トルーマン・カポーティのレビュー一覧

  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    表題作『ティファニーで朝食を』と『クリスマスの思い出』の2つがとても好き。『ティファニー~』では何と言ってもホリーという女性のキャラクターが魅力的すぎる(見返りに皿に山盛りの馬糞をするような女性という表現がとても面白い)。刑事に連れて行かれるとき「猫にご飯をあげてね」っていうところも彼女の特徴を表してて好き。映画のほうが有名で、村上春樹はヘプバーンの印象が強すぎるからまずは原作である小説でホリーを感じてほしいと言っていた。なのでとりあえずは理想の読者にはなれたということで良しとしよう。

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    2025年06月30日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    その人に抱いているイメージ通りに生きるのか、そうじゃないのかはわからない。
    多分こんな感じなんだろうなと本質は多少理解できても現実にどうなるかは思いもよらない気がする。
    幸せになれてるといいけどね。

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    2025年04月24日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    どの話も語りすぎず余韻のある終わり方。
    また映画化されているが、原作は映像化されたほんの一部でモチーフにすぎない。
    映像化されると、原作が先か、映像が先かという話になるがどちらも両立するし前後もなく共存し合っているなと思った。

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    2024年11月04日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    映画では有名だけど、まだ見たことはない。
    ただ主役のオードリーだけは頭にある。
    だからはじめは、顔がチラついて集中できなかった。でも読んでいくうちにそれもなくなり、自分なりのホリーが動きまわった。若く、可愛らしく、いきいきと、今を精一杯思うがままに!
    「何年かあとに、何年も何年もあとに、あの船のどれかが私をここに連れ戻してくれるはずよ。私と、九人のブラジル人の子供たちをね。
    どうしてかといえば、そう、子供達はこれを目にしなくてはならないからよ。この光と、この川を。私はニューヨークが大好きなの」
    今でもたぶんホリーは、どこかの街で、動きまわっている。それは、ブラジルかもしれないし、ニューヨークか

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    2024年09月18日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    「ライ麦畑でつかまえて」や「グレート・ギャツビー」に似てるなって思った。

    ‘彼女な本物のまやかしだからね。彼女は自分の信じている紛い物を、心底信じているんだよ。あの子をそこから引きはがすことは、誰にもできやしない。’

    あったかい毛布のような、純真無垢なイノセンスの世界があったら良いけれど、きっと世界のどこにもないんだろうな。表題含め、どの話も切なかった。

    大人とは、裏切られた青年の姿である、まさしく。

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    2024年08月26日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    読みだすと止まらなくさせる文章の天才。 私は花盛りの家とクリスマスの思い出も好きでした。どれもハッピーエンド、すっきりとした終わりではないものの、ため息を吐いて浸りたくなるようなラストでした。 ティファニーで~のホリーはとっても魅力的なキャラクターでした。当時の時代背景ももっと勉強したい。 訳者のあとがきを読むと原文で読んでみたくなる作品です。

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    2024年07月16日
  • 遠い声、遠い部屋

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    現実の世界と死後の世界の狭間にたつような不思議な印象を持つ作品と感じた。言葉がとても良くて最後まですぅっと読めた。

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    2023年10月24日
  • 遠い声、遠い部屋

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    村上春樹の新訳によるトルーマン・カポーティのデビュー作。カポーティについては学生時代に主要な作品を読んだ気がしていたのだが、本書は未読だったために、新鮮な気持ちで読むことができた。

    本書は親に見捨てられて親戚に育てられた少年が、父親からの連絡によってその元へと戻るシーンからスタートする。このように、複雑な背景を持つ少年の姿というのは、あまり幸福な少年時代を送れなかったカポーティ自身の一種の投影にも近しい側面があるのだと思う。それもあってか、カポーティの作品における少年や子供が主人公の作品での、あまりの心理描写のリアルさには本当に驚愕させられる。

    本書でいえば、自分自身が過去に忘れてしまった

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    2023年09月09日
  • 遠い声、遠い部屋

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    ネタバレ

     久しぶりの圧倒的な読書体験。アメリカ文学に浸れる至福の時間。独特の比喩を用いた言い回し、個性豊かな奇妙な登場人物たち。古きアメリカのディープサウスの描写が素晴らしい。翻訳者を忘れて村上春樹の新作〜それも中期の頃の特別に面白い長編〜を読んでいるようだった。
     すらすら読めないので何度も読み返したり、戻ったり、以前の河野一郎訳はどうだったかと比較したり。読書の真髄を思い出させてくれる究極の一冊。じっくりと向き合って味わいたい小説です。
     新訳は春樹節が出過ぎてる箇所もある。言葉も前訳の方が分かりやすい部分もあるし、もちろん新訳の方が馴染みやすい単語になっている所もある。前訳で再読してみるのもいい

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    2023年09月07日
  • ここから世界が始まる―トルーマン・カポーティ初期短篇集―(新潮文庫)

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    名前を聞いたことはあるけど、作品を読んだことがなく、これが初めて読んだもの。

    短いのにどれも後先を想像せずにはいられない。
    どれも話に夢中になったけど、この4つが好き。好き、というか頭に残った。

    分かれる道、これをジェイミーに、ルーシー、こここから世界が始まる

    ここから世界が始まる、はタイトルにもなっているが、松任谷由実のひこうきぐもの歌詞とちょっと重なった。

    あまり暗いお話は、ましてノンフィクションはあまり手に取らないですが、『冷血』を読んでみようと思う。

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    2023年02月27日
  • ここから世界が始まる―トルーマン・カポーティ初期短篇集―(新潮文庫)

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    『8歳で作家になった』と言ったと言われるカポーティは、16歳の時に『ニューヨーカー』で雑用の仕事をしていて、21歳の時にO・ヘンリー賞を受賞。恐るべき子供(アンファン・テリブル)と注目を浴びて社交界デビューするけど、51歳の時に書きはじめたみかんの遺作『叶えられた祈り』で社交人の秘密にしたいことを暴露しちゃって追放される。60歳にハリウッドの友人宅で心臓発作で死亡。酒と薬物の問題を抱えていた。
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    早熟の天才が社交界で豪遊して酒か薬の問題抱える例で言ったら『悲しみよ、こんにちは』のサガンを思い出す。
    この短編集、カポーティが10代とか20代前半に書いた作品集なんだけど本当何か物語を描写する

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    2023年01月31日
  • ここから世界が始まる―トルーマン・カポーティ初期短篇集―(新潮文庫)

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    ハーパーリーの幼馴染で、”アラバマ物語”の”ディル”はカポーティがモデルだと知ったのがカポーティの本に興味を持ったきっかけ。
    代表作の冷血をまだ読んでいないのだが、先にこの、”ここから世界が始まる”を読んでみた。
    若い時、なんならまだ高校生のときにこれらの短編のいくつかを書いたとは、作家になるべくして生まれた人だと感じた。くどくどとしていないシンプルな文体の情景描写がさすが。早く冷血も読んでみたい。私は”ルイーズ”と”ミスベルランキン”がお気に入り。

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    2022年12月31日
  • ここから世界が始まる―トルーマン・カポーティ初期短篇集―(新潮文庫)

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    習作とのことだが、十分作品に仕上がっていると思わせる短編ばかりで、やっぱり天才と言われる人は違うんだなぁ…と思いました。こんな作品を十代で…と考えると、すごいとしか良いようがありません。
    面白いです。

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    2022年11月02日
  • ここから世界が始まる―トルーマン・カポーティ初期短篇集―(新潮文庫)

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    Outside of society

    村上春樹が解説で書いているように天才作家の天才的習作という表現がぴったり。

    全部を一気に読むのがもったいなくて何日もかけて読んだ。翻訳された海外文学を敢えて原書も読んでみようと思う作品はそんなには多くないけど、これは原文でも読んでみたいと強く思いました。

    作品としては星5つなのだけど、作品解題に納得できないところがあったので星4つにしました。

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    2022年10月19日
  • ここから世界が始まる―トルーマン・カポーティ初期短篇集―(新潮文庫)

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    単行本でも読んでいるが、この度文庫になったのでまた読んだ。少年少女の硬質な部分、寂しさ、みたいなものを書かせるとこの人は比類ないな。帯に「泣けるカポーティ」とあるのだが、それがよくわからない。どのへんが泣けるのか?

     いい話のようだけどどうもそれだじゃない変なモヤモヤの残る『分かれる道』『水車場の店』。
    裏『小公女』みたいな『ルイーズ』(ミルドレッド・バーネットという名前の人物も出てくる)。
    やはり美しいと感じる結末の『ミス・ベル・ランキン』。

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    2022年10月04日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    村上春樹さん訳
    訳者あとがきで、『ティファニーで朝食を』時代のトルーマン・カポーティについて書いてあります。
    あまりにも映画が有名すぎて、そのイメージで読んでしまうと小説の方が違うのでは…と思ってしまう。
    やっぱり先に小説を楽しんだあと、映像化がいいな

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    2025年10月28日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    ちなみに訳者は龍口直太郎であり、村上春樹ではなかった。
    魅力的な女性を主人公としたタイプの作品。ファムファタールとでも言おうか。思っていたのとは違うお話。
    面白いかと言われれば普通。

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    2025年09月01日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    海外文学は「そして誰もいなくなった」からの2冊目の読破。
    普段読んでいるものに比べて読むのが難しかった気がする。
    四つの短編からなるが、個人的に一番好きな作品は「クリスマスの思い出」だった。

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    2025年06月16日
  • ティファニーで朝食を(新潮文庫)

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    彼女の「野生のものを好きになっては駄目」というセリフに妙に納得してしまった。映画もちょっと気になる。

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    2025年06月08日
  • 遠い声、遠い部屋

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    10年前くらいに新潮文庫で読んで再読。以前読んだ際の記憶は全くなく、終始こんな話だったけ?の連続で、自分の記憶力のなさに驚いた。特に、成長して落ち着いたアイダベルが登場するはずだと思い込んでいた件については、自分のことながら開いた口が塞がらない。

    ジョエルの目を通して物語は進んでいくが、時に見栄をはってでっちあげを言ってしまうような純粋で不安定な少年性については自分の過去と照らし合わせて実感を伴ってくる。

    アイダベルとの少年少女らしい戯れや、ズーの凛とした様子やジョエルとの友情も微笑ましかった。その分、移動式サーカスの夜を経た後、ジョエルの心が死んでしまったような状態や、報われなさすぎるズ

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    2025年02月15日