自動車の社会的費用

自動車の社会的費用

990円 (税込)

4pt

自動車は現代機械文明の輝ける象徴である。しかし、自動車による公害の発生から、また市民の安全な歩行を守るシビル・ミニマムの立場から、その無制限な増大に対する批判が生じてきた。市民の基本的権利獲得を目指す立場から、自動車の社会的費用を具体的に算出し、その内部化の方途をさぐり、あるべき都市交通の姿を示唆する。

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自動車の社会的費用 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    同時期に発売されたシューマッハーの『スモールイズビューティフル』と土地の扱いに関する提案でほとんど同じことが書いてあったことに、そしてこの提案が今ほど必要な瞬間もないと痛感することに、驚き。
    多くの人に読んでほしい。

    0
    2022年03月30日

    Posted by ブクログ

    「資本主義と闘った男」宇沢弘文氏の名著。自動車に限らず、任意の製品や仕組みを導入するときに、社会全体でどのように費用が発生しているのかという思考実験を実演している。本書が出版された1974年は世の中に急速に自動車が流通され始めた時代であり、政府が一斉に高速道路の建設など、社会を自動車向けにし始めた時

    0
    2021年12月24日

    Posted by ブクログ

    この本にある経済学的な思考は誰にでも備わっているべきである。我々は、社会的な価値判断を前提として生きている。しかし、その社会的価値判断は一度下されると、再び検討されることがない場合がある。それが問題となるのは、本書の主題となっている「自動車通行に伴う社会的費用の発生」といったような、社会的価値判断が

    0
    2020年04月01日

    Posted by ブクログ

    現実の社会問題と経済学の理論とが、斬り結ぶさまを学ぶことができた一冊。

    自動車という、それなしには考えられない事柄に対しても、批判理論を展開し、同時に理論的な枠組みを越えた社会規範についても論じられている。

    社会経済における自由と公正に関する議論では、”応益負担””応能負担””応分負担”それぞれ

    0
    2019年02月03日

    Posted by ブクログ

    本日は、この本を読み返す人が
    日本全国で何万人といるでしょう。
    私もその一人です。
    (2014年9月26日)

    0
    2014年09月26日

    Posted by ブクログ

    自動車が生み出す外部不経済とそれを社会的費用として内部化する方法についてコンパクトにまとめられた良書。
    自動車は混雑や事故、環境汚染などの外部不経済をもたらすのだが、そのコストを計算し、自動車利用者に負担させようというのが外部コストの内部化である。本当にわかりやすくまとめてあり、経済学初心者の方でも

    0
    2010年12月17日

    Posted by ブクログ

    この本が出版されたのが1974年、
    高度成長期の真っ最中に、自動車による外部不経済の発生を指摘した宇沢弘文の先見の名には脱帽するばかりだ

    自動車は騒音や排気ガスを発生させている。また、我が国の道路政策も自動車のために最適化されている、すなわち歩行者道路と自動車通行道路は明確に分けられておらず、また

    0
    2024年12月02日

    Posted by ブクログ

    筆者は自動車の社会的費用を分析するにあたって近代経済学の重要な柱である新古典派理論の限界を指摘している。と同時に、社会的費用の発生を許す経済活動自体、市民の基本的権利を侵害しているとの論理で展開する。

    0
    2021年11月27日

    Posted by ブクログ

    社会的公共財としての道路を使用する自動車の社会的費用の賦課方式は、自動車保有と使用に対してなされる。理想的道路の構造および自動車な公害防止基準に依存する。観光道路も同様。
    歩車分離、自転車道、歩行者保護や公害防止等の為、自動車重量税、ガソリン税が使われるべきと言えるが、すでに一般財源化されており、ど

    0
    2021年01月13日

    Posted by ブクログ

    著者も書名も知っていたけれど未読のまま数年。書店でたまたま目に留まって購入。

    B/C分析は2020年の今も道路計画を評価するベースの考え方だが、冒頭でさっそく斬り捨てられていて笑ってしまった。
    令和になってようやく歩行者フレンドリー(ウォーカブル)な計画が積極的に志向されるようになり、時代が追いつ

    0
    2020年12月02日

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