三木成夫のレビュー一覧

  • 内臓とこころ

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    ◦解剖学者が「はらわた」「こころ」「胎児」をキーワードに考察された内容。
    ◦医学書を読んでいる感じがした。
    ◦「はらわた」からこころ、情感が養われる。そういう視点を持っていなかったので、今後、著者がおっしゃられる視点で生活してみようと思う。
    ◦幼児教育に興味がある方は、読んで損はないと思います。
    ◦養老孟司氏が解説でおっしゃられている、「生命の長い歴史への三木先生の愛情が表現の隅々から伝わってくる」とあります。この点は、とても共感しました。

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    2025年01月05日
  • 内臓とこころ

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    母性本能や、母乳についての記述は、現在の一般的な考え方に対して、そぐわない点もあるし、あくまで、三木成夫さんの、「気づき」を講じたものであるため、学術的な裏付けには乏しいが、それでもなお、学ぶことの喜びに満ちた名著として、輝きを失わない本だと思った。
    学ぶこと、そして、知識を蓄えることで得られる最大のご褒美は、まるで関係ないような一つ一つの点であるところの知識同士が、思わぬところでつながりを持つことに気づく瞬間の喜びにあると思う。
    この講演の中で、三木さんが語るのは、そうした気づきから得られた、壮大な仮説だが、その語り口からは、常に喜びが迸り出ている。
    普段顧みられない内臓の感覚や、太陽や月な

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    2023年07月08日
  • 内臓とこころ

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    内臓のはたらきと子どものこころ (みんなの保育大学)築地書館1995年12月と本文は同じ?
    文庫版解説は解剖学のようろう・たけし氏。

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    2023年06月12日
  • 胎児の世界 人類の生命記憶

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    地球、人体、言語、生命、果ては神の世界に至るまで、この世の究極の答えを細胞に語り掛ける宇宙誕生138億年の超絶アトラクション。

    本の世界にのめり込むきっかけとなった偉大で思い出深い本です。文章量に圧倒され読み流しになるかと思いきや、読めば読む程引きこまれていくあの興奮が忘れられず何度も読み返してしまいます。

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    2021年05月26日
  • 内臓とこころ

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    2016.4.17
    に書いた読書メモ。

    解剖学の本だからなんて敬遠したら、人生、損するかも。
    生命の神秘を楽しく垣間見れる。
    なんで小中学校で、こういう授業が無いんだろう。おもしろおかしい。

    内臓の感受性。
    世界は舐め回して知覚する。
    デッサンが上手い人は乳児期にいかに畳の目を舐め回したか、による。
    なんて論が展開される!
    舌と腕は、脊椎動物の進化において、兄弟みたいなものらしい。
    そういえば、私は今でも色んな物を撫で回す。触って確かめたい衝動に駆られ。。
    排泄、食事、睡眠、出産、などなど身体のふしぎに関するあれこれ。
    目から鱗と幸せな笑いの連続。

    生きとし生けるもの全てが愛おしくなる。

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    2020年07月27日
  • 内臓とこころ

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    俺は全然子育てに関わらなかったから、実感持てないんだけど、赤ちゃんがこころを形成していく過程が描かれている。
    赤ちゃんがいる人は今すぐ読んだらいいと思う。強く推奨!

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    2018年10月14日
  • 内臓とこころ

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    これは面白い。特に、最後に収められた、この増補版を作るにあたり後藤仁敏氏が選んだという二篇「夜型の問題――かくされた潮汐リズム」と「再現について――形態学の実習」がこれぞ三木成夫の持論という感じで面白い。

    表紙の絵は受胎38日目の胎児の顔。ミツユビナマケモノにそっくりだそうです。ヒト発生初期の1週間の間に、脊椎動物5億年の進化の歴史の再現を見る。その感動が伝わってきて、すごい。

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    2018年09月07日
  • 生命とリズム

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    表紙に載っている奇妙な顔らしきイラストは何を表しているのか、分かる方はそう多くないでしょう。これは人間の胎児で受胎32日目から38日目の顔だそうです。お母さんが妊娠に気づくか気づかないかの時期にお胎では赤ちゃんが海で泳いでいた魚類から陸に上がり始めた両生類、そして爬虫類の顔へと30数億年の生命の歴史を遡って刻々と変化を繰り広げているということです。この神秘的な出来事の解説がこの本の冒頭で「だれが人間を創ったのだろう」という見出しで述べられています。
    著者は今から30年ほど前に亡くなられた解剖学者ですが、今になっても文庫本として出版されるところにこの本の中身の貴重さが伺えます。名著というべき書物

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    2014年05月17日
  • 内臓とこころ

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    とっても面白かった!解剖学を知らない私でも理解できたし、今後もっと深く知りたいと思わされた。宇宙リズムとか桃源郷とか、ともすればトンデモ科学になってしまいそうなことでも、なんとなく、まさに「はらわたで」理解できてしまう文章だった。ユーモアのある口語体も素敵。3歳児と菩薩の顔の講義を受けたかった。

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    2014年03月10日
  • 胎児の世界 人類の生命記憶

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    「命」を
    こんなにも 平易にわかりやすく説いてくれた書が
    これまで あっただろうか

    私たちは 産まれてきた ただ そのことだけでも
    神秘的であり、尊いことなんだ
    と あらためて 認識させてもらえる

    自分の命の尊さに目覚めた者は
    他者の命をも慮ることができる

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    2012年12月26日
  • 胎児の世界 人類の生命記憶

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    胎児の相貌の変化に30億年の年月を読み込む。胎児の“上陸”のシーンは圧巻。ロゴスの世界に生きる筆者が、パトスに導かれて描いた世界。必読。

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    2011年12月04日
  • 胎児の世界 人類の生命記憶

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    これは本当に生物学の本?と問いたくなるほど読みやすい。

    発生学・古生物学・進化論・医学・人文科学・宗教・心理、等々、多岐に渡る分野の議論が“生命”の名の元に、ある一点を目指して集約してくるさまに感動。
    こういう分野横断的な議論を、たった一冊の新書で実現してしまうなんて!驚きを隠せない。

    語り口はドラマチックに、内容は純然たる自然科学の知識・見識を悉く、奥深く用いて記されていて
    生物学の入門書としても、単に読み物としても大変面白い。

    大正生まれの著者による三十年以上前の書物とは思えないほど内容に新鮮な輝きがあって、筆者の先見の命に脱帽。

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    2013年09月25日
  • 胎児の世界 人類の生命記憶

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    人類の胎児は、母胎の中で成長する過程において、太古の原始生命体が上陸を始めてから経験した体内器官の変化と同じ変化を経験しているはず。そしてその顔も、まさしく生物の進化と同じく魚類、爬虫類、獣と経て、人間の顔となっているはず。それを確かめるには生の胎児を解剖するしかない。それを禁忌と筆者は感じつつも、解剖医としての本能には抗えず、堕胎した胎児を集めてその頭を落とす……。
    序盤の、受精鶏卵の中で成長する胚子の血管に注射針で墨を流し込むとゆうのですでにショックを受けたが、思えばそういった研究がなければ現代医学もあり得なかった。
    胎児の受胎から一箇月ころのスケッチがいくつか掲載されていて、みていたら『

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    2025年09月23日
  • 胎児の世界 人類の生命記憶

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    この本を誰に勧められたのか?
    福岡伸一かもしれない。
    養老孟司が絶賛していたことは間違いない。
    とにかく、信用できる人の推薦文読んで手に入れたはずだ。
    そして、その推薦は正しかった。

    胎児の解剖を通じて、「個体発生は系統発生の短い反復である」という脊椎動物一億年の歴史を封じ込めた胎児の不思議さが開示されて驚くばかりだ。
    胎児の経時的変化を示した写真の説得力は大きい。
    そこには、有無を言わさぬ系統発生の証拠が示されている。
    羊水は古代海水であり、母乳の存在が人の口の形状を生み出すという。

    科学と文学的想像力の融合。

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    2024年08月06日
  • 内臓とこころ

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    ネタバレ

    読みやすいが内容は深い。

    ・内臓感覚が大事
    ・舌は内臓感覚が体壁感覚で支えられたもの
    ・赤ん坊は舌で舐めてものを把握する。このときの体験が成長してからの知覚に影響する
    ・生き物では性と食の2つの相が交代している。意識していなくてもひとりでにそうなっている。
    ・生命の主役は内臓系(植物器官。心に関係)で体壁系(動物器官。脳に関係)は手足にすぎないのに、現代人は表に出ている体壁系にばかり注意を払う
    ・内臓系こそ生命のリズムなどを感じ取る中心
    ・精神=こころとあたま
    ・思考が生まれる三歳児の世界には先史時代の面影がある。
    ・人の胎児の肉体の変化や、3歳までの成長過程は進化と似た道筋をたどる(ゲーテ

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    2024年08月02日
  • 胎児の世界 人類の生命記憶

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    読み初めはオカルティックでどうだろう、眉唾なものなのではないかと思ったけど、読み進めていくと、生物学者の筆者が実際に研究した末にオカルト的勘と結果が結びついてくる面白さがあった。人間の胎児のみならず、様々な生物の胎児、原初生物を出して論じている。
    途中、夢野久作の「ドグラ・マグラ」に出てくる胎児の夢という架空の論文の話が出てくる。その中にもやはり胎児は十月十日の間に長い生命の夢を見ているのだという趣旨の描写があり、この実験が行われる前、昭和の時代から夢野久作はこれを先見していたのではないかと書かれていた。この本を読んだ後に「ドグラ・マグラ」を読むとより楽しめるのではないか、と思った。

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    2024年03月25日
  • 胎児の世界 人類の生命記憶

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     すんません。わたしには最後の方が難しすぎて,何を言いたいのか(というか,言いたいことは分かるけど,なんか科学的なお話ではないような気がする…)という本でした。
     本書を手に取ったわけがすでに思い出せないんですよね。本書の次に読んでいるのも同じ著者のものです。先に紹介した『ながいながい骨の話』共々,一緒に読もうと思って手に入れたのですが,それがどうしてなのかを思い出せないんです。おそらく昨年の12月ごろのことだと思うんですが…。
     さて,本書の発行は昭和58年で,わたしが勤め始めた年のことです。そんなずいぶん前の科学読み物なのですが,「研究」というものの楽しさというか夢中さというか,新しい発見

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    2023年01月10日
  • 内臓とこころ

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     人の心について、始まりから考えるというのはどうすることかという、人類なら人類の生まれてきた「時間」を、こころの姿で気づかせてくれた本です。
     人の様子に、例えば「~障害」とか「~異常」とかレッテルを貼って、わかった気になって安心する風潮がありますが、人間の心の始まりはもっと深いし、もっと遠いところにあることを考える必要性を教えてくれた本です。
     易しいけど、名著だと思います。

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    2022年04月26日
  • 胎児の世界 人類の生命記憶

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    ミクロからマクロまで生命にリズムが生まれて波及する。それは空間や時間を旅するように移動を重ねて時折振り返るように反復する。その記憶は自身の経験なのか、それとも受け継がれるDNAなのか。宇宙は自然であり、人の意識の産物ではない。故に誰にも世界を制御できないし必然とも偶然とも解釈できる運命に委ねられる。そもそも意識を積み重ねた記憶は不確かなもので常に変化を遂げていく。諸行無常、万物流転、この言葉にしっくりくるのがこの書籍の読後感である。

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    2022年03月30日
  • 内臓とこころ

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    教養文庫シリーズを持つ出版社6社の共同企画「チチカカコヘ」からの一冊。かなり長いこと、ワタシの読みたい本リストに入っていて、「チチカカコヘ」に押されてようやく手にした次第。

    「人間は宇宙のリズムを内蔵している」なんて言われた瞬間、宇宙モノ好きなワタシはもうノックアウト。ものの例えで、「小宇宙」という表現が使われたりするけれど、文字通りの「小宇宙」が自分の体内にあると思うと、急に自分が大きな存在になった気がしてくる。
    解剖学者である著者は、我々すべての人間は宇宙によって創造されたのだから、我々に宇宙のリズムが内蔵されているのが当然、という信念で人間の行動を丹念に解き明かしてくれる。保育園での講

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    2019年01月20日