毎日新聞取材班のレビュー一覧

  • 世界少子化考 子供が増えれば幸せなのか

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    少子化を人口政策的な観点から見ると、「子供が増えれば幸せなのか」というそもそもの問いが抜け落ちてしまうのかもしれない。世界各地の事情を知る読み物としても面白いが、当事者たちへの取材を読みながら、「子どもを産み育てることにまつわる幸せとは…」という問いに立ち返れたように思う。

    子どもを産み育てるのが難しい状況を、「個人の自由が阻害されている」と捉えなおし、少子化対策を「個人の自由の保障」だと定義しても良いのかもしれない。労働力不足や社会保障制度の維持、市場の縮小、税収減…など少子化により想定される問題は山積み…。でも、子どもの数を増やすことが唯一の解ではないというのは念頭に置こうと思った。少子

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    2022年08月14日
  • 世界少子化考 子供が増えれば幸せなのか

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    世界7カ国の少子化事情を掘り下げながら、日本の少子化問題を考察する本。「子供が増えれば幸せなのか」というタイトルに惹かれて手に取ったが、各国事情の取り上げ方や本題へのアプローチなどが非常に分かりやすく面白かった。

    少子化は何語問題なのか。人口減による経済的損失や福祉制度の破綻が指摘されるものの、それは労働生産性の停滞が問題であり、人口減が根本的な問題なのではない。少子化問題で根本的に解決すべきは、出産・子育てを思い通りにできない境遇が存在してしまうことと、人口減が止まる兆しが見えてないことにある。
    少子化の議論にはリプロダクティブ・ライツ(性や生殖に関する権利)の観点と国力維持の観点があるが

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    2022年07月28日
  • 世界少子化考 子供が増えれば幸せなのか

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    止まらない日本の少子化問題に対し、
    毎日新聞の記者がアジアやヨーロッパ諸国の出産・育児支援策を調査し
    今後の日本の政策の在り方について言及した本。

    各国の歴史や国民性を背景にすると出産、子育てを取り巻く状況は本当に様々で
    日本が際立ってレベルが低い、というわけではないことが分かりました。

    と同時に、
    もし国が出生率を上げたいのならばまずは
    個人ないし家族単位での仕事や生活における幸福度を上げる努力をするべきで
    子どもを産む数はあくまで結果論であるのだと思いました。

    これらを踏まえると、
    少子化対策を謳いながら子ども手当や各種給付金に所得制限を設け
    増幅の対象が出産育児金、といった政策を打

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    2022年07月23日
  • ヤングケアラー 介護する子どもたち

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    少し前から気になっていた言葉「ヤングケアラー」。
    テレビなどでも取り上げられるようになってきたので、気づいたらチェックするようにしてきた。
    その「ヤングケアラー」が世間に認知されるようになったきっかけをつくった報道のドキュメント。
    新聞社の取材班が執筆しているので、調査データなどをベースに説得力があり、読みものとしても読みやすく仕上がっている。
    これまでに「存在」はしているけど「認知」はされていなかった弱者を「発見」して、社会を動かしていく。記者冥利につきるだろうそのエキサイティングな熱量を、共に感じられる本だ。
    「ヤングケアラー」の問題は、本人にその自覚がない、家族の問題を他人に知られたくな

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    2022年06月23日
  • SNS暴力 なぜ人は匿名の刃をふるうのか

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    新しい時代が来たんだと
    感じれるタイトルでした。

    昔なら常識だったことが
    今では通用しないこともあり
    自分の中の価値観なども
    進化させて行かなければと感じます

    自分がこれから
    戦っていく社会ではsnsは欠かせないものになってきました。

    自分の使い方が正しいのか今一度見直す機会になった一冊です

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    2022年06月18日
  • 世界少子化考 子供が増えれば幸せなのか

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    ネタバレ

    韓国
    大卒の就職率は6割、大学はSKY出身者がステータス。TOEIC800点以上、文系なら900点以上、国家試験に通ることが必須。日本以上の競争社会。
    大統領の権限が強いが再任はなく任期5年。短期的な成果を求める。
    日韓では就職するまでが子育て。欧米より長い。

    中国
    一人っ子政策が生んだ男女人口比のひずみ。大学入学には科挙に似た高考が必要。学習塾を規制した。一人っ子政策は少子化を早めた。出産適齢期の女性の減少。
    政治はエリート政治=民主主義の利害調整メカニズムはない。全体としては正しい選択ができる。迅速性がある。利害調整は矛盾の解消は問題t。

    フランス
    支援と個人の選択の保障が原動力。単身

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    2022年06月06日
  • ヤングケアラー 介護する子どもたち

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    ヤングケアラーたちの介護(ケア)の実態をと、取材班の現場でのやりとり や 全国調査に至るまでを取材した過程 で構成された本。

    昨年、新聞の記事でヤングケアラーという言葉と意味を初めて知った。1クラスに1人いるという事実も衝撃だった。
    が、今回ここで書かれている内容を読んで、かなりショックだった。娘や息子と同じ年頃の子がこういった境遇に置かれているなんて。

    数年前、『欠席の連絡がなかったから、先生が電話したら、お母さんの具合が悪いから休むって子がいた』という話を娘から聞いた時、ヤングケアラーについて全くの無知だった私は「そんなことってある??」と思ったことを思い出した。私も無知だったけれど、

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    2022年05月12日
  • ヤングケアラー 介護する子どもたち

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    本来大人が担うような家族の介護などを行っている子ども、「ヤングケアラー」についての連載記事をもとに再構成。
    当事者などへの綿密な取材により、ヤングケアラーの生々しい実情がよくわかる。具体策はなかなか難しいと思うが、社会としてなんとかすべき問題だと認識した。
    ヤングケアラーに光を当て、継続的に取り上げてきた毎日新聞は本当によい仕事をしたと思う。また、本書からは記者たちの取材にかける思いや取材の具体的な過程が感じられてよかった。

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    2022年02月02日
  • ヤングケアラー 介護する子どもたち

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    ヤングケアラーについての実態調査と実際にヤングケアラーからのインタビュー。経験談がとても良かった。1クラスに1人いる、とは。そこまで多いと思っていなかった。どのような基準でヤングケアラーなのか、家の手伝いや世話との違い、その見極めが難しいと感じた。学業や自分のしたいことを犠牲にしてまで家のことをしていること?大人でも家事と育児に振り回されて自分のしたいことなんてなかなか出来ないのが実際だと思うが、そことの違いは?大人と子ども?まだまだこれから周知されていく部分も多いのだろう。

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    2021年12月17日
  • 強制不妊 旧優生保護法を問う

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    旧優生保護法というものをよく知らなかったので衝撃的な内容でした。
    特に、終戦後の日本国憲法下で初めて成立した議員立法が旧優生保護法だったというのは大変皮肉だなと思いました。普通選挙で選出された国会議員が与野党を超えこの法律を国会で成立させたということ。その意味を我々は深く考えなくてはいけないのではないでしょうか。

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    2022年01月24日
  • にほんでいきる――外国からきた子どもたち

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    日本にやってきた、外国人の子ども達が、就学しどのような支援を受けて、生きていくのか、いろいろな子ども達が紹介されている。

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    2021年10月19日
  • にほんでいきる――外国からきた子どもたち

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    親の仕事の事情などで来日したものの、就学できていなかったり、就学したもののじゅうぶんな日本語教育を受けられていなかったり。そういった外国籍等のこどもたちを取材したもの。
    全体を通じての感想としては、もちろん様々な施策や自助努力によって、こういった子どもたちへ頑張ってサポートしている学校や自治体がある、というのは凄いことだしとても良いことだと思うけれど、それでいいのだろうかということでした。学校の先生たちの多忙化については近年ずっと叫ばれているし、自治体の財政やマンパワーは自治体によりけりで、どうにかしようと思ってもどうしようも無いことも多いのではないかと。国の施策として、法的・財政的な基盤が必

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    2021年05月30日
  • 公文書危機 闇に葬られた記録

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    毎日新聞がんばれ、と応援したくなる一冊だった。一つのテーマに取り組む取材と調査の方法も、とても興味深い。

    関係者の証言を積み重ねる中で、どれだけ官僚・霞が関にとって記録が大事か、しかし記録を公にしたくない、する必要がない、という意識の根深さがわかり易く理解できた。

    例えば、桜を見る会の招待者リスト。保存期間1年未満に指定されていて、追求された途端に廃棄処分される。しかし、政治家や著名人、各種団体が絡む招待者選定には、記録は不可欠、失われれば、不手際が起こり方々から非難が寄せられるだろう。

    2017年の加計学園の問題に端を発した、2017年12月の公文書管理法ガイドライン改定では、「方針に

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    2020年12月07日
  • 公文書危機 闇に葬られた記録

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    霞が関の公文書は危機的状況である。森友問題では改ざんに関わった職員が自殺した。その後も公文書管理が改善されているとは思えない。組織にとって都合の悪い文書を開示しないうちは、過去から学ぶことはできない。

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    2020年11月26日
  • 公文書危機 闇に葬られた記録

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    この手のものは著者の思想イデオロギー傾向で内容や取材が偏ってたりするので鵜呑みにはできないところもあるが新聞取材版と言うことで多少公平に見れるかなと思う。
    今の政権にかかわらず日本の公文書管理に関してはずさんで心もとないのはわかっていたが、ひどいもんだと思う。
    直近で公開するしないにかかわらず整理されてなくても記録を残しておくと言うことで後世の調査が可能になる。
    公開しなくても少なくとも保存すると言う事は必要である。

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    2020年09月19日
  • 公文書危機 闇に葬られた記録

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    霞が関には闇から闇に消える文書がある。国の政策決定の過程が、文字にならず、あらゆるところで検証不能になっている。日本の公文書は危機的状況にある。省庁間にはびこる因習、霞が関の「魔物」の正体を追う。(2020年刊)
    ・序 章 霞が関の常識
    ・第一章 不都合な記録
    ・第二章 ファイル名ぼかし
    ・第三章 記録を捨てた首相
    ・第四章 安倍総理の記録 
    ・第五章 総理執務室の内側
    ・第六章 官尊民卑
    ・第七章 官房長官のウソ
    ・第八章 官僚の本音
    ・第九章 謀略
    ・終 章 焚書

    本書は、毎日新聞連載「公文書クライシス」を書籍化したものである。
    連載当時、興味深く思ったものであるが、なかなか毎日新聞を読

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    2020年08月02日
  • 強制不妊 旧優生保護法を問う

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    最初から絶句し、読むのが苦しくて、すごく時間がかかってしまった。最後の第5章「『優生保護法』が問うこと」にどう向き合う?学生にも紹介したい。

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    2019年08月17日
  • ルポ 宗教と子ども――見過ごされてきた児童虐待

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    本書を読む前に”カルトの子 心を盗まれた家族 (文春文庫)”を読んでいたので重複する内容もあり、それほどショックは受けなかった。
    医療拒否問題については詳しく知ることができた。親の信仰により子どもの人生や命が奪われるなんてあってはならない。

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    2025年09月14日
  • ルポ 宗教と子ども――見過ごされてきた児童虐待

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    統一教会の二世がメインと思ってたけど、オウムの二世も当たり前やけどかなりハードな人生になってる。
    天理教も一つだけエピソード入ってたけど、微妙な内容。
    逆にこれぐらいならやっぱり天理教はそこまで怖くないのかなと思えた。

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    2024年09月03日
  • オシント新時代 ルポ・情報戦争

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    普段知ることが出来ない興味深い内容が多く、楽しめたが、タイトルとコンテンツが一致していないと思えるのはやや残念。巻末から、かなりの数の記者が書き手として参加していたことが判り、やむを得ない気もしたが、オシントと呼べる内容の核心に触れているのはごく一部の章だけであったのは期待が大いに外れた点であった。

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    2024年08月21日