姉小路祐のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
再雇用警察官シリーズ第3弾です。
高齢資産家の不審死や養子縁組が絡む事件を追っていく流れで、読んでいてまず印象に残ったのは、“犯人像は見えているのに決定打がない”という捜査のもどかしさでした。
どこか後妻業事件のような生々しさがあり、派手ではないのに妙な不気味さがあります。
安治川の捜査は相変わらず地道ですが、今回は若手刑事との距離感も印象的でした。
経験と勘で動くベテランと、効率や理屈を重視する若手との噛み合わなさが、世代の違いとしてじわじわ効いてきます。
ただ、展開自体は比較的オーソドックスで、人によっては少し地味に感じるかもしれません。
それでも、何度も空振りしながら真相に食らいついていく姿には独特の渋さがあり、“まだ終われない刑事”の意地を感じる一冊でした。 -
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再雇用警官シリーズ第二弾です。
定年後も行方不明者を追い続ける安治川が、若い婚約者を失った先輩から相談を受け、結婚詐欺と思われた話が連続殺人へ転がっていくストーリーです。
「再雇用」という微妙な立場ゆえの自由さと寂しさがにじんでいて、事件そっちのけで安治川の人生に感情移入してしまいました。
トリック自体はオーソドックスで、ミステリとしての驚きは控えめですが、そのぶん関西弁まじりの会話や、先輩と息子の抱える“どうしようもなさ”が丁寧に描かれているのが良かったです。
派手さはないけれど、「年を重ねてもまだ一仕事できる」と背中を押してくれる、渋い一冊でした。 -
Posted by ブクログ
定年退職後に再雇用された警察官が、行方不明事件に挑む物語です。
地味ながら確かな魅力があり、人間関係や依頼者の事情、被害者の過去が複雑に絡み合い、「ただの失踪じゃない」という疑念がじわじわ膨らんでいく描写は読ませます。
大阪という土地の空気感も物語を支えていてリアルでした。
ただ、登場人物が多いせいか動機や背景が見えにくい部分もあり、「この人は何を考えているのか」と首をかしげる場面もあり、言葉遣いや大阪弁に違和感を覚える人もいるかもしれません。
それでも、老人警察官ならではの経験と勘が光る捜査は味わい深く、派手さよりも仕事としての警察を描く姿勢が印象的でした。渋い読書欲を満たしてくれるミステリーだと思います。 -
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熱血刑事として鳴らした安治川信繁はキャリアの晩年、親の介護や事故死した弟夫婦の遺児を育てるために時間的に余裕のある内勤に転じて、その実力を惜しまれていた。60歳で定年退職を迎えた彼は大阪府警に新設された特異行方不明者か否かを認定する消息対応室に再雇用警察官として雇われた。給料半減、昇進ナシ、手柄も現役組のものとなるという条件ながら、退職金の心配無用、面倒な組織のしがらみも無関係で、かえって伸び伸び捜査ができると定年前よりも生き生きと第二の人生を過ごしている。現役時代に培った幅広い人脈は安治川ネットワークとも呼ばれ、思わぬところから助っ人が次々と飛び出して、同僚の新月良美巡査部長や芝室長をたびたび驚かせている。単に行方不明者を捜索する部署かと思いきや、安治川の鋭い勘と筋読みは、その背後に潜む思わぬ犯罪を浮き彫りにし、しばしば難事件を解決に導いている。
第一話「黄金の闇」ネット社会の浸透は目を見張るものがあり、いまや出会いや結婚までネットを介してのものが主流になろうという勢いだ。かつてのリアルなやり取りに比べればお手軽で守備範囲も広いのだが、それゆえの危うさも孕んでいることは否めない。そんな状況下で起きた行方不明事件を追う安治川ら消息対応室が直面する現代の深い闇…。
第二話「紫の秘密」紫式部は二人いた? 一帖目の桐壺の後に消えた二帖目があった! 源氏物語の謎を契機とする失踪事件と大学院卒業でもなかなか正規の大学教員になれぬオーバードクター問題が絡んで、アカデミズムの得体のしれない壁に突き当たり、安治川たちは呆然と立ち尽くす…。
第三話「反転の白」殺人罪の刑事上の時効は廃止されたが、既に成立したものは再捜査されない。被害者遺族にとっては不公平極まりない。その問題に直面した安治川は捜査の途上であるキャリア警察官僚と対立する。兎と亀以上に対照的な彼らの生き様や人生観のぶつかり合いで捜査は行き詰まる…。 -
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あくまで裏方的な活動を強いられているのが消息対応室。しかしいつの間にか事件捜査の最前線で重要な活躍をしてしまっているのは、再雇用警察官安治川信繁の安治川コネクションに依るところが大である。定年退職まで地道に築き上げた人脈と鍛え上げた刑事の勘が、一見ただの一般行方不明者と思われた事案の背後に潜む想像を絶する事件性を暴き出し解決に導く。そんな安治川が扱う三つの事件。継父からの性暴力に人知れず悩む若い女性二人の失踪事件に端を発する殺人事件。真相に迫りながら苦い思いを噛み締める安治川たち消息対応室の面々/現職議員の息子が失踪!? 忖度、保身、組織の論理が渦巻く警察事情に阻まれながら真相に迫る安治川の、再雇用ならではのひらき直り捜査が炸裂! /美味なるフレンチ創作料理と雄大な大台ヶ原の絶景。人々を楽しませるはずのものがなぜこんな事件を起こす引き鉄をひいてしまったのか。会心の推理にも酔えない安治川…。
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姉小路祐の初読み。
その日はどうしても、『古書店の「100円コーナー」から1冊を選ぼう』という気分で・・たまたまタイトルが気になり(見覚えあり)、あらすじを読んだら面白そうな設定だったもんで、即購入。
警察機構への筆者の持論(特にキャリア制度についてのあれこれ…疑問やら矛盾やら問題点やら…)を疲労するために編まれた物語、というのが、率直な感想。
また、「ちょっと、出来すぎなんじゃ?」という展開もいくつかありはしたものの、、、
主人公のキャラに親しみが持てたのと、作者の主張にも共感できる部分が多かったのとで、ちゃんと楽しく読み進められた。
ただ……最後の方の政治的な四つ巴なんたらかんたらの話には、正直ついていけなかったけど。
★3つ、7ポイント半。
2019.11.28.古。
※続刊も数冊出ているみたい。古本屋で見つけたら読んでみよう、とは思えた一冊。
※上にも書いたが、「タイトルに見覚え」がある……2時間ドラマとかになってたのかも?検索してみよ。