宮西建礼のレビュー一覧
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著者の初の単行本で、日本SF大賞特別賞を受賞している。「SFが読みたい2025年版」では、ベストSF2024国内編第4位にランキングされている。ちなみに第1位が春暮康一氏の『一億年のテレスコープ』である。また、表題作の「銀河風帆走」は創元SF短編賞受賞作である。
全5編からなる短編集で、初めの3編は高校生が主役となっており、いづれも課題や難問「挑戦する高校生」を描いている青春SFだ。ほか2編は、宇宙船に搭載された超AIが主人公となっており、彼(?)の一人称(弊機とは言わず私)になっている。どちらも人類の未来にとって重要なミッションを担っているのだが…
いずれの作品も変なひねりがなく -
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SFアンソロジー7作品短編集。
Genesisも3冊目となり、人の想いの数だけSFの世界があることを、あらためて知る構成。
SFは日常のそこかしこに息づき、私たちの人生に奥行きと彩りを添えてくれます。
『エレファントな宇宙』
アクションSF。ミリタリー好きな方に超オススメ。
宇宙から高次元生命体が飛来した。
その生命体とコンタクトした人間は、憑依され、未知数の破壊力を持つに至った。
最新鋭米陸軍部隊と特殊作戦に挑む3作目。
…前作を読んでいた方が、より楽しいかもしれない。
『メタモルフォシスの龍』
近似未来SF。
恋をしてはいけない世界で恋をしたひとたちの悲哀を描いた作品。
独特な文で -
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寡作のSF作家ということで、2013年の作品から最新の書き下ろしまで10年以上のスパンがある短編集。
解説にある「科学小説の初心が息づいている」といえのはそのとおりで、物語としての読みやすさもSFとしての歯応えもしっかりある。
高校生たちの青春SFから深宇宙を舞台にAGIを主役にしたものまで、物語の幅は広い。私は青春もののほうがよかった。
「冬にあらがう」という短編などは、終わり方が中途半端に思えて先が気になるくらい。むしろここからおもしろくなりそうな雰囲気を出しながら終わっていく。
ちなみにこの短編は2023年に書かれたものらしいが、いま現在(2025/6)話題となっている米騒動を予言し -
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ネタバレ主に宇宙・天文系のハードSF短編集
短編集が出たのが2024年なので、とても寡作な作者だが、次の作品を楽しみにしたい。
表題作:2013年の創元SF短編賞受賞作品だが、古臭さは感じない。銀河を航行する宇宙船形態になった人類は太陽風にのって遺伝子情報を他の星系に運ぶ壮大な設定。宇宙船には人格があり、宇宙船通しがおしゃべりをするのがストーリーの根幹。
星海に没す:AI搭載の船のAIを破壊すべく人類が送った刺客との闘いをAI搭載の船の視点で描く。AIの進化も考えさせらるが、宇宙における敵との攻防も面白く読めた。
もしもぼくらが生まれていたら:隕石が地球に落ちるのを阻止する話を高校生の視点で描く。ヤル -
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今回のアンソロジーは読みやすい作品が多かったように思える。あくまでも個人の感想であるが、世界観をぱっと理解できる短編揃いなのだろう。個人的に印象に残った作品は2つ。「メタモルフォシスの龍」(空木春宵)は個人的にはあまり好きではないジャンルなのだが、恋に破れると蛇化する女性と蛙化する男性、特に蛇化する女性の描写が生々しくも切ないのが良い。「されど星は流れる」は系外流星を流星同時観測の手法で探索する物語。科学を一生懸命やる話は私の好物である。遠くにある流星の母星と少し離れた観測者の男女の物語が接触しそうでしなさそうな、流星が地球をかすめていくような感じでよい。
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『星間野球』宮内悠介 ★*3 SF度:低
宇宙ステーションで野球盤ゲームをする話 バトルもの
カードでも宇宙ステーションでも登場人物が変わっても問題なく
だからなんだという話ではあるがそつのない内容
『氷波』上田早夕里 ★*4 SF度:高
土星の衛星と輪の探索に人口知性同士の会話で進む話と
とてもSFらしい作品
人口知性の及ぶ範囲を自ら表現するところが機知が楽しい
『機巧のイヴ』乾緑郎 ★*4 SF度:中
双子の入替りと同様のアンドロイドの入替りが題材のミステリ
双子もミステリ枠内におけるファンタジーだが
アンドロイドがSFなのにファンタジーでもあるところが不思議なところか
アンドロイドを -
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今回もヴァラエティに富んだ面白い作品が集まっていて楽しめた。
宮内悠介「星間野球」
上田早夕里「氷波」
乾緑郎「機巧のイヴ」
山口雅也「群れ」
高野史緒「百万本の薔薇」
會川昇「無情のうた「UN-GO」第二話」
平方イコルスン「とっておきの脇差」
西崎憲「奴隷」
円城塔「内在天文学」
瀬尾つかさ「ウェイプスウィード」
瀬名秀明「Wonderful World」
宮西建礼「銀河風帆走」
「星間野球」
野球盤をテーマにしたお話。「盤上の夜」のゲーム連作のためのアイディアだったらしいが、これは設定といい、話の雰囲気といい全然合わない(笑)
宇宙ステーションにいる二人の男が地球帰還をかけて野球盤を -
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