小林照幸のレビュー一覧

  • 朱鷺の遺言

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    ネタバレ

    とても感動して、後半はウルウルした。特に、木に止まるキンちゃんの写真を見た時は、奇跡を感じた。
    1.佐藤さん高野さん宇治さんの感動秘話があったこと
    2.朱鷺絶滅の詳細な話を知らなかったこと
    3.作者の詳細な調査と取材そして、引き込まれていく文章

    この本を読む機会があったことに感謝したい。

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    2017年12月23日
  • 朱鷺の遺言

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    [艶やかなるその遺志]かつては空に羽ばたく様子が多く見られた朱鷺(トキ)。昭和前期、その名前だけは耳にしたことがあった佐藤春雄は、ある日実物を見かけ、その美しさに惚れ込み、仕事の傍ら日々の観察を欠かさないようになる。朱鷺の生活環境が年々進む開発で厳しさを増すことを憂いた佐藤は、独力ながらもその保護のために活動を続けるのだが、時代の流れと重なり、その活動は思いがけない展開を見せることに......。朱鷺と人間の知られざる交流を描いた作品です。著者は、本書で第30回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した小林照幸。


    とにかく美しい一冊でした。佐藤氏を始めとして献身的な朱鷺の保護活動に勤しむ方々の姿

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    2014年08月13日
  • 政治家やめます。 ある国会議員の十年間

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    「政治家に向いていない」という理由で政界を引退した自民党の元国会議員の久野統一郎氏の選挙出馬から引退までを描いている。
    統一郎氏の父は郵政大臣を務めた国会議員の久野忠治。
    統一郎氏は父の跡を継ぐ気はなかったが外堀を埋められ、立候補した。
    この本では国会議員の日常が描かれたいる。昨今世襲議員への非難が高まっているが世襲議員と言えども自分の本意とは逆のことを有権者にアピールしなければならないなど様々な苦悩がある。ただ、統一郎氏が認めているように地盤のない新人は一からすべてを用意しなければならないので世襲議員がこれからも増えることは十分に有り得る。

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    2013年09月07日
  • 海人(UMINCHU)

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    自然だけでなく、戦争、海の汚染、基地問題〜さまざまな変化のなかで淡々と漁師を続ける主人公。これぞ 海人 

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    2009年10月04日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    我が家には田んぼがある。自家消費分と少し売るだけの米を作るくらいの田んぼだ。
    田起こしが終わって、代掻きが始まるまでに出水口に仕切りを立て、土を詰める。田んぼの水位を保つためだ。
    田んぼの土をとり、水が漏れぬよう仕切りと田んぼの間に詰める。
    掴む土に、ミミズが顔を出す。
    田んぼに水が入ると代掻き。あめんぼう、かえるの卵、機械に巻き込まれて浮かびあがる、かえるの死骸……いろんなものが水を張った田んぼにあらわれる。
    農作業で使ったトラクターは、田んぼのすぐ脇で泥を落としている。用水路から水を汲む。
    近くには、真偽はわからないが昔肥溜めだったというコンクリ製の枡が残っている。

    我が家のある土地は、

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    2025年07月16日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    山梨、広島、佐賀のある地域のみで古くから恐れられてきた謎の死の病。その原因究明から治療法の確立、撲滅までの一世紀余に亘る人々の苦闘の歴史。
    ……濃厚なドキュメンタリーを一気見した読後感。

    元々書店で『羆嵐』『八甲田山死の彷徨』と並べられ“Wikipedia3大文学”として紹介されていたのを手に取ったもの。かつ日本住血吸虫症は小学生の頃児童向けの科学?の本に載っていた(死の床にある患者の挿し絵がトラウマ)ので、ミヤイリガイという名称と共に覚えていた、ということもある。
    ま、『羆嵐』も『八甲田山死の彷徨』も実際の悲惨な事件を小説化したものであり、作品の大部分は恐怖と絶望の色が濃厚なのに対して、本

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    2025年06月09日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    今や忘れられつつある寄生虫を原因とする様々な病い。私は子供の頃遥かな記憶で蟯虫検査をしてたのを微かに覚えています。蟯虫がいると虫下しを飲まされていましたが、自分の子供たちはもう検査はやってなかったように思います。

    ここで取り上げられている「日本住血吸虫症」は蟯虫とは比べ物にならない死の病とも言っていい業病で、流行地での感染率は高く、そこで暮らす人人々は正に死を賭して生活をしてました。

    その病の解明と根絶のために、大学教授や医師が多くの困難を乗り越えていく様を描いたノンフィクション。結局根絶までには第二次世界大戦もあったので100年以上の年月がかかるのですが、その執念は鬼気迫るものもあるし、

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    2025年03月08日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    公衆衛生に携わる人々の歴史が、詳しく書かれている。
    日本のどこにでもある農村風景は、今では、日本住血吸虫症の跋扈した時代からは大きく変わり、人々を苦しめる寄生虫の媒介宿主と接触しないように、人工的環境構築が進められてきた。のどかな手つかずの自然というのは、生身の人間にとって危険であったことが、忘れられようとしている。
    だが、公衆衛生や医学の研究者は、かつて人類を苦しめた寄生虫、ウイルスについてのノウハウが散逸してしまわないよう研究を継続する必要がある。

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    2025年02月24日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    なんとなく名前を聞いたことあったかなぁくらいであった日本住血吸虫症。
    まさかこんなにも壮絶な闘いの歴史があったとは。
    調査研究にあたられた全ての方に敬意を。
    また、当時の流行地に住んでいた方たちの闘いの歴史にも頭が下がる思いです。
    まさか、今に続く山梨での果樹生産が盛んになった元の一つにそんな事があったなんて。

    河川や用水路がコンクリートで整備される、そして関が作られる原因の中にこんな事があったなんて。

    河川敷が整備される理由にこんな事があったなんて。

    もちろん治水の意味が大きいのでしょうが、流行地に於いては違う意味もあったんですね。

    世の中は知らない事だらけです。

    ミヤイリガイにつ

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    2025年02月08日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    私が生まれた頃にも、こんな恐ろしい病気があったとは露知らず。しかも、故郷の近くで起きていた。
    数千年も前からあったとされるこの病気。近代においてようやく原因と対策が出来るようになり、ここに至るまでの歴史を知ることで、『現代』の有り難みに気づく。
    人々が撲滅したい、解決したいという想いや熱意を感じることができ、改めて自分の存在の尊さを感じることができた

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    2024年12月11日
  • 犬と猫 ペットたちの昭和・平成・令和

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    読みやすさを考えてだろうが、ノンフィクション的な内容のフィクションになっており、どっちつかずの印象なのが残念。
    データを生かすなら、ノンフィクションで読みたかったが、そうすると検証レポートのようになってしまうのだろうか。

    全体的には星3つだが、この本を読んだことで、飼い猫にマイクロチップを付けようと決意できたので、ありがとう分でプラス1。

    獣医師として動物愛護管理センターに長く勤める主人公を中心に、ペットを取り巻く環境や法の変遷を描いており、流れを掴みやすかった。

    死なせなければならない犬猫が1匹でも減って欲しいという思いが伝わり共感度も高かった。

    野犬狩りが行われていた時代や、殺処分

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    2021年09月13日
  • 検疫官 ウイルスを水際で食い止める女医の物語

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    岩崎恵美子さん自身の生命力がすごいというか。
    やりたいことや使命感を前に、男性だから、女性だから、母親だから、というくくりは言い訳でしかないのかな、と励まされます。

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    2020年04月29日
  • 検疫官 ウイルスを水際で食い止める女医の物語

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    「私は自分の人生を二十五年周期に区切っている。生まれてから
    二十五年は自分のための二十五年だった。二十六歳からの二十五
    年間は、家族のために使う二十五年だと思って生きて来た。医師
    としての仕事は、自分のためでもあるけれど、家族を養っていく
    ためのものでもある。でも、五十歳からの二十五年間は、医師の
    仕事をそのまま社会に役立てることができると思っている。五十
    を過ぎてからの二十五年は、私は社会のために使っていきたいと
    思っているんだ」

    耳鼻科医となり、結婚後に伴侶の仕事の関係でアメリカに渡り、
    そこで出会ったポーランド系アメリカ人の男性医師は有言実行
    の人だった。

    言葉

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    2019年05月01日
  • 朱鷺の遺言

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    朱鷺を守ろうとする人々の情熱がすごい。国があまりに分からず屋で苛立った。朱鷺の命を守るため、朱鷺との友情を裏切る悲しいエピソードが心に残った。

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    2018年12月02日
  • パンデミック―感染爆発から生き残るために―

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    丁度新型インフルエンザが騒がれてた頃に、パンデミックについて記述した一冊。

    インフルエンザに限らず、デング熱やマラリア、はしかなどの脅威と、それを防ぐためのプレパンデミックワクチンの重要性を知ることができた。

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    2018年04月14日
  • 車いす犬ラッキー 捨てられた命と生きる

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    車イス犬がいることは知らなかった。動物病院がない島で犬を飼うことは大変である。犬と飼い主との信頼関係ができていて、心温まるお話であった。

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    2018年01月13日
  • 政治家やめます。 ある国会議員の十年間

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    父は土建屋から国会議員になり、後に自民党田中派の有力
    幹部となった久野忠治。政治家である父の姿を見ながら、
    「とても自分には政治家は務まらない」と、息子は思って
    いた。

    いくつかの転職をし、旧日本道路公団で道路の建設に係わる
    サラリーマン生活を送っていた息子に、ある年の正月、父は
    頼みごとをした。「名古屋まで車の運転を頼めないか」。

    その父の言葉で、サラリーマン生活に終止符が打たれるとは
    本人も思っていなかった。父の地盤を継ぎ、二世議員として
    3期10年に渡り国会議員を務めた久野統一郎の10年を綿密
    に描き出したのが本書だ。

    「普通の人の、普通の人による、普通の人の政治」を目指した。

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    2017年08月20日
  • 政治家やめます。 ある国会議員の十年間

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    代議士の息子だが、サラリーマンをやっていていきなり後継者にされてしまって、10年間は我慢した久野。
    陣笠代議士?のリアルな日常が載っていて面白い。

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    2018年10月20日
  • 熟年恋愛講座 高齢社会の性を考える

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    あまり知らない世界に触れ合うことが出来て、なかなか興味深い内容だった。ただ、若者の性を扱う論評とかでもそうだけど、誇張が過ぎるきらいがありますね。もちろん筆者も、皆が皆、性に貪欲とか言いたいわけじゃないと思うけど、書かれている内容を見ると、ともすればそう受け取られかねないような印象も。まあでも、自分のみに置き換えて考えてみても、なかなか深刻な問題ですよね、このへんって。高齢化が進む中で、どういう解決策が見出されていくのでしょうか。

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    2016年08月04日
  • 熟年恋愛講座 高齢社会の性を考える

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    極めて★五つに近い。
    むっちゃ考えさせられる。一部、偏った状況を取上げてると思うのだが。
    将来にあるのは、希望か絶望か。今のわたしには判らない。

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    2013年12月21日