姉小路祐のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ミステリーと思って読むとダメだけれど、京都ネタに詳しくなる本として読めばなかなか面白かったです。
最後がブチっと切れた感じではあるけれど…。
京都案内~ミステリー小説風~と思って、読んでみるべし。
鬼門・神門のバリアーとダキニへの信仰で現世の栄華を最期まで誇った徳川家康との関係など、違った角度で京都を見ることができました。
でも、京都御所って平安初期と今の場所は違うし、秀吉時代にかなり町にも手が加わっているから、京都ネタはネタが尽きない反面、つっこみやらいろいろあって、それはそれで自分で楽しめばいいと思います。
ダキニのお稲荷さんネタを自分は知っていたので、その辺をもっと掘り下げてくれたら良かったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大学助教授から東京地検特捜部検事へ―香車勇人(かしゃはやと)、33歳。
大学の不正入試に関する告発状の真偽を調べる中、浮かび上がる理事長と仕手集団とのつながり。
株、金をめぐる、裏の世界での合戦へと香車が挑む。
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きっかけはドラマ版の再放送をたまたま見ていて、主役を演じた加藤剛さんの渋さにやられてしまって(笑)
ドラマはこの『東京地検特捜部』シリーズの二作目にあたるお話だったようですが、シリーズはなるべくイチから読みたくて、こちらから。
検察庁法第十八条により、司法試験を通らずとも3年大学で法律学の助教授を勤めていれば検察官になれる―助教授は呼び名が現在准教授だし、法律も変わっているかもしれませんが、そうなんだ…とぱちくり。
そこだけ言うと何だかお得な感じですが、香車が助教授を勤めたのはきっちり3年。
5年勤めていれば、彼は他の司法試験をパスした検事たちと同じく、検事を辞めた後に弁護士への転向が可能だったのに、それができない。
そういうわけで、香車は他の検事たちとは違う存在を示す。
検事的常識がない分、型破りなこともしつつ事件の真相に迫ってゆく。
ドラマとは設定が色々と違うものの、なかなか楽しく。
相棒のベテラン事務官、小東が最初は香車に対して『なんだ、こいつ、フンッ(イメージ)』だったのが、気付くとすごく熱心に事件を追いかけて、すっかりワトソン役。
もともとフットワークが軽いひとでもあったんでしょう。
検察官は“あくまでも経済検察”が本分であるので、香車がメインで追うものも経済事件ではあるものの、犯罪色あり、刑事事件の様相も呈してきたりと、色んなものがからんできて…。
金融関係に対する知識がさっぱりなかったので、深い意味では理解できていないなーとは思いますが、裏世界と戦う香車の姿にハラハラを楽しむことができました。 -
Posted by ブクログ
バブルの時代の小説。平成の初め、土地がどんどん上がっていて、銀行の金利が5% (そんなことが本当にあったんですよ) の頃、京都の一角で繰り広げられる地上げ合戦。反対派の最先鋒だった旅館女将が、自殺を遂げたところから、不信を抱いた大阪のコテコテ司法書士と妹が謎を解いていく。
読みやすい。さらに、土地の売買に関するあれこれも、非常に丁寧に説明してある上に、平成に入ったあたりの京都のゴタゴタ(古都税、高さ制限)なども取り入れてあり、バックグラウンドが京都にある人もない人も楽しめる。
事件自体は最終章まで、少しずつしか手がかりが見られず、あたかも空振り続きのように思えるのだが、最後にその薄い証拠をバッチリと束ねるのは見事。
かなりどぎつい大阪弁に、表紙同様古臭くて濃いキャラクターが少々万人受けではないし、さらにはバブルを知らない人にとっては、「土地が前年の50%上がる」なんてのにピンとこないなどもあるだろう。その辺はまあ、そういうもんなので。
最近はこのレベルのを書ける人は少ないだろうなあ。 -
Posted by ブクログ
弱冠29歳で大阪の下町の中央署に署長として赴任。熱い正義感に燃えたエリートらしからぬ言動で、次第に現場の人情を呼び込んでくる・・・という予定調和のオヤジ小説。
着任早々に発生した警官による飲酒ひき逃げ事件を孤軍奮闘で捜査するんだが、ひき逃げ犯人とされた警察官が実は被害者だったということに気づくのがようやく後半になってから。と書いたところで(ほとんどの読者には想像できているだろうから)ネタバレにもならないだろう。
公営ギャンブルの主管庁 ()付きは主管でなく指導
・競馬 --- 農林水産省
・競輪、オートレース --- 経済産業省
・競艇 --- 国土交通相
・サッカーのトト --- 文部科学省
・パチンコ --- (警察庁)
・公営カジノ --- さてどうなるんだろう?
(2011/11/24) -
Posted by ブクログ
再雇用警察官シリーズの第4弾です。
定年後も再雇用警察官として働く安治川信繁が、持ち込まれた行方不明届から、事件の裏に隠された人間関係を解き明かしていく三編の物語です。
「0の構図」というタイトルどおり、何もないように見えたところから真実が浮かび上がっていく展開は見事で、派手なトリックではなく、地道な聞き込みや違和感の積み重ねで事件の輪郭が見えてくるところに面白さを感じました。
長年の経験と人脈を頼りに捜査する姿には説得力があり、派手さはありませんが、若い刑事にはない説得力がありました。
一方で、事件の展開は比較的堅実で、どんでん返しを期待すると少し物足りなさを感じるかもしれません。
それでも、事件の裏に隠された人間関係や、それぞれが抱える事情が丁寧に描かれており、年齢を重ねたからこそ見抜ける嘘や、定年後も仕事に向き合う主人公の姿には素直に引き込まれました。
若さや体力だけではない、経験を積み重ねることの強さを感じる一冊でした。