市川哲也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なんと2014年に一度読んでいて、すっかり忘れていて、再読。
さらに笑えるのが、2014年当時の評価は☆2 w
そうか、若かったときは、このくたびれたおっさん探偵と、態度悪(く見える)ジョシコーセー探偵の組み合わせが耐えられなかったんだな……。うん、少しくどいもんね。
と、他人事のように10年前の自分も理解できたw
が、今回おもしろかったのは、まさにそのくたびれたおっさん探偵のボヤキと後悔、次世代に繋ごうとする意志だった。
ひたすらミステリを読んで、スレたぶん、「名探偵」という存在のアインビバレントも重々承知で、こういう物語も「アリ」だな、と思う。
探偵が「推理する」ことの是非に真正面から取り組んだ作品。
「探偵の矛盾」みたいなものをテーマにするミステリが増えたことも、受け入れやすさの一因と思う。そういう点でも、先見の明の一冊!
今後の蜜柑ちゃんの活躍も込みで、ゆっくり読み進めたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレミステリを読んで、名探偵の孤独というようなものを感じることはあまりない。何故ならば、大体において、名探偵という人種は、一般人に比し突き抜けた思考回路を持っており、そんなことは意に介さないように振る舞うから。
でも、一人苦悩する探偵が少なからずいるのも確かだが、それが自分に課せられた役割と割り切り、前へと進む。
しかし、その存在そのものが犯罪を誘発しているなどという誹謗中傷を名探偵が受ける作品は目にしたことがない。それはあまりにもひどい妄言であるが、それは名探偵に対する痛烈なアンチテーゼでもある。
往年の名探偵・屋敷啓次郎はそのような誹謗中傷を受けてきた。そして、次世代の名探偵・蜜柑花子は、啓次郎を敬愛し、彼に私淑する。この対照的な二人の探偵が事件解決を競い合うのかと思いきや、然にあらず。
名探偵が直面する栄光と挫折、そしてリスク。その厳しいまでの現実と、その壮絶な生き様がかつてない探偵像を示す作品。
これまでミステリを読んで感じたことのない感情を覚える。そういう意味では私にとっての新たな地平線が開けたような気がする。
探偵の安息の地はどこにあるのだろうか?事件が解決しても心休まらない悲しい存在のように思えてきた。
いずれにしても、啓次郎から花子へと、確かにバトンが手渡された。名探偵の矜持とともに。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ魔術が存在する世界での密室殺人。魔術にもルールがある為、何でもアリという訳ではないのだろうけれども真相はかなりトリッキー。ミステリは自身で推理するより、作者のアイディアを眺めに来ているという感じで読む。なのでちょっとトリッキー過ぎるかなという気はしたが、それ以外にはこれと言った感想はない。
全体的には作者の思いついたことをとにかく詰め込んだような造りで、仕掛けに重きを置いているのか、登場人物の描写に深みがない。殺人が起きているのに脇役達が騒然とすることもなく、淡々と進んでいく。アリサの夫に対する執心の描写もラストに偏重していて、もっと中盤にばら撒いて深堀っても良かったのではと思った。
醜悪な人間ばかりが出て来るが、アリサにダントツで嫌悪感を覚えた。常世姉妹も大概だが、アリサの場合は読者に対する裏切りに見えるせいなのだろうか。自分本意だし、事故を起こしておいて子供の姿じゃ運転出来ないなどと不平を鳴らし、愛する夫から娘を奪う選択をした上、娘の身体で赤の他人として夫との再婚に漕ぎ着け子供まで作る気持ち悪さ…。夫が不憫過ぎる -
Posted by ブクログ
ネタバレオカルト雑誌のライター田中永遠は、担当編集者の礎怜と怪奇現象を検証するため廃校となった小学校に忍び込む。校長室で武器を見つけ、テロリストである男たちに捕まってしまう。テロリストの一人に脅されて一人の男の殺害を実行するが、覆面探偵だという男に犯行を暴かれてしまう。閉じ込められ目が覚めると時間が巻き戻っていた。再び同じ男を殺すが、やはり探偵に気づかれてしまい …。
不思議ミステリー。殺したはずの相手が生きていて、また同じ話を持ちかけられる。時間が巻き戻っているけれど、失敗はできないと対策を練って再度繰り返す。アプローチを変えてもやっぱりうまくいかない。主人公のメンタル強い。というか狂信者的なところがあるように思える。怖い。
作品として冗長になるからなんだろうけど、怪異をモチーフにして4回繰り返したなら、きっちり7回までやればいいのにと思う私もいないではない。怪異の方も回数減らしておけばよかったのに。
予想のつかない展開は面白かったけれど、最後の終わり方が後味悪め。名探偵コナンじゃないけれど、探偵にはある程度の美学を持っていて欲しい。ボランティアなんだから謎解きと犯人特定が探偵の本分っていうのは嫌な考え方だなぁ。