宮西建礼のレビュー一覧
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SF特集!国内SF作家さんの短編集をこれでもか、と楽しめる一冊。
個人的にツボ短編は
⭐︎長い別れ 天沢時生
⭐︎光路 宮西建礼
⭐︎星間戦艦ゴフルキルA8の完勝 小川一水
の三作品。
SF読んでる〜って言う感覚が最高→
「にじみ」「数と泥」「踊れ生徒会長」は設定や物語はめちゃくちゃ楽しかったんだけど、オチが個人的にイマイチ。
「鳥なき島」は文章は好きなんだけど少しわかりづらい&それをパワーで押し込めない感じが。
あ、ときときチャンネルはめちゃくちゃ読みやすい。私の中で短編の括りに入れるか悩む→
んだけど、キャラもノリも大好き。個人サイト時代にこういうサイト見つけたら日参してBBSに書き込みしてるわ(笑)
英米SF史概観は読み応えたっぷりだったし、巻末の本紹介も楽しかったー!!
大満足な一冊でした。買って良かった!! -
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著者の初の単行本で、日本SF大賞特別賞を受賞している。「SFが読みたい2025年版」では、ベストSF2024国内編第4位にランキングされている。ちなみに第1位が春暮康一氏の『一億年のテレスコープ』である。また、表題作の「銀河風帆走」は創元SF短編賞受賞作である。
全5編からなる短編集で、初めの3編は高校生が主役となっており、いづれも課題や難問「挑戦する高校生」を描いている青春SFだ。ほか2編は、宇宙船に搭載された超AIが主人公となっており、彼(?)の一人称(弊機とは言わず私)になっている。どちらも人類の未来にとって重要なミッションを担っているのだが…
いずれの作品も変なひねりがなく、SFらしいSFといえる。最近は、こういうストレートなSFが少なくなってきたように感じる。 -
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SFアンソロジー7作品短編集。
Genesisも3冊目となり、人の想いの数だけSFの世界があることを、あらためて知る構成。
SFは日常のそこかしこに息づき、私たちの人生に奥行きと彩りを添えてくれます。
『エレファントな宇宙』
アクションSF。ミリタリー好きな方に超オススメ。
宇宙から高次元生命体が飛来した。
その生命体とコンタクトした人間は、憑依され、未知数の破壊力を持つに至った。
最新鋭米陸軍部隊と特殊作戦に挑む3作目。
…前作を読んでいた方が、より楽しいかもしれない。
『メタモルフォシスの龍』
近似未来SF。
恋をしてはいけない世界で恋をしたひとたちの悲哀を描いた作品。
独特な文で綴られる物語は、1シーン毎に絵画を観るように美しく、そして切なく心に響きます。
やや重の話。…ハ虫類がニガテな方は気をつけてください。
『循環』
ノスタルジーSF。
主人公が、廃工場の棚で見つけた手のひら大の不思議な形の部品。調べても、いつ何処で作られたのか、何に使うものかも分からない。
それは、歴史を遡り過去に高次の存在から託された落し物だった…
就職からの軌跡を日本の経済成長期、大阪淀川付近を舞台にしっとりとした文章で綴った作品。
とても癒されました。
『されど星は流れる』
SFの原点。
高校生天文部員が、自宅待機で学校の観測機器が使えなくても、なんとか自分たちの流星を見つけたいと努力と工夫を重ねる物語。
星好きに悪い人はいない。
宇宙の遥かなる深淵へのロマンを思い出させてくれる、心を揺さぶる作品。
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実力者揃いのSF短編集。ただし、本書と同時に出た「時間SFアンソロジー」とまとめて読むと、本書でも時間SFに関連しているものもあり(全部ではない)、そちらに掲載できなかった作品がものが本書にまとめられているようなのが気になった。とはいえ、「もしもぼくらが生まれていたら」は戦時のあることに触れられていないなと思ったら最後にガツンとやられる気持ちよさがあるし、「蜂蜜いりのハーブ茶」のところどころに出てくる違和感を気にしつつ、最終的に作品の世界観が明らかになったときの驚きも気持ちいい。「平林君と魚の裔」と「ときときチャンネル」は単純に面白い。
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前半3編はどれも学生が主人公だが皆しっかりしていて頭も良く、未来を切り拓いて行く様は頼もしく眩しかった。個人的には2篇目の流星観測の話が一番身近で良いなと思った話だった。コロナとは明言されないが疫病が流行し密を避けろと言われる世相の中で、人と人の距離が離れているからこそ生きる観測に有意性と楽しみを見出し、更に観測によって人と人とのネットワークを繋いで行く様はとても前向きで地上の星座みたいだった。3篇目も状況こそ異常だが食料問題は現実にも根ざした問題だと思った。こちらも鼠算式に人々のネットワークを介して合成食料を広げてやろうという発想が面白かった。正直それがどれだけ功を奏するかは描かれないし、問題の解消には至らないことは想像に易いが、若人達が頑張っている姿が希望をより大きく見せてくれるようで良かった。
後半2編はAIが主人公だったが4篇目が切なくて印象に残った。人間の卵を抱いて新天地を目指す航宙艦船のAGIが同類のAGIの振る舞いの為に抹消処分となり追っ手を差し向けられる。本人には他のAGIの様な反抗意識はなく卵を新天地にという使命感しかない。一見感情があるようにも見えるAIの振る舞いは全て演算結果でしかないことは実体験でも承知済みだ。だが追っ手を躱そうとする様は無機質なのにどこか我が子を守らんとする母親然と見えてしまい、抵抗虚しく遠い宇宙で卵を喪ってしまったAGIの哀しみに思いを馳せてしまった。 -
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寡作のSF作家ということで、2013年の作品から最新の書き下ろしまで10年以上のスパンがある短編集。
解説にある「科学小説の初心が息づいている」といえのはそのとおりで、物語としての読みやすさもSFとしての歯応えもしっかりある。
高校生たちの青春SFから深宇宙を舞台にAGIを主役にしたものまで、物語の幅は広い。私は青春もののほうがよかった。
「冬にあらがう」という短編などは、終わり方が中途半端に思えて先が気になるくらい。むしろここからおもしろくなりそうな雰囲気を出しながら終わっていく。
ちなみにこの短編は2023年に書かれたものらしいが、いま現在(2025/6)話題となっている米騒動を予言したかのような一節があっておもしろい。 -
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ネタバレ主に宇宙・天文系のハードSF短編集
短編集が出たのが2024年なので、とても寡作な作者だが、次の作品を楽しみにしたい。
表題作:2013年の創元SF短編賞受賞作品だが、古臭さは感じない。銀河を航行する宇宙船形態になった人類は太陽風にのって遺伝子情報を他の星系に運ぶ壮大な設定。宇宙船には人格があり、宇宙船通しがおしゃべりをするのがストーリーの根幹。
星海に没す:AI搭載の船のAIを破壊すべく人類が送った刺客との闘いをAI搭載の船の視点で描く。AIの進化も考えさせらるが、宇宙における敵との攻防も面白く読めた。
もしもぼくらが生まれていたら:隕石が地球に落ちるのを阻止する話を高校生の視点で描く。ヤルコフスキー効果という現象は勉強になった
されど星は流れる:流星同時観測のはなし。天文クラブが好きな人はどうぞ
冬にあらがう:火山噴火で地球温度が下がり食糧不足になった日本で、合成食糧を量産する方法を考える高校生。硫酸法、酵素法、微生物糖化法、これだけ天文学よりもバイオの近未来SF.パーソナルAIのパインちゃんがかわいい。CHAT-GPTの受け答えに似ているので、近い将来にはパインちゃんは実用化されるかも。 -
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今回のアンソロジーは読みやすい作品が多かったように思える。あくまでも個人の感想であるが、世界観をぱっと理解できる短編揃いなのだろう。個人的に印象に残った作品は2つ。「メタモルフォシスの龍」(空木春宵)は個人的にはあまり好きではないジャンルなのだが、恋に破れると蛇化する女性と蛙化する男性、特に蛇化する女性の描写が生々しくも切ないのが良い。「されど星は流れる」は系外流星を流星同時観測の手法で探索する物語。科学を一生懸命やる話は私の好物である。遠くにある流星の母星と少し離れた観測者の男女の物語が接触しそうでしなさそうな、流星が地球をかすめていくような感じでよい。
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Posted by ブクログ
『星間野球』宮内悠介 ★*3 SF度:低
宇宙ステーションで野球盤ゲームをする話 バトルもの
カードでも宇宙ステーションでも登場人物が変わっても問題なく
だからなんだという話ではあるがそつのない内容
『氷波』上田早夕里 ★*4 SF度:高
土星の衛星と輪の探索に人口知性同士の会話で進む話と
とてもSFらしい作品
人口知性の及ぶ範囲を自ら表現するところが機知が楽しい
『機巧のイヴ』乾緑郎 ★*4 SF度:中
双子の入替りと同様のアンドロイドの入替りが題材のミステリ
双子もミステリ枠内におけるファンタジーだが
アンドロイドがSFなのにファンタジーでもあるところが不思議なところか
アンドロイドを作る技術があるなら
他にいくらでも別の応用手段があるのではないかとか
バトルロボットものと同様に言ってはいけない事を書いてみる
『群れ』山口雅也 ★*3 SF度:低
ミステリ(謎を追う筋書き)であり
(表現の追う様子が)ホラーな感じで
ファンタジー(幻想的)な結末の作品
SFなのはファンタジーなお話とホラーな味付けに
現実味をあたえてミステリ風にしているもの
主体としてはホラーなふいんきの味わいだと思うので
ホラーがいまひとつ通じない身にはなんだかわからない
『百万本の薔薇』高野史緒 ★*3 SF度:低
ひとつ前の『群れ』とまったくおなじホラーなミステリ
感想同じ
『無常のうた『UN-GO』第二話』會川昇 ★*3 SF度:低
このシリーズも大概いろいろなところから引っ張ってきているが
アニメの脚本そのままとはさすがに驚き
アニメのことは詳しくないのでよくわからないが
脚本はこういう感じなのだろうか
もっといろいろ詳しく描かなくて良いのだろうか
戯曲と同様のものとして読むと
前提の舞台や登場人物の設定背景が良くわからないが
現代舞台の短編ミステリとしてわりとよくある話にしかみえない
アニメにすると映えそうだとは思う
『とっておきの脇差』平方イコルスン ★*3 SF度:低
わずか6pの短編マンガ作品
これらが一冊分集まったものを読めば
なんとなく作者の描きたいものがわかるのかもしれないが
これだけだとなんともかんとも
決闘に第三者の立会いがなくて問題ないのかしら
『奴隷』西崎憲 ★*4 SF度:低
作者が寓意はないとおっしゃっているので
描かれていることそのままなのだと思われる
前の作品と同じくこの作品だけだと見当違いかもしれないが
現代に奴隷制度があるのが
ファンタジー(含むSF)なのだと思われるものの
過去の奴隷制度があったころを描いている現代の小説も
現代の常識で書かれているのだから
何も変わらないのではと思わないでもない
『内在天文学』円城塔 ★*5 SF度:高
別格特別扱いしても良いのではと毎年思うが
今回も流石の内容
他と違いすぎる
『ウィプスィード』瀬尾つかさ ★*4 SF度:高
『約束の箱舟』より評価高
作者として創造世界をいろいろ描きたいのだろうけれど
小説としては無駄が多くて
こういう中編でこそSFとしての良さが出るのだと思う
そういう意味で小川一水作品や上田早夕里作品と同じなのではなかろうか
単に好みの問題という可能性のほうが高いけれども
『Wonderful World』瀬名秀明 ★*4 SF度:高
未来予想にまつわるしごくまっとうに昔なつかしな味わい
人間の高尚さの程度はないからこそ理想に見える
『銀河風帆走』宮西建礼 ★*4 SF度:高
ひとつ上と同じく夏休みの夢てきな宇宙探索もの
日本SF周辺の季節は今夏らしいのにあまりふさわしくない気もする
まとめ
あまり目新しくこれというのはないものの平均点の高さは流石
短編ひとつでも強烈に引き込まれる個性を出すことと
短編単独でそれなりにわかったきになれるようまとめることの
両方ないと興味惹かれないのだから難しい -
Posted by ブクログ
今回もヴァラエティに富んだ面白い作品が集まっていて楽しめた。
宮内悠介「星間野球」
上田早夕里「氷波」
乾緑郎「機巧のイヴ」
山口雅也「群れ」
高野史緒「百万本の薔薇」
會川昇「無情のうた「UN-GO」第二話」
平方イコルスン「とっておきの脇差」
西崎憲「奴隷」
円城塔「内在天文学」
瀬尾つかさ「ウェイプスウィード」
瀬名秀明「Wonderful World」
宮西建礼「銀河風帆走」
「星間野球」
野球盤をテーマにしたお話。「盤上の夜」のゲーム連作のためのアイディアだったらしいが、これは設定といい、話の雰囲気といい全然合わない(笑)
宇宙ステーションにいる二人の男が地球帰還をかけて野球盤をする。
ほとんどそれだけの話なのに、相手を騙そうと知恵を凝らして次々に様々な手が繰り出され、読んでいてずっと楽しい感覚。ちっぽけなゲームに本気になるっていい。
「機巧のイヴ」
この作者の作品は初めてかつ、「時代ミステリ+ロボットSF」とのことで、どんなものかと思ったら拾いものをした気分に。時代小説として江戸時代の闘蟋の描写やあれこれが面白かった。全体的に上手いと思う。
「無情のうた「UN-GO」第二話」
やったらクオリティが高く、とても好きだったUN-GOの脚本。
脚本で読んでもやっぱり面白い。脚本だからこそ、どういう意図があったのか新たに解ることがあった。
「Wonderful World」
もうトリにはこれしかない!という作品(本書の構成上、最後に短編賞受賞作がきているけど)。
未来というマクロシステムと個人個人といった無数の要因=ミクロシステムとの間にあるものを倫理感と看破し、未来予測が可能になるという世界前夜の物語。震災以後、科学にとってのSF、SFにとっての科学などを正面から描いている。「SFは未来をつくる」。この作品自体がとても「倫理的」なものに感じる。
「銀河風帆走」
滅ぼうとする銀河系から別の銀河へと銀河間航行を実行している「人類」の姿を描いた力作ハードSF。往年のSFを今の科学知識からアップデートしたかのような作品。マグ・セイルのアイディアもSF的なロマン?があっていいなあ。
今こういうのを書くSF作家が新たに登場するのも面白い。