宇沢弘文のレビュー一覧

  • 自動車の社会的費用

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    40年前のこのような考え方を著した事に脱帽.数値的には古いが社会的共通資本という考え方は色あせない.ただ現実のどう落とし込んでいくかと言うのは難しいね.

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    2018年10月09日
  • 人間の経済

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    宇沢哲学がコンパクトにまとまっていると思います。石橋湛山やヴェブレンに共感する姿勢に氏の一生を通じて辿り着いた哲学がみてとれます。経済学部出身の私としては、経済学とは何ぞやということを30年振りに考えさせられました。

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    2017年08月28日
  • 人間の経済

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    新自由主義(リベラリスト)の観点から世界を切り取る経済学者の未来へのメッセージ。その内容は経済資本と世界の潮流、医療、教育、自然、農業と多岐にわたる。
    各項目についてさらっと心に残ったところを。。

    「経済について」
    世界はパックスブリタニカ(帝国主義時代)の後にパックスアメリカーナ(市場原理主義)(共産主義もあった)となった。いずれも倫理の面から問題のある経済政策であり、両方とも失敗した。これからは社会的共通資本という聖域を持つ資本主義とするべきである。

    「医療について」
    イギリスのNHS政策のように当初は国民皆保険制度のようなものであったにも関わらず、財政支出を抑えるようにした結果、しわ

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    2017年08月17日
  • 経済学は人びとを幸福にできるか

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    宇沢弘文の経済学に対する考えに触れることができ、新たな学びがあった。経済学とは豊かになることが前提だが、豊かになるという事がどのような事なのかを考えさせられる。相手も自分も幸せになるために、心をどれだけ豊かにすることができるのかが経済学の根底かもしれない。

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    2015年10月12日
  • 宇沢弘文の経済学--社会的共通資本の論理

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    人類の歴史を振り返ってみるに、所謂、産業革命以後の経済活動以前から、大なり小なり商業資本主義の活動は営々と継続されてきたわけである。その中で、金融も経済活動の潤滑油として機能してきた。

    そして、そのような経済活動はその民族の歴史・文化・自然条件・立地条件、宗教などなど、先人が培ってきた様々な制度を遵守しながら継続してきたわけである。

    とりわけ、宇沢先生の提唱する社会的共通資本については、経済活動における「聖域」として、みんなで守り育ててきたものなのだろう。

    都市におけるみんなが利用する社会的インフラも自然社会におけるコモンズ、入会権のように都市システムに参画する多様なステークホルダーで管

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    2015年07月09日
  • 経済学の考え方

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    70~80年代の反ケインズ経済学にはぴしゃりと厳しい宇沢先生。たしかに合理性だけで根拠に人間の複雑な行動の総体を一般化するのは無理があるし、そのことに寄りすぎると結局は世の中投機合戦になってしまって、どこが「経世済民」やねんと。

    ソースティン・ヴェブレン、ジョーン・ロビンソンについて調べたくなった。アカロフとスティグリッツのことも、ちゃんと若かりし頃から目をつけていたんだなぁ。

    近代経済学の導入として、ちゃんと勉強になる新書です。

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    2015年06月12日
  • 自動車の社会的費用

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    昨年亡くなった宇沢弘文さんの代表作ということで何気なく読み始めたところ、とても面白い著作でした。自動車を引き合いにした、新古典派経済学の批判の書ということなのだが、それよりも1970年当時の自動車社会に対する世の無批判に対する憤りを読者に強く感じさせるところが名著たる所以なのだと思う。

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    2015年05月07日
  • 経済学は人びとを幸福にできるか

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    延長すれば良かったのに時間切れ 経済理論より歴史的記述として勉強になる さすがはこの先生 社会的費用 資本の問題は重要であり難しいかな

    フリードマンに対して、個人的には誤解もあるような気はします

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    2015年04月23日
  • 自動車の社会的費用

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    著者宇沢の言い分のうち「他者の自由を全く侵害しない」という「近代市民社会の原則」の論がたびたびでてきたのには、違和感を覚えずにはいわれなかった。私はむしろ、各人が(あらゆる格好で)他人に迷惑をかけている(つまり他人の自由を、多かれ少なかれ侵している)というのが、都市とか集団社会の本質だと考える。勿論、だからといって、他人の自由の侵害を擁護するものではない、けれど、その「原則」を出発点にしつづける議論は、やや理想論にすぎるのではないか、ということ。基本的な部分では宇沢の主張にしばしば納得・感嘆させられたのだから、あまり極論に走られてはもったいない。

    「名著」と呼ばれるにふさわしい、意義深い、社

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    2015年01月05日
  • 経済学は人びとを幸福にできるか

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    ネタバレ

    世界の宇沢の講演録、文章などを本人がまとめたもの。若干の重複が見られるが、欧米時代を経た往年の業績、ローマ法皇や昭和天皇など名だたる人々との親交が垣間見れるほか、制度経済学・公共経済学の流れを組んだ環境・医療・教育などの「社会的共通資本」が国の発展の礎であることや、そのための国際炭素税などの仕組み、センター試験の弊害、官僚への失望、英NHSから見習うこと、など人となりや考えなどが概括的に分かる。特に炭素税については、直接話を伺って見たかったので、大変残念。

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    2014年11月29日
  • 経済学は人びとを幸福にできるか

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    格調の高い冷静な文章で、著者の交友関係を通じて時代が描かれており、その内容が大きな時代のうねりを感じさせるもので、著者のスケールの大きさを感じた。

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    2014年07月20日
  • 経済学は人びとを幸福にできるか

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    人間が幸せになるための経済学であるべきなのに、ただたんに儲ければいいというテクニックに資するための経済学に堕落した一部経済学者がはびこってしまった。

    社会的共通資本という考えを打ち出し、本来の人間の営みと調和していくため色んな角度で経済学を立て直していこうという宇沢氏の生き様が描かれている。

    宇沢経済学の通ってきた道をおさらいするためのガイド書である。

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    2014年02月06日
  • 自動車の社会的費用

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    ・日本の道路設計は自動車を使う利益にばかり目が向けられ不利益(=事故,騒音等公害)が考えられていない.
    ・自動車にかかる費用が自動車を使わない人にも分配されてしまっている.

    感想:自動車を国家産業にするために意図的に目を背けてきた部分もあるのではないかなぁ..という感がある.じゃあ道路を歩行者が通りやすいよう整備しなおしましょうといっても,ある程度経済的に発展してしまうと特に都市部ではこれを是正するには膨大なコストがかかってしまう(新興国ならある程度可能?).
    地方での新たな街づくりのあり方として考えると,ある程度の一極集中+車に頼らない街づくりはありなのでは?もちろん地方分権が進むことが前

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    2011年10月08日
  • 経済学の考え方

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    経済学とはなにか、経済学の考え方とはどういうものか―日本を代表する経済学者が自らの研究体験を顧みながら、柔軟な精神と熱い心情をもって、平易明快に語る。
    アダム・スミス以来の経済学のさまざまな立場を現代に至るまで骨太いタッチで把え、今後の展望をも与える本書は、経済学のあるべき姿を考えるために格好の書物と言えよう。

    [ 目次 ]
    1 経済学はどのうような性格をもった学問か
    2 アダム・スミスの『国富論』
    3 リカードからマルクスへ
    4 近代経済学の誕生―ワルラスの一般均衡理論
    5 ソースティン・ヴェブレン―新古典派理論の批判者
    6 ケインズ経済学
    7 戦後の経済学
    8 ジョーン・ロ

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    2011年04月24日
  • 経済学の考え方

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    アカデミックな内容でありながら、ロジックとストーリー、著者の自説のバランスが良く、経済学初心者の自分でもこれまでの歴史と課題などを概観することができ、経済学への興味を深めることができた。なかなかの良書だと思う。

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    2011年03月24日
  • 経済学の考え方

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    宇沢弘文ご本人の考える、経済学説の解説本であると同時に、評価本でもあります。
    しかし、現代の経済学思想につながる考え方も随所に現れており、そういうことだったのかと思わせる事も多い。

    ただし、少し経済学に詳しい人でないと難解であるとも思える。経済学を初めて学ぼうとする人がこの本にとりかかると、少し難儀に思うかもしれない。
    多少は経済学の思想を一通りかじった人が読むべきであるかもしれない。
    今我々に課せられている使命は、ジョーン・ロビンソンの説く「経済学第二の危機」である。

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    2010年03月17日
  • 経済学の考え方

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    経済学がこれまでどのように形成され、
    その底流にどのような考え方があるのかを明らかにした本

    2年後に再読したい

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    2009年10月07日
  • 経済学の考え方

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    1月?
    本書は、アダム・スミスから現代の経済学に至るまでを通し「経済学の考え方がどのように形成され、発展してきたかという面に焦点を当てた」本であった。ある程度の経済学の知識は読む上で必要である。経済学者の生涯にも触れつつ、そこでの体験が、どのように経済学的な考察へ影響をあたえたのかも記してあり、とても興味深かった。しかし、本書を通じ、私自身の不勉強を自覚させられる部分もありそれは今後の課題としておきたいと思う。今年に入り読んできた新書の中では、レベル、内容の両面から最高レベルであると感じる。

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    2009年10月04日
  • 社会的共通資本

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    農村を美化しすぎており、工業を悪く見すぎている。当時の時代背景からすれば正しいかもしれないが、現在は資本主義のスキマを埋める会社や試みも増えている気がする。農業と農村の社会的共通資本について、三里塚農社構想を挙げている。たしかに、農村に魅力を呼び戻すには、個人の活動よりも、一定規模の取り組みがあって初めて可能になることを理解した。

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    2025年01月30日
  • 自動車の社会的費用

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    Ⅲ「自動車の社会的費用」のうちの3「新古典派の経済理論」と4「社会的共通資本の捉え方」、5「社会的コンセンサスと経済安定性」あたりは、経済学の理論の紹介が主な内容で、いささか難しいところもあった。
    クルマ社会を「社会的費用」という観点から」捉えるという視点は、なかなかおもしろいと思う。

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    2024年05月12日