コンラッドのレビュー一覧

  • シークレット・エージェント

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    どうも「蝿の王」と「闇の奥」と勘違いしていて、その程度の認識しか持ち合わせない私の知識。タイトルイメージ「なんか格好いい。トムクルーズもしくはウィルスミス出てきそう」
    しょうーじき、光文社のこのシリーズ、面白いとも読みやすいとも思ったことが多分なく、岩波は時々難しい表現が所々ある時もあるが、こちらのずーっとなんかNHKでやってるオペラみたいな雰囲気が濃すぎて、なーんか読んだ気がしない。無理にメロドラマっぽくしなくともー。

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    2023年09月27日
  • 闇の奥

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    すごい話だなあとは感じるのだ。
    がしかしそれを面白く思えるかどうかは別物。
    私にはこの小説のユーモアは一切感じとることはできなかった。
    ただ、そこにあるのは人の愚かさと欲望と死と汚れで、それらをエサにして、完全に包み込む圧倒的な闇。
    光は欠片もない、つまりはそこに神はいない。
    映画、地獄の黙示録の原作らしい、さもあらん。

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    2022年12月03日
  • 闇の奥

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    映画「地獄の黙示録」の元ネタとなった小説です。映画はあのカーツ大佐が水の中からヌーっと顔を出すシーンが印象的でしたが、よくわからなくて退屈だった思い出があり原作を読んでみました。こちらは普通に楽しめましたので、映画もまた見てみようかなと思います。?

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    2021年11月18日
  • 闇の奥

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    映画「地獄の黙示録」の原作だったので読んでみた。輪郭がはっきりしない曖昧な不安感が読後も続く。警察も肉屋もいない原初の大地に向き合い続けるうちに、普通の感覚が失われて物事の意味が希薄になっていき、綻びのように発生した狂気を押し留めることができなくなる…。マーロウがクルツを冷静に批判している一方でクルツの虜になっているのは何故なのか?これがマーロウ自身が引きずり込まれた闇、なのだろうか。

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    2020年11月23日
  • 闇の奥

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    解説を読むと、この光文社古典新訳版で、なんと四人目の訳者になるらしい。それだけ、魅力のある作品だということなのでしょうが、読者それぞれに想像させる描写が多く、物語の筋は分かるけど、そこから何を問いかけているのかが、難しく感じた。

    初読で私が感じたことは、単純だけど、改めて植民地の概念って何だろう? ということです。

    いきなり、知らない国の人たちがやって来て、特産品をいただくので、ただ働きしてくださいみたいな、現地の人にしてみたら、何言ってんの、ってなるであろうこの感覚は、私の理解の範疇を超えている。それなのに、見た感じでは、当然に受け入れたかのように働いている現地人の姿の描写が痛々しく感じ

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    2020年10月20日
  • シークレット・エージェント

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    ロンドンのブレット・ストリートで雑貨商を営み、
    若い妻ウィニーを娶り、彼女の母と弟を同居させ、
    穏やかに暮らすアドルフ・ヴァーロックの正体は
    某国のスパイ、コードネームΔ(デルタ)だった。
    雇用主から
    長い間まともに本来の仕事に精を出していないと
    叱責された彼は、新たな任務を負ったが……。

    19世紀のアナーキー・イン・ザ・UK
    ……と言いたいところだったけれども(苦笑)。
    序盤はヴァーロックの日常と、
    そこから著しくかけ離れて見える本業との対比や、
    上司との皮肉の応酬が黒い笑いを誘い、
    アイロニーとブラックユーモアで
    ストーリーを引っ張っていくのかと思ったが――
    実は、背景となる当時の
    霧と

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    2020年03月24日
  • 闇の奥

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    1ページ読んで、3ページ戻る。
    どうなってんのか分からず、戻って読み直す、を繰り返し。気づけば、結局何がなんだかわからないまま読破。
    コッポラ監督の『地獄の黙示録』の原作ということですが、映画よりも淡々と静けさが目立ち、かつ難解です。
    しばらく本棚に寝かせて、5年後くらいにまた読んでみようかな。

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    2019年09月18日
  • 闇の奥

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    コンラッドは、自身が船長として、現在のコンゴ民主共和国のキサンガニ(スタンリー・フォールズ)に遡行した時の経験を基に、この小説を書いたとあとがきにあります。

    主人公がアフリカの奥地で出会うクルツという人物の心の闇、そして19世紀当時のアフリカのジャングルの闇が不気味に描写されています。

    このあたり、映画の「地獄の黙示録」は、この小説の雰囲気を良く伝えています。実際、フランシス・コッポラはこの作品の映画化を真剣に検討していたようです。マーロン・ブランド演ずるカーツ大佐の名前が、クルツに似ているのは偶然ではないでしょう。

    異郷であれ、大都会であれ、そこに住む人間の寂寥を描く、というのは文学の

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    2018年12月02日
  • 闇の奥

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    解説の通り、クルツが荒廃していく話だということは理解できたが、全体的に分かりにくい。
    終始一人称語りの上に文章が装飾だらけのため、何が起きているのか理解するのに時間がかかった。一部時系列的に前後する話をしていたりした箇所も。
    そのため、一つ一つの文章を正確に追わないと理解できないため電車の中で読むには向かない作品だと思った。
    まぁ、これが彼の持ち味なのかもしれないけれど

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    2017年11月09日
  • 闇の奥

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    なかなか難解だった。違う訳で読むとまた感想が変わりそう。語り手のマーロウもクルツも奥地へ行く前と後では人生観が変わってしまった。

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    2017年08月11日
  • 闇の奥

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    マーロウという老船乗りが若いときに体験したコンゴでのできごとを語る。
    すごくオブラートに包んだ語り口で、そこに意味があるようなのだが、やはりよくわからなかった。
    肝心のクルツが何をしてどのように変化したのか分かりにくい。
    魔境の不気味さや迫力は感じられる。

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    2018年10月19日
  • 闇の奥

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    マッカーシーのブラッド・メリディアンで
    名前が出ていたので読んでみる。
    当時の大陸にいた先人にとって、
    海外から襲いかかってきた侵略者は
    一種の神秘という表現はおもしろいなーと。

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    2015年10月31日
  • 闇の奥

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    夏目漱石が愛読したコンラッドの代表作。
    そして、オーソンウェルズ、スタンリーキューブリック、フランシスコッポラなど巨匠たちがこぞって映画化しようとしたけれども、実現には至らなかった。

    という前情報〔千夜千冊1070話〕に興味をそそられて読み始めた。

    しかし、読みにくかった。
    けっして難しい文章ではないのだが、どうにもリズムが合わない。

    読後に解説を読んでみると、色んな人が翻訳しており、今回手にしたのは新訳だとわかった。
    そして、そこで、原文が読みにくいことで有名だということもわかり、それに対して、それぞれの訳者が色々試行錯誤していることもわかった。

    うーむ、その結果が、こういう訳になる

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    2014年09月28日
  • 闇の奥

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    表題を知っていても読んでいなくて喉の小骨状態になってる小説が誰しもあると思うのですが、私にとってコンラッドの闇の奥はそういう作品のうちの一つでした。何が起こったといえばもう最初から異常事態なわけで、ジャングルの奥地へ近付くにつれどんどんきな臭くなる。私としてはここまで大仰にクルツたる人物に期待させといて、案外あっさりとしたもんだなぁという印象で少々物足りなさが残りました。
    ただ、マーロウの中の瞬間的なイメージの強度に従った語りなのだろうなとは思う。

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    2014年05月11日
  • 闇の奥

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    コンラッド自身の経験が元になった小説ということで、
    当事者目線から19世紀の奴隷貿易やその舞台となったアフリカが描かれた小説というのは歴史的に見ても貴重な作品。
    原文が出版されたのはなんと1899年!まじか!
    そんな作品を21世紀に読めるなんて単純にすごい!

    「闇」とはひとつに「未開の暗黒大陸」=アフリカを象徴しており、誰も知り得ない暗黒大陸の奥=アフリカの実態を描いていると思いました。
    もう一つ「闇」とは、そんなアフリカに住んでいる人間がどんどん孤独や寂寥に蝕まれて人間性が失われている様子を描いているのかなと思ったり。
    誰か解説してくれー

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    2013年03月08日
  • 闇の奥

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    ネタバレ

    難解だった・・・。そもそもおれの読解力が稚拙なんだけど、テーマが抽象的なうえ翻訳のむずかしさも手伝って、ぜんぜんわからんかったです。
    再読しなくちゃいけないとおもうけれど、とりあえず、今回の読書では「孤独」の重さを感じた。
    自然、自然であること(おのずからしかるべく)は、少なくとも現代社会をいきる人にとっては、とてつもなく「孤独なもの=不明なもの、闇」であって、その闇は未開の自然の象徴であるアフリカの奥地だけでなく、ひとのなかにもある。

    ホルクハイマー=アドルノらがいう「理性による同一化作用」と親和性がある気がしたんだが、そうすると、人は孤独=闇をもとめているということでもあるのかね。

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    2013年03月08日
  • 闇の奥

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    F・コッポラの映画の原作として興味を持ち、オーソン・ウェルズも映画化を企画していたと知り手に取った。
    人物・言葉・風景、どれも霧がかかったように曖昧としており、読後には何とも言えないもやもやが残る。
    誰もが一目を置いた男クルツは未開の密林の奥に踏み込み、その闇にのまれた。
    彼の考えも、彼の言葉も、私にはいまいち読み切れなかった。ふと霧が晴れたようにクルツの輪郭が感じられる場面もあった。もう一度読み直せば更に鮮明になるかもしれないと思う一方で、闇の中ではっきり見える事はない。何度読んでも変わらない。そうも感じた。

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    2012年10月31日
  • 闇の奥

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    かなり乱暴にまとめると「ある船乗りのアフリカ思い出話」になると思うのですが、読後には重苦しさと、言葉にできない感情が残りました。それを無理矢理文章にするとしたら、的外れかもしれませんが今のところ「人間とは本来、自然の一部であったのに、いつしか文明や経済という実体のない物に支配され不自然な存在となってしまった。かといって原始的な生活は、今の人類には恐怖や荒廃という闇でしかなく、狂気である。もう戻ることはできない」という文明批判と焦燥でしょうか。この作品は、時間を置いて再読する必要があると感じました。

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    2012年09月17日
  • 闇の奥

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    全体としては曖昧模糊とした印象が拭いきれない。
    それは独白の形で伝えられるエピソードが、きちんと話の流れに沿っているようで突如として挟まれる挿話のために、理路整然と物語を構築することを妨げているからのように思うのだけれども、それがこの小説の妙な味になっている。はっきりと確実なことは独白者の経験として語られるだけで、最重要人物であり、おそらく飛んでもない人物でもあるクルツの話は、伝聞の形でしか語られない。
    だが、クルツの最期の言葉が妙に印象的に感じられるのも、こうした手法を採ったからだろう。

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    2012年01月03日
  • 闇の奥

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    やっぱりヴィクトリア文学の妙なエンタメ性は好かないなぁと思います。

    人種差別的とかポストコロニアルの幕開けとかそういう瑣末な後付はまぁいい、でもこの本に描かれる闇とは端的に言ってしまえば、
    特異な環境におかれた人間が容易に変わってしまうってこと。

    なんとなく、想起するものが俗っぽいけど、
    カイジとかSAWとか、そういうものと、重奏低音は同じな気がする。

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    2010年10月24日