毎日新聞取材班のレビュー一覧

  • 出生前検査を考えたら読む本

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    娘に先天性心疾患があり、分かった時は30週だった。もともとNIPTは受けていない。が、生後すぐに開胸手術をし、そのあとも何度か心臓手術を予定している。この心疾患は「21トリソミー(ダウン症)」との関係が深く、トリソミーを調べるには羊水検査をするしかないと言われたけど予定日まであと10週。もう生むしかないと思い、出産。我が子にダウン症はありませんでした。ですがこの10週は本当に毎日不安でいっぱい。エコーをするたびにダウン症の症状がないか隅から隅まで見て一喜一憂する日々だった。

    次の妊娠を考えた時にやっぱり医療ケアが必要な子供を2人は育てられない気がして、NIPTについて調べ始めた。そもそもNIPTとはというところもしっかり学べた。

    本書の半分くらいは無認証施設でのNIPTの行末について批判的に書いてある。かなり内部の話も多く、NIPTを受ける際はきちんと場所を選ぶべきだと思った。現在"認証施設"で調べられる染色体異常は3項目(13.18.21トリソミー)のみ。でも本書の第4章には、それ以外の染色体異常を持つ家族のエピソードがある。それをみて、日本もオランダのように認証施設で選択的に調べられる範囲が増えればいいのに、と思った。

    でも自分に置き換えた時に、NIPTそして羊水検査の結果陽性が出た時に果たして「中絶」するという選択ができるのだろうか。稽留流産(知らない間に胎児が子宮内で亡くなる)を経験していることもある。自らの意思でお空に返すのは辛すぎる。

    リエさんの言葉が印象的だった。「もし、私の娘が同じような状況になったら『今回は諦めよう』って声をかけると思う」これは、日々リアルに息子さんとの介護と向き合っているリエさんだから言える言葉。

    倫理の話はあるけど、育てるのは親なんだから、外野がとやかくいうことではない。でも、心を決めた親は産むも生まないも、一生をかけてその子の命を背負って生きていくことになる。結局、私がどうしたいのかははっきりしないままだけど、読んでよかったと思う。

    取材に答えてくれた家族の方に感謝の気持ちです。

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    2026年05月30日
  • にほんでいきる――外国からきた子どもたち

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    タレントの小原ブラスさんが外国人のこどもたちの就学を支援する活動をしているとYouTubeで話しているのを聞いて、はじめて外国人の子供が法律上義務教育が必須でなく、学校に通っているかどうかわからない子どもたちが沢山いることを知りました。
    この本を読むまでは「移住してきた場合でも、子どもならすぐに喋れるようになるから授業に追いつくだろう」と思っていたのですが、一筋縄ではいかないことを知りました。いじめ・虐待・貧困・就職の難しさ・犯罪に加担してしまう現状・家庭環境の問題や学校支援の問題が挙げられています。
    労働搾取してはいけない。労働力として外国人が必要なら、その家族の責任も負わなければいけない。自分と違う人間をいじめない。…そんな当たり前のことがどうしてできないんだろう。
    私には何ができるだろうか。繊細で難しい問題です。

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    2025年12月30日
  • ヤングケアラー 介護する子どもたち

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    ヤングケアラーについて初めて大々的に取り扱ったメディアが毎日新聞というのは初めて知った。『当事者の喜怒哀楽の「怒」「哀」だけを強調してはいけない』というところに、取材の姿勢の真摯さが感じられた。
    子ども本人(特に小学生以外)を対象とした統計調査が難しいこと、家庭ごとに必要な支援が違っていること、子どもが大人に支援を期待しなくなってしまうことに、ヤングケアラーの発見と解決の難しさがあると感じた。

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    2025年12月25日
  • 出生前検査を考えたら読む本 無料お試し版

    購入済み

    NIPT検査自体は現代日本にとって必要なものだとは思いますが、結果が偽陰性の場合があるので必ず羊水検査をしてから最終判断をするべきだとこの本を読んで思いました。

    #タメになる

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    2025年03月11日
  • 世界少子化考 子供が増えれば幸せなのか

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    東アジアや欧米の少子化やその対策の事情はある程度既視感があるが、イスラエルやハンガリーの状況は読んでいて新鮮だった。副題にある通り、少子化を問題と考えること自体を相対化していて、取材班の中でも、相当議論した上で記事化されていると感じた。具体例に即して多様な視点を提供してくれる良書だと思う。

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    2024年09月13日
  • 世界少子化考 子供が増えれば幸せなのか

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    日本ではなく各国の少子化対策を取り上げている本。取り組みが比較的うまくいっている国も取り上げているがそもそも少子化が是か非という根本的な点にまで及んでいる。
    イスラエルの人で初めはこのくらいの人数で良かったけどもっと子どもを持ちたくなったという様なコメントがあったが本書の指摘通り国の経済力もあるが皆で見るコミュニティの力が大きいと思われる。
    中国の一人っ子政策は結局終了したが歪が少子化に拍車をかけているのは否めない。国家の指針が数十年後に影響を及ぼすところは普通に怖い。

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    2024年03月03日
  • 世界少子化考 子供が増えれば幸せなのか

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    韓国は就職不安 お金
    中国は結婚のお金、教育費
    フランスは産む自由を拡大するために
    国力の強化の理論がリプロダクティブライツの論理。

    子供はどうか生きるかを学ぶことが必要。実務的な内容は必要が出てからでも良い。学び続ける習慣と新しいことを学ぶ抵抗感がないことが大切。

    先が見えない時代で周りと同じことをしている危険性。そういう意味で自由を認めていく必要がある。

    ハンガリーはお金で支援。
    フィンランドは女性進出が進むが出生率は低下。

    格差が少ないと子どもへ競争意識から良い機会を提供しようとの投資が増える。

    日本の少子化の要因は未婚化が9割、少子化は1割。

    子育ては親の責任か、社会の責任か。

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    2023年11月17日
  • 世界少子化考 子供が増えれば幸せなのか

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    各国の少子化対策を中立にまとめていて非常にわかりやすい。
    各国の子育てに関するリアルな生活、文化や背景なども書かれていた。
    大変な良書です。

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    2023年10月25日
  • にほんでいきる――外国からきた子どもたち

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    近所のコンビニ、工事現場、都市や地方でも外国人が働く姿は日常でよくみられるようになった。在留外国人数を調べてみたら2019年293万人と年々増えているとのこと。2019年施行改正入管難民法により外国人労働者の受け入れ拡大が狙いで表向き移民受け入れではないらしいが、移民社会に移行していると指摘。就学不明2.2万人、学校での無支援状態1.1万人、特別支援学級の在籍率2倍、不就学不就労3000人、高校中退率7倍などの数字が目次に並ぶ。
    犯罪者、事件に巻き込まれた子それぞれの来日の経緯と育った日本での状況を紹介、日本語習得の壁と孤立、教師の対応の差、いじめの内容が酷い。
    子どもが新しい言語を覚える場合、日常会話はできても、一般的に学習言語の習得には5-7年とされる。日常会話ができれば、周囲は日本語が理解できていると考え、学力の低迷は「勉強しないから」と自己責任とみなされる。日本語の理解が十分でないため居場所がなく学校に行きづらくなってドロップアウトしてしまう子どもがいる。難しい勉強をするくらいなら働こうという発想になってしまうケースもある。将来の夢を自分で語れる子どもたちは親身になってくれる支援者と巡り会えたケースが多い。日本語弁論大会での最高賞を取ったスピーチの文中『何気ないことで、他の人がどれほど傷ついている分からないことがある。同時に何気ないことでどれほどすくわれているか気づかないこともあるでしょう』『急がなくていい、これは国際交流を考えるときにも言えるのではないかと思います。国際交流は時間がかかります。相手とじっくりと向き合うこと。時間を共有すること。これこそが大切なのではないかと思います。』
    国際移住機関:世界的な人の移住を専門に扱う 本部はスイスジュネーブ 100か国以上にフィールド事務所 2009年リーマンショック等世界的不況時に日本政府から37億円の資金提供を受け「定住外国人の子供の就学支援事業(虹の架け橋事業)」を展開。
    外国から来た親子の孤立を防ぐため、放課後の学習支援、保護者と学校の仲介をするNPOの取り組み
    少年院での外国にルーツを持つために生きづらさを抱える少年達の互いの経験を語り合う更生プログラムの紹介
    愛知県は日本語教育指導が必要な児童生徒数が全国最多。豊橋市は指導主事の「外国人も市民の一員。教育もしっかり受けさせたい」という姿勢で、住民基本台帳記載がある学齢期の子どもの就学状況を調査し不就学の子がいると電話や家庭訪問で理由を確認。市教委窓口で入学手続きや学校とのやり取りも行う。増加する生徒へ効率的に日本語教育を行うため中学生に特化した初期支援校開設、生徒は各学校に在籍しながら集中的に通所し日本語を学ぶらしい。
    日本語教師資格の国家資格化への移行施策があるとのこと、一方約4万人の日本語教師の常勤は1割で非常勤やボランティアという不安定な立場の問題視されている。
    NPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)」では、コロナ禍で困窮した外国人の支援を行っている。
    2020年文科省は外国人児童生徒等の教育について法的根拠を求め就学促進の位置づけ提言された。
    「にほんでいきる」という本書の文字が真ん中に載って、外国からきた子どもたちの副題が小さく添えられている。日本の子どもたちの置かれた環境も在留外国人の子どもたちの環境も過酷さだけでなく何らかの希望が持てるよう何ができるのかまず情報収集からしていきたい。

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    2023年03月21日
  • オシント新時代 ルポ・情報戦争

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    オシント、近い将来手法が標準化され、企業のESG評価などのセルフチェック、外部機関による客観チェックに活用されていくのだろうか。

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    2022年11月01日
  • 特権を問う ドキュメント・日米地位協定

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    恥ずかしながら日米密約のことなどほとんど何も知らなかった。米軍ヘリの都心部低空飛行については国会で質問されていたのを聞いて知っていたがこんな問題があったとは驚いた。
    沖縄での問題もすべて繋がっている。
    もっと多くの人に読んでほしい本。

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    2022年10月25日
  • 世界少子化考 子供が増えれば幸せなのか

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    世界7ヵ国(日本の分析も含めれば8ヵ国)の少子化の現状や対策等を書いた本でその国の社会的な背景や政策が比較できて面白い。
    韓国や中国はその生きづらさから子どもを産み控えることが定着している。一部の日本の若者のように地方でのんびり生きることを目指すというのもまだあまり浸透していない模様(本書における韓国の地方自治体の事例や中国では寝そべり族という言葉があるものの)。

    しかし「少子化」という言葉もGDPと同じく、あまりにも国家主義的すぎるのでいい加減使うのをやめるべきだと個人的にはずっと思っている。最後のpopulation mattersの活動は興味深い。ディープエコロジーよりも結構マイルドな印象で、ディープエコロジーが思想だけでなく、現実的な活動になった感じがある。人口減、生きづらさが進む東アジアの国だからこそこうした考えと結びついて人口減をポジティブに考えるべきだと思うが、欧州と比較すると国家主義、家父長制の強さから一部の個人レベルはともかく、なかなか社会的には広がってない。

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    2022年10月17日
  • ヤングケアラー 介護する子どもたち

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    たぶん、本書で取り上げられている、毎日新聞が最初に取り組んだ「幼き介護」の記事は、リアルタイムでネット上で読んでいると思う。ちょうど児相で働き始めた頃で、児相的視点でいえばネグレクト、もしくは心理的虐待だな、と思っていた記憶がある。もちろん、その捉え方は、児相がケースとして介入するための端緒でしかない。必ずしも全てのケースが、一般的に皆がイメージする「虐待」にあたるわけではない。法律に基づいて動く以上、則った法的根拠を示すために、法律で定められた枠組みに当てはまることを明示する必要がある。児相で介入する枠組みで考えたら「ネグレクト」か「心理的虐待」になるという話だ。そのように、介入のための根拠でしかない場合もあるが、当然、本当にいわゆる虐待である場合もある。
    そうして介入できた家庭は支援につなげることができるが、あまりに要因が複合的すぎて、うまくハマる制度やサービスがないこともよくある。
    本書の中でも度々、ヘルパーさんがこっそり作ってくれた、とか、たまたま気にかけてくれた人がいて、とか、既存の制度とは外れたところでサポートされた事実が挙げられている。そもそもヤングケアラーという存在が認識されだしたのもごく最近なのだから、いわゆる制度なんてものはあるわけがないのが現実だ。ないところで、現場が苦肉の策として、半ばうっかりミスを装うように、ほんの少し子を手助けしたりすることも、ごく一部である程度だ。だけれども、子どもの立場でありながら、大人と同等の介護やケアを担わされている若年者が相当数いることが、データとしても明らかになったわけで、これはそのきっかけを作った毎日新聞の記事が果たした役割は大きい。
    当事者たちは、自分がヤングケアラーにあたるとは思わず、そもそもそんな名前も知らず、助けを求めていい立場であるなどとも夢にも思わず、ただひたすらその日その日をこなすことに精一杯だったのだ。それを国が把握して、どうにかしなければと動き出したらしいことに、ひとまずほっと胸をなでおろしたのは私だけではあるまい。
    再三本書内でも言われているように、現状では、そんな状況の子どもがたくさんいるんだよということを社会が知ることが、まずは取り組むべき課題なのだろう。当事者たちが自分はそれにあたるんだと理解して、話を聞こうとする大人たちがいる、そこからスタートしなければならない。先の長い話だ。
    以前、何かのレポートだったか講演だったか、当事者が「周囲の大人は自分の状況に気づいていたけど、『家族のために頑張っていてえらいね』と言われて、ああ頑張らなければいけないんだ、こうやって頑張っていないと認められないんだと思った」というのを聞いたことがある。おそらく周囲の大人は、誉めてあげようという前向きな気持ちなのだろうが、「頑張っている偉い子」という周囲の視線が、時にその子どもを追い込むこともあるのだ。
    未熟で多感で知識も経験もない、孤独なケアに追い込まれている若年者たちにいかに支援を届けるか。そのニーズも背景も、複合的で一筋縄ではいかない。知恵の絞りどころだろう。
    こども家庭庁なる新省庁が発足するという。名ばかりにならず、実効性のある働きを是が非でもしてもらいたいものだ。
    私は地域・行政・医療それぞれの立場で仕事の経験があるが、それぞれにできること、難しいこと、そこでの業務がそのようになってしまう理由がそれなりにある。だから本書に出てくる、行政や福祉の専門職が、無責任にも思える発言をするわけもそれなりにわかる。でも、だから問題なのだ。無責任に見える発言をしてしまうことに、現行の制度で一定の合理性があるということなのだから。
    さて、そんな私にも、なにか出来ることがあるだろうか。

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    2022年06月14日
  • ヤングケアラー 介護する子どもたち

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    新聞連載をまとめただけじゃなかった。取材の経過をドキュメンタリーのような雰囲気でまとめてあって、新聞社の記者が社会問題にどう取り組んでいくのか、その様子も見えて、とても興味深い。
    もちろん、ヤングケアラーの問題は深刻で、彼らの勉強の機会が奪われている現状は、大人として「何か対応せねば」と思わせられるが、いかに「社会全般の問題」として認知を拡めていくかを考えたときに、本書が取り組んだ「知らない人たちへの説明」は、とても意義深いと思う。

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    2022年08月05日
  • ヤングケアラー 介護する子どもたち

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    コロナ禍において、これまで問題でありながら、世間では知られてない問題が明らかになった部分がある。コロナ禍という災害は弱い部分を鮮明にする。「ヤングケアラー」という言葉は知っていたが、実態について具体的に理解ができる本である。新聞記者が書いただけに読ませる文章であるし、コロナのニュースが主になるなかで、この問題を1面で報じ続けた毎日新聞もさすがだと思うが、この報道を契機に世論が動き、政策化していく流れは、メディアの力を見せてもらった感じがある。これからさらに調査が進み、また具体的な支援策が進んでいくことを期待し、状況を見守りたいと思う。

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    2022年02月16日
  • ヤングケアラー 介護する子どもたち

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    ニュース源が主にラジオである私がヤングケアラーという単語を耳にし始めたのはここ1年くらいだったと思う。確か荻上チキさんの番組で取り上げられていたのを聞いて、そんな問題があったのかと衝撃を受けたのだが、この本ではヤングケアラーという語が含有する多岐にわたる若年者によるケアの実態(いわゆる老人の介護だけでなく、精神疾患や事故後の障害を抱える親のケア、きょうだいケア等々)を知ることに加え、毎日新聞社の取り組みやその根底にあった記者さん達の熱い思い、他方面での取材を重ねるうちに別の問題を発見するコツコツの努力の過程を知れて面白かった。

    読み始めてすぐに「隣のトトロのさつきちゃんもヤングケアラーだったのか?」と思ったのだが、それは私だけではなかったようで、本の中でもその議論が取り上げられている。彼女を見て「けなげ」「しっかりしたお姉ちゃん」という誉める対象として見る風潮は今も昔もあると思いつつ、それを見守る地域コミュニティの有無に時代の変遷による違いがあるという指摘にうなづいた。思えば、昔から介護も育児も看病も存在し、常にそれを担う人が家庭内にいたり、おしん的な奉公人がそれを担わされたりしてきたわけだ。だが、現代でこれが孤独な介護、老老介護、孤育て、ヤングケアラー問題となっているのは、もちろん長寿化によるものもあるのだろうが、個々のケアラーの孤独化が深刻になっているからなのだろう。

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    2022年01月08日
  • ヤングケアラー 介護する子どもたち

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    「あのショッキングな"ディズニーランドの日"を境に純一はヘルパーやケアマネジャーからキミコの介護について相談されるようになった」

    彼女とのデートが台無しになった中1の彼の転機。
    福祉に携わってきた中でおそらく同じ状況になったらそうしてしまったんかなと思います。
    それと同時に反省というか背筋が寒気なるというか「1人の人生を決めてしまう」ようなことをしてしまうことがあり得たんじゃないか。
    それも「無意識に」と思うとやってないのに怖くなります。

    この本はヤングケアラーの取材記録です。
    この本を読んで大人がどう考えるか。
    幼い子供でも家族がいたら介助者として巻き込んでしまうのがこれまでの福祉の考え方やったんやないか。
    介護保険が始まって20数年経ちました。
    それでも介護の中心は家族なんやと思います。
    単身高齢者が増える中で1人でも家族(キーパーソン)がいたら支援の負担を減らすために家族を巻き込んでいくんやないか。

    「えらい子」で済ますのではなくちゃんと社会に意識されない「透明な存在」の背景に向き合わないといけないと思います。
    この常識を変えていく必要があるんやと思います。
    僕が一時ロースクールに行って弁護士目指したのは役所ではアウトリーチ(届かない人に情報を届ける)ができないと思ったからなんです。
    今はだいぶ外に出かける公務員が増えたのですが絶対数が足りないです。
    「親孝行やねえ」
    「えらいねえ」
    で終わらせないでこんな子がいてるよって町内会でも情報共有して民生委員さんに届けてほしいです

    一気に読み切りました。
    読み終わるまでに何回かハンカチが必要になってσ^_^;
    毎日新聞取材班さんの報道に対するすごい熱量を感じました。
    これは良い本です。
    職場でも読むように勧めます。

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    2021年12月11日
  • にほんでいきる――外国からきた子どもたち

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    外国にルーツのある子ども達が発達障害と、診断されて特別支援学校に行くケースや、教育の機会提供にアクセスできない実情を多角的な取材記事で取りまとめた本。多文化共生やインクルーシブという言葉が先行している実態について考える上でとても重要な示唆を与えてくれる良書です

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    2021年09月23日
  • にほんでいきる――外国からきた子どもたち

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    子どもに関わる仕事をしている人には、ぜひ手にとってほしい。きっともう、この問題と無関係ではいられない状況に、今の日本はある。その事に今更ながら気付かされた。
    不就学の問題は以前から報道されていたこともあり、背景に「移民」を認めない日本の意固地な政治があることはもう周知の事実だろうと思う。それ以上に、就学はできたがその先の支援がなく、まさに「梯子を外された状態」で生きている子どもたちや親たちがいること、しかもその数の多さにこの問題の深刻さを考えさせられる。日本語習得のための満足な支援もなく、知的障害があるとみなされて普通学級から排除され……これがSDGsの「質の高い教育をみんなに」で最高評価を得ている国の現状。なるほどー、たがら外国籍の子どもの親に就学義務を課さないわけか。「みんな」の数をなるたけ減らして、課題の同質性を高めておくのが最善手、と判断した???『きらめく拍手の音』の感想にも書いたけど、「排除」が「自己肯定感」や「安楽」「無痛化」「最適化」に直結しやすい、最もローコストの選択肢に見えてしまう世界に生きている、っていう実感がますます深まる。
    ちなみに、私が住むのはいわゆる「散在地域」なので、まとまった支援の場所さえも見つけられずに、自治体は各学校に丸投げ状態らしい。つまり、生徒と教員の個人的な努力が全て。ドロップアウトしても自己責任で済ませられるし、自治体に責任がなければ調査もないから、数字にも出なくていいことずくめ????
    朝日新聞の報道だったか、NHKのニュースだったか忘れたけど、「労働力を輸入するつもりでいたら、人間が来た」とかいう言葉を耳にした。大人たちの想像力と責任能力の欠如のツケを払わされるのは、いつも子どもだ。

    あ、そうそう。
    再版の際は、ぜひ、総ルビで出すべき。当事者が読めないと意味ないよ。

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    2021年09月21日
  • 公文書危機 闇に葬られた記録

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    HONZブックガイドから。毎日新聞、こんな熱いことをやっていたんだ、ってのがとりあえず最初のビックリ。自分の場合も、いちいち書面でってなると面倒に感じてしまう。じゃあメールでってなると、効率は上がるんだけど、その内容に関する重要度が、一段どころかひょっとしたらそれ以上、落ちてしまう気もする。でもこの考え方、見事に官公庁の隠れ蓑として機能してしまっている訳ですね。でも当然、公文書を私人のメールと同レベルで語って良い訳もなく、いかにあり得ない現状かってことが浮かび上がってくる。堂々と胸を張って虚言を吐き、発言の綻びについては後付けで強引に言いくるめる。いつになれば改まるのかと注視していても、この有様じゃあ、良くなる訳はない。闇は深い。それにしても、相変わらず不快感増強効果満点の本書だし、読書によるカタルシスなんて得られようもないんだけど、こうやって定期的に怒りを保ち続けないと、きっと知らん間に、国の垂れ流す嘘に塗り込められてしまう。施行を維持するための読書はしっかり続けていきたい。そう思わされる一冊でした。

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    2021年08月02日