【感想・ネタバレ】だから、もう眠らせてほしいのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

持続的な深い鎮静の適応がどこにあるのかを、医師の視点から素直な調子で綴っている。耐え難い苦痛って何?身体的な痛みだけの評価でいいの?という率直な疑問を、実際の患者との対話を通じて、ある種妥協点を見出しながらなんとか解消していこうとしている。
確かに本書の評価が高いのは分かる。
ただ、結論ありきの文章に見えてしまい、用心して読みたくもなった。最終章のカンファレンスの場面も、著者の正当性が前提にあるように読めるため、多職種と対話をしているようには全然見えない。

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2022年07月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一度読むだけでは腹に落ちなかった。
まずは、所々に出てくる著者の所感について、理解できない。例えば「あぁまた失敗したなと思った」と書いてあっても、どう失敗だったのか飲み込めない。もちろん後に解説もない。
主要登場人物2名の死についても、海を見ながら余韻を残す描写で終わる感じが、小説かよ!とツッコミを入れたくなる。そういうちょっとしたズレが蓄積していくのが、読みにくい。

そして、主題の一つとも言える安楽死と緩和ケアの違いが、本を読んでますますわからなくなった。本では鎮静の適応があるかどうか、医療者で議論している。これは複数の医療者の納得が得られれば、際どい鎮静も行われるということだ。白か黒かの明確な線引きができない。関わる医療者の死生観に委ねられるってこと。緩和ケア、リスクありすぎ。

また、緩和ケア歴10年と称する著者が、あまりに自然体である。分からない言葉を後から調べようと思い、先輩看護師にも積極的に怒られる。(私はこの怒られる場面でも、理由が理解できなかった)確かに日々の現場で提供される医療は、診療報酬がつかないレベルの対応も含めれば、後から後悔するようなことはしょっちゅうだ。だが、ライブ感あり過ぎるというか、ちょっと頼りなさ過ぎやしないか。

著者が対談する相手については、達観しているというのか、問題提起もその解釈も百戦錬磨の言葉が並ぶ。そういった部分で学びが多いことも事実。
ないかもしれない答えを求めて奔走する、道半ばの著者を応援したい。そんな気持ちになった。

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2020年10月16日

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