【感想・ネタバレ】名探偵の証明のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

一世を風靡した名探偵の挫折から再生、そして名探偵とは何かを鮮烈に描いた本格推理。
名探偵の存在意義や後期クイーン問題。答えは出ていない。名探偵が愛おしくてたまらなくなった。
ハウダニットフーダニット、全く魅力がない。本作の評価はそこではない。彼ら彼女らの証明。名探偵の生き様に焦点をあて、フューチャーされない、されるべきではない物語となっている。
ミステリの魅力に改めて気付かされる。ゴリゴリのトリックを求めている方は、一度本作で頭をリセットしてから、カーでも読み漁ろうか。

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2018年01月18日

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ネタバレ

新しい、本格ミステリー。探偵を俯瞰的に見ると、行く先々で起こる事件に突っ込み入れたくなるけど、その背景や家庭事情や悩み含めて人間らしい懊悩がいい。新旧探偵の共演も面白い。
ロジック立てる段では、なるほど納得そうなのか!という美しい論展開ではない。話の魅力をキャラクターに振った結果か?
余談だが、p240ページからポケモンユナイトのBGMとともに読んだが、神がかり的なコラボに視覚と聴覚と思考力の臨場感高い。

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2021年10月31日

Posted by ブクログ

年老いたかつてのヒーロがー、それでも自分であり続けようともがくさまを描く、一人称の語り口からもハードボイルドなお話。さらに言うなら、主人公の屋敷には、解説にも言及がある冒険小説のヒーローの面影が濃い。その分、トリックも小粒で純ミステリとしては軽め。もちろん名探偵という理不尽で不条理な装置について考えること以上のミステリなんてない、と主張されたらそれは同意するしかないが。

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2021年06月17日

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ネタバレ

ミステリを読んで、名探偵の孤独というようなものを感じることはあまりない。何故ならば、大体において、名探偵という人種は、一般人に比し突き抜けた思考回路を持っており、そんなことは意に介さないように振る舞うから。

でも、一人苦悩する探偵が少なからずいるのも確かだが、それが自分に課せられた役割と割り切り、前へと進む。

しかし、その存在そのものが犯罪を誘発しているなどという誹謗中傷を名探偵が受ける作品は目にしたことがない。それはあまりにもひどい妄言であるが、それは名探偵に対する痛烈なアンチテーゼでもある。

往年の名探偵・屋敷啓次郎はそのような誹謗中傷を受けてきた。そして、次世代の名探偵・蜜柑花子は、啓次郎を敬愛し、彼に私淑する。この対照的な二人の探偵が事件解決を競い合うのかと思いきや、然にあらず。

名探偵が直面する栄光と挫折、そしてリスク。その厳しいまでの現実と、その壮絶な生き様がかつてない探偵像を示す作品。

これまでミステリを読んで感じたことのない感情を覚える。そういう意味では私にとっての新たな地平線が開けたような気がする。

探偵の安息の地はどこにあるのだろうか?事件が解決しても心休まらない悲しい存在のように思えてきた。

いずれにしても、啓次郎から花子へと、確かにバトンが手渡された。名探偵の矜持とともに。

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2019年06月30日

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名探偵の老いと最期ということではポアロの「カーテン」がありますが、名探偵自身の語りで老いに伴う葛藤を語られるというのは新鮮でした。お話も多層的になっていて最期まで読ませるし、ラストも何とも言えない味わいでした。

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2018年02月18日

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ネタバレ

過去の名探偵とその相棒並びに現代の名探偵がそれぞれの思惑の中で挑む事件。その真相が最後に明かされた時には驚かされました。
最後に七瀬が父親に伝えたかったことは何だったんでしょうね。

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2022年10月29日

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着眼点は今まで読んだミステリの中でも異質で面白かったが、話の内容自体は可もなく不可もなくという感じでした。シリーズ一通り読むと印象変わるのかな。

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2022年08月12日

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鮎川哲也賞受賞作。過去の名探偵と、現在の名探偵を共演させることで、名探偵の終わりゆく姿をまざまざと見せつける。テーマも構成も面白いのだが、いかんせん事件の謎の質が低く、彼・彼女らが名探偵であることの証明が出来ていない。

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2020年04月02日

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ネタバレ

タイトルに惹かれて購入。文章も読みやすく、謎解きも丁寧だったのですが、読み終わった後は、おもしろかったという気持ちよりも後味の悪さが残ったような気がします。

物語のラストもそうなのですが、小説の中での名探偵という存在に対する世間の考え方が、非常にシビア。

探偵が主人公の世界(小説)であっても、全員が探偵に肯定的でないのが、ある意味、現実に近いのかもしれないですが。

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2019年11月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一昔前に一斉を風靡した名探偵と、現代の名探偵が一緒に事件解決に挑むミステリ。設定がとても好き。
謎解きに立ち向かう姿より、自分の衰えを実感して引退を考えたり、心配する妻との関係に頭を悩ませたりと、とても人間らしい名探偵の姿が描かれる。
が、最後に明かされる真実は重い…。重いけれど、でも「言われたらそうだよね。あるよね、それ」と納得してしまった。ワトソン役の警察官は、警察内部では爪弾きになるだろう。内部情報を漏らすわけだし。その名探偵の地位が地に落ちたら…。正義だけではやっていけない警察という組織よ…。
読後感も明るくないし、ミステリとしてはそれ程意外でもないのだけど、そういうのとは一線を画す名探偵モノだなあ。

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2017年12月25日

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