玄上八絹のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
うるうる
こんなに救いようのない話だったとは…
椿のおかれている境遇があまりにも可哀想で、うるうるしながら読みました。腹違いの兄達に散々な目にあわされても屈せず、十左が下男として来てからは唯一の光として矜持を持ち生きる姿に強さを感じました。 -
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リーマンもの。かなり好物なストーリーでした。ところでこれ、スピンオフだったんですね…知らずにうっかりこっちから読んでしまいました。でも、前作のcpがチラッと登場していて、簡潔に関係性がわかるように構成されていたので、大体これまでの経緯は想像つきました。安堵。
全編攻視点で描かれているので、大事なことに気付かされないまま、最後に攻と一緒の気持ちになってああそうだったのか…としみじみさせられます。
この展開は、火崎センセの作品を読みなれていると早い段階で気づくことになります。火崎センセも攻視点の話が得意ですよね。
偶然その手の夜の街で男と一緒に歩く会社の部下、中谷を目撃してしまった新倉。社内では -
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「トイチの男」スピンオフ。醒花堂の硅太郎と銀示cpの過去編です。
銀示のイメージがかなり違っていて、ちょっとびっくりしました。それでも、この10年前の美大生だった銀示は、浮世離れしていて危なっかしくて、ほっとけないかんじでとてもかわいいです。硅太郎の気持ちがものすごくよくわかります!感性もすばらしいです。まさしくアーティスト。
硅太郎は日本画を専攻する美大生で、実家の会社を継がずに絵で身を立てようとがんばっているのですが、自分には天性がないと苦しんでいます。自分が凡庸であることを思い知らされたのは、銀示の描く作品に出会ったから。
見知らぬ銀示に嫉妬と羨望を抱いてしまう硅太郎。
でも、実際に硅 -
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「背中を抱きたい」スピンオフ
会社員・新倉修司×部下・中谷聖
そんなに奇をてらったお話ではなかったけれど、聖の長い片思いがかわいらしく、現在の行動はいじらしい。
新倉は、「背中を抱きたい」の時より、悪い大人な感じ。
お話のタイプの割りに、Hシーンが濃いかな?そこは嬉しかったりして…。
主語、述語を使わなかったり、倒置法的な文章が雰囲気を作ってる文体なのですが、時々読み迷ってしまう。
文章中に使われている単語が、逆説的?っぽい時も、そんな風に彼が思ってるなら幻滅…、とか感じても、文脈からは、私がこうあってほしいと思ったので合ってるようだったり。 -
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ネタバレ痛くて、痛くて、痛いお話。
運命に翻弄されるとは、こういった事か?
十左の心情に揺さぶられる。
千代の忠誠心に感服。
異母兄たちからの暴行シーンは…。
あらすじ
島の灯台に幽閉され、腹違いの兄達の慰みものにされている椿は、敷島子爵家の嫡男として生まれた。しかし生まれてすぐ盲目となったため、家を継げず、今は兄二人に嬲られる日々を送っている。ある日、椿のもとに十左という男がやって来る。十左は椿を救おうとしたとはいえ、椿から父の庇護を奪った男だった。名を隠し椿の世話係となった十左は、兄達に仕込まれた薬で苦しむ椿を慰める。やがて二人は心を通わせ始めるが...。 -
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玄上さんが普通のBLを書いている…!
なんだかいつもよりクセのない読みやすい文章になってるような。
両親の離婚と母親の渡米のため、高校最後の半年を血の繋がらない叔父の家で過ごすことになった秋彦。叔父は23と若くて愛想がなく家事に一切興味のないピアノの調律姉、カミカ。
お菓子が好きで漠然とパティシエになりたいとは思うけど、努力だけではどうにもならない道であることも知っているので思い切れない。大学進学したら良いのだろうか。それとも母について行って渡米したらいいのだろうか判らなくてぐちゃぐちゃな秋彦の進路についての葛藤。
そしてカミカが過去と向き合い、誰かとの未来を考えるようになるまでを、2人