小笠英志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ローレンツ変換のところがさじ投げている感あってめちゃくちゃ好きです。「この短いセクションで説明できるわけなかろうが」という開き直りが、そこかしこに散らばっていて、相対性理論とは何なのかを説明するのに、高度な数学知識が必要であることを、改めて思い知らされます。
ちなみに、この本で説明している内容は「特殊相対性理論」の薄皮にも満たない部分であることを承知の上で、雰囲気をつかむ程度で読むことをオススメします。あくまで、有名なエネルギーの式を導出するために助走なしで大ジャンプかますことが目的なので、無理筋を前提にしてください。
※ヨビノリたくみ著「難しい数式はまったくわかりませんが、相対性理論を教 -
Posted by ブクログ
語り口が「〜ですね?」「読者の皆さんなら⚪︎⚪︎はもう大丈夫ですね?」「見えますよね。」の繰り返しが多く、ねちっこい。おそらく著者の期待した効果は読者に与えられていない。とはいえ、数式を極力排して、多次元空間をなんとかイメージしてもらうことに腐心してくれていて、分野外からの初心者で視覚的理解から入るタイプの人にとってはありがたいことに変わりはない。高次元を考えるときに「一差高次元」は有用。根気強く見ていくと5次元くらいまでは頭の中でイメージできるようになった。4次元目の軸は時間発展にとって、5次元目とかは色相変化で取る。時計の短針・長針・秒針からのトーラスへのイメージは個人的にとても分かりやす
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Posted by ブクログ
ネタバレ一生懸命書いたけど,消えた..モチベ下がったので,以下,テキトーに書く.
「高次元が俺にも見えるかも??」と思って買った.
要約は以下.
1.高次元とはどんなものか?その具体例.
2.高次元と結び目の関連.(3次元空間で三葉結び目は解けない.でも4次元で取り扱えば解ける.4次元で解けない結び目はどんなものか?どうやって作るのか?)
3.高次元で考えること,及び,その意義.
テーマは,「一つ上の次元で考えよう.そうすれば見えてくる性質がある」
結び目を題材にして,高次元では結び目の性質がどのように変わるのか?と言ったことを説明している.
良い点は,難しい理論とか数式でなく,平易な図(と -
Posted by ブクログ
細かい理屈は抜きにして、直感的に高次元を見るための考え方が示されていて、実際に見ることができた。分かってしまえば非常に簡単で、どうしてこんなことに気づかなかったのかと思うほど。そしてトポロジーで出てきた「切断」の意味もようやく分かった。まさにこれが次元を1つ上げる操作だったとは。これでトポロジーが理解できたかといえばそんなことはない。そもそも本書は高次元を見ることに特化していてトポロジーそのものを説明しているわけではないし、理論のかなりの部分も端折られている。しかし、高次元を見ることができたことで、トポロジーの理解へ一歩進めたのは間違いないと思う。
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Posted by ブクログ
三次元までの図形であれば、その形状を頭の中で思い描けるし、紙の上で表現することもできる。これが四次元以上の高次元となると、想像することが難しくなる。本書は、まず高次元で物事を考えることは特別な状況ではなく、三次元世界で何かを考えるときにも必要な考え方であると説明される。目から鱗のポイントの一つである。では、高次元空間を直感できたかというと、最後は気合いで見るような感じであり、一筋縄ではいかないことが分かった。
丁寧に図解しているので、分かりにくくはないが、著書が見ている景色を自分が経験するところまでは至らなかった。個人的には高次元は図形で考えるよりも、集合と数式で理解する方が直感的かなとも思