「机上の空論で現実には役に立たない」,
「常識的な案しか出てこないのであまり意味はない」などの
批判はあるとは思います。
けど,いやいや,現実的なアクションに落とし込めば十分役に立つし,
見落としがちな論点に光を当てることもできるし,
色んな角度から物事を見ることができると思います。
『僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか
絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想』も読めば,
あれこれ試行錯誤し,対案を出すモチベーションも
上がるかもしれません。
何故って,私達は問題山積の真っ只中にいる当事者なのですから。
§1 問題解決ケースの3ジャンル
問題解決の目的
(1)集団の効用(集団ケース)
①カネ(利益)目的(Pribateケース)
e.g. 企業の経営戦略
②カネ以外(公益)目的(Publicケース)
e.g. (ア)政府・自治体の公共政策
(イ)NPO・学校・サークルなどの運営戦略
(2)個人の効用(個人ケース)
e.g. 日常の個人的意思決定
§2 問題解決ケースの5ステップ
(1)前提確認
①語句の定義
あいまいな語句があれば,定義する。
②クライアントの特定
誰からの相談かによって,打ち手が制限されてくるため,
問題解決の当事者を決める。
③目標の具体化
売上増加,被害減少など,特定の指数の増減という形で具体的な目標を定める。
この際,主に対象エリア,タイムスパン,目標増加率の3点に注意する。
e.g. ■東京都における宅配ピザの売上を5年で2倍に
■日本における交通事故物件数を10年で3分の1に
①②に加え,③の対象エリアだけを定めて,
残りのタイムスパンや目標増加率に関しては
あまり強く定めず,「遊び」を持たせることが多い。
(2)現状分析
①キー概念:地図化
②「地図化」とは,問題を1枚の「地図」に落とす作業。
一般的には「構造化ともいわれる。
③「地図」さえあれば,たとえ考えるのが初めてであっても,
問題を高い視点から俯瞰し,
問題のツボ(ボトルネック)を特定することができる。
④本書では,「地図」の作り方として「フレームワーク」を駆使することを提唱している。
フレームワークとは,「物事を切り分ける仕組み」です。
基本的にMECE(Multually Exclusive,Collectively Exhaustiveの略で
「モレなくダブりなく」という考え方)
で成り立っている。
e.g. (ア)ビジネス系フレーム:3C,4P,AIDMAなど
(イ)非ビジネス系フレーム:需要・供給,インプット・アウトプット,心・技・体など
⑤「フレームワーク」で「思考のショートカット」ができる。
(3)ボトルネック特定
①地図で問題の全体を俯瞰し,問題の主要原因である「ツボ」
――本書では以下,「ボトルネック」と呼ぶ――を突き止める。
②ボトルネックの探し方
「ボトルネック」に対する代表的な打ち手をイメージして,
それらのImpact(実効性:効果)と
Feasibility(実行性:コスト・リスクなど)を予測するという知的作業が求められる。
「打ち手立案」・「打ち手評価」の先取りともいえる。
i.e.
各ボトルネックに対応した代表的な打ち手を想像し,それらの打ち手の魅力
(= Impact×Feasibility)を「先取り先取りシミュレーション」する。
③理解をさらに深めたい人向け
Impactをさらに2つのファクターに分解することができる。
Impact=Volume(改善余地の大きさ)×Potential(打ち手への感応度)
Impactの分析の際にVolumeとPotentialのうち片方しか考えなければ,
的外れなファクターをボトルネックとして選択してしまうことになる。
(4)打ち手立案
省略。
(5)打ち手評価
(4)で出した打ち手を評価し,優先順位づけをする。
評価するには「ものさし」となる評価軸が必要になるが,
それは先ほど出てきたImpact(実効性:効果),
Feasibility(実行性:コスト・リスクなど),
Time-Span(打ち手を打つまでの準備期間
and/or打ち手を打ってから効果が出るまでの発効期間)
などで評価することが多い。
§3 厳選フレームワーク50
省略。