宇沢弘文のレビュー一覧

  • 経済学は人びとを幸福にできるか

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    「人間のための経済学」を追求する学者の論考、エッセイ、書評や講演集。「社会的共通資本」という概念を提唱。人間の心を大切にする経済学の構築、制度的・政策的分析を展開中。

    経済学のテキストに名前が出てくる有名教授たちとの直接交友、体験。遠い過去の変えられない歴史ではなく、直近の変わりうる出来事だったのだと。

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    2015年08月29日
  • 自動車の社会的費用

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    ・他人の自由を侵害しない限りにおいて各人に自由な行動が認められるという近代社会の原理に照らし合わせたとき、著者は(とりわけ狭い路地において)自動車の自由な通行が歩行者の自由な歩行権を侵害しているという。

    ・自動車の通行権と歩行者の歩行権との衝突が激しかった時期の、いわば過渡期の作品という印象。かつて頻繁にあった「飛び出し」という歩行権の直接行動的主張が輪禍の一大要因であり、そして本書刊行当時(約40年前)と比べて今日では交通事故死者数はおよそ1/4まで減少していることを考えあわせると、この40年間で自動車の通行権と歩行者の歩行権との間に一定の秩序が出来上がったと見ることができる。ゆえに今さら歩行権の侵害などというものを取り上げる実益はあまりないように思える。

    ・また本書で批判されている非人道的な歩道橋はもはや新たに作られてはいないし、排ガスや騒音の規制も強化され、さらに飲酒運転などへの制裁が厳しくなったこともあり、総じて運転する側のモラルも向上した。著者の自動車に対する公憤は、正直なところ現代においてはなかなか共感しづらい。もっとも、この公憤のおかげで社会が良い方向に前進したことは忘れてはならないが。

    ・外部不経済の内部化を学ぶうえでのモデルケースの一つとして本書の価値は失われていない。第三章は熟読すべし。

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    2013年08月29日
  • 経済学の考え方

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    経済学の考え方とはどのようなものか?について、時代を追って解説されています。

    難しいです・・^^;。正直言ってほとんどチンプンカンプンでした。
    経済学の教科書、といった方が良いかも。

    それでも、ちょっと道徳っぽいアダムスミスから始まって、型にはめようと苦心した新古典派経済学へ。
    現実に即したものにしようとしたケインズ、そして、政治的に利用された?反ケインズで失敗・・というふうには読めました。

    読んでいて思ったのは、経済学って、現象を一生懸命型にはめて説明しようとするんですけど、その時になにがしかの前提条件を決めなければならないんですよね。
    でも、現実には条件が一定であるなんてことはなく、しかもものすごくいろんなことが経済の動きには関わってくる。
    企業の活動や政治の動きはもちろん、消費者の心理まで・・。
    ・・・無理なんじゃない?って思って思考停止してはいけないんですよね^^;。

    おもしろいな、と思ったのはヴェブレンという人の言葉。
    「近代的産業のもっている過剰な生産能力を十分にみたす規模まで、浪費的支出をふやすということは不可能に近い。(中略)私的浪費が大きなものであるということは疑いないが、貯蓄意欲と計算高い投資にかんする営利企業的な論理とが、人々の近代的な行動様式の中に組み込まれてしまっていて、貯蓄はいつでも高い水準に保たれてしまう。そのためになにかしかけなければならなくなる。それは政府が効果的な浪費をおこなうことである。軍備、公共的な建造物、宮廷や外交に関わる制度等々が、浪費的であるいう意味で、この問題に関して重要なものとなってくる。」

    ・・・なんか、今の日本の状況と解決策が示唆されているような・・^^;。
    ヴェブレンはちょうど100年ほど前の時代の方。今の日本の状況を知るはずもないのですが。

    1989年初版なのでやや古いですが、経済学を志す学生さんには良いのでは無いでしょうか?

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    2012年12月26日
  • 自動車の社会的費用

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    日本の経済学界を代表する宇沢弘文氏による本であるということ、かつTPPでは経済学者では珍しく反対という立場で鮮明にしていたということで、彼の主張にふれておきたいと思ったので、手にとってみた。正直言うと、岩波でこのクオリティというのは頂けなかった。自動車社会に対する不安を考慮すべきという視点はそれなりに評価すべき点ではあったと思うが、議論の進め方がやや緻密さを欠いていた点で岩波らしさを感じなかった。なにより研究/執筆の契機となった問題意識の書き方が情緒的で具体的な論理に支えられたものではないところが好感が持てなかったのが、本書に対する強烈な感想である。感覚的に経済学に反感を持った人たちには非常に扇情的で共感は得られ、場合によってはバイブルとして位置付けられそうな本であるとは思うが、そこまでの思想的及び学問的含蓄はない。細かな点として、ホフマン法による統計的生命価値を批判しているところは、社会的/文化的価値を含めた生命価値に対する評価額を踏まえた現在の統計的生命価値の算出方法を知っている私にとっては的外れであった。仮に執筆時期において最新の統計的生命価値の算出方法がなかったとしても、著者の批判は建設的批判とは言えなかった。他にも必需品の価格弾力性についても現実味が不十分であると思った。なぜなら、必需品とはいいつつもその中身及び種類は多様であり、弾力性が低いと一様には決められず、むしろ牛丼などの現実ぼ例が示すとおり、価格弾力性は比較的高く、そしてデフレが問題になるほど価格が下がっているからだ。ただ負の所得税によるインフレ可能性については検討に値すべきである。最後に、あくまで自動車の外部費用を内部化すべきと主張している点で、留保という選択肢を持つ科学者としての姿勢を欠いて、推計の困難性のみを理由に物事に反対するといったことはなかったことに、皮肉にも安心した。また宇沢さんの後世の業績としては勿体無さを感じずにはいられなかった。

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    2012年02月27日
  • 自動車の社会的費用

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    ネタバレ

    たしかに、日本の道路は歩行者に配慮在る作りになってはいないが、中国なんかに比べると、運転手が歩行者に配慮しながら走っていることが多いことを鑑みれば、まし、と言えるのではないだろうか。

    作者は、一貫して車を「悪」とみなしていたが、経済がここまで発展したのは車のおかげであり、今の生活にはなくてはならないものである以上、車が優先されてもしかたがないことなのではないかなぁ。と。

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    2012年05月30日
  • 経済学の考え方

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    「経済学とはなにか、経済学の考え方とはどういうものか―日本を代表する経済学者が自らの研究体験を顧みながら、柔軟な精神と熱い心情をもって、平易明快に語る。アダム・スミス以来の経済学のさまざまな立場を現代に至るまで骨太いタッチで捉え、今後の展望をも与える」一冊。

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    2009年10月04日