コンラッドのレビュー一覧

  • 闇の奥

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    "「地獄の黙示録」という映画を見たことがあるだろうか?何度も見ている映画の一つ。より、その深淵を理解するにはこの本を読むべきだという使命感?から購入したもののなかなか読み始められなかった。コンゴ河をさかのぼっていく物語。読み応えのある一冊。モラル、価値、人間そのものを見つめ直す。岩波文庫の翻訳も読んでみたい。
    この本も上記の映画同様、何度も読み返したくなる魅力がある。"

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    2018年10月20日
  • 闇の奥

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    辺鄙な場所に赴任したら、
    空き家をタダで貸してもらえるとて、
    一人暮らしには広すぎる田舎の一軒家で、
    夜は虫の声を聞いて過ごす羽目になった人が言うには、
    数日も経つと誰もいないはずの奥の部屋が
    ざわめくことに気づいた、とか……。

    もし、放り出されたのが電気も月明りもない、
    真の闇の中だったら、どんな気分になっただろう。
    そこにないはずのものが見えるような錯覚に陥ったり、
    幻聴に怯えたりしなかったろうか。

    これは19世紀末、ヨーロッパ帝国主義時代のアフリカで、
    収奪に邁進した企業の
    有能な社員が呑み込まれた暗黒についての話。

    大変有名な映画(恥ずかしながらこれも未見)の
    原案に採用された小

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    2018年01月25日
  • 闇の奥

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    (01)
    人類学的な,ゆえに探検的な地誌を装った宗教経済小説(*02)として読むことは可能だろうか.
    大航海時代を終え,西欧によって大陸は海岸から発見されていった.本書の書かれた19世紀の終末期には,まだいくらか大陸の内陸は残されていたし,南極北極や高地が目指されると,ヴェルヌやウェルズらのSFもとらえた深海や宇宙が目指される.水平から垂直への探検の志向の転換期に省みられた「奥」が本書の問題である.なお,原題は"Heart of Darkness"であり,「心奥」あるいは「中心」とも訳すことができるのかもしれない.
    象牙経済とカリスマ的な支配の中心にいる,あるいは語り手マー

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    2019年03月02日
  • 闇の奥

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    ネタバレ

    本国イギリスの影響が及ばない植民地時代のコンゴにおいて独自の権力を築き上げたクルツという男がいた。マーロウは彼を救出に向かう。クルツは最後に死にかけた状態で物語に現れるのみで、それまでの周囲の人間から彼を噂を聞くのみである。それでもこのクルツという人物の特異性やカリスマをうかがい知ることができるが、それをマーロウの目を通して見ることはできない。文明社会から隔絶された未開のジャングルで独自の地位を築き上げたクルツの人生を間接的に外側から描写する。

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    2017年12月30日
  • 闇の奥

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    難解な小説(英文学)として認識していた
    この本ですが、新訳で非常に読みやすく、わかりやすかった
    です。でも一部難解な部分が残っている感じです。
    うまく書くことができないですが、落語にもにた
    一人語りの部分で、物事のたとえが高度になっていて
    その部分がわかりずらい部分を残したのではないかと思います。
    内容的には、聖人であったと思われるやり手の英国紳士が
    アフリカの奥地で暴虐・残忍な略奪を繰り返していく様が、
    植民地支配や人種差別の奥を描き出しているような
    内容です。
    誰にでもある残虐性とそれに対して、人生の最後に
    恐怖を感じてしまう人間性がよく出ていると思います。

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    2016年11月25日
  • 闇の奥

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    古典としてかなり好きな方。けど人によって評価は分かれるようだ。

    闇という1つの概念を、豊富な表現で魅力的に映し出してくる。

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    2015年03月25日
  • 闇の奥

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    今月の猫町課題図書。恥ずかしながら、これが映画「地獄の黙示録」の原作とは知らず、途中から「なんかイメージが重なるなぁ」と思いながら読んでいた。

    風景、人物、感情から小道具の一つ一つに至るまですべてのものが、未開(当時)のアフリカ奥地の魔境的なイメージを構成しており、一人称話者のマーロウとともに圧倒的な迫力とおどろおどろしい恐怖感を存分に堪能できる。社会派小説としての観点からは、人種差別、収奪に関する批判が徹底していないという評価もあるそうだが、これは純粋に小説として読んで、その凄さを味わいたい。

    翻訳は光文社古典新訳の精神にのっとって、非常に読み易く、違和感のある箇所も少ない。しかし、訳者

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    2015年11月23日
  • 闇の奥

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    闇について書くというのは「書かない」ことと同義である。それはぽっかりとした真空地帯を作り出すことで、誰もが語らずにはいられない求心力のことを指すのだから。歴史はそんな闇の巣窟だ。「みんなが知らない真実」という媚薬は心の闇を誑かし、惑わし、盲目さへ導くことで一層闇のなかへと溶けていく。アフリカの奥地でクルツが観たもの、という深淵さをまとう空虚は小説全体を覆う闇を包み隠し、彼の狂気はそれ以外の者を正気のように惑わせる。ぼくたち、みんなちょっとずつくるってる。どこか少しずつまちがってる。これからも、きっとそう。

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    2015年03月19日
  • 闇の奥

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    【本の内容】
    アフリカの奥地に象牙採集をする人々の上に起こった事件を作者自身の体験にもとづいて書いた作品。

    『颱風』『青春』と共にコンラッドの中短篇の代表作であるが、作品の芸術的根強さにおいて他の二つを凌ぐ。

    ここには作者の原始に対する驚異と文明に対する呪詛とが熱病のような激しさであらわされている。

    [ 目次 ]


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    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかっ

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    2014年10月04日
  • 闇の奥

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     1902年発表、ジョゼフ コンラッド著。船乗りマーロウが語る、アフリカ奥地への旅の記憶。象牙交易によって権力を得た人物クルツを救出するという目的の元、マーロウは遂にクルツに対面するが、彼は息絶えようとしていた。
     まさに闇のようにぼんやりとした小説だった。
     中盤あたりからマーロウの語りが崩れ始め、物語の確信にあえて触れずに、外側から怪しげに焙っていく印象を受ける。特に、普通であればスポットライトを当てるべきであろうクルツに関して、それを顕著に感じた。そもそもマーロウが到着した時には既にクルツは相当弱っているのだ。これでは全くお話にならない。
     だが、それこそが本小説の中心主題なのだろう。西

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    2014年09月20日
  • 闇の奥

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    時代という制約を超えて読者に「黒い声」で語りかけてくる作品。
    読者それぞれの解釈を許す寛容さとその覚悟を同時に問い質してくる。
    当方は人間の原始性の探求だと思う。
    でなければ『地獄の黙示録』みたいな怪物作の起源にはなり得ないと思います。

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    2014年01月09日
  • 闇の奥

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    「闇」は結局アフリカに限らず、どこにでもあるものだが、その「奥」まで見て来たことがあるような人間は一握りしかいないのだろう。

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    2012年02月08日
  • 闇の奥

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    19世紀,諸西洋籍の船舶(作品ではフランス)が“未開の地”アフリカへ渡り起こった『象牙』に纏わる出来事たち.
    教科書に載った「事実」とは別の観点から眺めることで,当世の彼ら西洋人の高慢,貪婪,凶暴,盲目さが何より現実味を帯びて感じられる.

    語り部のマーロウの口上は情緒に溢れ,一人の人間の感情と自意識が鮮やかに伝わってくる.彼の言動,苦悩は――私たちにはまず経験しえない,世にも哀しい侵略に向かう船上での物語だとしても――純然たる現実として,感情の深淵に強く訴えかけてくる.その愚かな高慢さまでも,我々に共感を呼ぶ不思議.

    つまり私たちは誰でもマーロウになりうる.アフリカという原始の闇の世界,そ

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    2024年03月02日
  • 闇の奥

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    「羊をめぐる冒険」が「地獄の黙示録」をベースに書かれたとされ、「地獄の黙示録」はこの「闇の奥」を基にして制作さられたといわれます。それを知った上で、もう一度「羊〜」を読むと、主人公が「闇の奥」を読むシーンが描かれていることに気が付きます。

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    2009年10月04日
  • 闇の奥

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    闇は反転して、光と思われていた西欧文明がその奥に立ち現れて来る。闇の奥とは暗黒大陸アフリカのことではなく、西欧植民地主義なのだ。マーロウの地獄巡りとクルツの死のメタファーが面白い。コッポラによって換骨奪胎され「地獄の黙示録」となった。

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    2009年10月07日
  • 闇の奥

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    居場所を喪失した上流貴族の、植民地主義を利用した自己優位権力確認のハナシ。西洋近代的理想自我を自明として完全知に魅せられ、おそらくはそれに駆り立てられ、未知=「闇」を支配しようとしてコンゴ奥地に入り込むが、その自明の存立基盤すら成り立たない「未開」の「闇」に飲み込まれたまま、ひたすら己の超越力と意志の悪夢にしがみついて、じっと死を待っている畏怖。

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    2009年10月04日
  • 闇の奥

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    解説を読むと、どうやら著者はそのように仕向けているのだろうが、読者の受け取り方で評価が分かれる作品となっている。
    読後、モヤモヤが残る。

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    2025年03月14日
  • シークレット・エージェント

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     アナキストを自称する主人公のヴァ―ロックは、しっかりシークレット・エージェントの職務を遂行していると自負していたが、新しい上司のヴラディミル参事官から叱責を受け、グリニッジ天文台のダイナマイト爆破事件を起こすよう命じられてしまう。爆弾を仲間から入手したヴァ―ロックだったが、予期せぬ出来事が起こってしまう。それはグリニッジ・パークで一人の男が爆死したことに関連することだった。

     本書に登場するアナキストたちは声高に議論を重ねる口舌の徒であるし、法と秩序を守るべき警察官たちも必ずしも正義を体現する存在ではない。
     ところで本書で最も面白く感じたのは、爆死した人間が誰なのかの真相を知った妻に対し

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    2024年12月22日
  • シークレット・エージェント

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    読みにくじゅうはち

    読みにくいのがコンラッドじゃハゲぇ!
    言われたらさいですかとしか言いようがないんだがね
    コンラッドはポーランド出身で英語は船員時代に習ったので読みにくかったらしいのだが、そんなところを忠実に訳さなくても…っていうね

    そしてもうね
    登場人物ひとりひとりを掘り下げ過ぎっす
    いやもう掘るわ掘るわ
    二言くらいしか喋らんやつとかもめっちゃ掘るからぜんぜん進まん
    結局誰が主人公やねん!っていうね

    しっかーし!なんか凄いの読んだって気にはなった

    あとこの作品はテロ小説の先駆けみたいな評価で近年見直されてるみたいなんだが
    うーん、なんかそれは違うでしょって思いました
    どう考えても主

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    2024年12月02日
  • 闇の奥

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    ネタバレ

    想像してたより読みやすかった。
    200ページもないしこざっぱりしているけれど、突き詰めて考えると色々と考えられる話。

    クルツが話す場面はそんなにないもののひとつひとつの台詞のインパクトが強かった。
    『正しく生きて、死ぬ、死ぬ……』
    『私は闇の中に横たわって死を待っている』
    『怖ろしい!怖ろしい!』
    など。

    婚約者に『彼が最期に口にした言葉は──あなたのお名前でした』と嘘をつく場面も胸にくるものがあった。

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    2023年11月18日