小林照幸のレビュー一覧

  • 朱鷺の遺言

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    ネタバレ

    とても感動して、後半はウルウルした。特に、木に止まるキンちゃんの写真を見た時は、奇跡を感じた。
    1.佐藤さん高野さん宇治さんの感動秘話があったこと
    2.朱鷺絶滅の詳細な話を知らなかったこと
    3.作者の詳細な調査と取材そして、引き込まれていく文章

    この本を読む機会があったことに感謝したい。

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    2017年12月23日
  • 朱鷺の遺言

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    [艶やかなるその遺志]かつては空に羽ばたく様子が多く見られた朱鷺(トキ)。昭和前期、その名前だけは耳にしたことがあった佐藤春雄は、ある日実物を見かけ、その美しさに惚れ込み、仕事の傍ら日々の観察を欠かさないようになる。朱鷺の生活環境が年々進む開発で厳しさを増すことを憂いた佐藤は、独力ながらもその保護のために活動を続けるのだが、時代の流れと重なり、その活動は思いがけない展開を見せることに......。朱鷺と人間の知られざる交流を描いた作品です。著者は、本書で第30回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した小林照幸。


    とにかく美しい一冊でした。佐藤氏を始めとして献身的な朱鷺の保護活動に勤しむ方々の姿勢は、本当に真っすぐすぎるほど真っすぐで読んでいてその思いに何度か目頭が熱くなりました。佐渡を中心として本当に物語と見まがうかのごとき展開に驚きを覚えたこともしばしば。朱鷺にまつわる書籍を初めて読みましたが、その最初の1冊が本書で良かったと思います。


    本書の魅力の一つとなっているのは、朱鷺を入口として環境問題や都市開発、さらには生命倫理の問題までをも射程に入れているところではないでしょうか。そのそれぞれに対立する意見や動きが見られることもあり、決して綺麗ごと一辺倒では済まない保護の現場を垣間見させてもらいました。なお、本書を読むと無性に佐渡に行きたくなりますので、その点は(良い意味で)ご留意を。

    〜私は、トキを鳥という視点ではなく、ひとつの生命と思っています。〜

    文庫版は近年の情勢をめぐるあとがきも追補されていますのでオススメ☆5つ

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    2014年08月13日
  • 政治家やめます。 ある国会議員の十年間

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    「政治家に向いていない」という理由で政界を引退した自民党の元国会議員の久野統一郎氏の選挙出馬から引退までを描いている。
    統一郎氏の父は郵政大臣を務めた国会議員の久野忠治。
    統一郎氏は父の跡を継ぐ気はなかったが外堀を埋められ、立候補した。
    この本では国会議員の日常が描かれたいる。昨今世襲議員への非難が高まっているが世襲議員と言えども自分の本意とは逆のことを有権者にアピールしなければならないなど様々な苦悩がある。ただ、統一郎氏が認めているように地盤のない新人は一からすべてを用意しなければならないので世襲議員がこれからも増えることは十分に有り得る。

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    2013年09月07日
  • 海人(UMINCHU)

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    自然だけでなく、戦争、海の汚染、基地問題〜さまざまな変化のなかで淡々と漁師を続ける主人公。これぞ 海人 

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    2009年10月04日
  • 朱鷺の遺言

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    かつて日本にトキが舞う田んぼの風景があった。そして絶滅。
    最後のトキと自然の中で触れ合う・捕獲する、繁殖を試みる・・・。かかわった人にもいろんな思いがあった。

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    2026年02月01日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    我が家には田んぼがある。自家消費分と少し売るだけの米を作るくらいの田んぼだ。
    田起こしが終わって、代掻きが始まるまでに出水口に仕切りを立て、土を詰める。田んぼの水位を保つためだ。
    田んぼの土をとり、水が漏れぬよう仕切りと田んぼの間に詰める。
    掴む土に、ミミズが顔を出す。
    田んぼに水が入ると代掻き。あめんぼう、かえるの卵、機械に巻き込まれて浮かびあがる、かえるの死骸……いろんなものが水を張った田んぼにあらわれる。
    農作業で使ったトラクターは、田んぼのすぐ脇で泥を落としている。用水路から水を汲む。
    近くには、真偽はわからないが昔肥溜めだったというコンクリ製の枡が残っている。

    我が家のある土地は、有病地ではない。
    この本の風土病の話は身近なものではなかった。
    しかし、もし、この寄生虫がいる地域だったら…?
    感染は何も珍しいことではない。今は機械を使っているが、田んぼには生き物があふれ、水には否応もなく触れる。
    一昔前なら、あの肥溜めには肥料という名の排泄物が溢れていただろう。
    夏なら近くの川では家族連れがBBQ。
    知識と意識がなければ、容易に感染してしまう。
    仮に、農作業のあとに足や手にかぶれが出ていても「なにかかぶれる植物に触ったんだろう」と思うだけだ。
    農家の目線からすれば、あまりに日常すぎる、すぐ隣にいる恐怖だ。
    あの田畑から、人間の体内にもぐりこむ小さい寄生虫を探せ!というだけでも目の前がまっくらになる。田畑には生き物が多く、タニシのたぐいは珍しくない…。
    それを、勇気と尊い犠牲と、執念と知識と責任感で追求し、ついに発見、克服をした医療関係の方々には尊敬の念しかない。

    昭和あたりの作品では、自然破壊の描写に、コンクリーで固められた河川が描かれることが多々ある。護岸工事で人工物に覆われた川には蛍は飛ばない…なんと嘆かわしいことか、と語られる。
    ある資料館の郷土史家の展示で、最近は牛馬を飼わなくなり、農家の生き方もせわしくなった…という話が載っていた。
    たしかに、これは自然破壊であり、穏やかだった農家の生活の急変だろう。

    しかし、これが有病地だったら…?
    護岸工事によって住血吸虫を宿すミヤイリガイはなくなり、感染を広げる牛馬が減れば、人的被害も抑えられる。
    自然破壊が一転して、住血吸虫症の犠牲者を減らす懸命の行動になる。

    そう思えば…「自然に優しい」は「人間にも優しい」とは必ずしもいえないことに気づく。
    毒物は、鉱毒よりも生物が作った毒のほうが効きやすいともいう。生体に効くことを目的にした構造をしているからだという。

    自然破壊はたしかに問題だ。
    だが、自然に優しくすれば、自ずと人間も過ごしやすくなる!と言っていられるのは、
    今の「人間に住みよくなっている環境」だから言えることではあるまいか。
    安心安全な上水道、わけられた下水道、厳しい衛生基準で作られた飲食物、危険な寄生虫の宿主をはびこらせないように固められた河川、牛馬と違って感染しないトラクター…。
    無菌室のような環境で語る、豊かな自然には、人命を奪う様々なものがいること、
    それと戦うには100年の長い時間が必要となるこもを、今一度考える必要があるのではないか。
    無数の生き物が、人間の都合関係なく蠢く田んぼを脳裏に、そう思った。

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    2025年07月16日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    山梨、広島、佐賀のある地域のみで古くから恐れられてきた謎の死の病。その原因究明から治療法の確立、撲滅までの一世紀余に亘る人々の苦闘の歴史。
    ……濃厚なドキュメンタリーを一気見した読後感。

    元々書店で『羆嵐』『八甲田山死の彷徨』と並べられ“Wikipedia3大文学”として紹介されていたのを手に取ったもの。かつ日本住血吸虫症は小学生の頃児童向けの科学?の本に載っていた(死の床にある患者の挿し絵がトラウマ)ので、ミヤイリガイという名称と共に覚えていた、ということもある。
    ま、『羆嵐』も『八甲田山死の彷徨』も実際の悲惨な事件を小説化したものであり、作品の大部分は恐怖と絶望の色が濃厚なのに対して、本書はあくまでもノンフィクションであって、かつ死の病の悲惨さよりも、それらに必死に立ち向かった医師や研究者らの姿にフィーチャーした―という点でも前二書とは全く異なる味わい。
    日本住血吸虫症は現在、日本国内では撲滅した―とのことであり、寄生虫症や風土病という言葉自体過去のものとして忘れられつつある。人(特にその地域)にとっては負の歴史なのかもしれないが、それでも風化させてはならない記録であり記憶なのだと思う。

    これは蛇足。

    山梨県が果物王国、国内屈指のワインの産地となったのは、この病気が一つのきっかけ、というやや捻くれた見方もできなくもないわけで、なるほどなぁと言うか。

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    2025年06月09日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    今や忘れられつつある寄生虫を原因とする様々な病い。私は子供の頃遥かな記憶で蟯虫検査をしてたのを微かに覚えています。蟯虫がいると虫下しを飲まされていましたが、自分の子供たちはもう検査はやってなかったように思います。

    ここで取り上げられている「日本住血吸虫症」は蟯虫とは比べ物にならない死の病とも言っていい業病で、流行地での感染率は高く、そこで暮らす人人々は正に死を賭して生活をしてました。

    その病の解明と根絶のために、大学教授や医師が多くの困難を乗り越えていく様を描いたノンフィクション。結局根絶までには第二次世界大戦もあったので100年以上の年月がかかるのですが、その執念は鬼気迫るものもあるし、地道な研究には日本人の地力を見る思いもします。似た寄生虫に起因する病気は東南アジアを中心に世界でも流行地があるので、中間寄生宿主の発見者はノーベル賞の候補になったみたいです。

    今や時は流れ、多くの人は住血吸虫症の記憶は薄れて、中間宿主のミヤイリガイについては絶滅危惧一類にも指定されている状態で、自然環境の多様性とかを考えるとこれから先の保護?の仕方等には微妙な問題もありそうである。中々一筋縄では答えは出せない気もする。

    怖いもの見たさで読み始めた本書だが、自然の摂理の巧妙さに驚かされるとともに、ミヤイリガイの繁殖力と、その一方でちょっとした事で住めなくなる自然界のバランスの難しさにも驚いた。

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    2025年03月08日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    公衆衛生に携わる人々の歴史が、詳しく書かれている。
    日本のどこにでもある農村風景は、今では、日本住血吸虫症の跋扈した時代からは大きく変わり、人々を苦しめる寄生虫の媒介宿主と接触しないように、人工的環境構築が進められてきた。のどかな手つかずの自然というのは、生身の人間にとって危険であったことが、忘れられようとしている。
    だが、公衆衛生や医学の研究者は、かつて人類を苦しめた寄生虫、ウイルスについてのノウハウが散逸してしまわないよう研究を継続する必要がある。

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    2025年02月24日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    なんとなく名前を聞いたことあったかなぁくらいであった日本住血吸虫症。
    まさかこんなにも壮絶な闘いの歴史があったとは。
    調査研究にあたられた全ての方に敬意を。
    また、当時の流行地に住んでいた方たちの闘いの歴史にも頭が下がる思いです。
    まさか、今に続く山梨での果樹生産が盛んになった元の一つにそんな事があったなんて。

    河川や用水路がコンクリートで整備される、そして関が作られる原因の中にこんな事があったなんて。

    河川敷が整備される理由にこんな事があったなんて。

    もちろん治水の意味が大きいのでしょうが、流行地に於いては違う意味もあったんですね。

    世の中は知らない事だらけです。

    ミヤイリガイについてのノーベル賞。いつか実現するといいなと思います。寄生虫について世界中に貢献したようですから。

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    2025年02月08日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    私が生まれた頃にも、こんな恐ろしい病気があったとは露知らず。しかも、故郷の近くで起きていた。
    数千年も前からあったとされるこの病気。近代においてようやく原因と対策が出来るようになり、ここに至るまでの歴史を知ることで、『現代』の有り難みに気づく。
    人々が撲滅したい、解決したいという想いや熱意を感じることができ、改めて自分の存在の尊さを感じることができた

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    2024年12月11日
  • 犬と猫 ペットたちの昭和・平成・令和

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    読みやすさを考えてだろうが、ノンフィクション的な内容のフィクションになっており、どっちつかずの印象なのが残念。
    データを生かすなら、ノンフィクションで読みたかったが、そうすると検証レポートのようになってしまうのだろうか。

    全体的には星3つだが、この本を読んだことで、飼い猫にマイクロチップを付けようと決意できたので、ありがとう分でプラス1。

    獣医師として動物愛護管理センターに長く勤める主人公を中心に、ペットを取り巻く環境や法の変遷を描いており、流れを掴みやすかった。

    死なせなければならない犬猫が1匹でも減って欲しいという思いが伝わり共感度も高かった。

    野犬狩りが行われていた時代や、殺処分数値が1日80匹もいた時代に比べたら、現在はずいぶん状況が改善している。数値だけでなく、苦しまずに死なせる方法なども含め、改善スピードが早いことに驚いた。
    比較するのも変だが、夫婦別姓や同性婚、難民支援より余程改善が早いような。
    犬猫嫌いな人もいるが、法律改正は、人に関することより反対が出にくくて、改正しやすいのかも。

    地域の保護活動グループができてきたことや、犬猫番組や本や漫画の存在も大きいだろう。
    著名人が保護犬猫を飼って情報発信したり、本を書いたり、写真や動画をアップするのも追い風になっただろう。

    ただ、順調に下降してきた数値が、コロナで再び上昇しないか、著者が心配していることが執筆のきっかけだったらしい。

    譲渡会などが難しくなっており、経済的に飼えなくなる人も出てくるだろうと。ボランティアグループの経済状況も悪化していると。

    心配が杞憂に終わることを祈る。



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    2021年09月13日
  • 検疫官 ウイルスを水際で食い止める女医の物語

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    岩崎恵美子さん自身の生命力がすごいというか。
    やりたいことや使命感を前に、男性だから、女性だから、母親だから、というくくりは言い訳でしかないのかな、と励まされます。

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    2020年04月29日
  • 検疫官 ウイルスを水際で食い止める女医の物語

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    「私は自分の人生を二十五年周期に区切っている。生まれてから
    二十五年は自分のための二十五年だった。二十六歳からの二十五
    年間は、家族のために使う二十五年だと思って生きて来た。医師
    としての仕事は、自分のためでもあるけれど、家族を養っていく
    ためのものでもある。でも、五十歳からの二十五年間は、医師の
    仕事をそのまま社会に役立てることができると思っている。五十
    を過ぎてからの二十五年は、私は社会のために使っていきたいと
    思っているんだ」

    耳鼻科医となり、結婚後に伴侶の仕事の関係でアメリカに渡り、
    そこで出会ったポーランド系アメリカ人の男性医師は有言実行
    の人だった。

    言葉通りに50歳で職を辞し、医療体制が不十分な南米に旅立った。

    このポーランド系アメリカ人医師の言葉は、医師として自分はどう
    あるべきかを模索していた岩崎美恵子に強い印象として刻まれ、
    日本初の女性検疫所長であり、感染症予防医学の第一人者を
    誕生させるきっかけとなった。

    医師としての仕事しながら3人の子供を育て上げ、50歳を過ぎ
    てから専門外である感染症を学ぶ。本書は感染症予防に尽力
    する岩崎恵美子の活動を追ったノンフィクションである。

    既に耳鼻科医として確かな腕を持った医師が、向上心・研究心
    を失わずに挑戦し続ける岩崎氏の姿は、「これぞ医学者」なの
    だろうと感じた。

    研究書や論文を読んだだけで、感染症に対応することは出来ない。
    実際にどのような症状が出るかを理解していなければ、早期に
    適切な診断を下すことが難しい。

    それを実感した著者は自ら望んで感染症が多発している地域に
    赴き、実際に患者の治療にあたる。

    感染症は完全に予防することは出来ない。ならばどうするか。
    海外へ渡航する人に対しての啓発であり、予防接種の推進で
    あり、情報の発信である。

    岩崎氏が勤務した成田空港の検疫所でも、仙台検疫所でも、
    周囲では「そんなことは出来ません」の声が多かった。それを
    説得し、感染症予防のみならず検疫所がどんな機関であるのか
    の広報に力を入れて行く。

    感染症を最小限に留めたい。その思いが岩崎氏を突き動かして
    いる。非常にパワフルな人だと思う。

    幾重にも予防策を講じても、「絶対」ということはない。いくつ
    もの場面を想定し、準備を怠らないことなのだと思う。

    岩崎氏の活動を丹念に追い、感染症の怖さもじわじわと伝わって
    来る。若干、文章が読みにくい部分もあったが、概ね興味深く
    読めた。

    ただ、私は岩崎氏が感染症の専門家になるきっかけとなった
    ポーランド系アメリカ人の医師の「その後」の方が気になって
    しまったのだけれど。

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    2019年05月01日
  • 朱鷺の遺言

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    朱鷺を守ろうとする人々の情熱がすごい。国があまりに分からず屋で苛立った。朱鷺の命を守るため、朱鷺との友情を裏切る悲しいエピソードが心に残った。

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    2018年12月02日
  • パンデミック―感染爆発から生き残るために―

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    丁度新型インフルエンザが騒がれてた頃に、パンデミックについて記述した一冊。

    インフルエンザに限らず、デング熱やマラリア、はしかなどの脅威と、それを防ぐためのプレパンデミックワクチンの重要性を知ることができた。

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    2018年04月14日
  • 車いす犬ラッキー 捨てられた命と生きる

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    車イス犬がいることは知らなかった。動物病院がない島で犬を飼うことは大変である。犬と飼い主との信頼関係ができていて、心温まるお話であった。

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    2018年01月13日
  • 政治家やめます。 ある国会議員の十年間

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    父は土建屋から国会議員になり、後に自民党田中派の有力
    幹部となった久野忠治。政治家である父の姿を見ながら、
    「とても自分には政治家は務まらない」と、息子は思って
    いた。

    いくつかの転職をし、旧日本道路公団で道路の建設に係わる
    サラリーマン生活を送っていた息子に、ある年の正月、父は
    頼みごとをした。「名古屋まで車の運転を頼めないか」。

    その父の言葉で、サラリーマン生活に終止符が打たれるとは
    本人も思っていなかった。父の地盤を継ぎ、二世議員として
    3期10年に渡り国会議員を務めた久野統一郎の10年を綿密
    に描き出したのが本書だ。

    「普通の人の、普通の人による、普通の人の政治」を目指した。
    議員宿舎から国会に通うのは地下鉄、ネクタイは地下鉄駅構内
    のワゴンセールで買った500円の品。議員バッジさえ付けて
    いなければ、どこにでもいるサラリーマンに見えるだろうな。

    そんな統一郎が政界デビューを果たしたのは、リクルート事件
    や東京佐川急便事件が立て続けに起きて政治不信真っ只中の
    時代だった。

    それでもやっぱりお金が飛び交う政治の世界。金丸信や小沢
    一郎から配られる盆暮の「氷代」「餅代」の話が生々しい。

    国会議員だからと言って、国政だけに係わっていればいいとは
    いかない。地方選挙で誰の応援につくか。地元での挨拶回り、
    支援者との付き合い。しがらみだらけで、「国会議員って
    いつ、国政の仕事をしているんだろう」と思うくらいだ。

    常に政治家には向いていないと感じながらも、阪神・淡路大震災
    の際には現地対策本部長として多忙な日々を過ごし、中部国際
    空港の建設、愛知万博の開催にも奔走した。

    だが、それも10年が限界だった。所属する自民党が与党でいたい
    ばっかりに、それまで大いに批判して来た公明党と手を結ぶに
    あたって、「辞めたい」と思う方に統一郎の心の針は大きく
    振れた。

    「向いていないので辞めます」。老齢でも、落選でもなく、
    10年を一区切りと、普通の人なら定年を迎えている歳だから
    と、政界からの引退を表明する。

    普通の感覚を持ち続けようとしながらも、政界の常識に晒され
    ていく苦悩と迷いが赤裸々に綴られている。だた、自身の利益
    供与等についての描写が少々足りないのかな。

    しかし、政治家っていうのは本当に普通の感覚じゃいられない
    ものなんだな。統一郎じゃないが、「政教分離が出来ていない。
    憲法違反じゃないか。池田大作を国会招致しろ」なんて言って
    いた自民党が、今じゃ公明党と大の仲良しだもんな。

    そして、何故、二世議員が多いのかもよく理解出来る。維持して
    来た地盤の後継指名を誰にするか。そりゃ、自分の子供にした
    方が支持者にもすんなりと受け止められるんだろうな。

    北海のヒグマ・中川一郎亡き後の、息子・昭一と秘書だった鈴木
    宗男の骨肉の争いなんてものあったもの。

    本書の終わりの方で、偶然電車に乗り合わせた男性から「久野
    先生」と呼びかけられて、自分はもう政治家じゃないから先生
    とは呼ばないでくれという統一郎。国会議員であった10年間は、
    父親への孝行だったのかもしれない。

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    2017年08月20日
  • 政治家やめます。 ある国会議員の十年間

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    代議士の息子だが、サラリーマンをやっていていきなり後継者にされてしまって、10年間は我慢した久野。
    陣笠代議士?のリアルな日常が載っていて面白い。

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    2018年10月20日
  • 熟年恋愛講座 高齢社会の性を考える

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    あまり知らない世界に触れ合うことが出来て、なかなか興味深い内容だった。ただ、若者の性を扱う論評とかでもそうだけど、誇張が過ぎるきらいがありますね。もちろん筆者も、皆が皆、性に貪欲とか言いたいわけじゃないと思うけど、書かれている内容を見ると、ともすればそう受け取られかねないような印象も。まあでも、自分のみに置き換えて考えてみても、なかなか深刻な問題ですよね、このへんって。高齢化が進む中で、どういう解決策が見出されていくのでしょうか。

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    2016年08月04日