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Posted by ブクログ
文学作品としてめちゃめちゃ面白いかと言われればそうは思わない。レトリックも正直粗雑な印象だしスリラーとしての緊迫感みたいなものも特別ない。タイトルに勝る挑戦的な内容をどうしても期待してしまったわけである。
ただ、フランス人がデビュー作としてアメリカ人を装い世に出したという本作にまつわるエピソードはまぎれもなく面白いし、終戦後まもない時代の退廃的な風潮が色濃く現れていて、人種差別というどうしようもない社会の暗部につかみかかるような作品であり、そういう意味でこの作品がもつ意味は大きいだろう。解説を読んで、ボリス・ヴィアンの生き様にも興味がそそられた。
Posted by ブクログ
内容・構成は凡庸。作品の最初を読んだところで、最後まで見通せてしまうし、特に面白いシーンもない。ボリス・ヴィアンの傑作『うたかたの日々』に比べると見劣りする。ただボリス・ヴィアンの「白人が不快になるような本を書いてやろう」という強い思いが全体に強く出ていてその怨念は面白い。『うたかたの日々』もそうだったけど、ボリスヴィアンは、劇として小説を書くことが非常に上手い。いかに主人公が白人を憎んでいるか、ということを自らの家を燃やしてしまう、というシーンで象徴的に描いているところは、さすが、という感じ。
白い肌を持った黒人、というテーマはたしかデュボイスもなにか書いていたけど、面白いと思った。ネラ=ラーセンの『白い黒人』とか読んでみようかな。
Posted by ブクログ
鈴木創士訳がバッチリ決まってます。終盤の人殺す時の仕草とか、感情の生臭さが素晴らしいです。戴冠せるアナーキストを読んだときにも感じましたが、文才、というよりも詩の美しさに似てるな、と思います。音楽やってる人って激情家が多いんですか。俺もなれますか。んでお気に入りは、兄弟の復讐のことで同じ黒人の兄に諭される場面があって、そこの会話が、切ないんだけども、かっこええです。なぁ兄さん、弟の仇をとってやろうか?いや、お前には黒人らしいところがないから普通の暮らしが歩めるだろう。神はお前を救ってくれるんだよ。神が俺らのことに構うもんか。兄貴は本当に俺のことを愛してくれた。勇気が湧いてきて、なんでもできる気がした。てな会話が書いてあります。兄弟愛みたいのんは日本だとあんまり馴染みが無い気がするんで、というか俺が見たことないんでニュアンスが伝わりづらいかもだけど、海外の映画を観てるときの、『俺ら死ぬときゃ一緒だぜ』感がなんか新鮮というか、心熱くなるし、愛おしく感じられるじゃないですか。そんなホモさに近い感じですか。あと、表紙がめちゃくちゃ可愛い〜♡ティムバートン作品のキャラクターみたいで好きな絵だ!
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