若竹七海のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
海に面した半島に建つヴィラ・葉崎マグノリア---10棟が立ち並ぶコテージの空家で変死体が発見された。遺体の身元が確認できないような状況の中、刑事達が聞き込みを開始するが、ヴィラの住人達は皆個性的で証言を取るのも一苦労する有り様。おまけにトラブルメーカーの住人までが殺されてしまう。連続殺人の様相を呈してきたかに思われたが…。葉崎を舞台にした若竹印のコージー・ミステリ。ピリ辛ユーモアが随所に盛り込まれ、中でも一番興味を惹いたのは、ハードボイルド作家の角田港大。トレンチコートにサングラス、料理自慢のレストランでいきなり「テキーラ、オン・ザ・ロックで」と注文するような、作品を体現した胡散臭い男で笑える。角田に関しては最後に楽しいオチ(作家は○○だった)も用意されていて、風刺が効いているのがいい。謎解きのカギは後半に集中していて、そこまでは住人達の噂話、秘密の暴露、勝手な解釈に振り回されるドタバタした展開。極めつけは、角田が犯人に鋭い指摘をした後でカッコよく退場した際に見せた大失態(笑)と、これに続く追いかけっこ。真相はちょっとこじつけ&偶然に頼りすぎている感もあるが、これまた最後まで裏の裏を用意してあるところが、ミステリ好きな作家らしい。惜しいな〜と生意気にも思ったのは、登場する女性陣が皆強気な性格で、何らかの形で連れ合い(夫・彼氏)を失い、たくましく生きているという状況が似ており、個々の区別がしにくかったということ。若竹作品の定番ともいえる女性像で、このしたたかさは好きなのだが、今回はキャラ同士がかぶっているように思えてちょっと残念。
-
Posted by ブクログ
コージーミステリの若竹氏のもうひとつの顔ともいうべき心霊ものを含む短編集。(すべてではないが)連続する次の話にオチが繋がるような終わり方をしたり趣向を凝らしているのがおもしろい(それとも偶然?)ホラー系は苦手なのに、読み始めたら最後まで読まないと気がすまない性分のため、どうにか完走。(ネタバレ注意)短編はネタバレしないように感想を書くのが難しいので、一言コメントと納得の☆印を各小話につけることにする。「のぞき梅」迷信に囚われる家族。「影」はじめに出てくる怪談がなにげに怖い。「樹の海」自分でした怪談にビビる作家。「白い顔」次の話に繋がる最後のオチがホント怖い。でもなんで○○が?☆「人柱」丙午の女性にまつわる話は初耳。「上下する地獄」世にも奇妙な○○のようなオチ。「ステイ」ステイの意味で連想するのは?「回来」妻の最後の言葉に囚われた末路。「追いかけっこ」3人の幼馴染に起こった不思議話。「招き猫対密室」ミイラ取りがミイラに。☆「バベル島」バベル島=バベル塔。バベル塔建設の理由に思い至ったときの戦慄!☆どの小話も空恐ろしい。
-
Posted by ブクログ
葉崎市の美術館で孤軍奮闘で働いていたのだが、市長が変わり美術館が閉館された。職を失いどうしようか考えてると大林国際観光グループの部長の大林孝雄から電話が掛かって来た。大学時代の先輩で、特に親しかった訳ではないのに・・・。彼からの話は、昔の女優・作家だった今は亡き曾根繭子のコレクションを整理して、資料室を作りたいと言う事だった。承諾して金沢市郊外にある銀鱗荘ホテルに・・・。
そこには、創始者が集めた曾根繭子の膨大なコレクションが眠っていた。コレクションは、舞台衣装から繭子が使った割り箸・下着・・・など異様なまでの執着が・・・。
そして、一つのフイルムと戯曲の本が見つかった。そこに書かれた事が実演するかのように奇怪な出来事が次々と起こる。人や猫の失踪。人体発火・・・。人々が目にすることとは?終焉はどこにあるのか?
若竹七海のホラーです。この本は、再読であります。前に読んだ時は、新津きよみの「女友達」今邑彩「ルームメイト」を読んだ頃だったので印象が薄かったのでもう一度読もうと手に取ったのですが・・・。やっぱり、上げた二冊の本の方が面白かったです。若竹さんは、ミステリーの方が面白いと改めて思いました。ん〜でも、女性が読むと怖いのかな?女性の方がジワリジワリと恐怖が伝わるかもです。 -
Posted by ブクログ
日常の謎、コージーミステリーが得意な若竹七海が送るホラー系を集めた短篇集です。
「のぞき梅」
若くして死んだ友達の家から遊びにおいでと言われて、梅のゼリーを持って訪れたのだが、お土産の梅のゼリーを拒絶されてしまう。この家族は、どうして梅を口にしないのか・・・。
「影」
Kさんのマンションの駐車場の天井にあるシミを見て、Kさんはある話を始めた。それは、実家の部屋から見える一軒の家の話だった。
「樹の海」
口ばっか達者な作家の担当編集者は、その日も晩酌に呼ばれて嫌々ながら話を聞いていた。それは、最近彼が巻き込まれた殺人事件の話だった・・・。
「白い顔」
彼は、妻が居たのだが不倫をしていた。その相手は、自分で家を建てる予定だったのだが2度も建てる段階で失敗してた。彼がその跡地に訪れると白い顔の女性の姿が・・・。
「人柱」
ある刑事のもとに、先輩から相談事を持ち込まれた。先輩の父親は、過去に地下鉄のホームから転落ししていた。最近その父親の部屋から、日記が見つかった。先輩は、呪いと関係があるというのだが・・・。
「上下する地獄」
25階建てのオフィスビルで何も入って無いのはずの八階で降りる女性がいた。ここは、もともと墓場だった所だったのだが・・。
「ステイ」
アルバイトを始めたのだが、自宅兼会社のその場所には、夏休みのため社長の子供達がいた。子供達は、夜に行方不明のママを見たと言うのだが・・・。
「回来」
母親を交通事故で無くした親子は、この町から東京に引っ越すことにした。途中でコンビニに寄ったのだが、そこでコンビニ強盗の事件に巻き込まれる。
「追いかけっこ」
幼馴染の男二人女一人。それぞれが語る思いとは・・・。
「招き猫対密室」
古本屋の店先で置いてあった招き猫。この招き猫は、消えたり現れたりすると言う話を聞いた。その招き猫があった家庭の事情とは・・・。
「バベル島」
ある金持ちが島ごと買取、聖書にあるバベルの塔を造りだした。祖父の日記を見てこの地を訪れたのだが、祖父の時代から造り始めたバベルの塔は、完成をまじかにひかえてたのだが・・・。
この短篇集は、ストレートに恐怖を伝えてくるかな?ん〜短編なのであっさりしすぎの感じも・・・やはり七海さんは、長編が好みだな〜ホラーなのでちょこっときますね -
購入済み
誰が主人公なの?
登場人物の立位置がいまいちわかりずらいのでぐいぐい引き込まれていかない。本に関するうんちくもイマイチ。ビブリア古書堂の事件簿に比べるとだいぶ落ちるかなぁ。