あらすじ
聖武天皇によって建立された東大寺の盧舎那仏。奈良時代、日本は神々への祭祀を軸にした「祭祀国家」から、仏法に基づく統治を行う「鎮護国家」へと舵を切った。国家体制を揺るがすほどの大変貌。その裏には大地震と熊野の豊かな鉱脈にあった――!? 美食と地質の関係を描き出したマグマ学者が次に解き明かすのは歴史と地質の深い繋がり。ヤマト王権の祭祀から神仏融合へと至るまで、地質学の視点で日本の始まりの時代を究明する!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
同年にでた『大地と人の物語』のように、神話や伝承、歴史を地学の立場で語る本が増えている。
来ちゃうのか?ブームが!
本作は日本古代史を地学的に掘る。
日本の歴史を学ぶものは、例えば「ヤマト(奈良盆地)の豪族の政権が強くなったの、なぜ?」という問いに「コメがたくさん取れたし、海からの距離もちょうど良かったし…」みたいな答えは用意できるし、まあ知っているわけだが本書では「じゃあなぜ奈良盆地のオオヤマトのあたりでコメがとれる?」と、もうひと掘り、問いを立ててくれる。
とくに、中盤、熊野の山や奇岩、鉱物などを扱う部分は読み応えがあって、いい学びになった。
ちなみに、「門外漢」が古代史を語る時あるあるの、「だからこの神話は実話だと思う…」とか「学会で黙殺された新事実!」みたいな断言口調のアホなことは基本言ってこない、押し付けがましくはない本なので、その辺は安心できる(もちろん、特に後半部で、学説が割れていたり定説のない事象に、「私はこの説の立場をとって語る」みたいな話の振り方はあるが)。