小林照幸のレビュー一覧

  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    絶滅動物物語3にミヤイリガイが出てくるので、読んでみた。
    先人達の犠牲や、医師の苦労の末、漸く日本住血吸虫症が100年余かけて収束した記録である。
    日本住血吸虫症の患者の症状はあまりに酷い。だから、原因を追求し、病気を治したいという気持ちがとても理解できる。
    調査していくにつれて、原因となる寄生虫が発見された。また、その寄生虫の成長の過程でミヤイリガイが中間宿主であることを突き止める。そこで、寄生虫の成長を阻止する為、ミヤイリガイを根絶させることになり、薬剤や河川の工事などを行うことにより、ミヤイリガイの生息を阻害してきた。その結果、ミヤイリガイが激減し、同時に日本住血吸虫症患者も減った。官民

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    2025年09月13日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    絶版になってたハードカバーを一度借りたものの挫折し、単行本が出たので買ってきた!!今度は3日で読み終えました。

    日本各地に見られる謎の地方病の原因を紐解く話。
    非常に素晴らしい本!!

    前に途中まで読んだ時も思ったけど、藤井先生から始まった研究者の生涯をかけた研究リレーや杉山なかさんに強く心を打たれました。
    感じたことは沢山あるけど上手く言い表せない!
    ただ、私が今生きるこの環境も、さまざまな先人たちのたゆみない努力の上に成り立っているんだ、すごくありがたいことだと思った。

    私は平成生まれなので昭和天皇のことはほぼわからないけど、この本を読んで皇族の方が科学や医療など、そのような学術的な方

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    2025年08月30日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    2日で読んでしまった。
    文献的な記録としては江戸初期、本書は1844年に広島で水腫脹満というお腹が膨れ、重症者は死に至る古来からの謎の病気が流行している所から始まる。
    私はこの本を読む前、日本住血吸虫症という言葉を今まで聞いたことすらなく、明治の時に流行した遠い昔の感染病と思い込んでいた。
    しかし、最後まで読み進めるとこの感染症は私が生まれた平成まで続き、今なお世界では流行していることを知った。
    未知の感染症が流行したとき、人々は過去の記録や知識を総動員して原因の究明をする。そこには多くの人の死や動物実験による犠牲がある。それでも人類はそれらを克服してきた。
    この本はその一例を示しており、明治

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    2025年08月17日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    病気の原因究明から撲滅まで、人類の長い戦いを描いたノンフィクション。
    医者と住民の戦いへの情熱が注ぎ込まれている。こんな歴史があった上で生きているのは、大変ありがたいことや

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    2025年07月08日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    風土病がない現在の生活は、先人たちの苦労があったからこそと感じた。
    解説にあるように、高校の歴史総合で扱ってほしいと化思う。

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    2025年05月12日
  • 死の虫 ツツガムシ病との闘い

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    古来から不知の病、原因不明だったツツガムシ病。ベルツ、北里柴三郎などの大御所も調査、研究する等医学者たちの試行錯誤、苦闘を描く医療ノンフィクション。
    アジアに広く分布するダニが媒介ししかも新潟、秋田など限られた地域でのみ毒性の強いリケッチアを保有するに至ったのか、自然界の謎である。
    現在は医学の進歩により治療できる病気であるが、発見、診断が遅れると命にかかわる病気であることに変わりはない。
    エボラ出血熱だったりコロナだったりヒトが生物である限り病との対決は終わらない。

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    2025年04月20日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    ネタバレ

     先人たちがこの感染症と闘ってきたことが、日本の衛生観念の発展や山梨の果樹園発展等に寄与していることを知れて嬉しく思った。これは一種の日本史であり、私のような若い世代も知るべき内容であるし、学生時代に知りたかった。

     自分の時代にはもう関わっていないものだと勝手に思っていたが、100年以上前から最近まで存在していたものであることを知り、驚愕した。

     死の貝というタイトルについても考えさせられる。

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    2025年04月09日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    タイトルがもう怖い。そしてサブタイトルを見ても何のことやら分からない。貝に寄生する虫が起こす恐ろしい病気だということが読み始めてすぐに分かるのだけれども、本文に入る以前に目次のすぐ後にある資料にまずものすごい衝撃を受ける。

    写真のインパクトがすごい。限界かと思われるほど膨れ上がったお腹、三人並んで写った男性の比較写真で、小学生中学年くらいに見える人が実は25歳男性であること(本文によれば感染が重くなると著しく成長が阻害されるためらしい)、寄生虫のおぞましい姿やその感染経路や変態の仕方、宿主となる貝があまりに小さいことなど、もう本文を読む前からすさまじい。

    これを突き止めあらゆる考えられる対

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    2025年03月21日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    特定の地域に伝わる奇妙な病。それをなくすためにどれだけの人たちが関わってきたのか。
    ただの伝承で終わらせず、原因を探してきた医師の方たち。自らの死後解剖を申し出た方。原因解明のために犠牲になった猫の姫ちゃんを始めとしたたくさんの動物。原因が貝を媒介とした寄生中としたときに、それをなくすために流行地で活動してきた人たち。
    普通に過ごせる日常は当たり前じゃないこと、沢山の人や生き物に感謝して生きていかなきゃいけないなと改めて思った。

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    2025年02月24日
  • 死の虫 ツツガムシ病との闘い

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    本編は300頁に満たない作品だがそれ故に濃縮された濃さと面白さがある。
    謎の風土病の正体に迫る。これだけで興味を惹かれるのにそこから病原体の正体の究明、解決へと向かうのに明治、大正、昭和、しかも戦前から戦後まで駆け抜けるのだから医学者たちの執念には恐れ入る。今では正体が判明した病でも、当時では悪魔の振るう鎌のような恐ろしさがあった。読み応えがあって実に良い一冊である。

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    2025年02月18日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    江戸時代以前から山梨を蝕む、腹が膨れ死ぬ奇病。原因や発生過程を特定し対処法を考える医者、研究者、官民の闘い。

    wikipedia三大文学の一つとも言われる日本住血吸虫の話。一つの病気を絶滅するのにこれだけの苦労と工夫があるのかと圧倒された。

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    2025年01月19日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    目黒寄生虫館に行ったときに、「なぜ蚊は人を襲うのか」とセットで買った本。
    なかなか難しそうな気配がしたので、読みやすそうな「なぜ蚊は人を襲うのか」を先に読んだのだった。
    が、結果として難しくはあったものの、とても読みやすかった。というか面白すぎて一気に読めた。

    いや、最初から最後まで悲惨な出来事なので面白いと言ってしまってはいけない雰囲気を感じはするものの、いや、面白かったとしか言いようがない!名著。
    まだ解剖が一般的でなかった時代に、主婦が自ら検体に申し出るシーンや、とうとう長い闘いが終わったときの宣言とか、何度か泣きそうになったレベル。

    人の力が及ばないはずの強大な魔王に「これが、ヒト

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    2025年01月17日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「Wikipedia3大文学」としても有名な「地方病(日本住血吸虫)」の治療に関わった医師の記録である。山梨県に発生していた病の解明と治療法を見つけるために、多くの人の努力と熱意があったかがわかる本である。
    現在の日本で、寄生虫病とはほぼ無縁の生活をしている自分には到底理解し切れない恐怖、不安があっただろうと想像できる。現代の日本に生まれたありがたみを感じずにはいられなかった。
    また、未知の病を研究するために、原因究明の方法や患者にどのようにアプローチするかも興味深かった。

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    2024年12月31日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    すぐ近くに筑後川があるものの病気予防のために川で遊ぶことを禁じられていた、それを可哀想に思ってブリヂストンの石橋正二郎さんがプールを作ってくれた、というような事を久留米市に住んでいた頃に年配者から何度も耳にした。その話が気になり、日本住血吸虫とミヤイリガイについてはWikipediaで読んで凡そは知っていたつもりであったが、本書を読み、正体不明の「風土病」について原因から治療法、根絶まで沢山の研究者の想いを感じた。
    この病気を根絶する流れで、山梨の葡萄栽培とワインや筑後川河川敷のゴルフ場が出来たのは凄く興味深い。かつて、さまざまな方法で絶滅を目指したミヤイリガイが今では絶滅危惧種に指定されてい

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    2024年12月03日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    読む前は地方病も知らなかったし
    たかが病気を追う本か、と甘く見てた
    読んただら体を張って命を張って
    追求し続ける姿勢に圧倒された。
    未知の病だったものにはこれ程の犠牲と
    探求と地道な努力の上に現代の医療が
    あることに感謝してしまう

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    2024年11月09日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    単行本から26年。
    今年、文庫本として刊行された。

    日本住血吸虫症撲滅に尽力されたみなさんには頭が下がる。
    補章で書かれている。
    ミヤイリガイの発見はノーベル生理学・医学賞の受賞に十二分に価する。

    地方病の終息を願い闘った人たち。
    丁寧な取材を重ね執筆をされた小林照幸さん。
    そのお陰で感染症について知る事もできた。

    P321
    ミヤイリガイと共生、共存をしてゆかねばなるまい。

    単行本の『死の貝』というタイトルに
    文庫版ではサブタイトル『日本住血吸虫症との闘い』が加えられたという。
    その経緯を読むと、終息はしたけれど
    感染症など、新たなウイルスとの共生、共存をどうするべきか。
    いまも、闘い

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    2024年11月04日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    この恐ろしい小さな貝の根絶に、こんなにも時間と労力をかけていたとは知らなかった。医療関係者や学者、行政機関、住民が一体となって成し遂げた功績は尊くて素晴らしかった。
    今、不安なく田圃や池に手足を入れられることに感謝したい。

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    2024年10月29日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    Wikipedia三大文学として有名な「地方病」に関する本だということで。
    Wikipediaをちゃんとは読んでなくてざっくり概要のみ知っていた状態で読んだけど壮絶でした。
    寄生虫が原因まで分かったら飲み水のせいだと思うじゃん?よく突き止めたもんだ。

    なぜ山梨では果樹栽培が盛んなのか?考えたこともなかったなぁ。

    三大文学の残り、
    「三毛別羆事件」
    「八甲田雪中行軍遭難事件」
    も俄然気になってきますね。(コワイヨー)

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    2024年10月27日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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    さすがにウィキペディア3大文学。
    40~50年前までは地方病はまだまだ恐れられていたけど今では全然聞かないからこういう記録がきちんと残るのは良いことだと思う。

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    2024年08月30日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

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     古くは『甲陽軍鑑』に記述があるらしい。
     武田氏滅亡直前の勝頼が府中を捨て岩殿城に向かう途中、ある足軽大将が、腹が水で膨れあがり歩けなくなり殿の供をすることが困難になったと暇乞いをした。勝頼はその足軽大将の姿をみて、その気持ちだけで十分である、と涙を流していたわった、という。
     のちに「日本住血吸虫症」と呼ばれる寄生虫により引き起こる病は腹が大きく膨らむ(水腫張満)一方で、手足はやせ細り、衰弱が激しいことが特徴だ。

     『腹に水がたまって妊婦のように膨らみ、やがて動けなくなって死に至る――古来より日本各地で発生した「謎の病」。原因も治療法も分からず、発症したらなす術もない。その地に嫁ぐときは

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    2024年08月25日