あらすじ
46億年前の誕生以来、絶えず動き続けている地球。地震や火山の活動は、地球が私たちと同じく「生きている」ことの現れなのです。中心が5000℃を越える高温であるにもかかわらず、地表は生き物が暮らせる気温に保たれているのは、地球の内部で常に対流現象が起こっているおかげ。地球史上に発生した大事件や内部構造、日本列島に多発する地震と噴火のしくみをマグマ学者がやさしく図解。地球の未来を見つめるための科学講義。
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Posted by ブクログ
46億年前に誕生した地球、そして日本列島についてとても分かりやすく解説した本。本書後半に、日本に地震や火山噴火が頻発するのはどうしてかを説明しているが、これがまたいい。
本書を読むと、まさにタイトルにある「地球は生きている」を感じる。地球は一つの生命体で、地震や火山はまるで地球が呼吸しているかのようだ。
地球の内部は意外に知られていない。それもそのはず、これまで人類が地球の中に最も深く到達したのは1万2,261メートル。約12km。ここまでしか「見ていない」のだ。
凄い記録のようだが、地球の半径は約6400kmなので12kmといっても大したことない。
が、これが人類の限界。一方、上に目を向けると、人類はどこまで到達したのか。月までは約38万km。上と下ではかなりの違いがある。
しかし、科学者は見たこともない地球の内部がどうなっているのかを探り、多くのことがわかってきた。地球にだけあるプレートテクトニクス、海が、地球の内部の対流現象をどのように引き起こしているのか、ダイナミックに語る。
日本列島の周辺は、地球上の十数枚しかないプレートのうち4つも集まっており、日本列島は地球上で最も活動的な変動帯に位置する。このため火山大国、地震大国になっている。
地球上には約1500の活動的な火山があるが、日本列島にはそのうちの111もある。地球表面のわずか0.1%にも満たない国土に10%近い火山が密集している。
また、比較的大きな地震をみると世界中の20%程度が日本列島で発生している。
しかし、これが水紫水明と形容される日本の山や川の美しさを作っている。
この地球は太陽からの適度な距離とその大きさにより原始大気を纏うことができ、そのことで水惑星として進化の道を歩んできた。この水惑星ではプレートテクトニクスが作動し、生命が育まれてきた。一方で地球の長い歴史のなかでは想像を絶するような大事件も勃発した。そんな試練を乗り越えて生命は進化し続け人類が誕生するに至った。
将来発生が確実な南海トラフ地震への備え、地球温暖化といった人類の活動が地球に大きな影響を与えるようになった気候変動、こういった試練を人類の知恵で乗り越えていかなければならない。そのためには地球のことを正しく知ること。これが大事だと思う。
地球、地殻、マントル、地震、火山などについて、いろんなエッセンスが詰まった本。こういう本を読むと更にこれはどうなっているのだろうかという関連疑問が次々に湧いてくる。地球に対する興味が尽きない。
Posted by ブクログ
これはとても勉強になる本でした。僅か200頁余りの本ですが、地球の現在の構造、歴史、特にビッグファイブや生命の誕生と進化、日本列島の誕生の歴史、地震や火山活動の歴史と仕組みを網羅している。しかも短い文章だからこそわかりやすいのだ。難しいことを簡単に書くことができるこの著者は凄いと思いました。
こんな本と出会えるのだから、読書ってエキサイティングだね。
Posted by ブクログ
中々気になっていたけれど
知らなかった地球のことが知れて面白い!!!
まぁ文系だったので、難しいことはよくわからなかったけれど、概要はゆる〜〜く掴めたかなと思う。
個人的に、古カンブリア紀辺〜ジュラ紀辺りまで
かなりワクワクするポイントなので、
(なぜなら現在ではもう存在しない生物がたくさんいてその歴史に想いを馳せられるのがなんだかロマンがあるのである=ロマン大好き)
その辺りの地球の状態がとても興味深かった!
あとはやはり、日本に住んでいて火山&地震は
知っておきたい部分だったので、
こういう仕組みで色々と活動しているのだ!!と
改めて地球の動きを俯瞰できるし、
己の地震対策を再考するきっかけにもなると感じる。
そして、今回は単行本を読んだのだが、
表紙デザインがスッキリとしていて格好いい!
飾りたいレベルで美しいなぁ〜