小川いらのレビュー一覧
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ネタバレ大学二年の春、佐久間智春はバスケ部の勧誘をしていると高校の級友・大友寿志に再会する。
当時親しかった二人は、智春が大友が「ゲイ」であることを不用意にクラスメイトにバラしてしまったことから、気まずい別れ方をしていた。
そのまま転校して行った大友との友人関係を、バスケを通して修復したいと懸命にアプローチする智春に、最初は冷たかった大友も次第に打ち解けていく。だが、二人で過ごす次巻に心地よさを覚え始めたある夜、生理的現象に見舞われた智春は、そのまま大友に触られ達してしまう……。
とにもかくにも、智春は前向きで一生懸命。
ただし、よくも悪くも無邪気で正直なので、大友がゲイだと知っても、偏見 -
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「春、君を想う」で、優しくていい人で、かなり不憫だったカフェバーの店長、尚が主人公の続編。
前作の結末では割り切れない思いがやや残った分、その後失恋した尚がどうなったのか知ることができただけでも高評価です。
尚はかなり遠慮気味のやさしいタイプなので、どんなお相手だろうと思ったら、外務省勤務!官僚?しかもしっかりとした志を持つ男前です。
最初は単に酔った相手を介抱したことがきっかけで知り合っただけなのですが、偶然が重なるうちに少しずつ親しくなっていきます。それこそ住む世界が違う二人なんですが、食事が介在して距離が近くなる感じがごく自然。
私生活にまで手が回らず仕事に忙殺されている西浦に、つい世 -
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バイト先の先輩の彼氏に愛されて、戸惑う沙智の揺れる心を細やかに描いたハートフルなストーリー。
沙智は家庭に悩みを抱えているから、毎日が余裕なくて恋愛どころじゃない生活。でも、そんな環境にも負けず一生懸命生きていこうとする姿勢がとても健気です。
そして、そんな沙智に何かとやさしく接するカフェのバイトの先輩尚が、また裏表なくいい人。
なので、尚の彼氏である賢吾に好意を持たれても、拒絶するしかすべがない状況。沙智も彼に好意を持っているけど、尚のことを思いやる真面目でいい子なんです。
賢吾も第一印象とっつきにくそうで不遜な感じですが、読んでいくうちに意外に優しく男らしい性格であることがわかります。沙智 -
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ネタバレ弁護士の大澤は、遺産相続専門の弁護士。
母子家庭の家に生まれ、なんとか母親を楽にさせてあげたいと考えて「弁護士」という仕事を選んだけれど、司法修習が終わった直後、母親は末期のガンで帰らぬ人となってしまう。
それ以来、心の芯がぽっきり折れた状態で何をやってもいまいち張り合いがない。
なんとか自分の事務所を住宅街の一角に立ち上げ、食べて行くのに苦労はしなくなったけれど、日々は淡々と過ぎて行くだけだった。
そんな時、戦後最後の大富豪と呼ばれた男の遺産相続に関する問題についての相談を彼の親族から受ける。
それというのも、その大富豪は遺産をすべて「愛人」へ相続させるという遺言を残していたのだった。
当然 -
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ネタバレヤクザの愛人の子として生まれた宇佐美英志は、一見勤勉なサラリーマンだが、暴力団の一員。
横浜の事務所を任されてはいるものの、英志は自分を取り巻く今の状況を不本意だと思っていた。
おまけに自分はどうなってもいいと考えているから、実は自分の美貌と身体を利用していたりもした。
そんな英志の事務所にフリージャーナリストの国木田哲夫という男が怒鳴り込んで来た。
実は戦場カメラマンを主にしている、というその男はヤクザにもまったく物怖じせず、それどころか英志に無理やりキスを仕掛けてきて……。
挙げ句、泊まるところがないから部屋に泊めてくれと言い出す……
という話でした。
育ってきた環境