あらすじ
不況期における有効需要の大切さを説いたケインズ、イノベーションこそ資本主義の原動力だと喝破したシュンペーター。20世紀を代表する二人の経済学者の足跡をたどりつつ、そのビジョンをわかりやすく解説。1930年代の世界大恐慌時代を生きた本物の天才が、我々を襲う現在の経済危機克服に向け、再び光を放つ!
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Posted by ブクログ
吉川先生の素晴らしさが凝縮されている珠玉の一冊。本当の知識人はこういう文章を、読み手を惹きつけるように書けるものなのだろう。僕も先生のような人になりたい。興味深いテーマと、綺麗な日本語に痺れるが良い。
Posted by ブクログ
著者のケインズの学説の進化を中心に紹介する新書「ケインズ」が面白かったので、こちらも読んでみた。
20世紀前半の2大経済学者と言っても異論はないであろうケインズとシュンペーターを当時の激動の時代と関係づけつつ時系列的に紹介したもの。
とは言っても、この2人の影響関係はよくわからなくて、シュンペーターはケインズを意識したようだが、ケインズの方はあまり眼中になかった模様。
個人的には、シュンペーターの経済学はちゃんと読んだことがないので、かなり勉強になった。彼のイノベーション論、創造的破壊論はこれまで表面的な理解しかなかったんだなと思い、「経済発展の理論」を読まなきゃという気になった。
私はケインズという人が好きなんだけど、彼の経済理論はいろいろ穴があってツッコミどころは多い気がしていた。が、先般、岩井克人さんの本を読んでいたら、「一般理論」は当時の経済学者が納得できるように学問的に精緻に書かれたものであるといったことが書いてあって、ここはちょっと違和感を持っていた。
こちらの本では、ケインズが経済学をちゃんと勉強したのは1年程度で、あとは具体的に当時のイギリスで、世界で起きていた経済問題に対する処方箋という意味を持った理論であると位置付けられていて、こちらの方が私のケイン理解に近い気がした。
きっと彼はそれまでの経済学をそれほど学んでいなかったからこそ、経済学的なブレークスルーができたんだろうなと思う。また、彼は学者というよりは、ステイツマンと考えた方が良さそうで、「一般理論」は経済学者に対する本であると同時に、当時の経済政策を決定する立場の政治家や官僚に対して書いたものだと思う。
その辺りのところが改めて整理できた。
著者は、ケインズとシュンペーターの議論は噛み合わないところが多いとしつつも、資本主義というものの本質をしっかりと対峙したという姿勢は共通するところと考え、この2人の理論は統合可能なものという目論見を書いている。
その統合の理論は、その後に出版されている読んだが、専門書で値段も高いので、しばらくそれは先送りをしておこう。
Posted by ブクログ
第一次世界大戦に翻弄された二人の経済学者の話。わかりやすく解説。戦争で覇権を奪われた英国、戦争で帝国が崩壊したオーストラリア。
企業家のイノベーションの動機とは、「自己の帝国建設の夢想と意志」、「勝利への意志、成功への意欲」、「創造の喜び」である。
Posted by ブクログ
吉川洋 「いまこそ ケインズ と シュンペーター に学べ 」著者の結論は 資本主義経済の重要な核は ケインズの有効需要、シュンペーターのイノベーションの統合概念(需要創出型のイノベーション)
ケインズ=有効需要の理論
*経済の活動水準は需要により決まる=不況は需要不足により起こる
*投資の不安定性が資本主義経済の変動要因
*金融投資は 美人投票と同じ(自分が美人と感じる人に投票するのでなく、みんなが美人と感じる人に投票する)
シュンペーター=イノベーション、創造的破壊
*資本主義の本質=企業家によるイノベーションに基づくダイナミズム→不況はイノベーションがもたらす必然
「不況なくして 経済発展なし」
Posted by ブクログ
「いまこそ、○○○に学べ」というとき、
○○○に入る人物は、ごまんといるのだろう。
学者や思想家、政治家から、芸術家、スポーツ選手に至るまで、
多くの偉人たちの膨大な知識の蓄積の上に僕たちは生きていて、
こうしている間にも、新たな知が生み出されている。
それらの知識を、たとえGoogleがすべて電子化したとしても、
一人の人間がそれらすべてを把握することは不可能だろう。
そのような中では、
純粋にまったく新たなアイディアや知識というものはあり得ず、
どんなに画期的な考えであっても、すでに誰かがどこかで
言ったり書いたりしたものの焼き直しに過ぎないという人もいる。
僕にはそのあたりの話はよくわからないけれど、
少なくとも昨今の金融危機〜世界同時不況という時代にあって、
「マクロ経済」なるものから目をそらすことはできない
という気はしていた。
古典と呼ばれる知識を現在の環境に当てはめて考えることは
単なる懐古主義とは違った意義があるはずだ。
とはいえ、すべての古典に目を通すのも、正直しんどい。
そんなわけで、本書のような内容は非常にありがたい。
「いまこそ学べシリーズ」として
続編を出してもいいのではないかと思ったりする。
しかも本書が優れているのは、
単に読みにくい古典をわかりやすく解説するだけでなく、
当時の時代背景も含めた生々しい「人としての営み」が
垣間見える点と、タイトルのとおり、昨今の金融危機や、
日本の80年代のバブル崩壊など、
近年の経済環境を俯瞰した上で、
これまで対立概念として捉えられてきた(らしい)
ケインズとシュンペーターの理論を統合化し、
今、そしてこれからの経済を考えるための示唆として
再構築している点にある。
「有効需要の不足」が不況の原因であり、
積極的な財政出動がその解決策であると説くケインズと、
企業家精神によるイノベーション(新結合)こそが、
不況脱出の鍵であると主張するシュンペーター。
著者は両者の主張を統合することこそが、
現状の世界的不況に対する処方箋になると述べ、
「需要創出型イノベーション」を提唱する。
これはまさに「いまこそ」考えなければならない命題であり、
(ケインジアンとして有名な)著者とは異なる選択肢を
自分自身で考えてみてもおもしろいかもしれない。
写真も随所に入っていて、文章として読みやすいことも
本書の魅力の一つである。学生時代にこんな本があったら・・・
と思う人も多いかもしれない。
Posted by ブクログ
この混乱の時代にあって、どう経済を動かすか。どう経済が動いているのか。
シュンペーターの唱えたイノベーションや、ケインズの唱えた有効需要等がわかりやすく習得できる良書だと思う。
手許に置いてキーワードは読み返したい。
Posted by ブクログ
編年的に処女作や代表作、それぞれの思想に与えた事象等を挙げながら2人の経済学者の経済思想を解きほぐしていく。「昔からあるモノやサービスに対する需要は必ず飽和する」認識は共通だが、その後の打ち手や視座が異なる、と考えれば特に対立する思想でもない、という印象。その辺りを明快に説明している良書と思う。
Posted by ブクログ
ケインズは主張した。豊かな社会が到来すれば、有効需要不足により「豊かさの中の貧困」が発生すると。人々は豊かになれば、もはやモノを欲しがらないからだ。
シュンペーターは言う。イノベーションこそが資本主義の枠を拡大し、需要を喚起し、資本主義そのものを発達させてきたと。
この2人を組み合わせることで、「需要創出型」のイノベーションができるのではないかと成長モデルを作ったのが筆者である。
その筆者が、なぜ今、ケインズとシュンペーターなのかという問いに対する解説をしたのが本書。
Posted by ブクログ
同い年のケインズとシュンペーター、その違いと交差点を、経済書らしからぬ読みやすい構成で楽しめた。
s:企業家は単に生産要素を結合して生産活動を組織化するだけでなく新結合(イノベーションと呼ぶ)を遂行する
k:貨幣改革論
企業家を成金に変える事は資本主義に致命的な打撃を与える。それは不平等な報酬を許容する心理的均衡を破壊するからである。
k:一般理論 穴を掘って埋めるといった
無駄な公共投資ではない。Wise Spending
s:景気循環論 不況と回復は経済の進化のプロセスにおいて不可欠
ケインズは需要不足は与えられた条件だとして政府による政策を考えた。シュンペーターは需要が飽和したモノやサービスに代わって新しいモノを作り出すこと、すなわちイノベーションこそが資本主義経済における企業あるいは企業家の役割だと説いた。
2011.04.17
Posted by ブクログ
昨年の日経による、「経済学者に聞いた今年のベストセラー」みたいな企画で上位だったため、読んでみた。
タイトルは「いまこそ、~~学べ」となっているが、
金融危機後の世界経済に対して、二人の思想を用いると、
どういったアイディアが出てくるかという点の議論は意外と少なかった。
ただ、それを補って余りある、同い年生まれの
ケインズとシュンペーター両名の人生をたどりながら、
それぞれの思想を解説していく手法は読んでいて素直に面白かった。
経済の知識が多少いるかもしれないが、
(自分はそこまであるとは思わないけど)なんとかなるレベル。
最終章 二人の遺したもの (タイトルからすると、ここがもっと分厚い内容かとおもってた・・・)より、
「昔からあるモノやサービスに対する需要は必ず飽和する。」この点は両者とも一致している。
ここからが違う。
「ケインズは需要不足は与えられた条件だとして、政府による政策を考えた。」
「シュンペーターは、需要が飽和したモノやサービスに代わって新しいモノを作り出すことーすなわちイノベーションこそが資本主義経済における企業あるいは企業家の役割なのだと説いた。」
これは接点がないということではない。
二人の思想をつないでみると、
「有効需要の不足こそがマクロ経済の成長を阻害する。そういった不足を解消するイノベーション(需要創出型、Demand-Creating Innovation)こそがまさに、資本主義経済の根底を支えるものではないか。」
という主張が出来るという論調。詳細は載っていないww
この話をもっとほれればいいのに。でも、単純に読み物として面白かった。
以下、シュンペーターの考えの中での、「銀行家の重要性」についてのメモ。
新結合(イノベーションのこと)は、言ってしまえば「ベンチャー」
だからこそ、資金の出し手が必要。それが銀行家。
「銀行家は『新結合の遂行を可能にし、いわば国民経済の名において新結合を遂行する全権能を与えるのである。彼は交換経済の監督者である』」
Posted by ブクログ
demand-creating innovationというアイデアの提案。やはり言いたい事は最後の「ケインズとシュンペーターをどう統合するか」だね、経済学説史の本というよりは。でも、僕のような能力値の低い院生には、英語でしかも経済物理系のマクロ動学論文なんてとても読めるはずもなく・・・。
中身は普通に読み物としても面白い。
Posted by ブクログ
『いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ――有効需要とイノベーションの経済学』(吉川洋、2009年、ダイヤモンド社)
有効需要政策を打ち出し、不況時には政府による公共投資を増やして失業率を下げ、マクロ的に新たな需要を生み出す必要性を説いたケインズ。これはディマンドサイドでみた経済学であり、戦後の成長の各国の経済政策に採用された。
一方、ミクロで見た場合の個々の企業のイノベーション(新結合)が新たな発展の原動力とするシュンペーター。彼によれば、不況すらイノベーションには必要だという。
本書は『いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ』という題であるが、お互いに相入れない二人の経済学の巨星の歴史をひもとくのが大部分を占めている。
2007年秋のサブプライム問題以後、2008年の「100年に一度」ともいわれる経済危機に際して、ケインズ経済学が「世界中で復活した」という記述がある(p.252)。本書には1980年代以降の経済の流れは記述にないので、少し補う。
ケインズ経済学は戦後、世界の多くの国で経済政策に取り入れられたのであるが、1970年台のスタグフレーション以後は衰退していった。その点、現代に至るまで興隆していったのが新古典派経済学である。いわゆる「ネオリベラリズム(新自由主義)」と呼ばれる政策パッケージであり、1980年以後は民営化や規制緩和が世界中で進められた。しかし、行き過ぎた規制緩和は不透明な投機マネーの流れを生み出し、その果てが今回のサブプライム問題とそれに付随する国際経済危機である。
この国際経済危機に対して、ケインズ経済学が復活したという。例えば、2009年1月に就任したアメリカのオバマ大統領は、総額8250億ドルの財政出動を発表するなど、ケインズ経済学への回帰が見られるのだ。その中でもオバマ大統領が「グリーン・ニューディール」を打ち出しているところが興味深い。何故なら、「ニューディール」というのは1929年の大恐慌を克服するために打ち出されたケインズ経済政策だったからである。
では、シュンペーターについてはどうか?
思うに、今日の日本は少子高齢化に伴う人口減社会への突入、あらゆる面での国際化を迎え、内的・外的に大きな変革期にある。このような変革期において、日本は科学技術に重点的に投資していかなければならない。新技術を開発し(科学の成果)、それを産業・経済活動に活かすこと(技術の成果)、すなわちイノベーションが今日の日本には必要なのである。新しい需要を生み出すためのイノベーション。まさにシュンペーターが指摘したことが今日の日本にもあてはまるのである。
(2009年6月19日)
(2010年5月22日 大学院生)
Posted by ブクログ
シュンペーターとケインズの考えがわかる。
シュンペーターが経済の発展はイノベーションにあるとしたのに対して、ケインズは一貫して完全雇用を生み出すために、有効需要は政府が作り出さなければいけのいとする。
現代の企業活動を考える上で、また投資を考える上で参考になる。
Posted by ブクログ
・ケインズもシュンペーターも障害に超一流の仕事をたくさん残した。しかしケインズのビジョンは、主著である『雇用・利子・貨幣の一般理論』で提示された「有効需要の理論」である。『一般理論』なくしてケインズは無い。
一国経済全体の活動水準は、生産要素がどれだけあるとか、技術水準がどれくらいであるかといった供給側(サプライ・サイド)ではなく、需要の大きさで決まる。需要が少なければ生産水準は低くなる。言い換えれば不況は需要不足によって起きる。これが「有効需要の理論」のエッセンスである。
・イノベーションは、たしかに「非連続的な変化」だ。シュンペーターは、このことを「馬車をいくら繋いでも鉄道にはならない」という巧みな表現で説明した。
・「購買力平価」という言葉は今日二重の意味で用いられる。一つは貿易財の価格について国際的な一物一価を成り立たせる「均衡レート」。これは現実の為替レートの長期的アンカーと言ってもよい。もう一つは一般物価水準をつりあわせるような為替レート。
…後者の意味での(東京とニューヨークの人々の暮らしを比較するような)「購買力平価」が1ドル=166円なのに、現実の為替レートは1ドル=100円なのは円が大幅に過大に評価されている、といった主張が誤りであることは理解していただけたと思う。
→為替と比較して考える時は貿易財の価格でのみ考えるべきで、非貿易財は別に考える必要があるとの事。
ネットで少し調べてみると、例えば有名なビックマック指数は牛肉などの輸入関税や、提供する際の人件費や競合圧力などで国により偏りが考えられる指標との事。一応、2007年のビックマック平価は1ドル121円となる。OECDが2005年のデータで算出した貿易財を基本にした価格だと1ドル150円だそうなので、いずれにしても、80円代などは安すぎたのかな。
・インフレは悪いが、デフレは悪くないのではないか。こう考える人、エコノミストは当時もたくさんいたようだ。今でも「よいデフレ」論を唱える人がいるが、ケインズは「デフレは悪い」と断言する。
そもそも景気循環が問題となるのもインフレ局面ではなく、デフレ局面がもたらす弊害によるのである。たしかにインフレの局面では、労働者から企業へ所得が移転される。しかしその間に行われる資本蓄積が経済全体にもたらす利益は、所得分配上の悪影響をはるかに上回る。資本蓄積がもたらす利益は労働者にも及ぶし、分配上の歪みは税制を通して是正すればよい。これとは逆にデフレは社会全体にマイナスの影響を与える。
Posted by ブクログ
ケインズとシュンペーターの経済学の話
ケインズとシュンペーターの経歴から入るところから始まるので、ケインズとシュンペーターがなぜその学説を導きだしたかなどは、分かり易い。
ただ、この題にある
『今こそ』というところが、あまり触れられていない。
ただただ、ケインズとシュンペーターに関する本で、キャッチを売れるように作ったなという印象。
でもケインズとシュンペーターに関することは、これ一冊である程度わかると思われるので、経済学の常識としては一読の価値あるのかなと思う。
Posted by ブクログ
一見矛盾する二人の経済学。なぜ両方が必要なのか?
今、直面する経済問題について、2人の天才が遺したものを振り返る。
2人の処女作に始まり、ターニングポイントとなる戦争・恐慌、また彼らの名著を紹介し、
彼らが行き着いた考え・理論に触れる編年体といった構成だ。
まず彼らの主張を見ていくと
<ケインズの主張>
一国経済全体の活動水準は、供給側ではなく、需要の大きさで決まる。
言いかえれば、不況は需要不足によって起きる。
<シュンペーターの主張>
企業家によるイノベーションこそ、経済発展の要である。
またイノベーションは不連続であり、好況を生み出すものだが、
新しい均衡への調整(不況)が必要であり、不況なくして、経済発展はなしという。
お互いの注目すべきところを書き出すと
<ケインズメモ>
ケインズは投資が最も重要視されるべきものであるという。
→投資が孕む不安定性こそ、資本主義経済の変動すなわち景気循環の主因という。
投資が著しく落ち込めば、貨幣数量とは独立にデフレの原因となる。
投資が増えれば、GDPはその乗数倍に上昇する。
インフレの下で企業が行う事業はギャンブルとなり、投資の効用が劣化する。
→棚ボタで得た儲けは、心理的均衡を破壊となり、日本でいうバブル紳士に成り下がる。
「付和雷同」が正解となるゲーム。それこそが金融市場の本質。
<シュンペーターメモ>
1929年の世界恐慌は、第一次世界大戦後のイノベーションによって必然的に起きた不況だ。
金利は、あくまでもイノベーションの結果として生まれる実物的変数である。
イノベーションによって新しいモノが生み出されるから、需要が飽和することはない。
下記に示すマンキューの入門経済学で基本的な知識を漁ってからこの本に挑んだが
やはり経済学を専攻としていないので、わからないところだらけだった。
ちょっと経済をかじったくらいの人には、おススメできない内容となっています。
Posted by ブクログ
ケインズとシュンペーターを比較しながら、二人の経済学を紹介。
ちょっと難しかったり、面白くなかったりする部分もあるのですが、シュンペーターについてよく知ることができてよかったです。
「(シュンペーターの挙げる『企業家の動機』)第一は『私的帝国』ないし『自己の王朝を建設しようとする夢想と意思』。第二は『勝利への意思』あるいは『成功を獲得しようとする意欲』。第三が『創造の喜び』である」
「長期的にはわれわれはみな死んでしまう(In the long run, we are all dead.)」
「ゾンバルトの議論の特徴は、『贅沢』の元をたどっていくと結局のところは女性の力がリードする『恋愛』こそが『贅沢』を生み出す源泉だった、という明快な結論にある」
「賃金は『公正』『正義』の観念と切り離せないのである」
「本当に存在するのは循環そのものなのだ(Real is only the cycle itself)」
「現在では全ヘラス(ギリシア)にわたって子供のない者が多く、また総じて人口減少がみられる。そのため都市は荒廃し、土地の生産も減退した(中略)人口減少のわけは人間が見栄を張り、食欲と怠慢に陥った結果、結婚を欲せず、結婚しても生まれた子供を育てようともせず、子供を裕福にして残し、また放縦に育てるために、一般にせいぜい一人か二人きり育てぬことにあり、この弊害は知らぬ間に増大したのである」
↑紀元前二世紀半ば ポリビオス
…
写していて気がついたのですが、誤字がやけに多い。