サマセット・モームのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ主人公フィリップの、10歳〜30歳くらいまでの物語。幼少期に両親を亡くす不幸に見舞われながらも若さゆえの大志と自信を抱いて運命を切り開いていくかと思いきや、思うようにいかない現実を知り、挫折を繰り返しながら大人になっていく。
作品の中でフィリップは神を拠り所にしない自我を獲得していくが、主人公を見守る神のような視点から物語は語られる。
不条理の権化ミルドレッドが何度も介入し、さまざまな運命に翻弄され、自分ではどうすることもできないことがあることを知りフィリップは成長していく。
経験したことは力となり、人生を少しづつ織り重ねながら、そのときそのときに価値を感じることを大切にしていけると良いと -
Posted by ブクログ
下巻は非常に面白かった。ミルドレッドとのいざこざ、株で大損をしたことによる極貧生活、医師としての活動、叔父との関係など様々なことを通じて、フィリップが人間として変化していく模様を描いている。
印象に残った箇所は数多くあるものの、一つあげるとすれば最後の箇所である。
>自分にできるのは、人のよいところを受け入れ、人の過ちに耐えることしかない。死を目前にしたイエスの言葉が記憶によみがえった。
あれほどキリストや牧師になることを否定したものの、最後は隣人愛のような考えに至っていく過程が非常に面白い。
ペルシャ絨毯のように複雑模様を織りなすことが人生も良いが、普通に平凡な人生を歩むこともま -
Posted by ブクログ
ミルドレッドに振り回される主人公にイライラしながら早く手を引きなさい!と思いながら読んだ。文学作品はどうしようもない女性に振り回されがち??フィリップは理性的かと思いきや激情型で、ツッコミを入れながら一日で読んでしまった。
どうしようもない恋愛、身にならない画学生としての生活、医者として患者の生死に向き合う日々、友人たちの死、そして困窮した生活を通して自身の人生哲学を深めていく。フィリップは自身の人生からこの答えに行き着いた。すべての経験が彼の人生を形づくり、一つとして無駄なことはない。人生の意味とはそういうことなんだと思った。誰もが生きて成長して死ぬ過程で、様々な境遇で違う経験をして、そこに -
購入済み
面白かったです。
えっこれで終わり⁈っていう終わり方ですが。
できれば続編を読みたいですが叶わないのが本当に残念。
女性のお化粧の仕方とか怖いくらい細かく書いてあって、男の人なのによく見てるなーと興味深かったです。
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Posted by ブクログ
フィリップの見えるか見えないかの変化が、一気にひらけてゆく様。上下巻ともに、フィリップがしがらみから解放されてゆく表現は圧巻だった。
様々な暮らしを経験して味わった絶望感や少しの希望の中で、フィリップが生きることのこたえを見出していく。
それは万人が頷けるものでなくとも、フィリップ自身の、強い軸になってゆく。
後半は特に哲学的要素が強いように感じた。
読んでいて苦しく不快であったり、嫌悪感を抱いたりするのは、自分自身の経験とも否応なく重ねざるを得なかったからかもしれない。
想像していたような小説ではなくとても戸惑ったし、主人公を好きになることはなかったが、読み終えることには自然と -
Posted by ブクログ
モームは月と六ペンスも面白いがこちらの人間の絆も最高。古典とは思えないくらい読みやすい。
特にパリに行ってからどんどん面白くなる。敷かれたレール通りに聖職者を目指したものの、神を信じてない自分に気づき、自ら選んだ道で人生を模索し始める。
他者の人生と自分の経験を通して人生の意味に行き着く場面は圧巻。
この本が出版当時から支持を集めていたのが意外。人生の意味に悩む現代人にも読まれるべき一冊だと思う。
上巻は下巻への伏線の位置付けという意味で⭐︎4。
最初は自意識が強くて周囲と馴染めないフィリップにかつての自分を重ねてしまってうわぁと思いながら読んでいたが、段々と頭で考えている癖にいざとなると感 -
Posted by ブクログ
ネタバレ評価はまだつけられないな……
「月と六ペンス」みたいにガーッと感動はしなかった。でもところどころむちゃくちゃに感情をゆすぶられたり、主人公の言動にもう本を投げ捨てたくなるほどイライラしたり、よくわからない感情で涙がでてきたり、「つまらなかった」というわけではない。でもストレートに「よかった!」とは言えない感じ。
またもう少し時間が経ってから読み直したら気持ちも変わるだろか。
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Of Human Bondage
タイトル、光文社版だと「人間のしがらみ」って訳だけど、個人的にはどっちもそうだな、という感じ
人間どうしの間にあるものは暖かい絆であるときもあるし、やっかいなしがらみであるとき