泉谷渉のレビュー一覧
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泉谷氏が将来の自動車がどうなるのかについて、ご自身の取材をもとに書き上げた本です。彼の本はこれで4冊目となりますが、今までに読んだのは同じく興味を持っている、シェールガス・オイルに関する本でした。綿密な取材をベースに書かれた本だと記憶しています。
今回のテーマは将来の自動車はどのように変化していくのか、電動化される、と一言でいうことができますが、ハイブリット・プラグインハイブリッド・電気自動車・燃料電池車が普及していくにあたって、既存の自動車メーカが主導権をとりつづけられるのか、部品メーカが強くなるのか、それは日系メーカなのかが焦点です。
結論を言えば、日本の製造業の部品メーカは素晴らしい -
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DRAM(PCのメモリなど)の唯一の日本企業である「エルピーダメモリ」が、会社更生法の適用を申請しましたね。
大変、残念な事態です。
業界筋で有名な体育会系の坂本社長も、さぞご無念の事でしょう。。。
韓国勢に惨敗なのが、さらに悲しいところです。
そんな半導体業界にスポットを当てた書籍です。
自社製品に使用している半導体業界の知識吸収のために読んでみました。
さすがに1秒では、わかりませんでしたが(笑)、非常に要点をコンパクトにまとめており、業界の概要を理解できました。
よく理解できたのは、特にエルピーダメモリが製造しているDRAMという半導体は、言うなれば”株”のように、市場原理に -
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・電炉は日本が世界に誇る方式。鋼1トンが銑鋼一貫方式に比べ、1/5のエネルギーで済む。国内の鉄鋼在庫30億トン20年でリサイクルしていけば、年1億5千万トンで、鉄鉱石を買わずに済む。
・自動車用鋼板が電炉でできれば、上記のことが起こりうる。それには脱 銅の進歩が必要
・新日鉄は合併の際、余分になった高炉を一本生体解剖した。(巻き替え→吹きどめのプロセスでなく、停止させた)これによって、豊富なデータが得られ、技術力が格段に進歩した。
・半導体の初期の技術者はほとんど海軍技研出身。レーダー技術の遅れで敗戦した悔しさ
・窒素ガリウムはLED電球の基礎素材であり、IGBTと呼ばれるパワー半 導体の基礎 -
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世界の主要産業のマーケットを概観すればトップがエネルギー産業で1000兆円、医療産業はこれに次ぐ規模で520兆円。このうち医療サービスが430兆、医薬品70兆、医療機器が20兆円となっている。医療産業の成長率は年8.7%と非常に高い。医療機器について言えば、アメリカ8兆円で、日本はこれに次ぐ2.5兆円の市場規模となっている。先端医療機器のCTの世界出荷の2分の1を占め、重粒子線がん治療装置であれば世界シェアほぼ100%など、知られざる日本の医療産業力を10章にわたり紹介する。電子部品、MEMS、バイオ、機械工学、化学、金属など、あらゆる分野で世界一の技術力を持つ日本。様々な技術がクロスオーバー
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従来のエネルギーが抱える①埋蔵量、②コスト、③CO2といった問題すべてを解決してしまうシェールガス。100年に1度のエネルギー革命に今、アメリカは沸きに沸いている。製造ラインが中国から再び本国に移り新規雇用は200万。デスタウンと化したデトロイトさえ復活するとも。シェールガス革命を後押しする技術排出国である日本もこの恩恵にあずかる。素材、プラント、船舶、汚染処理システムに至るまで、日本の技術が縦横無尽に活用されている。本書では具体的会社名をあげ、それぞれの強みが詳細に解説されている。終章では日本の切り札メタンハイドレードについても触れられている。実用化の壁はまだまだ厚いが将来への期待はいやがう
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ネタバレシェールガスのもたらす恩恵から衰退まで、過去に石炭から石油へのエネルギー転換で起こったことが今回は石油からガスで再び起こると論じている。
内容は、シェールガス革命の背景から紹介されており、将来の事業拡大を見据えた米国メジャーが早い段階から技術投資してようやく実を結んだのがシェールガスである。シェールガスが石油と異なる点は世界中のいたる所に存在していることであり、それ故に資源輸入国であるアメリカが一転して資源大国へ転身できたのである。これは資源輸入国である中国や南米でも輸出国になれること、そして、エネルギー価格の下落に繋がる。
世界中にシェールガス開発が進むとその技術に関わる企業が儲かるという流 -
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シェールガスという言葉を初めて聞いてそろそろ1年が過ぎようとしています。多くの本で主に米国で生産されるであろうシェールガスを生産するのに、日本企業の技術は欠かせないと書かれています。所々に企業の名前が出てきますが、この本は、それらを分野別にまとめて整理してくれているので頭が整理されて、私としては重宝しました。今後、株を買うことがあればそれを選ぶときにも参考にできると思いました。
私が社会人になった平成元年から、つい最近までは軽薄短小産業がもてはやされてきましたが、いよいよ日陰の存在だった重厚長大産業が復活するようですね。日本はこれらの技術を捨てなくて本当に良かったと思います。また、物心ついた -
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ネタバレシェール層に高圧水を当ててガスを取り出す。
価格は石油より安く、CO2排出量は40%ダウン。
アメリカの埋蔵量だけでも160年分。
2010年においてアメリカ天然ガス使用量の23%。
10年以内にエネルギー需要の30%を超える。
中国の埋蔵量は世界一だが、内陸にあり、水の供給が困難。
日本にとってシェール革命は追い風。
高圧水やパイプラインのパイプは住友金属製。発電所のタービンはIHI製。コマツ製の大型ダンプとブリジストン製の巨大なタイヤ。
再生可能エネルギーの効率は低い。
日本のメガソーラー計画を最大に実現しても電力需要の1%しかまかなえない。
化石燃料によるビジネスは延命される。