サマセット・モームのレビュー一覧

  • 人間の絆(下)(新潮文庫)

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    久しぶりに、長編大作を読み終えて達成感。
    フィリップの人間性、複雑そうに見えて単純なところだったり、また育ちや環境によって屈折した精神に自ら翻弄させられる姿はピエロのようだったり。善人になったかと思えば利己主義で、他人を見下したりとことん嫌な奴に成り下がったり。
    そんな多面的で、コロコロ気変わりする彼を嫌いになれないのはきっと、クロンショーがくれた絨毯のように、彼の織り成す模様が魅力的だからだと思う。
    唯一無二の絨毯は、私達の中にある。それは美しい模様ばかりではないかもしれないが、すべてがそうではないからこそその美しさが際立つのだと思う。

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    2025年12月13日
  • 人間の絆(上)(新潮文庫)

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    冒頭は正直読むのがしんどい箇所だった。しかし後半からはかなり面白く一気に読めた。モームの自伝的小説であり、モームのことが好きな自分としては楽しめた。

    職業を公認会計士→画家→医者と二転三転して、人生について考えていくフィリップのことが気になっていく。

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    2025年05月26日
  • 人間の絆(上)(新潮文庫)

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     主人公の考え方や言動から、育ちや環境、コンプレックスによる課題の多さが目立ち、ときに安直で辛辣な観察力により惑わされた。
    また、この時代の暮らし、差別、格差による人々の心の貧しさも目につく。

     主人公の半生を余すところなく書いているため、読んでいて苦しく、不快なところも多いが、興味深い点やなぜか読み進めたくなる魅力がある。
    それは一人ひとりの暮らしや価値観と心情が痛いほどに表現されているからか?
    粘って下巻まで読んでみる。

    この先どうなってゆくのか..

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    2025年05月03日
  • 人間の絆(下)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    フィリップの医学修業期の友人関係やミルドレッドやノラとの恋愛、特にミルドレッドの悲惨な人生に巻き込まれる絶望の日々、金銭的な限界状況下、度重なる裏切りにも拘らず最後までミルドレッドを扶助するフィリップの懊悩。
    最悪の状況下、アルセニーに助けられ危機を脱出し、伯父からの遺産相続も実現し、誠実で着実な娘のサリーと結ばれる。
    足の不具等のハンディを超えて医師になり自由に世界を旅する夢に向かって、生き方を模索し人間を磨く青春の物語。

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    2022年08月13日
  • 人間の絆(上)(新潮文庫)

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    裏表紙の紹介には「誠実な魂の遍歴」とあるが、誠実かどうかは別にして、内省的な主人公の青年らしい葛藤の遍歴ではある。純粋であり傷つきやすく何度も壁にぶち当たる。好きな美術の道に進み、挫折を味わったものの成長の糧となった時期を過ごしたと言ってよい。下巻が楽しみ。2022.4.8

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    2022年04月08日