あらすじ
行方不明者届のグレーゾーン案件を扱う大阪府警消息対応室に再雇用警察官として勤める安治川信繁。
刑事畑で培った卓越した技術と勘と広い人脈で捜査を進め、事件性なしと思われたケースに潜む悪をあぶり出す…。
しかし、その先に見えたものはあまりに切ない人生模様であることが多い。そのようないくつかの事件を解決してきた安治川の前に、新たな案件が。
富を愛するほどに狭量で卑しき精神はなし…古の哲学者の言うが如く、
金に目のくらんだ者の行為は愚かだ。
同僚の新月良美が、かつて因縁のあった若い女性沢木杏里に不審な点があると相談してきた。
初老の男性と一緒にその妻の行方不明者届を出しに来ていたのだが、翌日にその妻が金剛山で滑落死体で発見されたのだ。新手の後妻犯かと疑われたのだが、杏里はその男と養子縁組届を新たに出してきた。
慎重居士の芝室長からはほどほどにと諫められながら安治川らは捜査を始める。しかし、どこにも犯罪の匂いはしない。
なぜ、再婚ではなく養子縁組なんだ?
妻の遺体を引き取った男は縁者にも連絡せずそそくさと直葬にしたのはなぜだ?
滑落死体は、本当に男の妻なのか?
担当所轄からは越権行為だと糾弾されつつ捜査を断行するにつれ、驚くべき完全犯罪の様相が見えてきた。
手を拱くうちに、また一人重要人物が転落死。
もう誰も死なせたくないと必死に事件を追う安治川と新月。しかし、一連の事件の黒幕までたどり着くことがなかなかできない…。
糸口が見えない!
安治川、新月の捜査は完敗に終わるのか!?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
シリーズ3作目で、21年末に高橋英樹主演のテレ東系2時間ドラマシリーズ3作目で放送されているが、全然覚えがない。見たと思うんだけど。話はけっこう複雑。よう考えるわと感心する
Posted by ブクログ
再雇用警察官シリーズ第3弾です。
高齢資産家の不審死や養子縁組が絡む事件を追っていく流れで、読んでいてまず印象に残ったのは、“犯人像は見えているのに決定打がない”という捜査のもどかしさでした。
どこか後妻業事件のような生々しさがあり、派手ではないのに妙な不気味さがあります。
安治川の捜査は相変わらず地道ですが、今回は若手刑事との距離感も印象的でした。
経験と勘で動くベテランと、効率や理屈を重視する若手との噛み合わなさが、世代の違いとしてじわじわ効いてきます。
ただ、展開自体は比較的オーソドックスで、人によっては少し地味に感じるかもしれません。
それでも、何度も空振りしながら真相に食らいついていく姿には独特の渋さがあり、“まだ終われない刑事”の意地を感じる一冊でした。