【感想・ネタバレ】エンディングドレスのレビュー

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Posted by ブクログ

32歳で夫を亡くした麻緒は、後を追うことを決意する。
その準備をしている間に、エンディングドレスを作る洋裁講座があることを知り参加することに。

洋裁講座で小針先生やおばあちゃんずたちと出会い、洋裁を始め、エンディングドレスを作るための課題と向き合い、皆の色々な事情を知るうちに、少しずつ前を向くようになる麻緒。

夫の弦一郎が自分の死後、麻緒にどのように生きてほしいと願いを込めたのか。
高校時代から、病に苦しみ死期を覚悟していた弦一郎と結婚した麻緒。
二人のお互いを思う気持ちは、並大抵のものではなかったのではないか。
妻を残して早々と死ぬことになってしまった弦一郎の気持ちと取った行動は、残された麻緒には初めは理解ができず、受け入れなかった。
もし私が麻緒の立場だったらどうしただろう…
死、生、妊娠、流産、中絶、出産…
この物語には、生き方に対するたくさんの問いかけが含まれている。
生と死と再生の物語。

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2022年02月18日

Posted by ブクログ

前向きになれて、個人的には大好きなお話し。定期的に読み返したい。
「人生は死ぬまでの暇つぶし」というスタンスで生きることもできるけど、やっぱり未来のことを思って、希望を持って生きていくのは素敵で、そういう生き方をしたいと思った。

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2021年02月20日

Posted by ブクログ

最後、死ぬときに着たい服はなんですか?

今の私には思い付かない。そもそもお裁縫が苦手です。
洋裁を通じて人とかかわり、自分を見つめ直していくというストーリーがとても良かったです。
心の傷は、時間と人によって癒されていくものなんだなと感じます

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2022年10月11日

Posted by ブクログ


若くして夫に先立たれ死の準備をしていた麻緒。
たまたま手芸店でみつけた死装束を縫う「終末の洋裁教室」に通うようになって、生きる希望や自分を見つめ直し立て直していくストーリー

表紙が可愛くてジャケ買いしたけど、ずっとタイトルをウェディングドレスって空目してたのはここだけの話……笑

終末の洋裁教室では、エンディングドレスを縫う前に、20歳の時に好きだって服、15歳の時に憧れた服…など思い思いに服を作っていきます。
はじめは気の入らない麻緒でしたが、教室の生徒さんや先生、洋裁を通して自分の心の整理がつき生きる意志を持ち始めます。

夫の闘病後の死など重たい話もありますが、麻緒の周りの人々が明るいので読みやすいです。
所々、涙が出てきてもらい泣きしてしまう場面も多いですが、暖かい内容です!

私も何年振りかに洋裁やってみたいなぁ〜と思えたり、服をこだわりたくなったり、前向きな気持ちになります!

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2022年06月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「死に装束を縫う洋裁教室」というあらすじに興味を持って読み始めました。
不器用なので洋裁は苦手なのですが…洋服作りの過程が丁寧に描かれているのがとても印象に残りました。(思わず何か作りたくなります!)
心に残る場面がたくさんありましたが、特に千代子さんがエレベーターホールまで麻緒を追いかけてくるところでは思わず涙が溢れそうになりました。

初めての蛭田亜紗子さんでしたが、とても良かったです❁⃘*.゚

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2022年05月21日

Posted by ブクログ

主人公は少し苦手なタイプだったけれども、周囲の人たちがすごく魅力的だったし、死装束を繕うことで、生きることを考え直すことになるのだなとしみじみ。
次々と出される『課題』に自分だったらどんな服と答えるだろうかと考えながら読み進めることもでき、なにかと学びの多い一冊。

何より帯のコメントが山本文緒さんで『人は生まれることも死ぬことも自分では選べないけれど、何を纏って生きるかは選択することができる』
この言葉がなによりも響いた。
2020年の発売の文庫だから、彼女がその時どんな状況でなにを思いながらこの言葉を書いたのかはわからないけれど、今は亡き彼女のこの言葉がより一層刺さる。

何を纏って生きて、そして何を纏って死んでいくか。
これはわたしたち全員に与えられた『権利』なのだから、ちゃんと考えて毎日のお洋服を選ぼうと思ったし、この先のこともいろいろ考えるきっかけになる。

たとえば故人が『これを着せてほしい』と遺志を残しているならば、その思いにちゃんと寄り添うべきだな、と。
灰にしちゃうなんてもったいないとか、誰かに着てもらう方が喜ぶとかそんな勝手な思い込みを押し付けるんじゃなくて、最後の願いくらい誰もが叶えられるようになってほしい。

わたしもお気に入りのリトルブラックドレスにマノロ履いて旅立ちたいものです。

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2022年05月16日

Posted by ブクログ

立ち直りたいけど、立ち直れない。
そんなときに出会ったチラシ。そこで出会った人たち。
そっと見守ってくれるような雰囲気に癒やされたのかも。
いつか時間が解決してくれるのかもしれないな。
悪あがきはしない、受け止める、か。

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2022年03月18日

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ネタバレ

最愛の夫を病で亡くした三十代の麻緒。
自らの悲しみと落胆の中に閉ざされ後追いまで考えていた彼女がエンディングドレスを縫う洋裁教室に通うようになって、様々な課題の服作りに一心不乱に取り組みながら散り散りになった自分の心のパーツを一つ一つ取り戻していく。
生きる希望に目覚めていく物語はありがちだが、一枚の布から着る服を生むという作業に説得力があり、教室の小針先生や同じ生徒の高齢マダムトリオ各々に紆余曲折の人生があって作品の魅力が尽きない。
千代子さんが麻緒のために作ったパジャマに込められた祈りに泣けた。

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2022年01月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

夫に病気で先立たれた女性が主人公のお話です。
本の冒頭は運転免許証や保健証の裏に記載されている
亡くなった後の臓器提供について選ぶシーンから物語が始まり、どんな物語だろうか?と興味を引かれました。

周りには元気なふりをしながらも、
仕事を辞め、住んでいた部屋では断捨離を始め、
自らも死ぬ準備をすすめます。
そんな中で出会ったのが「死に装束を縫う洋裁教室」の貼り紙、主人公は自分のエンディングドレスを作る為教室に通い始めます。
すぐにエンディングドレスを作るのではなく、
先生から課せられたテーマを通して、自分の人生を振り何着もの服を作り上げてゆきます。

洋裁教室に通う生徒達は、年齢も生い立ちもみんなバラバラです。
一人一人のストーリーがきちんと描かれており最後まで楽しんで読むことが出来ます。

あなたなら最後どんな服を着たいですか?

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2022年01月04日

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夫が闘病の末亡くなり、32歳で未亡人となった麻緒。
深い悲しみと絶望のなか終活を始めるが、「終末の洋裁教室」に通ってみることに。

私は洋裁と聞くだけで拒絶反応してしまうが、「終末の洋裁教室」とは面白い。
ミシンが使えなくても大丈夫なら、覗いてみたい。

教室で出会う、どこか不思議で落ち着いた先生、それぞれが人生の物語をもつ3人のおばあさん達。

毎月の宿題で向き合う洋服と、それと切り離せない人生がなかなか面白い。
年が違えば生きてきた時代も違い、物語も違う。
涙ぐむような話から、応援したくなる話まで、人生って面白いなと思う。

自分だけが不幸で苦しいように感じてしまったり、そればかりではないと分かってはいるけど他人のキラキラしたようなひとコマにため息をついたりすること。
人生の苦味を感じている人、感じたことがある大人におすすめしたい。

私はどんなエンディングドレスにしよう。
しのぶさんのような真っ赤でキラキラのドレスにして、笑っているように見られるのもいいな。

どう生きるか=どう死ぬかだというのが私が昔から思っていること。
生き方を必死に模索したり、もがくのを止めてただ流されてみたりするのだから、何を着てどう死ぬかを考えるのも悪くない。

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2021年08月01日

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2020年、4冊目は追いかけてる作家の一人、蛭田亜紗子。

真嶋麻緒、32歳、未亡人。夫に先立たれ、自らも後を追おうとしている。首吊り用ロープを買いに来た手芸店で、「終末の洋裁教室」のポスターを見かける。それは死に装束を自作するための教室だった。

先に言っておきます。個人的には、これまで読んだ、蛭田亜紗子女史の作品では、ピカ一です。

荒んだ麻緒が立ち直る物語、とベタな展開になるコトは、簡単に想像出来る。それでも、「終末の洋裁教室」の他の生徒達の言動等々で、麻緒の心情が徐々に変化していく様が、文面にキチンと表れている。

「終末の洋裁教室」の小針講師のエピソードはちょっと手を広げ過ぎかな⁉️と思うトコロもあるが、他人に充分ススめられる一冊。自分と向き合う時間がある趣味を持つというコトは、内に籠るのではなく、案外世界を広げてくれるモノである。

アラフィフ、心、ガッサガッサなオッサンにも沁みる。文句なしの、★★★★☆評価。

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2021年01月24日

Posted by ブクログ

結末はほとんど分かりきっている物語。
だけど、その過程に引き込まれるように、早く続きが読みたいと思いながら読み進めました。

夫と猫と自分の世界でしか生きていなかった主人公が、洋裁教室をきっかけに外の世界と関わるようになったこと、様々な人の生き様に触れたこと、そして過去の自分の選択を受け入れたこと、等色んな経験をして立ち直っていく。

特に千代子さんがパジャマを作ってくれていた場面はぐっと来たなあ。

決して力強く前に進んでいくような主人公ではないところが、絶妙にリアリティを含んでいたなあと。

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2020年09月22日

Posted by ブクログ

最初は主人公の女の人が死ぬまでにやりたいことリストを作ってそれを実行していく物語から始まる。
その際にエンディングドレス作りという教室に参加し、徐々に生きる方へと進んでいく、

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2023年05月18日

Posted by ブクログ

シンプルに洋裁の勉強になりましたし、物語の内容も好きです。
主人公以外の登場人物もそれぞれの個性が光って、ひとつも同じ服がないって感じ。
現代の問題に触れていることもあったり…エンディングドレスだけがメインの物語では無い。

ただ読んでいる中で、急に過去の話になっていたりなど…時の流れががわからなくなったりする場面がたまにありました。

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2021年01月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

はたちの時に出会った最愛の夫を亡くし、自らも死を選ぶべく身辺整理を始めていた麻緒。
自殺用のロープを買いに訪れた手芸店で偶然目にした、“週末”ならぬ“終末”の洋裁教室のチラシ。

「春ははじまりの季節。さあ、死に支度をはじめましょう。あなただけの死に装束を、手づくりで。」

ふと心惹かれて教室に通うことになった麻緒は、3人の仲間たちと、講師の小針先生に出会う。


ことぶきジローさんのレビューを読んで、手に取りました。
ありがとうございました!

正直、装う事にはそれほど興味がない方だけれど、ひととき素直に、愛する人を亡くした悲しみから、自分の人生を生きる力を取り戻してゆく麻緒を見守ることが出来たような。
ほんの2時間ほどの間に、麻緒の絶望や後悔、ときめきや幸福感も、あっという間に追体験したような。
こんなに読みやすくてよかったのかと思うほど、読後はとても爽やかでした。

『生前葬』『生前整理』などの文字に反応してしまう今日この頃。
誰にも迷惑をかけず、まぁ少しは悲しんで欲しいけれど、必要以上に誰かの未来に影を落とさずに消えてゆきたい…などと考えている私でも。
何を着て、何を食べ、何を思うかをおろそかにしてはいけないな。

しかし、弦一郎さん…いくら自分の余命がわずかだと悟っていても、麻緒の未来を思っての事だとしても、あれは無いわ…荒療治すぎるわ…


さらに、たまたまこの一週間で読んだ本の順番というか…生きているだけで感謝だったり、後悔ありありでもしゃあないだったり、人生のスパイスを味わい尽くさなくてはだったり…
アップダウン???が激しすぎて、ちと疲れたところに本作。
ふれているテーマの重さのままの重厚な作品だったら…リタイアはしなかっただろうけれど、ずいぶん今の気分が違っていただろう。
読みやすくて良かった。
タイトルの重さに怯まず、愛らしい装丁に惹かれて、たくさんの人に読んでもらいたい。

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2020年08月16日

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