【感想・ネタバレ】だから、もう眠らせてほしいのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2021年05月08日

「生への同調圧力」に対する抵抗のため安楽死を肯定する立場と「死への同調圧力」に対する危惧のため安楽死を否定する立場があるとして、その両方を包括できるようなしくみを作ることは果たして可能なのだろうか…と感じました。

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Posted by ブクログ 2021年05月06日

安楽死について…
賛成か反対かの議論をおりて選択肢のひとつとする。
できるだけ、選ばないようにするには?
安楽死と自殺ってなにか違うの?

"耐え難い苦痛"って誰が決めるの??

著者と対談者、事例から考える
安楽死と緩和ケア。


虐待被害からの末期癌。
もし、自分がこの立場だ...続きを読むったら…。

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Posted by ブクログ 2021年01月22日

全員、いつか、必ず死ぬ(なんかそれも覆りそうな気配だけど、現時点では、まだ)。そして、どう死ぬかを決めなきゃならない事態もありえる。だから、哲学者の論考も大切だけれど、みんなが手にとれるポピュラー・哲学みたいな本もあっていい。これは、そういうニーズにうまくはまる本だと思う。

医学って、残酷だ。患者...続きを読むにとってもそうだけど、それ以上に、死なせるか死なせないかを決めなきゃならない医師の方の心のケアってどうなってんだろう?あと、遺族のケアは??制度として安楽死が設定されてなくても、尊厳死は(患者の精神力次第では)今の日本でもできる。死ぬ本人はいい。納得ずくだし、後がないから。たぶん。でも、そうさせた医師は?遺族は???疑問が残る。
あと、スイスに行けば安楽死ができる。それは事実だけど、ずいずんと安直な発想なのだとこれ読んで思った。向こうは向こうで裁判とか大変らしい。そして、ケアもけっこう雑だし、英語でタフな交渉もしなきゃならないらしい。じゃあオランダは?ベルギーは?って言ったら、そっちもそっちで「すべり坂」が発生してて、まだその対策は追いついてないらしい。
「欧米」なんてものは、日本人の頭の中にしか存在しない。それをさも尊いもののようにありがたがるのは、もうやめたほうがいい。日本は日本のやり方で行くしかない。安楽死がどうの、っていうよりも、舶来物をありがたがる習慣から変えた方が良さそうだと思った。
そして、QOLの決め手は周囲の人との関わりと経済状況なんだと思った。本書の登場人物のユカさんにしてもYくんにしても、伴侶に恵まれ、医師に恵まれ、地域のシステム(地域の保健室というものがあるらしい)に恵まれている。経済的にもある程度の余裕がある。
究極の贅沢品。
それが安楽死なのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2020年12月13日

新聞の書評から手に取った一冊。本の中に出てくる人物の、「患者の民主的な選択肢として安楽死制度はあるべきだが、SNSなどで盛り上がる単純な安楽死賛成派はタチが悪い、日本にはまだその制度を導入する文化的、社会的基盤が整っていない」という意見に同意したい。実際に自分自身や家族が当事者とならないと、本当の意...続きを読む味ではこの問題には向き合えないとも思う。緩和ケアの専門医として当たり前のように終末を迎える人々と日々向き合い、上から目線でなく真摯にこのテーマへの考察を与えてくれる著者には感服する。

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Posted by ブクログ 2020年08月25日

緩和ケア医の西智弘さんの書く、安楽死と緩和ケアの話。

西先生が実際に看取った患者さんの話に、安楽死や緩和ケアを深く考えている方たちとのやり取りを通じて、私達に安楽死と緩和ケアについて考えさせてくれる良書。

西先生が担当した3人の末期がんの患者さんとの対応にあたったときの葛藤が見えたことで、医療者...続きを読むも悩んでいること、いろいろな考え方があるということ、それがよくわかった。そして、自分が安楽死を求める患者側になったとき、何を考えるべきなのか(というのか、どう考えてしまうんだろう)ということにちょっと触れることができて有意義だった。

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Posted by ブクログ 2020年08月16日

過去に点滴で生かされて空を見つめるご老人たちの病室をみて、自分もこうなるのかと怖くなり安楽死が日本でも可能にならないかなとずっと思っていた。
この本を読み、以前とは別の意味を安楽死に対して思う。
緩和ケアの詳細。患者さんととりまく家族や親戚、医者との必ずしも患者本人とは一致しない決断。
対話せずに、...続きを読む結論を急いでは絶対いけない問題だと。

見解が違う者同士が、どちらが是が非かを競うのではなく、対話することにより、導き出される新しいこたえ。それは普遍ではなく、個人、時代や環境によって一つではないということ。

選択肢の一つとしての安楽死だと。
筆者あとがきの、人の死は3つある。
肉体の死、精神の死、社会的な死。
今の時代、3つめの社会的死に向き合っていくことが
安楽死制度の導入を進めるより急務だと感じた。

読んで、出会えて良かった一冊。

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Posted by ブクログ 2024年03月23日

「持続的な深い鎮静」
そんなものがあるのだと知ったのは西先生のnoteだったと思う。安楽死と何が違う?どのタイミングで?誰が決める?


そこから解放されるのは死しかないという状況で、痛みに耐え続けなければならないとか、点滴や栄養チューブによって植物のように生かされるとか。医師個人の死生観や家族の都...続きを読む合でそれが決まってしまうのは余りにも惨い。
「耐え難い苦痛」とは身体的な事だけではないのだ。


安楽死、緩和ケアや鎮静についてもっと勉強する。生き方、死に方について家族と話し合う。

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Posted by ブクログ 2023年04月08日

日本では否定的な意見もある安楽死について、こう、と一つの定義では言うことはできないが、この本を読んでふわっとした感じで理解できた。自分なりに安楽死や緩和ケアについて何か意見を持ちたいと思う。
一人ひとりの死に向かう姿勢と他人には本当の意味では理解できない「耐えられない苦痛」はそれぞれのLife st...続きを読むoryがあって、それぞれその人について対話し、真剣に考えていくことが、患者とその家族、そして医療者が死を受け入れるために必要であるのだろう。

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Posted by ブクログ 2023年02月15日

安楽死関連本。
著者は緩和ケア専門医ということもあり、安楽死には否定的のようだ。

また、安楽死関連本を出している宮下洋一氏との対談もあり、そこで宮下氏が「日本では安楽死を制定するべきではない」という考えだと初めて知った。

著書の中に、
「安楽死は美談」
というフレーズが出てくるが、そうなんだろう...続きを読むか?
違う気がする。

日本で行われている鎮静という処置。
「耐え難い苦痛」がある時に適用されるらしいが、この判断が患者の気持ちそっちのけで、医師や病棟などが決めるそうだ。

「耐え難い苦痛」を感じてるのは患者本人なのに。
誰の為の命なのか?
誰の為の死なのか?
なぜ患者が一番の弱者になってしまうのか?

もっと個人の生き方が尊重される世の中になってほしい。
やはり、患者本人の切り札として、安楽死は必要だと私は思います。

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Posted by ブクログ 2022年07月30日

安楽死と終末ケアについて、どんなことが議論されているのかとてもわかりやすかった。立場が違ったり、自分や家族だったらとか、いくら考えても答えが出ない問題だなと。

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Posted by ブクログ 2022年02月09日

安楽死制度を作るべきか作らないべきかではなく、作ったとして使う人をどう減らしていくかという考え方は新鮮で納得出来た。また、海外の安楽死制度をコピーするだけでなく日本独自の安楽死制度を作るとしたらどんなものになるか考えさせられた。

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Posted by ブクログ 2022年01月15日

西さんの意見も偏ってる部分があるんやろうというか、たぶん今はまだみんな偏ってるように見えて、それはたぶん自分の知識の無さと、議論の成熟のしてなさの両方なんかな。
もしこの制度ができたら自分はどう感じるんやろうか。
少なくとも、今持続的な深い鎮静についてはとても魅力的に写ったりもしたいる。死に際には苦...続きを読むしみたくはないよね。
なんにしろこの辺の話は、どうやったって全員にフィットは絶対せえへんし、最大多数の、みたいな話にしかならんやろうし、まだまだ議論されていくべき話ではあるな。
そう考えると野崎さんのバビロンの自殺法みたいなんも変な話ではないよなー

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Posted by ブクログ 2021年08月05日

もし自分にその時が来たら、何を選ぶのだろう。
医療において、治療方針やどのように死を受け入れる(選ぶ)のか、患者側が選べるようでいて、専門性の高さや倫理観から医療者側の意見の方が強く通ってしまうのは想像できる。
死に方はつまり生き方とも言えるが、なぜ違う話と思われているのか。安楽死という死に方を導入...続きを読むするなら、社会の中での生き方、生きづらさの解消などの議論も必要になると思う。
社会的処方という言葉は初めて知ったので、詳しく調べたい。

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Posted by ブクログ 2021年07月04日

本件のような状況には、自身も家族もなっていないです、
ただ精神的に苦しく、もう人生諦めたいと思ってた今、
未来をこんな風に考えて生きる人々と回りの人たちを知って
苦しさに息がつまりました。

先のことを考えたら、強くなれるのか。
という、作中の言葉に絶句しました。

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Posted by ブクログ 2021年02月22日

医師が多方面にインタビューする本は珍しい。安楽死という重いテーマだが、いろいろな意見が出てきて投げ出さずに読めた。社会的に議論されていることがコンパクトにわかる点もよかった。


2年後に読み直してみた。社会的というか、多様な価値観で決して統一されないなか、生死を考えることは数字では判断できないし...続きを読む、患者や医療者の人生そのものや価値観がかかわる大きなテーマと感じた。

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Posted by ブクログ 2021年02月11日

小説でありながら、筆者が緩和ケア医であることから、実写ではないかというリアル感もあった。
2人の患者と起こる出来事、感情に、真摯に向き合う医師の存在が羨ましくもあり、自分がどう向き合うかも考えさせられた。

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Posted by ブクログ 2020年07月23日

安楽死とは。緩和ケアとは。
耐えがたい苦痛とは。

死に向かう際の過ごし方について、話し合い、対応してこられた医師による、現場からの声。

そこに人がいること、そしてそこにいる人の存在を感じることのできる本でした。

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Posted by ブクログ 2020年07月20日

また死について考えていた。死を考えることは生を考えること。
ここで出てきてる人は別にガンではなくとも同じような選択をするんだと思う。もしかしたらガンでよかったのかもしれない。
安楽死、持続的な深い鎮静、自殺幇助…
方法はともかく迫る死への選択と希望。

完璧な処方箋はない。

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Posted by ブクログ 2023年05月06日

緩和ケア病棟は大変なんですね。患者の希望が本人抜きの会議のなか多数決でないと方針決定できずにしかも主治医はその情報伝達まで背負わされてて。パターナリズム嫌うのならオープンダイアローグではやれないのかな。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年07月20日

持続的な深い鎮静の適応がどこにあるのかを、医師の視点から素直な調子で綴っている。耐え難い苦痛って何?身体的な痛みだけの評価でいいの?という率直な疑問を、実際の患者との対話を通じて、ある種妥協点を見出しながらなんとか解消していこうとしている。
確かに本書の評価が高いのは分かる。
ただ、結論ありきの文章...続きを読むに見えてしまい、用心して読みたくもなった。最終章のカンファレンスの場面も、著者の正当性が前提にあるように読めるため、多職種と対話をしているようには全然見えない。

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Posted by ブクログ 2022年03月05日

緩和ケア医の手による、安楽死と緩和ケアをめぐる事実に基づく物語。

日本では安楽死に好意的な人が7割いるというけれど、安楽死と尊厳死そして鎮静、これらの違いをしっかり分かっている人はどれくらいいるのか。西医師がいうように、日本に合った形での安楽死はあった方がいいけれど、それを選ばずに済む努力が本当に...続きを読む必要だなと思う。
法整備よりもっと重要なのは、その先の運用の部分だということ。そこの制度設計を上手く行わなければ、彼のいう「弱い人」が死に追いやられてしまう危険性があるのもわかる。

この本に出て来るような末期がん患者の場合、QOLを脅かすような痛みや吐き気を緩和する術をとことん追求し、最後の最後で鎮静という手段が使えるならばいいのかもしれないけど、「耐え難い苦痛」の判断が患者ではなく医療側に委ねられている現実など、誰のための医療か?の原点に立ち返って必要がある。

私なら、「閉じ込め症候群」になったら是非とも安楽死を望むところだが、それさえも閉じ込められたら意思表示できないと思うと恐怖しかない。やっぱり、民主的なひとつの方法として安楽死制度はあったほうがいいな。

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Posted by ブクログ 2021年03月06日

タイトルが余りにも強烈で手に取ってしまった本。
安楽死制度について、緩和ケアの専門家の視点で語られる。
様々な考え方があるんだな、というのを知ることができて良かった。

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Posted by ブクログ 2021年01月30日

安楽死を願った二人の若き患者と過ごし、そして別れたある夏に何が起こったか――。オランダ、ベルギーを筆頭に世界中で議論が巻き上がっている「安楽死制度」。その実態とは。緩和ケア医が全身で患者と向き合い、懸命に言葉を交し合った「生命」の記録。
私は仕事柄、がんに限らず筆者と同じように「死」と向かいあう。だ...続きを読むけど診療科の関係で緩和ケアとはほぼ関わらないし、医者の中では遠いところにいる。正直安楽死制度は個人的に必要だと思っている。かといって自分が主治医でその選択権を委ねられたら困るだろうけれど。自分が患者だったらその選択肢がほしいと思うだけだ。だけど、筆者の安楽死をできるだけ減らしたいという思いを抱えながら診療に全力であたる人の考え方は共感できるし、自分も最後まであがく人でありたいなとも思う。それが患者にとって幸せかどうかは、人によるし、全く同じことはできないと分かっている。答えがない中で、社会的にもっと議論が進んでできるだけ多くの人が苦しみから解放される仕組みを目指すしかない。格差を受け入れて制度化するしかないというのは暴論にも聞こえるけど、考え方はみんな違うわけだし一理あるなと思った。

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Posted by ブクログ 2020年11月03日

安楽死の是非を具体的な患者とのエピソードを元に著者の意見が書かれている。
緩和ケアという選択肢と合法的な安楽死という制度を作るかどうか。

耐え難い苦痛というものは誰観点なのか、身体的/精神的なのか、という安楽死や鎮静薬の投与基準とすることができるのか など新しく考えることが多かった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年10月16日

一度読むだけでは腹に落ちなかった。
まずは、所々に出てくる著者の所感について、理解できない。例えば「あぁまた失敗したなと思った」と書いてあっても、どう失敗だったのか飲み込めない。もちろん後に解説もない。
主要登場人物2名の死についても、海を見ながら余韻を残す描写で終わる感じが、小説かよ!とツッコミを...続きを読む入れたくなる。そういうちょっとしたズレが蓄積していくのが、読みにくい。

そして、主題の一つとも言える安楽死と緩和ケアの違いが、本を読んでますますわからなくなった。本では鎮静の適応があるかどうか、医療者で議論している。これは複数の医療者の納得が得られれば、際どい鎮静も行われるということだ。白か黒かの明確な線引きができない。関わる医療者の死生観に委ねられるってこと。緩和ケア、リスクありすぎ。

また、緩和ケア歴10年と称する著者が、あまりに自然体である。分からない言葉を後から調べようと思い、先輩看護師にも積極的に怒られる。(私はこの怒られる場面でも、理由が理解できなかった)確かに日々の現場で提供される医療は、診療報酬がつかないレベルの対応も含めれば、後から後悔するようなことはしょっちゅうだ。だが、ライブ感あり過ぎるというか、ちょっと頼りなさ過ぎやしないか。

著者が対談する相手については、達観しているというのか、問題提起もその解釈も百戦錬磨の言葉が並ぶ。そういった部分で学びが多いことも事実。
ないかもしれない答えを求めて奔走する、道半ばの著者を応援したい。そんな気持ちになった。

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Posted by ブクログ 2020年09月09日

奇しくも安楽死制度を求めて苦しんでいる方のニュースが流れてきた。難病で生きていることが辛いのに、死ぬことすら許されないと。
わたしにはその正解はわからない。死にたいと願うことと、生きるのを終えたいと思うのは似て非なる気もするし。
緩和ケア。安楽死。苦しみながらも生き抜くこと。死に方を求めてさまよって...続きを読むいる人々に選択できる権利はないのかな?
死に方について深く考えさせられる一冊。

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Posted by ブクログ 2020年11月01日

安楽死も緩和ケアも、この本の内容は私の経験でも思考でもないから語れないけど、安楽死を巡る問題の「私の中での居場所」を見つけたい。

という自分の問題意識とは別に、もっと文体の密度が欲しかったかな。巻頭に登場する安楽死希望の女性の苦しみなど、当事者が安楽死を望むに至った経緯心情がが案外とさらさらと書か...続きを読むれているので物足りなかった(これは好みの問題かもしれないが)

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