宇沢弘文のレビュー一覧
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世界の宇沢の講演録、文章などを本人がまとめたもの。若干の重複が見られるが、欧米時代を経た往年の業績、ローマ法皇や昭和天皇など名だたる人々との親交が垣間見れるほか、制度経済学・公共経済学の流れを組んだ環境・医療・教育などの「社会的共通資本」が国の発展の礎であることや、そのための国際炭素税などの仕組み、...続きを読むPosted by ブクログ
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格調の高い冷静な文章で、著者の交友関係を通じて時代が描かれており、その内容が大きな時代のうねりを感じさせるもので、著者のスケールの大きさを感じた。Posted by ブクログ
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人間が幸せになるための経済学であるべきなのに、ただたんに儲ければいいというテクニックに資するための経済学に堕落した一部経済学者がはびこってしまった。
社会的共通資本という考えを打ち出し、本来の人間の営みと調和していくため色んな角度で経済学を立て直していこうという宇沢氏の生き様が描かれている。
宇...続きを読むPosted by ブクログ -
アカデミックな内容でありながら、ロジックとストーリー、著者の自説のバランスが良く、経済学初心者の自分でもこれまでの歴史と課題などを概観することができ、経済学への興味を深めることができた。なかなかの良書だと思う。Posted by ブクログ
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Ⅲ「自動車の社会的費用」のうちの3「新古典派の経済理論」と4「社会的共通資本の捉え方」、5「社会的コンセンサスと経済安定性」あたりは、経済学の理論の紹介が主な内容で、いささか難しいところもあった。
クルマ社会を「社会的費用」という観点から」捉えるという視点は、なかなかおもしろいと思う。Posted by ブクログ -
宇沢弘文氏のことは全く知らなかった
が、この本で知の巨人であると認識した。
市場原理主義に対して何十年も前に問題に気付き、解決する方法を考えてきた人がいたことは嬉しい。
現在、この問題に多くの人が気付いているというが、社会全体の総意になってはいないように思う。Posted by ブクログ -
とある講演会で、国土交通省の方が宇沢弘文『自動車の社会的費用』を紹介していたので、気になって入門本を読んでみました。
生い立ち以降は、経済学の教養ないと理解が難しいです。少なくとも私は無理でした(笑)見えないものを定量化するのは難しいと思うので宇沢さんはすごいなあと思ったのとカーボンクレジット(この...続きを読むPosted by ブクログ -
親族の戦死体験、数学にのめり込んだ学生時代、経済学への転向、米国での成功と失望による帰国、公害問題への取り組みと、まるで大河ドラマを観ているかのような、1人の人間の生涯を描いたドラマチックな新書でした。Posted by ブクログ
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新古典派経済学の批判者としての宇沢の、簡潔な一般向けの評伝。ケインズ以降、1970年代ごろまでの、手軽な経済学史としても読むことができる。Posted by ブクログ