三木成夫のレビュー一覧

  • 胎児の世界 人類の生命記憶

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    この本は、現在私の頭の中にある「魚類は大きなときの流れの中で哺乳類に進化していった」というイメージに対して、さまざまな根拠を提示してそれがいかに妥当であるかを説明している。その根拠の中で印象に残っているのが3つある。
    ニワトリの卵の解剖において確認した脾臓の役割、身体に障碍を持つ人間と古代動物の比較、そして人間の子供の成長の過程の3つである。
     まずニワトリの卵の解剖中に確認した脾臓の役割について。これはまず動物の胎児は母親のお腹の中にいるころ生物の壮大な進化の過程を踏むということと、魚類は(人間でいう)脾臓を使っているが、人間は脾臓を使っていないという前提がある。主人公は鶏の卵を解剖する

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    2012年01月05日
  • 胎児の世界 人類の生命記憶

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    近所の本屋にて珍しくPOP紹介してたので買ってみた。妻が妊娠三カ月なので、そういった状況も踏まえて読んでみたが・・・、読み進めるとすぐに眠くなる催眠術のような本。

    でも読み終わって2週間経つんだけど、今も時折この本のことを思い出す。たまたま福岡伸一の「動的平衡2」読んでたけど読んでる間もどっちかっていうとこの本のことを考えてた。

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    2011年12月20日
  • 生命とリズム

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    ネタバレ

    太古からの進化が、母胎の中でもなぞる様に繰り広げられる。物語性と事件性に富んだ文章で胎児の様子が書かれていた。とてもドラマチックでした。

    「それは気の遠くなるような、永い時の流れのおそろしいほどの圧縮でした。どんな生きものも「命の波」の連なりの中で、毎回、毎回、受精卵の発生にあたって、生命進化のドラマを必ず走馬灯のごとく再現させていくのです」

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    2025年11月13日
  • 内臓とこころ

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    解剖学の見地から内臓とこころの関係性を、幼稚園の先生に講演した際の記録。子供の成長、人類の進化、内臓や臓器などの成り立ちなど、普通の人のものの見方とは違う見地で語られていました。

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    2025年06月28日
  • 生命とリズム

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    2013年出版。…の割には、随分と古めかしい表現だなぁ…と思ったら、1987年に没した方でした。40年近く前。「リズム」というのは、進化の過程を発生の段階で再生する事。1日~週の周期性が身体に組み込まれて見える事、など。
    1日の在るべきリズムを崩した、或いは生来の性質?で社会とリズムが合わない場合の身体的な分析や、社会としての対処のバリエーションが増えるべきでは?とか、様々に語られる。理論の為の理論?的な文章も有り、退屈なので読み飛ばしたが、面白い部分も有り。読んで無駄とは感じなかったのは幸いでした。

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    2024年10月15日
  • 胎児の世界 人類の生命記憶

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    母胎の世界の神秘さを思い知らされる。三木氏のいう、リズムを基調とした生命の宇宙。伊勢神宮の式年遷宮にも演繹される宇宙の周期性。興味深かった。
    機械論的自然観と目的論的自然観の絶妙なバランスをとる本書であるが、当時からさらに進んだであろう細胞発生学の最新の知見を基にして内容を補足した本が出ればと思う。

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    2024年09月23日
  • 胎児の世界 人類の生命記憶

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    解剖学・発生学を壮大な宇宙観と有機的に連携させながら解説

    複数の知識が合わさっていて、
    世の中に対する見方を改めさせてくれる。
    とても科学的な内容も文学的な詩的な文章で書かれている。

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    2023年06月19日
  • 内臓とこころ

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    むずかしかった(笑) "はらわた"と宇宙の話です(笑)

    ・なめる、という世界は大切です。けっしておろそかにしてはいけない。(←(子供)が物や畳の目をなめる話)
    ・指差し、は心の目覚め
    ・コレナーニ、ミミズ
    ヒトの声、その肉声の持つ、心地よい"ひびき"でもって、もうすっかり満足してしまうのです。
    ・香りを聞く、味を見る、感触を味わう
    ・言葉というものが、心情の育成にとって、どれほど大切か、ひとつひとつの言葉の持つ「ヒビキ」ただそれだけを、先に叩き込んでおくのです。やがて、そのような心に育ってくるのですから……
    ・2歳から3歳までの言語習得の期間が、どれ

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    2022年09月03日
  • 内臓とこころ

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    このような講演集は聴衆の心をつかむのに話が色々と飛ぶことが多くて、面白いんだけど、本としては掴みどころがないもので…。知り合いから頂いて読みました。

    話としては、内臓の感覚、例えば尿意であるとか、空腹であるとか、そういうものを感じることが「こころ」である、といっています。頭で考えるのではなく、というときに、体から発せられるシグナルを受け止めようということなのでしょう。これは現代の脳科学的にもある程度真理なのではないかと思えます(ボタンを好きなタイミングで押させる実験など)。

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    2021年04月08日
  • 内臓とこころ

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    先に『胎児の世界』を読んでいたので、重複した箇所は斜め読み。お子さんを観察し、考察した内容(こころの形成)は興味深かった。講演内容を書籍化したため、語り口は柔らかく読みやすい。今なら明らかにセクハラ発言! と言われかねない表現もあるが、当時は許される(細かいことに目くじら立てない)時代だったんだろう...。

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    2020年09月11日
  • 胎児の世界 人類の生命記憶

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    胎児の30~40日あたりの成長を生命の進化に当て嵌めるところまでは理解できるが、三章以降は検証されえない持論展開の嵐。螺旋の成長については、分からなくもないが、世の中すべての事象に適合させるのはさすがに無理がある。人の成長におけるスパイラルアップは、安定性と着実性の観点から納得できる。

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    2019年07月06日
  • 内臓とこころ

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    ネタバレ

     講演を原稿化したものとのことことで、専門的な内容のわりに語り口調がソフトで分かりやすい。
     ホモ・サピエンスの進化、あるいは言語能力から導き出された架空のものを真実と思いこめる人類の特性に対し、本書タイトルから想像するに、論理的な思考、“あたま”で考えたものではなく、“こころ”で感じた本能的な何かが人には備わっていて、それが本来の思いだったりするのかなという興味で読んでみた。

     主旨としては、体を、体壁系と内臓系とふたつに分け、“ころろ”=内臓系の感性というか欲求の見直し、復興を訴えるもの。要は、成長の過程で見て取れるように、生物の体内にはこれまでの進化の過程で体得したリズムや感性が眠って

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    2019年05月20日
  • 内臓とこころ

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    保育園での講演を元にしている。ほとんど語ったままの形を本にしてあるようで、「はらわたの復権」とか、熱のこもった語りが講演の様子を髣髴とさせる。この三木先生はたいへんに人気のあった方みたいだが、それも何となく分かる。ただ、数十年を隔てて本を読むだけで接すると、伝わってくるものと、伝わってこないものとが、それぞれ自ずとあるだろう。

    へえ、と思った箇所

    ・外皮系、神経系、筋肉系が動物器官である体壁系。腸管系、血管系、腎管系が植物器官である内臓系。それぞれ「入−出」が向かい合って、あいだに仲人がいる。たとえば脳死とは体壁系の死である。

    ・感覚が原因で運動が結果だという考えは間違い。「犬も歩けば棒

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    2018年11月05日
  • 生命とリズム

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    ほぼ理解できなかった。学問的な難しさと著者の情緒や思想といった二つの難しさがあって、目が上滑りするばかり。
    「もしかしたら」の閃きをとても大事にしているようで、そこに好感を持った。

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    2016年01月18日
  • 胎児の世界 人類の生命記憶

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    1983年刊行の中公新書のロングセラーの一冊。
    著者は東大で解剖学を修めたのち、ゲーテの形態学などの影響を受けて、既成の西洋医学の枠組みの中では位置付けられない「生命記憶」を柱とした「三木形態学」を唱えるようになったが、本書は、そのエッセンスを著したものと言われる。
    本書で著者は、偶々デパートで見た椰子の実に得も言われぬ懐かしさを感じた自分の経験を「生命記憶」と呼び、それを個体の進化と宗族(種族)の進化の関係から説明する。
    著者は、生物の個体が発生(受精)してから成体になるまでの過程(=個体発生)と、生物の宗族が発生(起源となる原始生物の発生)してから現在の宗族になるまでの過程(=宗族発生)を

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    2016年01月11日
  • 内臓とこころ

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    リズムとバランス。
    5章から書き言葉になり読みやすくなった。グロテスクな表紙のイラストが一体なんであるか、の解説には驚く。その「時点」においてわたし達は過去、サメでありトカゲであった。

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    2015年10月28日
  • 内臓とこころ

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    内蔵は小宇宙。人間の成長と生物の進化を関連づける興味深い論考。
    沖縄の離島旅行中に読んだこともあり、すごく印象に残った。

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    2015年06月01日
  • 内臓とこころ

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    時間は4時間ぐらいだったかな

    ん~、読みやすそうで読みにくい本だった。本書は三木成夫さんが開いた講演会の内容を書き起こしたもので、基本的にしゃべり言葉で書かれている。そのため、すごく読みやすいのだけど、内容が難しく、字は負いやすいけど内容が入ってこないという状態に陥った。

    けれど、ところどころ内容が理解できるところもあり、体の中の周期が実は宇宙のリズムと同じだったり、赤ちゃんの行動が非常に合理的な理由に基づいていたり、面白いや体ってすごい!と思える部分もあった。
    んー、もう日を改めてゆっくり読み返そうかなと思ってます。

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    2014年07月12日
  • 内臓とこころ

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    人間の生活は「潮の干満=月」「光の明暗=太陽」「四季の交代=地球の公転」という3つのリズムに支配されていると。だからどうしたという話なのだが、両生類から人類に至る進化の過程で、支配されるリズムが上記の順に増えていったんだという了解ができると感慨深い。

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    2014年04月02日
  • 内臓とこころ

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    腑に落ちるってのがなんなんだってのがよくわかります。なによりも、ご自分の子供の話をしている部分がすごい。親ってそういうことまでできるんだって。うちはもう育てちゃったけど。あと、舌でなめまわすってのがすげえ大事だってのが。

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    2014年02月02日