巽好幸のレビュー一覧

  • 「美食地質学」入門~和食と日本列島の素敵な関係~

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     出汁や醤油など特徴的な味付けで他国とは異なる和食。和食が食べれる日本に生まれてよかったと思う一方、なんで日本で特有の食文化が生まれたのだろうと疑問を持ち、この本を読んだ。
     本書では、日本の調味料や酒などの作り方からおいしく作る条件を教えてくれるだけでなく、「なぜその条件が日本特有なのか」を地質学の観点から説明してくれる。食文化に地域性がある理由がとても腑に落ち、地質学の知識も増え、とても有意義な読書だった。

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    2024年10月22日
  • 地球は生きている 地震と火山の科学

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    46億年前に誕生した地球、そして日本列島についてとても分かりやすく解説した本。本書後半に、日本に地震や火山噴火が頻発するのはどうしてかを説明しているが、これがまたいい。
    本書を読むと、まさにタイトルにある「地球は生きている」を感じる。地球は一つの生命体で、地震や火山はまるで地球が呼吸しているかのようだ。

    地球の内部は意外に知られていない。それもそのはず、これまで人類が地球の中に最も深く到達したのは1万2,261メートル。約12km。ここまでしか「見ていない」のだ。
    凄い記録のようだが、地球の半径は約6400kmなので12kmといっても大したことない。
    が、これが人類の限界。一方、上に目を向け

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    2024年08月31日
  • 地球は生きている 地震と火山の科学

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     これはとても勉強になる本でした。僅か200頁余りの本ですが、地球の現在の構造、歴史、特にビッグファイブや生命の誕生と進化、日本列島の誕生の歴史、地震や火山活動の歴史と仕組みを網羅している。しかも短い文章だからこそわかりやすいのだ。難しいことを簡単に書くことができるこの著者は凄いと思いました。
     こんな本と出会えるのだから、読書ってエキサイティングだね。

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    2024年07月28日
  • 「美食地質学」入門~和食と日本列島の素敵な関係~

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    あとがきにこの本の意図するところが書かれて
    います。

    2013年2月、「和食」がユネスコ無形文化遺産
    に登録されました。

    そこで農林水産省は和食の特徴をこう表現して
    います。

    「日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情
    豊かな自然が広がっているため、各地で地域に
    根ざした多様な食材が用いられています」と。

    しかし「表情豊かな自然」はなにも日本だけに
    限られたものではないです。「日本」を他の国
    に置き換えた文脈も成立してしまいます。

    そこで地質学です。

    なぜ日本の水は美味しいと言われるのか。なぜ
    出汁という旨味が発展したのか。なぜ瀬戸内海
    は豊かな漁場なのか。

    これらはすべて日本と

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    2024年04月17日
  • 「美食地質学」入門~和食と日本列島の素敵な関係~

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    マグマ学者で美食家の著者ならではの視点で日本の食材についての蘊蓄と地学的側面から解説。日本という特別な環境があってこそできた食材であることがわかり、奇跡に感謝したくなります。地学知識はちょっと難しいところがあるかもですが、食材を見る目が変わるかも知れませんね

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    2023年10月21日
  • 「美食地質学」入門~和食と日本列島の素敵な関係~

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    日本食の魅力を四季でなく地質学の観点から見つめた、食と地学の奇跡のコラボ。

    水質やその本となる地質、日本列島の形成の過程の説明から、日本酒、醤油であったり琵琶湖の鮒寿司、江戸前の寿司などの由来を解説する。

    火山、地震と引き換えに奇跡的に得た日本食の魅力。

    これは楽しい1冊でした。まずは今年のBEST。

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    2023年03月20日
  • 「美食地質学」入門~和食と日本列島の素敵な関係~

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    和食が各地で多彩であり、そして美味しい理由を、日本列島の成り立ち、地形、気候など地学的な観点から解き明かしたとても興味深い本。
    科学的根拠に基づく説明は外国人にmake senseしやすいのでガイド時に役立ちます。

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    2022年12月23日
  • 地球の中心で何が起こっているのか 地殻変動のダイナミズムと謎

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    ドラマ日本沈没を見てはたして現実にあり得るのか検索。見つけたサイトの著者に興味を持ち本書を読んでみた。とてもおもしろい

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    2021年12月18日
  • 富士山大噴火と阿蘇山大爆発

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     各章ごとに「まとめ」があり,専門的な内容であるにも関わらず分かりやすく書かれてある。
    ■マグニチュードが1大きくなると地震のエネルギーは約32倍。2大きくなると1000倍大きくなる。
    ■マグニチュードが9以上の地震は数百キロメートルを超える範囲で大断層が動く。そのエネルギーはほぼ日本の年間総発電量に匹敵するほど。
    ■3.11後,日本列島では8つの火山で噴火が起きたが,6つは地震とは無関係な場所にある。
    ■御嶽山は80万年前から活動を始めていたが,歴史時代には噴火の記録が残っておらず,かつては死火山と考えられていた。
    ■地震が噴火を誘発する場合は地震に関連した現象によって,マグマ溜まりが刺激を

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    2016年07月10日
  • 富士山大噴火と阿蘇山大爆発

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    ネタバレ

    この本のタイトルはなぜこのタイトルか、読み終わると解るようになっている。
     世界一の火山国、地震国である日本。そうなっている原因はせめぎ合うプレートにあるという。日本東岸の太平洋プレート、北海道から関東までが乗る北米プレート、糸魚川静岡構造線から西の日本列島が乗るユーラシアプレート、日本南岸に位置するフィリピンプレートである。
     地球上に14枚あるとされるプレートのうち4枚が日本列島の下か至近にある。これが地震のもとになっているのは周知の通り。
     では火山活動にはどのような影響を与えているのか。
     プレートが沈み込むときに水分が抜け、その水分が地中で温度が上がり周囲の岩石を溶かしながらマグマだ

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    2016年07月03日
  • 地球の中心で何が起こっているのか 地殻変動のダイナミズムと謎

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    プレートテクトニクスでは分からないどうやって大陸と海洋が別れたかなど仮説かもしれないが凄く納得できる。
    地球の構造が中心から核、マントル、地殻がありマントルの対流で近くが動いて大陸移動したと言うのが一般的なプレートテクトニクスの理解だろう。ではそれぞれの構造は?と言うと核がほぼ鉄(とニッケル)でできていると言うのはまだ知ってる人が多いかもしれない。

    マントルの組成は二酸化ケイ素と酸化マグネシウムが主でなんと月の石の酸素同位体測定の結果と全く一致する。原始の地球に原始の惑星「テイア」が激突し、その破片が重力の作用でできたのが月だと言う説が有力らしい。次に地殻だが大陸と海洋では組成が異なる。構成

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    2013年11月07日
  • 「美食地質学」入門~和食と日本列島の素敵な関係~

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     副題として、「和食と日本列島の素敵な関係」とある。その地域に独特の食文化と食があるということは、理解できる。食を地質学から考察するというのがユニークである。

     著者は地球科学者でマグマ学者。世界中の山や海底から採取してきた石のつぶやきに耳を傾けながら、太陽系唯一の「海惑星・地球」の進化や、地球上で最も火山や地震が密集する日本列島の歴史を調査してきた。著者は、無類の食いしん坊で、素敵な食材や料理を育む背景には、地球や日本列島のダイナミックな営みがあると思い、「美食地質学」を考究することを始めた。日本列島の形成の歴史、プレート運動、火山の恵み、そして水の恵みが、料理と深い関連がある。

     地球

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    2025年06月22日
  • 「美食地質学」入門~和食と日本列島の素敵な関係~

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    日本の食文化が地形や地質と関係していることを説明する。

    日本列島は2500万年前にアジア大陸から分裂して、1500万年前に現在の位置まで移動した。日本列島が大陸から分裂したのは、太平洋プレートが沈み込んで上部マントルと下部マントルとの境界付近に横たわっていたものが浮き上がることで、マントル内の上昇流が生じたためと著者は考えている。

    この時代に、もともと一つの火山列島だった伊豆小笠原マリアナと九州パラオが分裂して、四国海盆とパレスベラ海盆という新しい海底地盤がフィリピン海プレートの中に誕生した。生まれたての熱いプレートである四国海盆が沈み込み、プレート自体が溶けて大量のマグマが発生した結果、

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    2024年05月30日
  • 「美食地質学」入門~和食と日本列島の素敵な関係~

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    軟水と硬水。二つの水の性質が、我らの食文化のルーツにつながっているとは。目に見えない地下水脈から流れる水が私たちの生命の営みと、文化の基礎を支えてくれている。この本は知らなかったことをプレートの話から食文化の話までを織り交ぜて静かに教えてくれる。また読みたい一冊。

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    2024年05月04日
  • 富士山大噴火と阿蘇山大爆発

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    マグマや火山の形成、噴火の要因、富士山や巨大カルデラ噴火について、わかりやすくまとめられている。

    マグマは、海洋プレートが沈み込んだ100km以上の深さでプレートから絞り出された水とマントルが反応して生まれる。玄武岩質マグマは、比重が重いマントルの中を上昇した後、ほぼ同じ比重の地殻の底で止まる。そこで冷えて結晶化したものが沈み、液体部分に軽い二酸化ケイ素が増えた安山岩質マグマが残ると、地殻より比重が軽くなって上昇し、地殻内にマグマだまりをつくるが、地表に到達するまでに大部分は結晶化する。これによって大陸地殻が成長することになる。一方、伊豆・小笠原弧の地殻は重くて薄いため、玄武岩質マグマが上昇

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    2018年10月31日
  • なぜ地球だけに陸と海があるのか 地球進化の謎に迫る

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    研究者本。宇宙のゴミが集まって、水星〜火星の地球型惑星ができた。その中で地球だけが、海洋地殻と大陸地殻の2種類の地殻を持つ。なぜか?筆者らの説は、地球でのみプレートテクトニクスが作動し、元々は一種類の海洋地殻しか無かったところに、地殻の沈み込み、水と地殻の反応により、海洋地殻が、軽い大陸地殻と沈み込む重い物質に分化した。そして、プレートテクトニクスが作動した理由は、水があったから。何百kmの深部、何十億年前の出来事などを、現代の地上で得られる様々な証拠から読み解くストーリーは引きつけられる。研究者本なので、多少の理科知識(大学教養課程程度)はあったほうが理解しやすい。

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    2016年06月26日
  • 地球の中心で何が起こっているのか 地殻変動のダイナミズムと謎

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    結構専門的な内容なので,一般の方には少し難しいかもしれない.

    現在何が分かっていないのか,何が分かるとどんなことが見えてくるのか,といった部分が書かれているところが面白いし,臨場感がある.

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    2011年12月19日
  • 地球の中心で何が起こっているのか 地殻変動のダイナミズムと謎

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    私は理学系の研究者の方との交流がないので,どんな研究をされているのかよく分かりません.まずはこうした書籍を通して色々と勉強させていただきます.

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    2011年11月06日
  • 地球の中心で何が起こっているのか 地殻変動のダイナミズムと謎

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    第3章から90年代以降の研究成果が出てくる。マントルダイアピルとマントルウェッジ、ホットフィンガー、IBM、サブダクションファクトリー。海に関連してJAMSTECが税金をかけて大風呂敷を掲げて研究してきた成果である。幻冬舎新書JAMSTEC第二弾の新書である本書は意味があると思う、アウトリーチとして。

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    2011年08月07日
  • 地球は生きている 地震と火山の科学

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    ネタバレ

    中々気になっていたけれど
    知らなかった地球のことが知れて面白い!!!
    まぁ文系だったので、難しいことはよくわからなかったけれど、概要はゆる〜〜く掴めたかなと思う。

    個人的に、古カンブリア紀辺〜ジュラ紀辺りまで
    かなりワクワクするポイントなので、
    (なぜなら現在ではもう存在しない生物がたくさんいてその歴史に想いを馳せられるのがなんだかロマンがあるのである=ロマン大好き)
    その辺りの地球の状態がとても興味深かった!

    あとはやはり、日本に住んでいて火山&地震は
    知っておきたい部分だったので、
    こういう仕組みで色々と活動しているのだ!!と
    改めて地球の動きを俯瞰できるし、
    己の地震対策を再

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    2025年11月11日