高橋伸夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
長引く不況によって、なぜか日本型人事システムが攻撃され年俸制や成果主義が新たに活力を与えるとして競って導入された。しかしその結果、多くの企業で職場が荒廃し、機能不全が生じている。著者は成果主義の実態を改めて検証し、日本型年功制の可能性を展望する。
思いたって成果主義の本を探したが、ビジネス書のコーナーで見つける事が出来なかった。本書によると成果主義のブームのピークは2004年であったという。
虚妄の成果主義というタイトルではあるが、本書の真価は、日本的経営の評価をめぐる右往左往を解説し、日本型年功制の復活を提唱しているところにある。
温故知新という訳ではないが、いろいろな示唆を与えてく -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
経営の本質とは、一人ひとりでは突破できない難関を、みんなでなんとか切り抜けることにある。
そのためには「組織力」を高めることが欠かせない。
組織力を宿し、紡ぎ、磨き、繋ぐことで、人々ははじめて組織であり続けることができるのだ―。
新入社員から役員まで、組織人なら知っておいて損はない組織論の世界。
ビジネスの神髄を理論的に解説。
[ 目次 ]
第1章 組織力を宿す―組織の合理性(結論よりもプロセスの方が大切だよね;そもそも問題解決だけが意思決定ではない ほか)
第2章 組織力を紡ぐ―仕事を共にする(コミュニケーション!;組織化とは何か? ほか)
第3章 組織力を磨く―経営的スケー -
Posted by ブクログ
経営学で出てくる概念がざっと押さえられてよかった。手早く軽く全体像を把握できた。
全体的なつながりはほぼ皆無で各論点がぶつ切りになってしまっているのはやむを得ないと思う。この分量で概観するんだからそりゃね。
後半になるに従って新出の概念の定義が書かれなくなるので読みづらくなる。なんで?当たり前のように知らない概念を並べられてもわかりまへんがな。。。
単なる概念の紹介ではなく、現代では誤りが証明され否定された理論や根拠の乏しい理論については筆者がきちんとその旨述べてくれるのもよい。この手の導入本には珍しい作り。
次は本格的な教科書を読んでみる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりに本読みました。
旧来の日本式の仕組みへの賛辞のように感じました。
現実の世界の組織の意思決定って、最適な選択肢を選ぶ、みたいな幼稚な意思決定は少ない。決定内容自体よりは、みんなの合意を得られるような決め方の方が、決定した後、スムーズに実行できる。意思決定は問題解決以外の決定もある。
本質的な問題をやり過ごして、目先の小さな決定を行う。(やり過ごしモード)
もしかすると、あるかもしれない本質的な問題を見過ごして決定する。(見過ごしモード)
勢いで決めるような不合理な決定もよくある。特に重大なものほどこうなる。こうしたケースでは、決定した後にその決定の合理性を補うような理由付けが行われる -
Posted by ブクログ
具体的な著者の見聞を交えて面白く読めるが、アネクドータルな感じも。とはいえ、取りあえず統計とってみました的な経営学よりよほど良い。
一緒に仕事をする時間を夜を含めてタップリ持つことにより、テイストを共有するとか、組織に長い時間軸でコミットすることで職務内容がレベルアップさせられるとか、体感的に納得させられる話が多い。
一方でいわゆる日本的経営には、内向き体質の弊害や、労働力の流動性がないがための不況時のショックや、格差定着も明らかであろう。必ずしも日本的組織経営とアングロサクソン的個人主義との対立ばかりでなく、良い所取りも狙えないものか。