池で魚を拾って食べる猿は確かにいるのだけど…みたいなのが続くとちょ...続きを読む
  • 魚食の人類史 出アフリカから日本列島へ
    ★★★★☆としましたが、★★★★★と迷いました。
    ★★★★★にしなかったのは、若干、看板に偽りあり、という印象を受けたため。
    とくに前半は、人類史やヒトの進化の話が中心で、魚食はおまけ程度しか出てこなかったので。

    しかしながら、全体を通していえば、人類史やヒトの進化に関する、かなり新しく、それでい...続きを読む
  • ヒト、犬に会う 言葉と論理の始原へ
    一部に書き間違いなのか、日本語不明瞭な箇所が若干見受けられるのが残念ではあるが(校正含め)、生物としての根元的な人間と犬との違いを総論的に述べており、たくさんのことが腑に落ちる。
    著者は"超能力"と表現しているが、人間には理解し得ない微細な兆候や変化を見逃さない犬の観察力の高さに改めて舌を巻き、一方...続きを読む
  • ヒト、犬に会う 言葉と論理の始原へ
    万物は犬によって創られた。アイアイ博士が解き明かす、人間と犬、運命共同体としての関係の特異性と起源。

    なかなか本題がはじまらないもどかしさ、正確を期すあまり読み辛い文、イラチな私はかなりイライラしましたが、内容は刺激的ですばらしい。

    『犬は人間的な心の特性の誕生のすべてに関係している。』
    まえが...続きを読む
  • ヒト、犬に会う 言葉と論理の始原へ
    犬と暮らすことでヒトは人となった。
    犬(狼)は集団で猟をし、集団(群れ)で生活します。
    その集団生活の維持にはある種の倫理やルールがあり、犬と生活し猟のパートナーとすることは、人が言語や倫理、知識を得る上で重要な役割をになっていたのではないかという話です。
    「馬、車輪、言語」という本でも学びましたが...続きを読む
  • ヒト、犬に会う 言葉と論理の始原へ
    人間が言語を修得して進化した過程,犬がオオカミから進化した過程には,相互の作用があった,ということを,様々な状況証拠から導く.
    少し「犬好きのひいき目」があるようにも思うが,そうであったとしても,また,ここで導かれた結論が誤っていたとしても,読み物として大変面白かったので良しとしよう.
  • はだかの起原 不適者は生きのびる
    はだかは自然界で生き延びるためのメリットがないため、自然淘汰で発生したとは考えにくい。はだかは突然変異で発生した。野生動物は自然界のニッチに収まることで生存し、ニッチを越えることはない。しかし、人間ははだかであるがゆえに寒さや病などの環境を克服するという野生動物とは異なる行動を起こしたが故に生き延び...続きを読む
  • 親指はなぜ太いのか 直立二足歩行の起原に迫る
    人の親指が太いのは、初期人類は石を使って骨(骨髄)を食べるボーン・ハンターというニッチを選んだために、石を握るための太い親指が必要だったためである。本書の結論はいってしまえばそれだけである。しかし、この結論を導くために、一見冗長のように思えるマダガスカル島の霊長類やオランウータンやゴリラのナックルウ...続きを読む