坂本ヒメミのレビュー一覧

  • エンディングドレス

    Posted by ブクログ

    最後に着るもの
    好きなものに囲まれていたい
    どんな表情なんだろう

    死をネガティブではなく
    ポジティブに考えられるのなら
    新しい世界への旅立ちになるのなら
    そんな服を作ってみたいなと思える一冊です

    作ることで
    一歩ずつ広がる主人公の世界が
    死に向かっていたはずなのに
    いつの間にか自分の未来に向かっているような
    そんな印象を受けました。

    0
    2025年11月03日
  • エンディングドレス

    Posted by ブクログ

    大切な人を喪い、
    生きる希望を失った女性 麻緒がある日
    「エンディングドレス」を作る洋裁教室に
    出会うお話。
    その名も“終末の洋裁教室”

    とても素敵なお話だった。
    エンディングドレス=自分の人生最後に着る服
    そして洋裁教室に集まった3人の女性と講師。
    出てくる人物一人一人に背景があって、
    物語があり感極まって涙を流していた。

    人生最後に着たい服はどんな服ですか?と
    問いかけられている気がして
    読みながら人生について考えさせられた。
    蛭田さんの小説、本当にだいすき。

    0
    2025年07月31日
  • エンディングドレス

    Posted by ブクログ

    先生の出してくれる題がよくて、自分ごとと考えながら一緒にストーリーを追える。
    20歳の時にいちばん気に入ってた服、何だっけと思って、ひまわり柄のワンピースを着てたのを思い出した。
    洋裁、やりたいなって思った。手を動かしてモノを作ることって、気持ちもいい方向に連れて行ってくれると思う。

    0
    2025年07月30日
  • エンディングドレス

    Posted by ブクログ

    麻緒が元気のない理由、なんだか不穏な空気のまま始まる。
    そんな時に見つけたエンディングドレスを作りましょうという教室の貼り紙。
    教室では個性豊かな自分より年上の生徒たちと先生。
    毎回出される課題をクリアしながら一つ一つ服を作り上げていくと麻緒の心にも変化が出てくる。

    麻緒が置かれている状況にも心が痛んだし、服を作りながらも、乗り越えようとしたり、また悲しみの渦に入ってしまう麻緒を見て涙が出た。

    読み進めるうちに、麻緒の恋人の死の理由などが明かされる。

    私たちが生きていく中で絶対に必要な服。

    一番お気に入りの服は?
    服を作ってあげたい人は?

    様々なシチュエーションを共にしてきた服、その

    0
    2024年09月14日
  • エンディングドレス

    Posted by ブクログ

    32歳で夫を亡くした麻緒は、後を追うことを決意する。
    その準備をしている間に、エンディングドレスを作る洋裁講座があることを知り参加することに。

    洋裁講座で小針先生やおばあちゃんずたちと出会い、洋裁を始め、エンディングドレスを作るための課題と向き合い、皆の色々な事情を知るうちに、少しずつ前を向くようになる麻緒。

    夫の弦一郎が自分の死後、麻緒にどのように生きてほしいと願いを込めたのか。
    高校時代から、病に苦しみ死期を覚悟していた弦一郎と結婚した麻緒。
    二人のお互いを思う気持ちは、並大抵のものではなかったのではないか。
    妻を残して早々と死ぬことになってしまった弦一郎の気持ちと取った行動は、残され

    0
    2022年02月18日
  • ルリユール

    Posted by ブクログ

    瑠璃という少女の、ひと夏の不思議な物語。
    ファンタジーな世界観が好き。ひとつひとつの話が、あたたかい。
    何度も読み返したい、大好きな本になった。

    0
    2021年07月28日
  • エンディングドレス

    Posted by ブクログ

    前向きになれて、個人的には大好きなお話し。定期的に読み返したい。
    「人生は死ぬまでの暇つぶし」というスタンスで生きることもできるけど、やっぱり未来のことを思って、希望を持って生きていくのは素敵で、そういう生き方をしたいと思った。

    0
    2021年02月20日
  • エンディングドレス

    Posted by ブクログ

    蛭田亜紗子『エンディングドレス』ポプラ文庫。

    以前読んだ『凛』がなかなか面白かったので、本作も読むことにした。

    人生に絶望し、死ぬことを決意した女性が少しずつ生きることの意義に目覚めていく過程を描いた小説である。前半は内容に深刻さを感じ、途中涙し、読後には爽快感があふれる物語であった。

    誰もが忘れたくない思い出と忘れたい過去を背負い生きている。全てを捨てて死に向かうよりも生きることの難しさ、生きることで新たに背負う様々なものがある。確かに生きにくい時代だ。社会が複雑になり、必要以上に精神的にも肉体的にも大きな負荷が掛かり、毎日毎日が闘いだ。しかし、疲れたら時にはゆっくり歩き、立ち止まり、

    0
    2020年06月09日
  • ルリユール

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    Tぬオススメ本。本が好きな人に良さそうだなと思って読んだら、もっと予想を超えて良かった。
    ルリユールという職業というか職人?この言葉を初めて知ったのだけど、読んでいるだけで素敵な仕事だなぁとわくわくした。
    物語は本のことではなく、依頼を持ち込んでくる人やその周りの人たちの悲しい出来事や思いにまつわることなのだけど、
    それぞれあのときこうしていればといった思いを抱えている人ばかり。
    どれもこれもそんなことはないよ、という話なのだけど、当人にとってはどうしてもそう考えてしまうというのは仕方のないことかなとも思う。
    どの話でもちゃんとこころがすっと軽くなるような、穏やかな空気で締め括られるのが心地よ

    0
    2020年01月24日
  • ルリユール

    Posted by ブクログ

    本の修復や造本を行うルリユール職人のクラウディアと、その弟子になった瑠璃。持ち込まれるどの本にも、依頼主達の想いが沢山詰まっています。誰もがみんな、ひっそりと痛みを抱えているけれど、クラウディアの手にかかれば本だけじゃなくて心の修復までがされていくようで、どのお話も読んでいて胸がぎゅっとなりました。切なくて、それでもとてもあたたかくて愛おしい。とくに三章の黄昏のアルバムで、大泣きしてしまいました。本棚に大切にしまって、何度でも読み返したい御本です。

    0
    2016年06月20日
  • ルリユール

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ▼収録作品

    第一章「秋のアリア~宝島」
    第二章「星に続く道」
    第三章「黄昏のアルバム」
    第四章「魔人の夢~ボスポラスの夢」
    掌編「春の小函」

    そうか、本の重さは幸せの重さだったのか……。

    第一章、時を超えて思い出の本が届くのもロマンチックだけど、あの手紙はずるいなあ。それにしても、本の声が聞こえるなんて素敵。

    第二章、親友と離れてしまった経験がある自分には、胸に刺さるお話だった。

    第三章、これは泣いてしまうよ。みよ子さん、頑張ったね……! ゆっくり休んでね。また、二人が一緒に暮らせる日が来ますように。

    第四章、ついにクラウディアさん(+七匹の黒猫)の秘密が明かされるのですが……。

    0
    2016年05月08日
  • ルリユール

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    想いの詰まった本を、修復してくれる黒猫工房のクラウディアさん。
    赤い髪の美しい女性。
    美しい洋館に住んでいる不思議な人。謎めいていて、ふんわり優しい人。

    持ち込まれた本にまつわる物語に、何度涙したことか。
    誰も、みんな優しくて。
    誰かを傷付ける意図なんてないのに、取り戻せないことに心を痛め続けている。
    それを、クラウディアが修復した本が癒してくれる。
    ルリユールって、なんて素敵なお仕事。

    その仕事を習おうと決めた瑠璃ちゃん。
    彼女も、幼い心に取り返せない後悔を抱えている。
    でも、クラウディアさんと過ごして、ルリユールを教わることで先に進んでいる。

    瑠璃の姉のあかねも、心に抱えるものがある

    0
    2016年04月17日
  • ルリユール

    Posted by ブクログ

    ”ぶんこでいず”でおススメの一冊。なるほど、不思議でほっこりの大満足でした。
    あらすじ(背表紙より)
    風早の街でひと夏を過ごすことになった少女・瑠璃は、夢に導かれて訪れた洋館でクラウディアという謎めいた女性と出会う。彼女は本の修復や造本をするルリユール職人、どんなに傷んだ本でも元通りにできるという。ぼろぼろになった依頼人の本を、魔法のような手わざで綴じなおすクラウディア。あるいはそれは本当に魔法なのか。その手伝いをするうちに、瑠璃のなかに秘められていた悲しみも修復されていく。本を愛するひとたちの美しく不思議な物語。

    0
    2016年04月10日
  • ルリユール

    Posted by ブクログ

    本を治す職業、ルリユール。瑠璃は祖母の家の近くに住むルリユールのクラウディアと出会う。

    本好きにはこの職業がたまらなく魅力的ですね!大学で装丁家の方の講義を聞いたところだったので花布とか寒冷紗とかがわかって嬉しかった笑

    0
    2016年04月08日
  • ルリユール

    Posted by ブクログ

    中学生の瑠璃が出会ったのはルリユール(本の修復や作成をすること)職人のクラウディア。本の修復だけでなく心の修復もするみたい。本にまつわる思い出をふうわりとほぐしてくれる。

    沢山の本たちが目に浮かび、素敵な曲が聞こえ、不思議なシーンが見える。一度目は夢中になって読み、二度目は少しゆっくりとかみしめて読んでみました。また読み返す気がします。そして二巻が待ち遠しいのです。

    0
    2016年04月06日
  • ルリユール

    Posted by ブクログ

    中1の瑠璃は夏休みに祖母の家を一人訪ねる。
    食堂を営む祖母は怪我で入院。
    瑠璃は1人に。

    瑠璃は散歩中に出会った不思議な雰囲気をもつルリユールのクラウディアに弟子入りした。

    装幀の修復をしたり造本したりして物語は進む。

    現代のおとぎ話だった。

    0
    2024年05月02日
  • エンディングドレス

    Posted by ブクログ

    最後、死ぬときに着たい服はなんですか?

    今の私には思い付かない。そもそもお裁縫が苦手です。
    洋裁を通じて人とかかわり、自分を見つめ直していくというストーリーがとても良かったです。
    心の傷は、時間と人によって癒されていくものなんだなと感じます

    0
    2022年10月11日
  • エンディングドレス

    Posted by ブクログ


    若くして夫に先立たれ死の準備をしていた麻緒。
    たまたま手芸店でみつけた死装束を縫う「終末の洋裁教室」に通うようになって、生きる希望や自分を見つめ直し立て直していくストーリー

    表紙が可愛くてジャケ買いしたけど、ずっとタイトルをウェディングドレスって空目してたのはここだけの話……笑

    終末の洋裁教室では、エンディングドレスを縫う前に、20歳の時に好きだって服、15歳の時に憧れた服…など思い思いに服を作っていきます。
    はじめは気の入らない麻緒でしたが、教室の生徒さんや先生、洋裁を通して自分の心の整理がつき生きる意志を持ち始めます。

    夫の闘病後の死など重たい話もありますが、麻緒の周りの人々が明る

    0
    2022年06月18日
  • エンディングドレス

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「死に装束を縫う洋裁教室」というあらすじに興味を持って読み始めました。
    不器用なので洋裁は苦手なのですが…洋服作りの過程が丁寧に描かれているのがとても印象に残りました。(思わず何か作りたくなります!)
    心に残る場面がたくさんありましたが、特に千代子さんがエレベーターホールまで麻緒を追いかけてくるところでは思わず涙が溢れそうになりました。

    初めての蛭田亜紗子さんでしたが、とても良かったです❁⃘*.゚

    0
    2022年05月21日
  • エンディングドレス

    Posted by ブクログ

    主人公は少し苦手なタイプだったけれども、周囲の人たちがすごく魅力的だったし、死装束を繕うことで、生きることを考え直すことになるのだなとしみじみ。
    次々と出される『課題』に自分だったらどんな服と答えるだろうかと考えながら読み進めることもでき、なにかと学びの多い一冊。

    何より帯のコメントが山本文緒さんで『人は生まれることも死ぬことも自分では選べないけれど、何を纏って生きるかは選択することができる』
    この言葉がなによりも響いた。
    2020年の発売の文庫だから、彼女がその時どんな状況でなにを思いながらこの言葉を書いたのかはわからないけれど、今は亡き彼女のこの言葉がより一層刺さる。

    何を纏って生きて

    0
    2022年05月16日