ボリス・ヴィアンのレビュー一覧

  • うたかたの日々

    Posted by ブクログ

    美しいですね
    基本的には純粋に恋をする男女3体3の物語です。
    文が幻想的で浮遊して掴めないような印象がありました。
    それでも熱い恋の話には違いありません
    良き本でした。始まりから終わりにかけて寂しくなってきますが

    0
    2022年08月05日
  • うたかたの日々

    Posted by ブクログ

    コランとクロエの恋の話。人は簡単に死んだり、部屋の大きさが変わったり。そして、クロエの肺には睡蓮が生長するというように物語世界が不思議に彩られている。本当に不思議で滑稽な物語。
    とらえどころがないとも言える。主人公の名前の響きが好きです。

    0
    2020年03月18日
  • お前らの墓につばを吐いてやる

    Posted by ブクログ

    仏人作家が米国の20世紀の人種差別問題をテーマにした小説。若い男が目的に向かって動きだしスピードを上げて一気にゴールに駆け込むような勢いがあり読みやすかった。印象的だったのは、肩のラインが黒人と認識されるポイントになり得るということ。いくら見た目白人でも分かる人には分かるらしい。今でも米国の人種差別問題は根深いなあとニュースを見て思う事がよくある。

    0
    2019年02月03日
  • お前らの墓につばを吐いてやる

    Posted by ブクログ

    絶対的な復讐心。狂えるほどの憎悪。酒と暴力とセックス。
    圧倒的な文体に飲み込まれ、読み進める。私が感情をはさむ余地などない。
    黒人の差別問題に恐怖をいだいた。ラスト2行にやっと複雑な気持ちが沸き起こる。ただただ、知ること学ぶことを私はやっていかなければ。ヴィアンの戦いの一書。

    0
    2018年09月02日
  • うたかたの日々

    Posted by ブクログ

    なんとなく、小洒落た仏版サリンジャーみたいなイメージを持ってたんだけど全然違った。アシッドでサイケ。

    0
    2018年07月05日
  • お前らの墓につばを吐いてやる

    Posted by ブクログ

    黒人の血が混じった主人公リーの白人への復讐劇。
    アルコールとセックスとバイオレンスに彩られた物語の胸に迫る最後の一文。

    ジャズのスタンダード“奇妙な果実”が頭をよぎる。

    0
    2018年06月21日
  • 日々の泡

    Posted by ブクログ

    純粋な愛に生きる登場人物たちの有り様が、幻想文学としての舞台装置と相まって不思議な読書体験を与えてくれる。市井の嫉妬や撓んだ幸せみたいな凡庸さから逃れたく手に取るなら、在り来たりな現実を遠ざけてくれる優れた非日常の媒介。

    0
    2018年04月22日
  • うたかたの日々

    Posted by ブクログ

    これまた「百年の誤読」から。前半折り返すくらいまでは正直結構しんどくて、というかついていけてなくて、四の五の言わずとりあえずこの世界観を受け入れれば良いんだ、と思えるまでに時間を要した。ともすれば強烈にスプラッタ的になる場面が、サラッと流されてたり、唐突に現実離れした発明品が登場したり、とりあえず思いつくものをどんどん投入しましたって味わい。後半はみんな死に急いで、最終的にはそして誰もいなくなった状態。静かなイメージの物語に関わらず、実際には疾風怒濤のようにめくるめく展開でした。ただ、大好物かと聞かれると、う~ん、ちょっと微妙かも。

    0
    2017年11月27日
  • 日々の泡

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読み始めと読み終わりでは全然印象が違う小説。

    最初はシュールだなあ、なんて笑いながら読んでいた。
    けれども、現実と非現実が絡み合い混じりあうように紡がれる文章が、どんどん笑えなくなってくる。
    シュールというよりサイケデリック。

    好き勝手に生きているように見えて、生きていくための手段を全くもたない登場人物たち。
    奔放に生きるというよりも、緩やかに死んでいくかのように。
    自覚のない自傷。
    彼らが痛ましくてしょうがない。

    自分を生かすことすらままならないクロエ。
    クロエを支えたいのに、気持ちばかりでなんの力もないコラン。
    ふたりの生は、どんどん小さく儚くなっている。

    しかしそれよりも、シック

    0
    2016年02月16日
  • うたかたの日々

    Posted by ブクログ

     コランとクロエ、シックとアリーズ、どのカップルも純で真っ直ぐに愛し合っているゆえに世界と均衡がとれなくなっていく様子がとても切なかった。肺に睡蓮の花が巣食う奇病にかかったクロエが周りの世界と共に衰弱していく様子に、解説で小川さんがおっしゃっているように、そこから解放されるには死しかないことがひたすらに伝わってくるのも辛かった。「現代でもっとも悲痛な恋愛小説」というキャッチフレーズにも頷ける作品。

    0
    2015年11月29日
  • うたかたの日々

    Posted by ブクログ

    ミシェルゴンドリーの映画を観て、世界観は好きなんだけど見せ方にいまいち入り込めず、本を読んでみました。
    同じ物語の世界なのに、前半と後半でまるで違う光とか温度とか匂いとか。
    そういうものがページから伝わるのがすごいなぁ、と。
    あと逆に映画のアレンジのおもしろさもわかった。
    いやぁ、すごいロマンチックですね。
    肺が苦しくなった。

    0
    2015年08月16日
  • 日々の泡

    Posted by ブクログ

    容姿端麗、有り余る資産、そつのない社交性。
    コランの優雅な愛と凋落の日々。
    シュールで戯画的な描写。
    美しくもあり、残酷でもあります。そして滑稽なのです。
    美しい悲痛な愛の物語の裏に、持たざる者の鬱屈を、シニカルな視線を感じます。
    愛を失い貧乏になったコランは無邪気に問います。
    何も悪いことをしていないのになぜ?と。
    でも彼が恵まれた生活を享受できていた理由も何も無いのです。

    0
    2013年10月26日
  • 日々の泡

    Posted by ブクログ

    最初のうちは真面目に読んでいたので、時折挿し込まれる不可解な表現に戸惑った。
    が、この独特な非現実性を理解すると、それを楽しめるようになった。
    豊かなリリシズムと、優しさと、残虐性の潜む大人のファンタジー。
    愛する人を失いたくなくて気も狂いそうなのに、それ以外の人間をあっけなく殺してしまうのだ。

    0
    2014年01月07日
  • うたかたの日々

    Posted by ブクログ

    現実的でない夢を見ているような…。
    私はこの本が気に行っている。
    胸に睡蓮の花が咲く奇病にかかる主人公の恋人。
    幻想的で美しいが、ある意味残酷な物語。

    映画もいい。
    本同様、たまに見返したくなる。
    幸いなことに、録画したものが手元にある。

    本筋は置いといて、
    この話にはカクテルピアノなるピアノが出てくる。
    ピアノを弾くとカクテルが出来ると言うようなそんな感じのピアノ。
    このピアノが私はとても好きだ。
    私はピアノがそんなにうまい方ではないので、あまりおいしいカクテルが出来ないだろうけど…。

    0
    2012年10月22日
  • うたかたの日々

    Posted by ブクログ

    とても不思議な小説だった。不思議なことが普通なことのように描かれていて最初は戸惑ったが、読んでいるうちに世界に入り込んでいけた。
    肺に睡蓮の花が咲く病気におかされた妻の病状を和らげるために、花を部屋中に置く主人公。花を買うために憂鬱な仕事をする。
    不思議な世界の中にも現実的な世界ときちんとリンクしている感情があり、とても面白かった。

    0
    2012年07月01日
  • うたかたの日々

    Posted by ブクログ

    <裕福な青年コランは友人のパーティーで出会った美しい女性クロエと恋におちる。
      デュークエリントンの曲と同じ名前の彼女と送る幸せな結婚生活。しかし彼女には・・・>

    カズオイシグロの作品は全てハヤカワep文庫より出版~。
    ということですっかりハヤカワep文庫支持者になりました。
    そしてそれではハヤカワep文庫の他の著者のも読んでみようと買ってみた一冊。
    あとがきの書評が小川洋子というわけで。

    あらすじはいたって普通というか定番。
    しかし「スケートでぶつかり合った人間達の死体は係りの人間が脇へ掃いていった」とか、
    「一般家庭の蛇口からうなぎが出てきたのでそれを料理した」等、
    奇妙さ、不思

    0
    2012年03月05日
  • 日々の泡

    Posted by ブクログ

    全く同じ内容であるという「うたかたの日々」(ハヤカワepi文庫)は翻訳文に抵抗があって、全く読み進めることが出来なかった。
    しかしこの曾根元吉訳の「日々の泡」(新潮文庫)は問題なく読むことができた。日本人作家でも合う合わないがあるから、それの違いかな?
    肺に睡蓮の花が咲く奇病に冒されたクロエと、彼女に恋をしたコランの物語なのだけど、シックやアリーズ、そしてニコラと、彼らを取り巻く人々までもが不幸になっていく。
    救いのない哀しい物語。
    もう少し、彼らに救いがあってもいいのではないだろうか?
    シックは致し方ないにしても…。

    カクテル・ピアノや素敵なギミックがあちこちに。
    部屋や街の様子、物事の描

    0
    2012年01月24日
  • うたかたの日々

    Posted by ブクログ

    独特の世界観と描写についていくのは大変だけど、少しづつ壊れていく感じは好きだな。
    イメージしにくいんだけと、映像的という、ちょっと不思議な感覚だった。

    0
    2012年01月14日
  • 日々の泡

    Posted by ブクログ

    前衛的とか不条理って、こんな感じ?

    けっこう好きです。
    部屋がシャボン玉みたいに変わるところ。
    銃の育成
    心臓抜き
    最後のねずみの自殺方法

    0
    2011年12月25日
  • 日々の泡

    Posted by ブクログ

    初めてのシュールレアリズム文学でした。
    最初は、コミカルな印象を受けて、本当に面白いのかと思いながら読み進めました。
    中盤、斜陽文学の感じが出てきたので、谷崎の細雪に近いものを感じました。
    そして、終盤の急展開がまさに悲劇でしたね。読書会では意見が別れましたが、私はラストがとても強く印象に残りました。
    シュールレアリズム文学ってどうなのかなと思ってましたが、不思議な現象の描写が、逆に心理描写を際立たせている感じを受けました。

    クロエに関しては、悲劇のヒロインなのか、さげまんなのか考えるのはとても面白いと思います。
    そして、花が何を象徴してるのかという事も。
    カフカの変身の様に、何かの象徴何で

    0
    2011年11月29日