武田知弘のレビュー一覧
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最近話題となった23の紛争を取り上げ、その対立の原因や内容について詳細に紹介しています。
普段ニュースなどで何となくしか理解していない紛争もどのような理由で紛争が勃発し、またどのような経緯で戦いが進んでいったのか、かなり分かりやすく書かれています。
様々な利権や思惑が複雑に絡み合った紛争。その裏側にはニュースでは報じていない深いわけが隠されています。
世界の紛争の一つ一つには、民族、経済、宗教、資源などの問題が絡んでいます。そして紛争の当事者はだれもが、それなりに正当な理由を持っています。国際法上から見てどんなに悪そうに見えるものでも、彼らには彼らなりの正義を持っています。
自分たちの信 -
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歴史というものは勝者が作るもので、敗者が行ったことは小さく扱われるか無視される、というのが歴史に触れていると分かります。一旦「悪者」と烙印を押されてしまうと、当分の間覆ることがないということも、半世紀も過ごしていると実体験を通して理解できるようになりました。
日本史においても極悪人は何人もいましたが、これは世界史においてもです。この本の著者である武田氏が書かれた、ヒトラーを題材にした本で、彼は当時のドイツ国民に正統な手続きで選ばれたこと、ドイツ経済(失業対策・ハイパーインフレ)を立て直した素晴らしい実績があることを初めて知りました。当然、ユダヤ人のみを虐殺したことは悪であると、していますが、 -
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両親は戦前の生まれですが、戦前の様子を聞いた記憶がありません、幼かったので記憶がないのか戦後の苦しい思い出が強烈のようで、私にとって戦前の昭和は全くの未知の世界でした。特に戦後の奇跡の経済成長というのも、この本を読むことで、奇跡ではなく回復しただけという印象を受けました。
むしろ幕末や明治維新の頃の日本のほうが教科書によく載っていたのかもしれません。この本は戦前の日本が記されています、今まで知らなかった世界を垣間見て、興味深く読むことが出来ました。
以下は気になったポイントです。
・昭和4年の吉原では、泊まりが3~10円であり、現在の貨幣価値にすると、1~3万円である、1円=300 -
Posted by ブクログ
さっと読める上に面白い本でした。
信長が行った数々の施策をマネーという角度から捉えます。
資金面から競争力を常に優位にあるために、いかに人の集まるところを抑え、また人を集めることに腐心していたかがわかります。
岐阜城・安土城など、豪華な城を何度も建てたのは領民に安心感を与える象徴を示すため。その上で寺社が持っていた座の権利を奪い取り、楽市楽座を行い、人を集めることで情報とモノが集まってくる。
また、本願寺をはじめとする寺社勢力と対立したのも、彼らがすでにアンタッチャブルな存在になった経済力・軍事力をもつ集団であったがため。
戦国時代を経済の面から捉えた本として大変面白い内容でした。
同時に -
Posted by ブクログ
戦国時代は群雄割拠の時代で多くの名将が自国の領土を広げるために日夜努力をしていたようですが、各戦国大名は戦術を上げることに努力したようです。
一方、織田信長は短期間でほぼ日本の主要部(当時の日本は近畿地方がメイン)を支配したのですが、その差は何にあったかと考えると、鉄砲(火薬の原材料の調達ルートを独占する等)や年中戦える兵役制度があると思います。
それは当時としては独特でほかの大名が真似することができなかったのですが、それを可能にしたのが、この本の主要テーマである「信長の経済力」だったようです。
信長の本は多くありますが、彼の経済力に着目して分かり易く解説した本に初めて出会うことができ嬉