ボリス・ヴィアンのレビュー一覧

  • うたかたの日々

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    儚い美しさという印象。
    儚いから美しいのか、美しいものは奇しくも儚いものなのか。
    詩を詠むように物語を読んでいく。
    とてもユニークな表現は彼が持つ唯一無二のものだろう。
    可愛らしい恋愛が悲痛な行方を辿る。
    死が鮮やかに描かれることで、死が死でないかのよう。うたかたという言葉通り泡のように消えていく。

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    2025年08月24日
  • うたかたの日々

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    ART-SCHOOL好きだから読んでみた。
    独特な表現が最初掴みきれなかったけど、読み進めていくうちに、物語と不思議な言葉の繋ぎから浮かび上がる情景がピッタリ合わさって行く感じ感動した。
    こういう純粋さ溢れるロマンスは好きなんだよな

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    2025年03月01日
  • 日々の泡

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    日々の泡は、コリンっていう主人公とクロエっていう肺に睡蓮が咲く病気にかかった奥さんと、そのほか二組のカップルの話で滅茶苦茶悲痛だった…………

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    2024年04月25日
  • うたかたの日々

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    シュールで幻想的。「ピアノカクテル」「心臓抜き」「嘔吐の形の指輪」など。すぐ人が死ぬし死に方も異常だし、よく考えたら主要人物たちだけが比較的まともなようにも見える。 なんで睡蓮なんだろうなあと花言葉を調べたら「心の純潔」とか「滅亡」みたいな意味があるらしい。なんとなくしっくり来た気がする。美しい。

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    2022年07月14日
  • 日々の泡

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    大学生の時に初めて手に取ってから、何度も読んでいる。美しい幻想、まやかしの世界、どこまでが現実かわからないけど、恋する気持ちだけは本物なんだよね。初めはほの明るくパステル調で色彩豊かなのに、どんどん光が失われて最後は白黒の線描画という感じ。

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    2021年06月02日
  • 日々の泡

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    初めて読んだのが原文という、今思えばかなりの無茶だったなぁ…

    改めて日本語訳を読んだ時、不安だった原文の解釈がそれなりに外れてなかったことに逆に驚き、その時たまたま出ていた課題の仏作文を仏〝小説〟にして提出した(これもかなりの無茶だ)くらいの衝撃を受けた。
    変な転換だけど、それくらい挑戦的な文章に思えたのだ。

    今でも好きな小説として、最初に挙げる一冊。

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    2020年05月24日
  • お前らの墓につばを吐いてやる

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    ジャズを愛し、黒人を敬愛していたヴィアンの人種差別に対する憎悪が、凄まじい力をこの本に託していると思いまます。
    手足の震えが止まりません...。

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    2019年05月10日
  • 日々の泡

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    頭の中が色んな絵でいっぱいになった。家が丸くなるのとか、小さくなって行くのはとても微笑ましくて悲しかった。いい作品

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    2013年12月08日
  • うたかたの日々

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    大学の卒業論文をこの小説で書きました。正確にはこの小説と岡崎京子先生の漫画版で書いたのです(`・ω・´)フランス文学科だったにもかかわらずフランス文学が苦手だった私。。この作品がなかったら大学を卒業できなかったと思います。ボリス・ヴィアンの描く悲恋。独特の比喩や擬人表現に、戸惑う人が多いですが、一度何も考えずに愛だけを信じて読んでみて欲しい作品。もしどうしても読み進めにくい方は、先に岡崎京子先生の漫画版から読むのもオススメです♪

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    2013年02月16日
  • 日々の泡

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    ネタバレ

    まず、描写が綺麗、美しい。脳内でその綺麗な映像が細かく、鮮明に思い浮かべられるし、その映像が本当に綺麗。文章力に、脱帽です。ところどころの表現はすこし非現実的で、けど内容はどこか現実味を帯びているような表現だなと思いました。
    アリーズとシックの結末、またハツカネズミのこと、残されたコランのこと。すべてなにをとっても切なくて、もう、本当にすてきな小説でした。
    ニコラとイジスの話が少なかったのが少し残念かな。でもあの二人はこの後も幸せに暮らしていくんだろうと思うからこそ書かなかったんろうと思いこむ!目に見えてわかるぐらいの展開に持ち込んで、あえてかかない。コランやシックたちのことを読んでいればわか

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    2015年06月08日
  • 日々の泡

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    幻想と皮肉と遊びと悲壮の入り交じった、美しいメルヘンです。根底に暗澹とした「不条理」が見え隠れしているところなんかは、いかにも当時のフランスらしい感じもしますが、簡単にフランス文学と一括りにはできないほど力強い作品だと思います。耽美で独特な描写は、このボリス・ヴィアンでしか見たことがありません。

    ストーリーだけ追ってしまうとなんだかいただけないのだけど、その見せ方は本当に秀逸です。ストーリーのトーンと同調して、描写の色合いも変化していくところはとても見事でした。おおまかに言うと、前半はライトでファンタジック、透き通った色水のようなのですが、物語が進むにつれてそこに濃紺のインクがぽたりぽたりと

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    2012年12月16日
  • うたかたの日々

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    ものすごく独特の世界。
    1P目からにきびが自発的に引っ込んだりして、もしや誤訳?と思いながら読み進めると、どうやらそういう世界らしい。
    こうあるべきが具現化されている、まるで現代アートを読んでいるような感覚になる。これは独特だなぁ。

    描写は細かくなく、現実感を欠いている。

    結婚するまでは薔薇色ふわふわ。光をひねっちゃうぐらい。
    ハネムーンからが暗い。お金を数えだすところからは闇。文字通り光も届かない。

    幕切れはいささか急。短い描写だけど、それでも悲しい。

    シック、アリーズのサイドストーリーは、これだけ面白ければ大歓迎。
    ここでは誰も幸せになれないんだね。

    ピアノカクテル、花で治療など

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    2012年09月30日
  • うたかたの日々

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    最近読んでない。から具体的な文章については覚えてないので触れられない。が、中学生の頃からの愛読書。というか、暇で切実で溢れる万能感と閉塞感で酸欠気味にボケーとしてる時に読むべき。
    結局、この青春群像で無事に生き残ったのはアメリカ人の料理人だった。
    ゆっくり読む時間がないので岡崎京子のまんが盤が便利。

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    2012年03月16日
  • うたかたの日々

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    ネタバレ

    ずっと探していたものを見つけたみたいに嬉しい。
    大好きな、大好きな小説。
    全てがパーフェクトです。
    あらすじはもとより、純粋と残酷のバランス、エッジの効いたユーモア、美しさ、淡々と壊れていく破滅感。

    最高です。

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    2011年12月29日
  • うたかたの日々

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    非現実と現実が混ざり合う一冊。
    クロエの肺に睡蓮が咲くという奇病は悲しくも美しい。
    貧乏が引き起こす数々の不幸。

    いつも読んでいる小説とは違い、世界観に溶け込むのが難しかったけれど、本当に美しい小説だった。

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    2011年08月28日
  • うたかたの日々

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    悲劇的な、あまりに悲劇的な恋愛小説。
    これ以上に悲痛な作品を、ぼくは未だ読んだことがない。

    "二つのものがあるだけだ。それは、きれいな女の子との恋愛だ。それとニューオーリンズかデューク・エリントンの音楽だ。その他のものはみんな消えちまえばいい。なぜって、その他のものはみんな醜いからだ。"

    そんな序文に始まる物語の中で、登場人物はその醜いもの達に踊らされ、右往左往するばかり。醜くない二つのものを守ろうと、身を削ったところで、レコードは擦り切れ、金は尽き、血は流れ、人は死ぬ。

    あらゆる恋愛感情は、突き詰めると性欲と依存心と虚栄心に因数分解される。未だ反証を見ないそんな持論

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    2019年01月16日
  • 日々の泡

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    再読。もう何度読み返してるかわからない大好きな小説
    というか世界でいちばんこの本がすき
    あまりにも道化で可笑しいことばかりがあふれるのにどうしてこう悲痛なのかしら
    本当に悲しいことは真面目なもののなかよりも、ふざけたものの中にあるのだと思う
    幸せな時は全然長続きしないなぁ
    そんなことないっていうひと達はとても多いけど、人間関係の脆さと同じくらい壊れやすいものだと思う、私は。
    この小説だけが彼の作品の中で飛びぬけて評価されてるのも皆そのことに気付いてるのだと
    だからこそ、コランとクロエが二人で過ごした時や、シック、アリーズ、ニコラ、イジス達との楽しい時がよりいっそう、きれいにみえる
    酷い小説。残

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    2012年10月15日
  • うたかたの日々

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    ネタバレ

    ⭐︎4と5の間くらい…幻想的で不思議で綺麗だった。
    未来なのかいつなのか、裕福な主人公・コランはクロエに出会って恋に落ちて、結婚するが、クロエの肺に睡蓮が巣くって、彼女を救うために財産を食い潰していく。彼ができる範囲で労働するものの、結局彼女は死に、自分は没落しきり、お金がないために満足も葬式が出せない始末。彼女のためになんとかしていた労働が、不幸配達人ともいうべき職業で、そのせいでクロエが死ぬ1日前にその事実を知ってしまう、という仕掛けも悲しかった。部屋がどんどん縮み、太陽が入らなくなり、人は簡単に死んでいき(しかも復活していなさそう?)、そんなことって起こるの?ということが起こり続ける物語

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    2025年08月05日
  • 日々の泡

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    所々残酷なところがあり、作中で笑えるところはほぼ無し。退屈ではないが薄気味悪さが漂う。二組のカップルの最後は悲惨すぎた。

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    2025年05月16日
  • お前らの墓につばを吐いてやる

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    文学作品としてめちゃめちゃ面白いかと言われればそうは思わない。レトリックも正直粗雑な印象だしスリラーとしての緊迫感みたいなものも特別ない。タイトルに勝る挑戦的な内容をどうしても期待してしまったわけである。
    ただ、フランス人がデビュー作としてアメリカ人を装い世に出したという本作にまつわるエピソードはまぎれもなく面白いし、終戦後まもない時代の退廃的な風潮が色濃く現れていて、人種差別というどうしようもない社会の暗部につかみかかるような作品であり、そういう意味でこの作品がもつ意味は大きいだろう。解説を読んで、ボリス・ヴィアンの生き様にも興味がそそられた。

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    2023年03月18日