宮本喜一のレビュー一覧
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ネタバレ2015年の52冊目です。
内燃機関で燃費向上を目指したマツダは”持たざる者の遠吠え”と揶揄された。
マツダが進めてきた戦略を分かりやすく解説した部分が興味を引いた。私は、
内燃機関のエンジニアリングに関する知識が無いので、圧縮比や機会損失をどうするといった技術的記載部分はちょっと駆け足で読んだのですが、そういった技術の方向性への揺らぎがなかったことが、今のマツダの成功を導いていると思います。恐らくマツダでも自分の担当領域を分業してやっている社員がほとんどだと思うので、会社の戦略的な取組やマネージメントの動きなどは知る由もなかったと思います。そういった意味でもこの本は、マツダ社員自身にしっかり読んでもらい、自社の歩みと現状をしっかり認識して仕事に取り組んで欲しいと思いました。
そうすることで、マツダの進化が継続できるのではと考えます。
一方で、山内社長や金井会長、藤原専務に人見専務といった、傑出した人財によって会社が救われ発展してきたんだと感じ、属人的な要素が強いことも確かです。
こういった”人”による企業経営の成否は、少しRiskも感じます。
今後安定的に企業として存続するためには、”人的”と”組織的”の両面で、力を発揮できる状態を作り出すことが求められているのだと思いました。 -
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この本にこの年(40)まで出逢えなかったことをうらめしく思います。同時に、この本に人生の中で出逢えたことに心から感謝します。
本書は1955年に当時米国上院議員の職にあったジョン・フィッツジェラルド・ケネディ自身が、8人の先輩上院議員(米国南北戦争前後の議員)が身をもって示した勇気について記したものであると同時に、後に著者自身が米国第35代大統領として全世界に向けて身をもって示した数々の「重圧のもとでの気高さ」の根源に触れることができる貴重な一冊です。
本書のタイトルを見た時、「口に正義を唱え始めた瞬間から、その人の不幸が始まる。」というある人の言葉を思い出しました。私的にはこの言葉は一定の事実を的確に表現していると考えています。
しかし本書は、勇気・良心・信念・誠実さといった問題を扱っているものであり、それらと正義を明確に区別していました。正義については扱っていません。それ故に、本書は60年近くたった今も色褪せず輝きを放っているのだと思います。
著者は本書の最終章(第11章 勇気の意味)において、慎重に言葉を選びながら自らの言葉の最後を次のように締めくくっています。
「過去の勇気の話は、勇気の構成要素を明らかにしてくれる。過去の話から学び取れるものがある。過去の話は希望の源であり、創造的刺激を与えてくれる。しかし、それは勇気そのものを我々に授けてくれるわけではない。この勇気を求めて、われわれは一人ひとり、自分自身の魂の奥底まで目を凝らさなければならないのだ。」
我が国にも勇気・良心・信念・誠実さを学べる事例はあります。それでも本書は、我々日本人も読む価値のある、世界的な名著であると思います。
本書に出逢えたことを、心より幸せに感じます。 -
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イスラエルについて、宗教的、歴史的位置づけくらいしか知らなかったが、その特殊性故に、ITをはじめとするベンチャーが多数輩出されることにつながったことがよく理解できた。
また、わずか半世紀あまりの間に世界各地から移民してきたユダヤ系の人々からなる社会、今も世界中に分散するユダヤ系の人々とつながっている民族の連携、周辺各国から頻繁に軍事的攻撃を受けている人口わずか700万人の国家というものを、内部から現実として描いていて、とても興味深かった。
2年間の徴兵制があり、その後も予備役として毎年一定期間兵役に戻るシステムのために、業界・社会階層を超えた人脈や連帯感が生まれている。
国土も人口も少なく、建国からの歴史も短い小国が周囲からの攻撃に対応し、国力を増していくために、年功序列、目上目下という概念に囚われていられず、世代を超えてタメ口を使う対等なコミュニケーション。
単一言語、単一民族、海洋国家の日本とは、似ても似つかないイスラエルの社会、産業、ビジネスのありようは、とても興味深く、刺激的だ。 -
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■マインド
1.成功とはいつまでも続く人間関係を築き、相手に奉仕することだ。
2.完璧さが最後の最後になってい手に入るのは、何も付け加えるものがなくなったときではなく、何も取り去るものがなくなったとき。
3.誰も相手に向かってその人がどんなリスクをとるべきか言えるはずがない。ここで強調したいのは、自分が大好きな道をその結果の良し悪しにかかわらず選択するべき、ということだ。
4.毎週少しだけ時間をやりくりし、仕事中あるいは仕事のあと、なんらかの方法で自分がもっている他の情熱を試してみることだ。
5.人に与えられた時間は限られている。だから、誰か他の人の人生を生きて、その時間を無駄にしてはならない。
6.ビジョナリーな人たちは、自負心というものは、挑戦し、そして失敗する、また挑戦し、失敗する、そしてささやかな勝利をこつこつと積み上げ、毎回少しずつよい仕事をするところから生まれる、と主張する。
7.経験は厳しい先生だ。まず試練を与え、教えてくれるのはそのあとなのだから。 -
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イスラエルにおける豊富なベンチャー起業の背景を解説した本。国民徴兵制の中で生まれる濃い人間関係、エリート部隊の存在。上下関係なく議論を行い、失敗を厭わない国民性。国が中心となったヨズマ基金によるベンチャーキャピタル。帰ってくるユダヤ人達。その中に占める技術者の比率の高さなど。また、異なるテクノロジーをマッシュアップする活発な動きなど、いわゆるオープンイノベーションを実現している点は感銘を受けた。
特に徴兵制を採用しているイスラエル、シンガポール、韓国の3国を比較しているくだりは成る程と思わせる。また、イスラエルの今後についても地政学的リスク、頭脳流出の可能性など、冷徹に整理している。
09年の書物ということで内容が古くなっているのではないかと心配したが、あとがきにおいて11年段階のフォローアップが行われており、丁寧なフォローだと感じた。ちなみに小さな文字で謝辞が数ページ書かれている。その最後のところで、著者二人も、このイスラエルの長い物語の主人公の一部なのだと感じた。
それにしても、この邦題はいただけない。Start-up Nationという原題の方がしっくり来る。 -
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数あるビジネス書の中で不朽の名著と言われる「ビジョナリーカンパニー」。その共著者の一人ジェリー・ポラスが成功し続けている人々にスポットをあて、書いたのがこの「ビジョナリー・ピープル」です。
正確に言うと「~ピープル」は「~カンパニー」とは独立した書籍で出版社も異なります。装丁や構成は「~カンパニー」と似てますが、筆者・訳者も違うせいか、微妙に文体が違います。どちらかというと「~カンパニー」の方が読みやすいです。でも、精緻な調査と分析に基づく深い考察は「~カンパニー」を受け継いでます。
様々な分野で活躍する200人以上の 人々のインタビューがベースとなっているのですが、多くの伝記と違うのはその人の価値観に共感するのではなく、思考や行動の特徴から学ぶという姿勢です。
この本からの学びを一言で表すと「成功とは他者からの評価ではなく、自分の生きる意義を自ら見出し、誠実に追い続けること」でしょうか。導かれた結論に 意外感は少ないかもしれませんが、やっぱり行き着く先はここなんですね。
金銭・地位・名誉という世間的な成功を否定しているわけではないですが、当の本人にとって最も重要なのは意義。もし、金銭・地位・名誉が得られていなければ、「愚直」という表現の方が近いのかもしれません。
「~カンパニー」を読んでなくても読めますが、「~カンパニー」を引用している部分も多いので、先に「~カンパニー」を読んだ方が理解は深まるかもしれません。
生きる自分を再度見つめたい方、是非どうぞ。 -
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名著ビジョナリーカンパニーの自己啓発版。ビジョナリーシリーズの亜流かもしれないが、ビジョナリーカンパニーより身近に思えて、必読の一冊。
英治出版HPより目次
序章 「ビジョナリー・カンパニー」から「ビジョナリー・ピープル」へ
第1章 改めて成功を定義する
第2章 情熱と意義を追求する
第3章 情熱はひとつだけではない
第4章 誠実な姿勢をつらぬく
第5章 静かな叫びに耳を傾ける
第6章 カリスマは大義に宿る
第7章 失敗を糧にする
第8章 弱点を受け入れる
第9章 思いがけない幸運に備える
第10章 論争を盛り上げる
第11章 すべてを結集させる
著書の成功の定義が興味深い。ただ単に富や英声といった物質的な成功ではなく、生涯の生きがいを見つけ、情熱を持って人生をかける、もっと深い意味で成功を定義している。
著書では、著名人に直接インタビューを行ない、生の声を聞くことで、より著書の説得力を高めている。インタビューを重ねていくうちに、著者なりの「ビジョナリーピープル」を定義している。
「ビジョナリーピープル」になる第1の条件として、自分の好きなことを仕事にすること。この条件で、大多数の人は脱落してしまう。好きな仕事であれば、情熱を持って仕事にも打ち込めるし、人生も豊かになれる。自分の好きなことを仕事にするってのは、本当に大きいことだと思う。好きな仕事をして、それでお金を稼げれば、確かに幸せだし、いい人生生きてるなって思える。自分の好きなことを仕事にしてるかどうかで、この本の読み方が変わってくる気がする。 -
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J.F.K.ことジョン・フィッツジェラルド・ケネディは、93年まえの1917年5月29日に生まれたアメリカの第35代大統領。
二十世紀最高のリーダー? 何故か日本でも、クリーンなイメージが定着しているようですが、ご多分にもれず私も小学生の頃は正義の味方みたいに思っていたのですが、あにはからんや、実はとんでもない食わせ者かも知れません。
たしかに、第三次世界大戦にもなりかねないキューバ危機の回避とか、黒人問題への取り組みなど、その成し得た功績は大きいように喧伝されていますが、キング牧師の釈放など黒人差別撤回運動への理解などは、どうもかなり政治的に利用した面(黒人票の獲得)がみえますし、最大の汚点・犯罪的な行為は、なんといってもあの時代、ベトナム戦争への積極的介入をしたことによる泥沼化に寄与した張本人だったことと、マフィアとの黒い関係、新興の独占資本の代弁者としての動向が、やがて世紀の一大イベントとなる狙撃暗殺事件にいたる要因となるとは、お釈迦様でもご存じありませんでした。
1963年11月22日、折りしも日本とアメリカのあいだの最初の衛星通信テレビ中継が始まろうとしているとき、何が見えるのかドキドキしている次の瞬間、画面に映し出されたのは、テキサス州ダラス市内をパレードするケネディ大統領が撃たれるシーンだった、といいます。
これを小学5年生のときの父は、ちょうどクラスのみんなで教室の小さなテレビ画面を食い入るように見ていて実体験したといいますが、最初、なんだ映画かドラマなんだ、と思ったらしく、でもすぐ実際の映像だというこを理解して、それこそ跳び上がって驚いたそうです。
もちろん本人の実力はたしかにあるのでしょうが、中原中也とかジェームス・ディーンとか松田優作とか尾崎豊などといった夭折した人たちが、実像以上に過大評価されるきらいがある傾向と同じように、この暗殺されたということ事体が、何かしら悪によって正義がないがしろにされたという印象を強くさせるものが、必要以上にあるのかも知れません。
この本は、情熱に燃えて理想と主義主張を、信念と良心を高らかに歌い上げて人びとを感動させた本であり、あの有名な「国が自分のために何をしてくれるのかではなく、自分が国のために何ができるのかを問いかけていただきたい」というフレーズが象徴するように、政治家としてのマニフェストとでもいうような、いま読むとかなり空虚なとりつくろった文章に思える、でも当時は熱狂的に支持されて読まれた本です。ちなみに、これは1950年代の大ベストセラーでピュリッツアー賞を受賞したということです。
理想と現実、真実と政治、言葉と実際など、相克するこれらのテーマはむかしも今も変わらない、いやひょっとして、もしかして愚鈍で狡猾な人間のことですから、永遠に解決できないものとしてあるのかも知れません。 -
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永続的に成功を収め、世の中に大きな影響を与え続けている人々の特徴や性質をまとめ上げ、分析を加えた本。著書は、彼らビジョナリー・ピープルが成功を収めている秘訣を「自分なりに定義した意義」「創造力のある思考スタイル」「効果的な行動スタイル」の三つに分け、それぞれを詳しく説明している。
結論としてのメッセージは、自分自身にとって生きがいのある人生を送ることが永続的な成功の鍵であるとのことだ。しかし、変化の激しい現代において、そのような生き方をしていくのはそう容易いことではない。したがって、自分自身にとって生きがいのある人生を送るための工夫や注意点についても、本書では詳しく述べられている。本書の記述では、数々のビジョナリー・ピープルの生き方が具体的な事例として取り上げられているため、それが理解の助けとして大いに役立つ。
本書を読み終えて、やはり最も難しいと感じたことは、「自らが愛情や情熱を注げる、生きがいと出来る対象」を見つけ出すことである。本書に登場するビジョナリー・ピープルは、全員例外無くそれを持っている。しかし、本書ではこの点において十分な分析がなされていない。
生きがいと出来る対象は、どのように見つかり、どのように育つのであろうか。この問いに対しては、他の書籍あるいは自身の人生を通して回答を試みていきたいと思う。 -
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ソニーの創業者である井深大氏が目指し、実践してきた企業の社会貢献とは。ソニーの社会貢献という観点で、井深氏の功績を辿った一冊。
井深氏は、ソニーの前身である東通工を設立するときから、社会の役に立つことを考えていた。そのことは設立趣意書からも読み取れる。そして、会社として経営が軌道に乗るとそれを実践し始めた。それは、企業の社会貢献、社会的責任が問われるようになるずっと以前のことである。
そうして生まれた「ソニー小学校理科教育振興資金」は「ソニー教育財団」として、「特機科ソニー」は「ソニー・太陽」として、「すぎな会」は「希望の家」として、大きく発展して今日に至る。
井深氏の志と人間性、行動力に改めて感服した。翻って、今日のソニーは、「ソニースピリット」などといってはいるが、本当の井深氏の精神を引き継いでいるのだろうか。 -
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今どきのビジ本っぽいタイトルになっているけれど、その内容は『イスラエルの作り方』とも言えるもの。
なぜあのような小国がこれほどのプレゼンスを持っているのかを、具体例を挙げながら(やや冗長気味に)解き明かしている。ポイントはいくつもあるけれど、中でも重要なのは軍の存在。そこで共に時間を過ごした横のつながりが大きくものを言っている。さらに、軍を持っている他の国と大きく違うのは、上下関係の厳しさに縁がないということ。規律を守りつつ、自己主張はする。小国ならではの国家戦略は、こんなところにも垣間見える。
では、軍を持たない日本は見習うべき点はないのかというと、決してそんなことはない。一人が何役もこなす「マッシュアップ」は、業種や分野の壁が高い日本こそ、見習うべき発想だと思う。先日読んだ『ソーシャルインフルエンス』の中で、本田哲也が指摘していた職種のクロスオーバーがまさにコレにあたる。