吉川洋のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一見矛盾する二人の経済学。なぜ両方が必要なのか?
今、直面する経済問題について、2人の天才が遺したものを振り返る。
2人の処女作に始まり、ターニングポイントとなる戦争・恐慌、また彼らの名著を紹介し、
彼らが行き着いた考え・理論に触れる編年体といった構成だ。
まず彼らの主張を見ていくと
<ケインズの主張>
一国経済全体の活動水準は、供給側ではなく、需要の大きさで決まる。
言いかえれば、不況は需要不足によって起きる。
<シュンペーターの主張>
企業家によるイノベーションこそ、経済発展の要である。
またイノベーションは不連続であり、好況を生み出すものだが、
新しい均衡への調整(不況)が必要であ -
Posted by ブクログ
ケインズとシュンペーターを比較しながら、二人の経済学を紹介。
ちょっと難しかったり、面白くなかったりする部分もあるのですが、シュンペーターについてよく知ることができてよかったです。
「(シュンペーターの挙げる『企業家の動機』)第一は『私的帝国』ないし『自己の王朝を建設しようとする夢想と意思』。第二は『勝利への意思』あるいは『成功を獲得しようとする意欲』。第三が『創造の喜び』である」
「長期的にはわれわれはみな死んでしまう(In the long run, we are all dead.)」
「ゾンバルトの議論の特徴は、『贅沢』の元をたどっていくと結局のところは女性の力がリードする『恋