西智弘のレビュー一覧

  • それでも、安楽死の話をするのなら

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    自分の中では明確になっている安楽死制度。
    定期的に知識のアップデートをと思い手に取りました。

    内容については、筆者の言わんとする事は理解できますが、筆者自身が「個人レベルから社会レベルへの議論を」と言いながら、やはり個人レベルの問題に収斂されるのが気にはなります。

    私自身は、法制度化に反対。理由を列挙する。(ただし、安楽死自体否定するのではなく、何らかの形でこれを可能とするスキームには期待したい。)

    ・安楽死を望む患者本人が、空気に流され安楽死を選択してしまう可能性が排除できないこと。
    ・患者本人が、わざわざ生か死の選択の余地を与えられてしまうこと。
    ・法制度を悪用する犯罪が発生す

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    2025年08月23日
  • だから、もう眠らせてほしい

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    読書記録76.
    #だからもう眠らせてほしい
    緩和ケア内科医である医師のノンフィクション作品
    (個人情報的観点からの仮名などは含む)

    安楽死と尊厳死
    知ってるようで理解していないその違い
    緩和ケア
    生きる事、生かされる事
    持続的な深い鎮静という初めて聞く処置

    痛み、苦痛の程度は誰が決めるのか?
    心の痛み、肉体の痛み苦しみの基準
    その本人にしかはかれないものを汲み取る医師の苦悩

    安楽死という選択についての意見が医師、当事者である患者だけでなく様々な立場の人が語るところに見方の違いを知る事ができ、重いテーマでありながら偏りのない主張に読む力をもらえた

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    2024年11月01日
  • だから、もう眠らせてほしい

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    末期患者のQOLをなるべく良いものにしようとする“緩和ケア”の専門医による著書。ある2人の癌患者との出会い(と別れ)を軸に、緩和ケアの在り方、安楽死制度の是非についての考え方が書かれている。
    タイトルは、病気の耐え難い苦痛に襲われた患者が、鎮静剤による醒めない眠り=緩やかな安楽死を求めて発した言葉。

    少し前に『“最悪”の医療の歴史』という本を読んだ時に、過去の医学が現代から見て如何に的外れだったかに驚くと同時に、「現代医学も未来から見ればまた未熟に映るのかもしれない」という感想を抱いた。
    ガンや感染症、難病等の治療についてもそうだが、医学以外の領域も絡んだりして、現代では判断がグレーだったり

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    2024年10月20日
  • がんになった人のそばで、わたしたちにできること

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    緩和ケアについて10回の講義録で、分かりやすく読みやすいです。特にACP (Advance Care Planning人生会議)については漠然とした知識しかありませんでしたが、人生を振り返り、最期をどう過ごすかを医療や家族と話し合うプロセスと知りました。胃瘻をどうするか、最期をどこで過ごすかと最終決定ばかりに目が向きがちでしたが、お互いの丁寧なコミュニケーションが大切とあり、話し合いの結果が変わっても良いこと、終末について話し合える関係作りが大切と改めて考えさせられました。終末期に関わる場合に手元に置いて時折開きたくなる本です。

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    2024年02月18日
  • だから、もう眠らせてほしい

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    「生への同調圧力」に対する抵抗のため安楽死を肯定する立場と「死への同調圧力」に対する危惧のため安楽死を否定する立場があるとして、その両方を包括できるようなしくみを作ることは果たして可能なのだろうか…と感じました。

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    2021年05月08日
  • だから、もう眠らせてほしい

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    安楽死について…
    賛成か反対かの議論をおりて選択肢のひとつとする。
    できるだけ、選ばないようにするには?
    安楽死と自殺ってなにか違うの?

    "耐え難い苦痛"って誰が決めるの??

    著者と対談者、事例から考える
    安楽死と緩和ケア。


    虐待被害からの末期癌。
    もし、自分がこの立場だったら…。

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    2021年05月06日
  • だから、もう眠らせてほしい

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    全員、いつか、必ず死ぬ(なんかそれも覆りそうな気配だけど、現時点では、まだ)。そして、どう死ぬかを決めなきゃならない事態もありえる。だから、哲学者の論考も大切だけれど、みんなが手にとれるポピュラー・哲学みたいな本もあっていい。これは、そういうニーズにうまくはまる本だと思う。

    医学って、残酷だ。患者にとってもそうだけど、それ以上に、死なせるか死なせないかを決めなきゃならない医師の方の心のケアってどうなってんだろう?あと、遺族のケアは??制度として安楽死が設定されてなくても、尊厳死は(患者の精神力次第では)今の日本でもできる。死ぬ本人はいい。納得ずくだし、後がないから。たぶん。でも、そうさせた医

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    2021年01月22日
  • だから、もう眠らせてほしい

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    新聞の書評から手に取った一冊。本の中に出てくる人物の、「患者の民主的な選択肢として安楽死制度はあるべきだが、SNSなどで盛り上がる単純な安楽死賛成派はタチが悪い、日本にはまだその制度を導入する文化的、社会的基盤が整っていない」という意見に同意したい。実際に自分自身や家族が当事者とならないと、本当の意味ではこの問題には向き合えないとも思う。緩和ケアの専門医として当たり前のように終末を迎える人々と日々向き合い、上から目線でなく真摯にこのテーマへの考察を与えてくれる著者には感服する。

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    2020年12月13日
  • がんを抱えて、自分らしく生きたい がんと共に生きた人が緩和ケア医に伝えた10の言葉

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    ネタバレ

    身内に早期のがんがわかり、勉強しようと思って見つけた本。
    緩和ケアについて、治療を断念して病棟でそのまま終末期まで看取るという理解でしかなかった。
    訪問診療につなげたり、治療を継続する場合もあるということだった。
    がんとその患者さんの人生を真摯に受け止めて支援されていて、交流の中での患者さんの一言一言がとても心に響く

    p110「つながりを再構築する」
    医療者と患者さん 病状の適切な理解の支援 ストレス対処の支援 家族のケア
    がんと診断された時点で、すべてのものとの関係性が一度立たれてしまう 家族、友人、仕事、社会との関係 がんを抱えている自分として再構築する必要がある
    p113「近代ホスピス

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    2020年11月14日
  • だから、もう眠らせてほしい

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    緩和ケア医の西智弘さんの書く、安楽死と緩和ケアの話。

    西先生が実際に看取った患者さんの話に、安楽死や緩和ケアを深く考えている方たちとのやり取りを通じて、私達に安楽死と緩和ケアについて考えさせてくれる良書。

    西先生が担当した3人の末期がんの患者さんとの対応にあたったときの葛藤が見えたことで、医療者も悩んでいること、いろいろな考え方があるということ、それがよくわかった。そして、自分が安楽死を求める患者側になったとき、何を考えるべきなのか(というのか、どう考えてしまうんだろう)ということにちょっと触れることができて有意義だった。

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    2020年08月25日
  • だから、もう眠らせてほしい

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    過去に点滴で生かされて空を見つめるご老人たちの病室をみて、自分もこうなるのかと怖くなり安楽死が日本でも可能にならないかなとずっと思っていた。
    この本を読み、以前とは別の意味を安楽死に対して思う。
    緩和ケアの詳細。患者さんととりまく家族や親戚、医者との必ずしも患者本人とは一致しない決断。
    対話せずに、結論を急いでは絶対いけない問題だと。

    見解が違う者同士が、どちらが是が非かを競うのではなく、対話することにより、導き出される新しいこたえ。それは普遍ではなく、個人、時代や環境によって一つではないということ。

    選択肢の一つとしての安楽死だと。
    筆者あとがきの、人の死は3つある。
    肉体の死、精神の死

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    2020年08月16日
  • がんを抱えて、自分らしく生きたい がんと共に生きた人が緩和ケア医に伝えた10の言葉

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    医療の発達に伴い、死ねない時代になっている現代。生と死。いざその時に、どう対応すればいいのか。日頃から、少しずつでも「生き方」「死に方」を考えておかないといけないのではないかと思って読んでみました。

    幸い、私の親しい周囲には、がんを患っている人はいない。
    この本は、題名こそ「がん」を想定した生と死に関わる内容だけれど、「がん」以外の生と死を考えるにも、とても勉強になる本でした。

    腫瘍内科医であり、緩和ケア医でもある著者さんが、今まで経験してきた患者さんの「生と死」の現場を、とても読みやすく紹介し、医療者・患者・患者の家族の心情を、いろいろ見せてくれました。

    実際に、自分が、そして自分の家

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    2020年03月02日
  • がんを抱えて、自分らしく生きたい がんと共に生きた人が緩和ケア医に伝えた10の言葉

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    ここ数年、がんの末期の方と接する機会が多い。
    日々感じているモヤモヤを、ともに共有して対話してくださっているような気持ちになりました。
    「善意の呪い」をしない。主語を、患者さん本人にして考える。とても大切なことです。

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    2020年01月12日
  • だから、もう眠らせてほしい

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    ネタバレ

    安楽死を望む2人の患者との関わりの中で緩和ケア医が日本での安楽死のあり方について考える本。緩和ケア医だけでなく、がん患者、ジャーナリストとの対談の内容もあり、それぞれの視点での考え方も学べた。スイスに渡航して安楽死を遂げた方がニュースになっており、日本でも近い将来の導入があり得るのかと感じていたが、その道のりの難しさ、また日本の文化や思想を十分に踏まえた精度が必要で、そして制度だけ作ればいいという問題ではないことがわかった。読んでよかった。

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    2025年12月05日
  • だから、もう眠らせてほしい

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    ヒボさんの本棚から。
    「だから、もう眠らせてほしい」って、なんと切実な願い。死がすぐ近くに迫っていて、苦痛を伴う毎日を過ごす患者と家族の願いは、日本では受け入れてもらえない。
    この本を読んで、「苦痛」というものの捉え方が気になった。
    医学的に言う苦痛と、患者が訴える苦痛には違いがあるし、患者の中でも人それぞれ苦痛に感じるポイントの違いがある。
    ユカの言っている「自分の足でトイレに行けなくなったら…」という基準は、すごくわかるなと思った。
    自分のことが自分で出来なくなることに、私もとても苦しみを感じる方なので。
    逆に痛みにはすごく強いみたいで、とことん我慢してしまう方なので、鎮静処置をしてもらえ

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    2025年07月15日
  • だから、もう眠らせてほしい

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    安楽死と尊厳死の違いっていうのはきちんと考えたことがなかった。著者は緩和ケア医であり、緩和ケアが充実することで、安易な圧力による安楽死は広がる懸念を払拭したいと考えている立場。実臨床に基づいた症例報告と、指揮者との対談の内容で構成されており、安楽死、尊死しにまつわる深い考察を学ぶことができる。

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    2025年02月16日
  • がんを抱えて、自分らしく生きたい がんと共に生きた人が緩和ケア医に伝えた10の言葉

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    医師ががん患者との触れ合いを通じて感じたことを、考え方などを掘り下げて論じている。

    緩和ケアだけでなく、腫瘍内科医の立場、ケアを実施する地域在宅医療の立場など、いろいろな考えがわかる。

    QOLや医療経済を知るヒントになると感じた。また、尊厳死や民間療法などが気になる方には、とくに一読を勧めたい。

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    2024年05月05日
  • だから、もう眠らせてほしい

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    「持続的な深い鎮静」
    そんなものがあるのだと知ったのは西先生のnoteだったと思う。安楽死と何が違う?どのタイミングで?誰が決める?


    そこから解放されるのは死しかないという状況で、痛みに耐え続けなければならないとか、点滴や栄養チューブによって植物のように生かされるとか。医師個人の死生観や家族の都合でそれが決まってしまうのは余りにも惨い。
    「耐え難い苦痛」とは身体的な事だけではないのだ。


    安楽死、緩和ケアや鎮静についてもっと勉強する。生き方、死に方について家族と話し合う。

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    2024年03月23日
  • がんを抱えて、自分らしく生きたい がんと共に生きた人が緩和ケア医に伝えた10の言葉

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    「どうして人は、自由に生きられないのだろうか」
    まさに最近、痛感していること。
    病気になっても自分らしさを保つということは、本当に難しい。
    でも、こんな風に寄り添ってくれる緩和医さんとなら、頑張れそうな気がした。
    元気な時から、自分が病気になった時にどんな風に治療、生活したいのか考えておくことが大切だと思った。
    近くにこんな病院がないか、今のうちに探してみよう。

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    2024年01月23日
  • だから、もう眠らせてほしい

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    日本では否定的な意見もある安楽死について、こう、と一つの定義では言うことはできないが、この本を読んでふわっとした感じで理解できた。自分なりに安楽死や緩和ケアについて何か意見を持ちたいと思う。
    一人ひとりの死に向かう姿勢と他人には本当の意味では理解できない「耐えられない苦痛」はそれぞれのLife storyがあって、それぞれその人について対話し、真剣に考えていくことが、患者とその家族、そして医療者が死を受け入れるために必要であるのだろう。

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    2023年04月08日