ボリス・ヴィアンのレビュー一覧

  • うたかたの日々
    シュールで幻想的。「ピアノカクテル」「心臓抜き」「嘔吐の形の指輪」など。すぐ人が死ぬし死に方も異常だし、よく考えたら主要人物たちだけが比較的まともなようにも見える。 なんで睡蓮なんだろうなあと花言葉を調べたら「心の純潔」とか「滅亡」みたいな意味があるらしい。なんとなくしっくり来た気がする。美しい。
  • 日々の泡
    大学生の時に初めて手に取ってから、何度も読んでいる。美しい幻想、まやかしの世界、どこまでが現実かわからないけど、恋する気持ちだけは本物なんだよね。初めはほの明るくパステル調で色彩豊かなのに、どんどん光が失われて最後は白黒の線描画という感じ。
  • 日々の泡
    初めて読んだのが原文という、今思えばかなりの無茶だったなぁ…

    改めて日本語訳を読んだ時、不安だった原文の解釈がそれなりに外れてなかったことに逆に驚き、その時たまたま出ていた課題の仏作文を仏〝小説〟にして提出した(これもかなりの無茶だ)くらいの衝撃を受けた。
    変な転換だけど、それくらい挑戦的な文章に...続きを読む
  • お前らの墓につばを吐いてやる
    ジャズを愛し、黒人を敬愛していたヴィアンの人種差別に対する憎悪が、凄まじい力をこの本に託していると思いまます。
    手足の震えが止まりません...。
  • 日々の泡
    頭の中が色んな絵でいっぱいになった。家が丸くなるのとか、小さくなって行くのはとても微笑ましくて悲しかった。いい作品
  • うたかたの日々
    大学の卒業論文をこの小説で書きました。正確にはこの小説と岡崎京子先生の漫画版で書いたのです(`・ω・´)フランス文学科だったにもかかわらずフランス文学が苦手だった私。。この作品がなかったら大学を卒業できなかったと思います。ボリス・ヴィアンの描く悲恋。独特の比喩や擬人表現に、戸惑う人が多いですが、一度...続きを読む
  • 日々の泡
    まず、描写が綺麗、美しい。脳内でその綺麗な映像が細かく、鮮明に思い浮かべられるし、その映像が本当に綺麗。文章力に、脱帽です。ところどころの表現はすこし非現実的で、けど内容はどこか現実味を帯びているような表現だなと思いました。
    アリーズとシックの結末、またハツカネズミのこと、残されたコランのこと。すべ...続きを読む
  • 日々の泡
    幻想と皮肉と遊びと悲壮の入り交じった、美しいメルヘンです。根底に暗澹とした「不条理」が見え隠れしているところなんかは、いかにも当時のフランスらしい感じもしますが、簡単にフランス文学と一括りにはできないほど力強い作品だと思います。耽美で独特な描写は、このボリス・ヴィアンでしか見たことがありません。

    ...続きを読む
  • うたかたの日々
    ものすごく独特の世界。
    1P目からにきびが自発的に引っ込んだりして、もしや誤訳?と思いながら読み進めると、どうやらそういう世界らしい。
    こうあるべきが具現化されている、まるで現代アートを読んでいるような感覚になる。これは独特だなぁ。

    描写は細かくなく、現実感を欠いている。

    結婚するまでは薔薇色ふ...続きを読む
  • うたかたの日々
    最近読んでない。から具体的な文章については覚えてないので触れられない。が、中学生の頃からの愛読書。というか、暇で切実で溢れる万能感と閉塞感で酸欠気味にボケーとしてる時に読むべき。
    結局、この青春群像で無事に生き残ったのはアメリカ人の料理人だった。
    ゆっくり読む時間がないので岡崎京子のまんが盤が便利。
  • うたかたの日々
    ずっと探していたものを見つけたみたいに嬉しい。
    大好きな、大好きな小説。
    全てがパーフェクトです。
    あらすじはもとより、純粋と残酷のバランス、エッジの効いたユーモア、美しさ、淡々と壊れていく破滅感。

    最高です。
  • うたかたの日々
    非現実と現実が混ざり合う一冊。
    クロエの肺に睡蓮が咲くという奇病は悲しくも美しい。
    貧乏が引き起こす数々の不幸。

    いつも読んでいる小説とは違い、世界観に溶け込むのが難しかったけれど、本当に美しい小説だった。
  • うたかたの日々
    悲劇的な、あまりに悲劇的な恋愛小説。
    これ以上に悲痛な作品を、ぼくは未だ読んだことがない。

    "二つのものがあるだけだ。それは、きれいな女の子との恋愛だ。それとニューオーリンズかデューク・エリントンの音楽だ。その他のものはみんな消えちまえばいい。なぜって、その他のものはみんな醜いからだ。"

    そんな...続きを読む
  • うたかたの日々
    儚さは美しい。だけれども、儚さは罪にも・・・。「深い愛」を持つ難しさを感じてしまう。が、互いを想う“強い気持ち”があれば、大丈夫。それが儚さから永遠へと続くのだから・・・
  • うたかたの日々
    ボリスヴィアンの頭の中はどうなっているんだろう?物凄い大恋愛物語なんだけど、狂っている。美しいまでに。
  • 日々の泡
    再読。もう何度読み返してるかわからない大好きな小説
    というか世界でいちばんこの本がすき
    あまりにも道化で可笑しいことばかりがあふれるのにどうしてこう悲痛なのかしら
    本当に悲しいことは真面目なもののなかよりも、ふざけたものの中にあるのだと思う
    幸せな時は全然長続きしないなぁ
    そんなことないっていうひと...続きを読む
  • お前らの墓につばを吐いてやる
    文学作品としてめちゃめちゃ面白いかと言われればそうは思わない。レトリックも正直粗雑な印象だしスリラーとしての緊迫感みたいなものも特別ない。タイトルに勝る挑戦的な内容をどうしても期待してしまったわけである。
    ただ、フランス人がデビュー作としてアメリカ人を装い世に出したという本作にまつわるエピソードはま...続きを読む
  • うたかたの日々
    美しいですね
    基本的には純粋に恋をする男女3体3の物語です。
    文が幻想的で浮遊して掴めないような印象がありました。
    それでも熱い恋の話には違いありません
    良き本でした。始まりから終わりにかけて寂しくなってきますが
  • うたかたの日々
    コランとクロエの恋の話。人は簡単に死んだり、部屋の大きさが変わったり。そして、クロエの肺には睡蓮が生長するというように物語世界が不思議に彩られている。本当に不思議で滑稽な物語。
    とらえどころがないとも言える。主人公の名前の響きが好きです。
  • お前らの墓につばを吐いてやる
    仏人作家が米国の20世紀の人種差別問題をテーマにした小説。若い男が目的に向かって動きだしスピードを上げて一気にゴールに駆け込むような勢いがあり読みやすかった。印象的だったのは、肩のラインが黒人と認識されるポイントになり得るということ。いくら見た目白人でも分かる人には分かるらしい。今でも米国の人種差別...続きを読む