武田知弘のレビュー一覧
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明治維新を機に日本は一気に近代国家へ変貌した、というイメージを持っていましたが、果たしてそんな手品のようなことがなぜ日本で実現できたのか、ずっと不思議に思っていました。
この本の著者には今まで何冊か読んで多くの気づきを得たのを覚えています。それらの本を通して、明治維新後や戦後に素晴らしい成長を遂げたのには、それ以前に基盤が整備されていたからだと理解できました。
戦前や幕末はあまり良いイメージで伝えられることはなかっと思いますが、なぜ明治維新が成功したのかが、この本では経済改革という観点から解説されていて、とても興味深く読むことができました。
以下は気になったポイントです。
・日本が明治 -
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秀吉は家康と違い自分自身のバックボーンを持たなかった。版図を広げるたびに常に過度な褒美を与え続けなければならず、大盤振る舞いで天下統一事業は加速度的に進んだが、直轄領は思いのほか少なかった。また、天下を統一したということは与える土地がなくなったということをも意味する。無謀な朝鮮の役は必然であった。与える土地がないにもかかわらず徳川政権が長く続いたのはなぜなのか。戦国時代を経済の視点で読み解く。関ケ原開戦にあたって、三成に挙兵する隙を与えたこと。不利な陣形のまま臨んだこと。ギリギリまで動かなかったこと。天下分け目の大戦が数時間で終わったこと・・・・すべての謎が解き明かされる。三成についても多くの
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若干とんでも本の芳香がするものの読み物としては悪くない。今まで知らなかった事実を知ることができた。まずは、第二次世界大戦に至るドイツの歩み。国内には「日本は石油を求めてアメリカと開戦した」故にナチスとは違うとする主張があるが、著者に言わせればドイツの参戦理由も同じく経済制裁であり英仏との経済戦争である。ちなみに、第一次世界大戦のドイツの賠償金の最後の支払いは2010年であり、かつまだ若干未払いが残っている(WIKIで確認)。ヒトラーのズデーテン・ポーランド侵攻は、第一次大戦で(不条理に)失った自国領土の回復運動。(ポーランド回廊だけにしときゃ良かったのに)だいたい、1939年にはヒトラーはノー
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戦争映画ばかり観て興味を持っていた大日本帝国。
コンビニで見つけ買ってみました。
『教科書に載っていない大日本帝国の真実』というタイトルですが、僕は教科書で近代日本史について全然勉強してこなかったので固定観念の無い自然な無知さで読むことができました。えっへん。
明治維新から太平洋戦争の終戦までの時代についての内容で、教科書を少し砕いたような表現で書かれている。
- 軍国主義の時代
- 暗黒の時代
- 日本中が戦争のために犠牲になった時代
と、日本人として目を背けたいこの時代だったが、本質的にはどうなのか?本来はアジア諸国の独立と解放についてアジアからリスペクトされないといけない存在なのにも -
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太平洋戦争は軍部が独走したとか、戦争を避けるべきだった、実力に差がありすぎたのに無謀な戦いだった等と言われていますが、この本を読んで私の思い込みが少し変わりました。
戦争の前半では、当時世界最強と見做されていた英国を破って、最新鋭の戦艦や空母を壊滅させています。また、軍事技術や自動車等の生産も、アメリカに次いで世界で2位という実績を持っていたようですね。最も印象的だったのが、実は国民は戦争(及びそれによる好景気)を支持していたということでした。
戦争が終わってはや60年が経過して、身近に戦争を語ってくれる人がいなくなりましたが、戦争に関する一種のタブーのようなものがなくなって、この本の著者 -
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中学高校時代ともに歴史の時間はあったのですが、現代史は殆ど学ばなかったと記憶しています。従って現代史は社会人になって、それもごく最近に本によって学びました。戦前の日本は資源もないのに軍部が暴走して無謀な戦争に突入した、というイメージが払拭されたのが、この本の著者である武田氏の書かれた本(戦前の日本)でした。
この本は、その本をバージョンアップしたもので、当時の大日本帝国の経済力が既に欧米と拮抗していて、戦後の急成長は奇跡というより「単なる復興」であることを説明しています。
日本が米国と戦争をすることになったのは残念なことですが、この本は、戦争に至った根本原因にも触れていると思いました。
以 -
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これはかなり面白い。戦前、当時の人々がどんな暮らしを送っていたかを小ネタ形式にコンパクトに揃えた、まさにタイトル通り「教科書には載っていない戦前の日本」でした。
当時のミステリを読んでるとちょいちょい出てくる『カフェーの女給』とはどんなお仕事だったのか(そして、どこまでエロサービスしてくれるものだったのか←!)が気になっていたのですが、本書でスッキリ解決。
吉原の遊郭の話から戦前の不良少年(今で言う、厨二病的な通り名やグループ名が格好良すぎる。笑)、白系ロシア人の移民の話があると思えば、丸の内サラリーマンの豪華なランチ事情、履き物を脱いで上がるデパートなど、もう、どれを読んでも「へぇー!」の連