高橋伸夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読まにゃいけんなあ、でも絶版だしなあ、古本高いしなあ、と逡巡してるうちに新版が出版された。これまで未訳だった第2版に大量の訳注をつけたかなり本気な一冊。なんとなく旧共産圏のプロパガンダポスターぽい字体と色づかいの装丁もかっこよし。
いずれにしても、古典中の古典が読めるようになったのは朗報。マーチ&サイモンといったら、サイアート&マーチとセットでどの文献でも真っ先に参照されてるもんね。
内容は、評判どおりに難しい。議論の抽象度が高いうえ、文章の交互の関連性もたかいので、気を抜いて読んでるととたんに迷子になる。もとが古いから、その後に開発されたいろいろな概念や道具立てを使ってないと -
Posted by ブクログ
この本は、読み方を間違えるととんでもない誤解を招く。というのも、諸理論を一通り学べば、著者がマネジメントの理論について、かなり恣意的な解釈のもとに持論を展開していることが理解できる。しかしそこら辺の勉強をしていない人にとっては、まさに内容をそっくりそのまま鵜呑みにしてしまうような書き方がされているからだ。
「成果主義」と一緒くたにした制度を、テイラーの科学的管理法以下と断定するところなどは、さすがに苦笑せざるを得ない。
盲目的な成果主義に関する批判は、その通り。だからといって高度成長期の人事制度を、まったく経済状況が異なる現在にも適用しようとする論理展開は、さすがに無茶があるだろう。もっと -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「客観評価」「評価のフィードバック」を掲げ、給料格差と勤労意欲の連動を信じた成果主義はいちばん大切な人材育成機能を破壊した。
いま、企業はどのようなシステムを再構築すべきなのか。
「やり過ごし」「尻ぬぐい」など先達の知恵と経営戦略論が明かす“育てる経営”の思想。
[ 目次 ]
第1章 客観評価の虚妄
第2章 貧困な発想
第3章 『虚妄の成果主義』が批判したもの
第4章 目的はモチベーション
第5章 人的資源は買えない
第6章 競争優位の源泉としての資源・能力蓄積過程
第7章 例解:発明の対価
第8章 育てる経営
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすす -
Posted by ブクログ
筆者は「成果主義」をボコボコに(笑)批判しています。それでうまくいっている会社はないし、社内の問題を何でも人事制度のせいにするな、と。
給料に差をつけるより次の仕事に差をつける方がモチベーションは上る、という主張には考えさせられました。
何がいいかは人それぞれ違うと思うけれど、私個人としては、生活の安定のために一定の給料は保障されて、次の仕事で差をつけられる、という筆者の言う「日本型年功制(注:年功序列とは違う)」の方が頑張れる気がしました。
ただ、自分なりにその年度の目標を立てたり、performanceを振り返って上司や同僚と話し合う機会はあったら有意義かも。