吉川洋のレビュー一覧
-
久々に当たりの新書。
人口関連の知識も多く勉強になる。
また、生産労働人口とGDPに相関性が無いというのは驚きとともになるほどなと。Posted by ブクログ -
解するに、日本に蔓延している「人口減少ペシミズム」とは、一つは国富の源泉たる労働人口の減少、もう一つは人口減少と同時進行する高齢化に伴って増大する社会保険料負担の2点に由来するのだと思います。
前者の「国富の源泉たる労働人口減少」が真実なら、後者の社会保険料負担増加は必然なので悲観するのも無理は...続きを読むPosted by ブクログ -
少子高齢化が進む中、人口が減少していく中、日本経済はどうなってしまうのか。その将来像について書かれています。世間で言われているようなストーリーでは、人口減少が経済成長を衰退させるというイメージですが、著者はそれにNOと言います。経済の成長は何によっておこるのか。それを歴史とその歴史上の著作によって解...続きを読むPosted by ブクログ
-
「いまこそ、○○○に学べ」というとき、
○○○に入る人物は、ごまんといるのだろう。
学者や思想家、政治家から、芸術家、スポーツ選手に至るまで、
多くの偉人たちの膨大な知識の蓄積の上に僕たちは生きていて、
こうしている間にも、新たな知が生み出されている。
それらの知識を、たとえGoogleがすべて電...続きを読むPosted by ブクログ -
本書は、週刊ダイヤモンドで2013年経済書籍ランキング1位を獲得したもので、今日的なデフレ現象の原因について、経済学議論を省みながら自説を展開するもの。機を見るに敏ではないが、アベノミクスの三本の矢への世の中の関心が、とかく学際的な議論・主張を行う本書に注目を寄せる契機になったことは言うに及ばない。...続きを読むPosted by ブクログ
-
これまで経済学で取り扱われてきた貨幣数量説などの理論を改めて確認、検証するとともに、単に貨幣供給を増加させる政策を行うだけではデフレを解消できないことを筆者は主張している。また、デフレの要因としてプロダクトイノベーションの不足とプロセスイノベーションの隆盛によるコストカットをあげている。Posted by ブクログ
-
なぜ日本だけがデフレになったのか?
そして、アベノミクスの大胆な金融政策はデフレに効果は有るのか?
マネーサプライの増加によってデフレを脱却できると言う根拠はクルーグマンの論文に代表される。通常はインフレ抑制は金利の上げ下げを通じて調整される。ゼロ金利の場合マネーサプライを増やしても「流動性のわな...続きを読むPosted by ブクログ -
「マネーサプライ(M)の増加が実体経済に影響を与えたことはこれまでなく、これからもない」…典型的な反リフレ本かと思いきや、合理的なミクロ経済主体を単純に積算することによりマクロを考えようとすることの「合成の誤謬」を指摘しているところが目新しい。従って本書によれば、人々の間に合理的期待を形成させてデフ...続きを読むPosted by ブクログ
-
「デフレは要因ではなく、名目賃金低下の結果」
という主張と、それを裏付ける検証が面白かった。
以下気になったこと。
リフレ派、反リフレ派の本を読むのは初めてだったので、
前半で著者が「ゼロ金利の状況下では金融緩和は意味をなさない」としている部分が気になった。
リフレ派はゼロ金利下でどういうふうに...続きを読むPosted by ブクログ -
日本を代表するケインジアンの対マネタリスト/リフレ/量的緩和派への反論。彼らの理論はあくまで将来のインフレ期待がおこるときに成り立つものであり、必ずしもマネーサプライが期待を動かすという経路が理論的に確立されている訳でもなく、実証的証拠が確定している訳でもない。マネーサプライが価格にインパクトを当て...続きを読むPosted by ブクログ
-
この混乱の時代にあって、どう経済を動かすか。どう経済が動いているのか。
シュンペーターの唱えたイノベーションや、ケインズの唱えた有効需要等がわかりやすく習得できる良書だと思う。
手許に置いてキーワードは読み返したい。Posted by ブクログ -
「デフレ」という経済用語がこれだけ一般社会で語られていることは過去に無かったのでないだろうか。
「アベノミクス」と「黒田日銀の異次元の金融緩和」がマスコミを賑わす中、20年来の「デフレ脱却」ができるのかどうかが、飲み屋や茶の間でも語られている現在、本書は実にわかりやすく「デフレーション」を考察し...続きを読むPosted by ブクログ -
デフレの原因とその脱却方法の提案については、これまでもいろいろな本を読んできましたが、結局、今のところコンセンサスはない、というのが結論のようです。この本では、世界史的に見た過去の大きなデフレの実例と、現在の日本のデフレの原因についての様々な学説を紹介し、これについて批判を載せてくれており、頭の整理...続きを読むPosted by ブクログ
-
編年的に処女作や代表作、それぞれの思想に与えた事象等を挙げながら2人の経済学者の経済思想を解きほぐしていく。「昔からあるモノやサービスに対する需要は必ず飽和する」認識は共通だが、その後の打ち手や視座が異なる、と考えれば特に対立する思想でもない、という印象。その辺りを明快に説明している良書と思う。Posted by ブクログ
-
ケインズは主張した。豊かな社会が到来すれば、有効需要不足により「豊かさの中の貧困」が発生すると。人々は豊かになれば、もはやモノを欲しがらないからだ。
シュンペーターは言う。イノベーションこそが資本主義の枠を拡大し、需要を喚起し、資本主義そのものを発達させてきたと。
この2人を組み合わせることで、...続きを読むPosted by ブクログ -
同い年のケインズとシュンペーター、その違いと交差点を、経済書らしからぬ読みやすい構成で楽しめた。
s:企業家は単に生産要素を結合して生産活動を組織化するだけでなく新結合(イノベーションと呼ぶ)を遂行する
k:貨幣改革論
企業家を成金に変える事は資本主義に致命的な打撃を与える。それは不平等な報酬を許...続きを読むPosted by ブクログ -
昨年の日経による、「経済学者に聞いた今年のベストセラー」みたいな企画で上位だったため、読んでみた。
タイトルは「いまこそ、~~学べ」となっているが、
金融危機後の世界経済に対して、二人の思想を用いると、
どういったアイディアが出てくるかという点の議論は意外と少なかった。
ただ、それを補って余りあ...続きを読むPosted by ブクログ -
demand-creating innovationというアイデアの提案。やはり言いたい事は最後の「ケインズとシュンペーターをどう統合するか」だね、経済学説史の本というよりは。でも、僕のような能力値の低い院生には、英語でしかも経済物理系のマクロ動学論文なんてとても読めるはずもなく・・・。
中身は普通...続きを読むPosted by ブクログ -
『いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ――有効需要とイノベーションの経済学』(吉川洋、2009年、ダイヤモンド社)
有効需要政策を打ち出し、不況時には政府による公共投資を増やして失業率を下げ、マクロ的に新たな需要を生み出す必要性を説いたケインズ。これはディマンドサイドでみた経済学であり、戦後の...続きを読むPosted by ブクログ