吉川洋のレビュー一覧

  • 人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長
    人口減少は大問題だが、それが経済停滞の言い訳にはならない。国内外問わず需要を創出するイノベーションと生産性向上することで、経済は人口と関係なく成長可能。
    経済成長の是非まで言及されており、徹底して客観的な分析姿勢が窺える。そのため、納得感が高い良書であった。
  • 人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長
    ライフネット生命創業者の出口さんのオススメ本。
    ●レビュー
    ・人口と経済の関わりを、歴史、海外との比較、経済学者などの論考への分析などの多面的に検討する画期的一冊。
    ・人口は増えたほうがいいとか、減ったほうがいいとか、単純な議論ではなく、双方のメリット、現状の問題点などを洗い出している。
    ・人口減少...続きを読む
  • デフレーション ”日本の慢性病”の全貌を解明する
    デフレ論争。
    デフレ20年の記録。

    リカードの貨幣数量説。
    マーシャルはマネーサプライより、実物的な要因によって生み出される、とした。
    M=kPy kはマーシャルのk。yが増大すれば、Mが変わらなければ、物価Pは減少する。しかし、yの増大にともなってMが増えれば、Pは減少しないはず。しかし、yが増...続きを読む
  • デフレーション ”日本の慢性病”の全貌を解明する
    いわゆる「どマクロ」で過去20年の日本経済を分析。
    今までリフレ派の本ばかり読んできたが、吉川さんの論のほうがすんなり頭に入る。
    貨幣数量式は成立しないというのは今までいろいろ目にする機会があったが、ヘリコプターマネーは貨幣数量式が前提だといわれると目から鱗。
    DFCGやニューケインジアンが実際の政...続きを読む
  • いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ
    吉川先生の素晴らしさが凝縮されている珠玉の一冊。本当の知識人はこういう文章を、読み手を惹きつけるように書けるものなのだろう。僕も先生のような人になりたい。興味深いテーマと、綺麗な日本語に痺れるが良い。
  • 人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長
    日本は少子高齢化により人口が急激に減っている。働き手は減り、地方都市は消滅の危機にある。もはや日本の衰退は不可避ではないかという論調が多いが、そのようなことはない。経済成長をもたらすものはイノベーションであり、人口が減っていくからといって、衰退が避けられないというものではない。以上が、本書の骨子中の...続きを読む
  • いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ
    第一次世界大戦に翻弄された二人の経済学者の話。わかりやすく解説。戦争で覇権を奪われた英国、戦争で帝国が崩壊したオーストラリア。
    企業家のイノベーションの動機とは、「自己の帝国建設の夢想と意志」、「勝利への意志、成功への意欲」、「創造の喜び」である。
  • 人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長
    過去の日本や欧州、アメリカの過去のデータから分析しているので内容が凝縮されている感じでした。戦前の日本は、平均寿命や寿命のジニ係数(不平等度)から見れば、大いに問題があった等、色んな意見に関してこうだったと調査結果を載せている内容は良かったと思います。
    経済成長といっても吉川氏は何が何でも成長ではな...続きを読む
  • 人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長
    人口問題から経済学を見るなんて面白い発想だなと思って手に取ったのだが、全くの勘違いであった。面白い発想どころか人口問題とは経済学のメインストリームであることを本書で初めて知った。
    10年前にベストセラーになった藻谷氏の「デフレの正体」を著者が意識したかどうかはわからないが、経済成長は人口ではなくイノ...続きを読む
  • 人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長
    筆者が本書で主張していることは、「人口減少・高齢化時代の中で経済成長を遂げるために必要なものはイノベーションである」という1点に尽きると思われる。

    人口減少については経済力が失われるという悲観的な議論になりがちであるが、著者はイノベーションによって経済成長は十分可能であるという見方をしている。

    ...続きを読む
  • 人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長
     生産性の向上を如何に成すか、が本書のテーマ。

     人口が増えずに生産手段の機械化(人力からブルドーザー)によって経済成長をした、という箇所は分かりやすかった。

     ただし、機械化が益々進み、更にAI・人工知能が加われば、人(労働者)はさらに不必要になるだろう。現在でも消費者と労働者のバランスが崩れ...続きを読む
  • 人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長
    ジニ係数の定義。再分配を考慮したジニ係数は当然低い。再分配を考慮しない年齢別ジニ係数はとくに高い。平均寿命に関する格差も挙げられていて、昔は裕福さに比例した格差があったが今は格差はあまりない。19世紀末の平均寿命はアメリカと日本はほぼ差がないが、1945年まで日本は横ばいで50代?だったのに対し、ア...続きを読む
  • 人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長
    少子化が日本の課題であることは間違いないが、少子化が経済の衰退を必ずしももたらすわけではない。
    無知による悲観でも楽観でもなく、問題を正しく認識することが必要。
  • 人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長
    日本において進行する超高齢化と人口減少問題については、毎日のように新聞紙上にて論ぜられ、それにより国家の増大する一方の歳出に対する懸念は論を俟たない状況です。

    筆者は、昭和期の高度経済成長が、労働人口の増加ではなく、生産性の向上により実現されたことを、GDP伸び率と人口伸び率の差を示して指摘し、人...続きを読む
  • 人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長
    私の理解では論旨はこんな感じ。
    ①「人口減少は大きな問題だが、だからといって経済成長できないわけではない」
    ②「経済成長はよいことである。最大の成果は寿命が延びたこと。人は幸せになった」
    ③「日本自身の経験に照らしても、成長ドライバーは人口ではなく『イノベーション』」

    まず①については、「観光立国...続きを読む
  • 人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長
    経済学から見た人口論に関する総合的議論。寿命との関係性で考えるのは興味深い。日本では生物学的な寿命の延長が限界にきている。次は健康寿命、QOLが課題。それには膨大なプロダクトイノベーションが不可欠。先進国の経済成長を生み出すのはそうしたイノベーション。
  • デフレーション ”日本の慢性病”の全貌を解明する
    本書もライフネット生命の出口会長お薦めの書。第7章の結論は秀逸。わずか20ページでデフレとは何なのかをコンパクトにまとめている。全部書き写したいくらいだが、中でも核心部分だけ抜き出す。
    「デフレは『一般的な物価水準』の下落である。デフレは特定のモノやサービスの価格が下落するのとは違う。個々のモノやサ...続きを読む
  • 人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長
    2018.02.03 読書中
    日本だけでなく海外も含めて、過去の人口増減に関する歴史や諸説について、文献などを引用しつつ解説されており、なかなか面白い。新書の中でも、非常に中身の詰まった本だと感じる。
  • 人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長
    吉川洋 「 人口と日本経済 」経済成長と人口の関係についてのエッセイ。著者の結論は 「経済成長と人口は関係ない」「需要は必ず飽和する」「経済成長するには プロダクトイノベーションが必要」

    *マルサス/人は豊かになれば子供をたくさんつくる→食料の供給は 人口増加に追いつかない→人口は 食料不足、非婚...続きを読む
  • いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ
    吉川洋 「いまこそ ケインズ と シュンペーター に学べ 」著者の結論は 資本主義経済の重要な核は ケインズの有効需要、シュンペーターのイノベーションの統合概念(需要創出型のイノベーション)

    ケインズ=有効需要の理論
    *経済の活動水準は需要により決まる=不況は需要不足により起こる
    *投資の不安定性...続きを読む